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【獣医師監修】猫がふみふみ足踏みするのはなぜ?猫の気持ちと注意点を解説!

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はじめに

猫を飼っている方でふみふみと足踏みするのを目撃して理由が気になる方は多いと思います。

猫はリラックスしている時に足踏みする場合が多いですが、実はそれだけではありません。

ふみふみしている状況によっては病気や疾患を抱えている可能性もあるのです。

今回は、猫がするふみふみ行動について詳しく紹介します。

足踏みしている時の気持ちや注意すべき足踏み、ふみふみしてもらうためのポイントなどもまとめているのでぜひ参考にしてください。

猫がふみふみ足踏みするのはなぜ?

猫がふみふみするのは、子猫の時期に母猫の母乳を出すために前足を押し出す行為の名残だと考えられています。

母猫のお腹をふみふみして刺激すると母乳が出やすくなるのです。

猫が足踏みをしている時はリラックスしており気分が良い状態を表しています。

また、飼い主に対する「撫でて欲しい」や「甘えたい」という愛情表現の場合も多いです。

一方で、不安やストレスが原因でふみふみする場合もあります。

猫のふみふみは様々な要因が絡み合った行動であり、原因は一つに絞りきれません。

そのため、飼い主は猫がふみふみした際に、タイミングや状況を確認して、猫がストレスを抱えていないかチェックしましょう。

猫がふみふみ足踏みしている時の気持ちは?

次に、猫がふみふみしている時の気持ちを紹介します。

  • リラックスしている
  • 睡眠前のルーティン
  • マーキング行動
  • 不安やストレスを解消

それぞれ詳しく紹介しますので、なぜ猫がふみふみするかを理解しましょう。

リラックスしている

まず、猫がふみふみをしている時はリラックスしています。

猫がふみふみする行動にはリラックス効果があるのです。

猫は足裏の筋肉を使って地面や物をふむと、緊張を緩和し心地よさを感じられます。

また、猫がリラックスしているときにふみふみするのは、安心感や幸福感を示す行動です。

先述の通り、母猫のお腹で母乳を飲む際に足を踏むと母乳が分泌されるため、幼少期の本能が残っていると考えられます。

そのため、猫は幸せや安心を感じるときにふみふみをするのです。

睡眠前のルーティン

次に、猫がふみふみしているとき、睡眠前のルーティンの場合があります。

例えば、猫は寝る前に周囲の環境を整えるためにふみふみをする場合が多いです。

猫はふみふみして、自分の眠る場所を快適にしています。

そして、猫は地面や物を踏んで、その場所を自分のものだとマーキングし、安心感を得ているのです。

この行動は、猫が自分の巣穴を整える行動から来ている本能的なものと考えられます。

ふみふみして猫は眠りにつく準備を整え、安心して眠っているのです。

マーキング行動

次に、猫がふみふみしている時は、マーキング行動の場合があります。

猫は自分が居心地の良い場所を見つけると、その場所を自分のものだとマーキングするためにふみふみするのです。

猫の足には臭線があるので、ふみふみすると猫は自分の香りをその場所に残せます。

猫はふみふみして周囲に「ここは私の場所だ」というメッセージを残しているのです。

また、ふみふみをすることで猫は自分のテリトリーを主張し、安心感を得ています。

特に新しい環境に慣れる際やストレスを感じるときにふみふみする場合が多いです。

足踏みによって猫は安心し、自分のテリトリーを確立しようとしています。

不安やストレスを解消

最後に、猫がふみふみするのは不安やストレスの解消です。

猫は不安やストレスを感じたときに、ふみふみすることでその気持ちを和らげようとします。

猫はふみふみしてリラックスを促し、緊張した状態を解消しようとしているのです。

また、ふみふみ行動によって猫は自分のテリトリーをマーキングし、ストレスを解消しています。

特に新しい環境に慣れる際やストレスがあるときに、猫はふみふみする場合が多いです。

不安や緊張を感じたとき、猫は自分の周りをふみふみすることで、環境をコントロールしようとしています。

こんな足踏みは要注意!

次に、猫が足踏みをしているときに注意すべき状況を紹介します。

  • 今までしなかったのに急にふみふみし始めた
  • ふみふみしながら布製品をかじる
  • うしろ足でふみふみしながら腰を振る

それぞれ要注意な理由を詳しく紹介しますので、気づいてすぐに対処できるようにしましょう。

今までしなかったのに急にふみふみし始めた

まず要注意なのが、猫が今までしなかったのに急にふみふみし始めた場合です。

猫が急にふみふみし始めた場合、ストレスや不安のサインの可能性があります。

環境の変化や家族の変化・他のペットとの関係などストレス要因がある場合、猫はふみふみをしてストレスを和らげようとするのです。

また、猫が体に痛みや不快を感じている可能性もあります。

特に膝や腹部をふむ行動は、腹痛や関節の痛みなどの症状の恐れがあるのです。

さらに、新しい匂いや不慣れな匂いが原因である可能性もあります。

家具の移動や新しい家具の購入、他の動物の匂いなど、匂いの変化が猫のストレスや興奮を引き起こす場合もあるのです。

他にも、潜在的な病気や疾患が原因である可能性も考えられます。

膀胱炎・尿路結石・関節炎など、病気でふみふみする場合もあるので、可能性が疑われる場合は病院に連れていきましょう。

ふみふみしながら布製品をかじる

次に、ふみふみしながら布製品をかじる場合も要注意です。

布製品をかじる行動は、猫がストレスや不安を感じている可能性があります。

猫はストレスを感じると噛む場合があり、布製品をかじる行動はストレスを解消するための行動と考えられるのです。

また、布製品をかじる行動は、猫の歯や歯茎の健康問題が原因である場合もあります。

歯石や歯周病などの健康問題がある場合、猫は布製品をかじって口の中を刺激しようとするのです。

猫がふみふみしながら布製品をかじる場合は、ストレスの原因を取り除くよう努めましょう。

例えば、猫がひとりになる時間を減らしたり、積極的に遊んだりしてリラックスできる環境を整えてください。

さらに、猫がかじりたいと感じるおもちゃを渡すと、布製品をかじる行動を止められます。

布製品はほつれた糸を誤飲すると危険なので、猫用のおもちゃやかじるおやつを与えて猫のストレスを発散させましょう。

他にも、歯の健康問題の可能性がある場合は、獣医に相談して歯の健康状態をチェックしましょう。

うしろ足でふみふみしながら腰を振る

最後に、猫がうしろ足でふみふみしながら腰を振る場合は要注意です。

猫が腰を振る行動は発情している可能性があります。

特に手術を受けていない成猫のオスにこの行動が多いです。

また、腰を振りながらふみふみする行動は、ストレスや不安のサインである場合もあります。

さらに、猫が病気や不調に苦しんでいる可能性も考えましょう。

例えば、尿路結石や腎臓病などの疾患が原因の場合もあります。

猫がうしろ足でふみふみしながら腰を振る場合は、まず獣医に相談して病気や疾患の可能性があるかチェックしましょう。

また、猫がストレスや不安を感じている場合は、環境を見直してストレスを軽減するのが重要です。

そして、発情行動が原因で腰を振る場合は、去勢手術や避妊手術を検討しましょう。

手術を行うと発情行動を抑えられるだけでなく、ストレス減少や病気リスクの低下を期待できます。

以前はふみふみしていたのにしなくなったのはなぜ?

猫が以前はふみふみしていたのにしなくなった場合には、さまざまな可能性が考えられます。

例えば、猫のふみふみ行動の原因がストレスで、以前より十分に安心してリラックスできる場合、猫は足踏みをしません。

また、成長に伴って猫の行動や習慣が変化する場合もあります。

幼い頃はふみふみしても、成猫になるつれて親離れし、ふみふみ行動の必要性が低くなるのです。

さらに、猫が以前はふみふみしていても、環境の変化でその行動がなくなった可能性もあります。

例えば、以前の環境で猫がリラックスしてふみふみしていても、猫にとって新たな環境でストレスが発生すると、ふみふみの行動が減少する場合もあるのです。

他にも、猫が以前はふみふみしていたのに突然その行動がなくなった場合、健康問題が原因の可能性も考えられます。

具体的には、関節炎や尿路結石などがふみふみ行動を減少させる要因になる場合が多いです。

猫がふみふみしなくなったのは様々な要因の可能性があるので、必要な場合は獣医に相談しましょう。

愛猫にふみふみ足踏みしてもらうには?

次に、愛猫にふみふみしてもらうためにどうするべきか紹介します。

飼い主の方は、愛猫がふみふみしてくれたらたまらなく嬉しいはずです。

紹介する方法を試して、愛猫にふみふみしてもらいましょう。

飼い主をふみふみするのは愛情表現

猫が飼い主をふみふみする行動は、愛情表現の場合が多いです。

猫は幼少期に母猫のお腹で母乳を飲む際、足踏みして母乳を出しています。

この行動は安心感や愛情を得るための本能的な行動です。

そのため、成猫になってからも飼い主をふみふみして安心感や愛情を表現しています。

特に飼い主の膝の上でふみふみする場合は、飼い主との絆を深めるためにコミュニケーションを取ろうとしているのです。

さらに、猫は飼い主の服や身の回りのものを踏んで、飼い主の匂いを身近に感じて安心感を得ています。

愛猫にふみふみしてもらうには?

愛猫にふみふみしてもらうためには下記の行動をとってみましょう。

  • 猫との信頼関係を築く
  • 触り心地のよい服を着る
  • 猫にとって居心地のよい距離を維持する

それぞれ具体的に紹介するので、ふみふみしてもらいたい方はぜひチェックしてください。

猫との信頼関係を築く

まず、愛猫にふみふみしてもらうためには、猫との信頼関係を築きましょう。

具体的には、猫に対して穏やかで優しい態度を示し、日常的に愛情を伝えてください。

また、ストレスのない生活環境を提供し、猫が安心して生活できるように心がけます。

猫が自分の匂いを残せるようなアイテムを置くと、猫が安心できるのでおすすめです。

さらに、猫との信頼関係を築くためには、コミュニケーションが重要です。

猫の好みや行動をよく観察し、猫の気持ちに寄り添ったコミュニケーションをとりましょう。

例えば、猫が遊びたくないのに無理やり遊ぼうとしたり、猫が嫌がる場所を撫でようとしたりするのはやめてください。

猫の好きな行動を理解し、優しく声をかけながら積極的にコミュニケーションをとってください。

触り心地のよい服を着る

次に、愛猫にふみふみしてもらうためには、触り心地の良い服を着るのが効果的です。

触り心地の良い服は柔らかくて暖かい素材の服なので、自分の服がどうかチェックしてみましょう。

例えば、綿やフリースなどの柔らかい素材は猫の感触に優しく、触れてもらいやすいです。

また、服の装飾や飾りは、猫がふみふみする際に邪魔になるので避けましょう。

そして、無駄な装飾や飾りの服を避け、シンプルなデザインの服を選びます。

さらに、触り心地の良い服を選ぶためには、適切なサイズの服を選びましょう。

服がきつすぎると猫はストレスを感じ、ふみふみできません。

他にも、猫の好みに合わせて服を選んだり適度な香りをつけたりして猫が服に興味を持ちやすくしましょう。

触り心地の良い服を着ることで、愛猫が飼い主にふみふみしてくれる可能性が高まるので、ぜひ試してください。

猫にとって居心地のよい距離感を維持する

最後に、愛猫にふみふみしてもらうためには、猫にとって居心地の良い距離感を保つのが重要です。

猫にふみふみしてもらうためには、プレッシャーを与えないようにします。

猫が自分から近づいてきたときには歓迎し、強制的に抱き上げたり触ったりしないのが大切です。

猫が自分から触れたいときに触れるようにすると、信頼してふみふみ行動が生まれやすくなります。

また、猫にふみふみしてもらうためには、猫の気持ちを尊重しましょう。

猫が触れたくないときには無理に触らず、猫の行動を尊重します。

猫が疲れていたり、構ってほしくない反応を示したりする時はそっとしておいてあげましょう。

そして、猫は自分の領域を守りたい生き物であり、過度に侵入されるとストレスを感じる場合があります。

そのため、猫が自分のペースで近づける距離を保ち、猫が自由に動けるスペースを確保しましょう。

ふみふみ足踏みしない猫もいる

これまで紹介してきた猫の足踏みですが、しない猫も一定数います。

ふみふみしない猫の特徴や注意すべきポイントをまとめていますので、ぜひチェックしてください。

親離れできている成猫はしないことも多い

成猫が親離れしている場合、ふみふみするケースは少なくなる傾向があります。

成猫になると自立心が高まり、親との依存関係が減少するのでふみふみ行動が減るのです。

また、猫は成長すると自分の力でストレスを解消したり、安心感を得たりする方法を見つけるので、ストレスが原因のふみふみ行動は減少します。

さらに、ふみふみする行動がマーキング行動だった場合、縄張りを確保する必要性が低くなるため、マーキング行動が目的のふみふみする行動も減少するのです。

成猫が親離れしている場合、ふみふみ行動が減少するのは自然な過程です。

成猫になってもふみふみするのを見たい方もいるかもしれませんが、愛猫が成長しているのを喜んであきらめましょう。

無理強いするとストレスに

猫がふみふみする行動は、リラックスしたり安心感を得たりするための自然な行動ですが、飼い主が無理強いするとストレスを引き起こす場合があります。

具体的には、無理に触ったり抱き上げたりするのは猫にとってストレスです。

猫が拒絶反応を示す場合は、強制的に触るのは避けてください。

そして、猫が自分のペースで行動できる環境を用意し、ふみふみするかどうかは猫に委ねるのが大切です。

愛猫にふみふみして欲しい気持ちはわかりますが、あくまで自発的にしてくれるように信頼関係を築きましょう。

まとめ

猫がふみふみするのは、母猫の母乳を出そうとする行動が由来と考えられ、リラックスしている時に見られます。

他にも、睡眠前のルーティンやマーキング行動、不安やストレス解消が主な原因です。

一方で、今までしなかったのにふみふみしたり、布製品をかじったり腰をふったりしながら足をふみふみする場合は注意してください。

今までなかったストレスや疾患・発情行動の可能性があるので獣医に相談しましょう。

また、愛猫にふみふみしてもらうためには、猫との信頼関係が非常に重要です。

居心地のよい距離感を保ち、触り心地のよい服を着るとふみふみしてくれる可能性があります。

ただ、成猫になるにつれてふみふみ行動は減少するものなので、無理強いはやめてください。

子猫から成猫になる間に見られる可愛らしい行動と理解し、猫との信頼関係を築いて積極的にコミュニケーションを取りましょう。

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