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【獣医師監修】猫の外飼いは危険?メリット・デメリットをご紹介

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はじめに

猫が外を見ると「外が恋しいのかな?」「外で遊びたいのかな?」と悩んだことはありませんか。

猫を飼った経験がある人なら経験がある悩みではないでしょうか。

家の中だけで生活することは猫にとって幸せなのか悩みますよね。

猫は言葉を話さないので、表情や行動で推測するしかありません。

保護猫や外の暮らしを経験している猫を飼っている人には今の室内飼いのみでストレスがたまらないか不安にもなります。

外飼いは猫にとって運動にもなり、猫同士のコミュニケーションを育むことになります。

しかし、交通事故や怪我や感染症などを引き起こすデメリットもあります。

この記事では外飼いのメリットとデメリットを紹介します。

室内飼いと外飼いどっちが良い?

猫の外飼い1

猫は基本的に餌がある場所を拠点にして生活する動物です。

猫の本能は狩猟を行い、ご飯を食べる習性があります。

その為餌を求めて歩き回る習性があります。

最近のインターネットやSNSには猫にハーネスをつけて散歩に出かける動画が増えています。

飼い主と楽しく散歩する姿を見ると猫も犬と同じく散歩をさせるべきではと思ってしまいます。

特にベンガルやシャム猫など運動量が多く活発な猫種は散歩で運動するべきではと思ってしまいます。

しかし個体によって外へ出かけることが楽しい猫もいれば、外の世界が怖い猫もいます。

窓から外を見ることは必ずしも外へ出たいサインではありません。

自分の縄張り(テリトリー)が他の猫に入られていないか確認する行為でもあります。

我が家の猫(7歳ミックス)も窓から外を見ていますが、いざ外出する時は嫌がります。

室内飼いと外飼いのどちらが猫にとって良いのでしょうか。

室内の方が平均寿命は長い

室内飼いの平均寿命は16.25歳です。

室内飼いの寿命は年々高くなっています。

これは餌の品種改良や飼い主の努力によるものです。

室内にいる猫は危険が少なく、定期的な運動や栄養バランスに気を付けることでさらに寿命が伸びます。

外飼いの平均寿命は14.18歳です。

室内飼いの平均寿命より約2歳低いことになります。

これは外へ出る事へのリスクがあるためと考えられます。

外飼いの猫は交通事故や猫同士の喧嘩で命を落とす危険性があります。

外で飼うメリット・デメリット

猫の外飼い2

昔は日中は外で遊んで、夕方になると家へ帰る猫を多く見かけました。

現在の猫はどうなのでしょうか。

昔とは生活環境が大きく変化したので、現代の猫にとっての外飼いのメリットとデメリットを紹介します。

メリット

外飼いをするメリットは規則正しい生活リズムと運動量の多さです。

午前中は外で活動をし、夕方に家でリラックスをするリズムが取れるので怠けることはありません。

また、外で動き回るので、運動量は多くカロリー過多を気にすることは少なくなります。

この章では外飼いにおけるメリットを詳しく紹介します。

運動量が増えて肥満になりづらい

外飼いで一番のメリットは運動量が増える事です。

外を歩き回るだけでも家で生活するより圧倒的に運動量が増えます。

猫のエサで栄養バランスに気をつけていても運動量が少ないと肥満になる可能性があります。

忙しくて遊んであげられなくても外で勝手に遊んでくれるので飼い主にとってはありがたいことではないでしょうか。

初めて外飼いをする猫は、リードをつけて散歩をして外への恐怖心を少なくしてみましょう。

室内の汚れがなくなる

外での活動が増える分、室内で遊ぶ量は減るので室内は汚れが少なくなります。

年2回の換毛期では室内の至る所に猫の抜け毛が落ちており、毎日の掃除でも追いつかない場合があります。

外飼い猫の場合は日中に活動的に運動をし、家に戻った時には疲れています。

落ち着く家へ帰り、寝たりのんびりするので室内はある程度きれいなままになります。

外から帰った猫が室内へ入る時は下記の点に注意しましょう。

  • 外からバイ菌や汚れを持ち込まないように、帰ったら足を洗う事を徹底しましょう。
  • ケンカをして怪我をしていないか毎日ブラッシングやスキンシップをする
  • 感染症を発病していないか動物病院へ定期的に受診する

外から帰ってきた猫は色々汚れています。

家に持ち込まないように体を綺麗にふいてあげましょう。

また、外の猫との接触で感染症を貰ってくる場合があるので、お風呂に頻繁に入る事をオススメします。

猫同士のコミュニケーションが増える

外で遊んでいる猫は日常生活で猫同士でコミュニケーションをとる場面があります。

お互いのテリトリー(縄張り)を意識して外での生活をしています。

猫の喧嘩は主に自分のテリトリーに他の猫が入ることで起こります。

外で歩いている猫を見かけるのは、他の猫に自分のテリトリーが取られないようにパトロールをしているからです。

外飼いの猫は猫の社会に敏感です。

他の猫が自分の餌場に足を踏み入れる事を嫌うからです。

外の生活は自由に動き回れますが、猫同士のコミュニティーは慎重になっています。

デメリット

猫の外飼い3

外飼いは自由で伸び伸びと遊べますが、デメリットもあります。

外は世界が広がる反面交通事故や感染症へのリスクが高くなります。

また、外でパニックを起こして迷子になる場合もあります。

外での暮らし方は飼い主にはわからないので、1日どんな活動をしたのか不安ですよね。

ここからは外飼いの猫のデメリットを紹介します。

病気などのリスクが高まる

外飼いで心配なのは病気や怪我をして帰って来る事です。

猫が外で遊ぶことは飼い主も知らない世界です。

他の猫と仲良く遊んでいるのか、自分の縄張りをパトロールしているのかわかりません。

猫同士のケンカは主に相手の縄張り(テリトリー)に入った事で起こります。

ケンカをして怪我をした場合、傷口から別の病原菌が体内に入る可能性が高くなります。

また、ノミやダニによる病気は外飼い猫に多く発症する病気です。

外飼い猫は色々な病気を貰ってくる可能性が高いです。

下記に「病気では?」と思われるサインを紹介します。

  • 食欲がない
  • 便秘
  • 咳やくしゃみをする
  • 過度の脱毛

猫は言葉を話さないので、日々のスキンシップや目視で猫の健康管理に気をつけましょう。

交通事故に遭う可能性が高まる

道路を歩いていると突然猫が横切る経験はありませんか。

野良猫は道路の危険性はある程度理解をしている傾向ですが、外飼い猫は道路の恐怖をあまり知りません。

交通事故は猫の死因の第4位になるほど死亡率が高い事故です。

特に春と秋の発情期はオスがメスの後を追っかけ回して車と衝突するケースが多いです。

また冬は寒さを回避するために車のエンジンルームに入る猫がいます。

運転手が気づかず車のエンジンをつけ大怪我をすることもあります。

最近では乗車する前にボンネットをバンバン叩き猫に知らせる「猫バンバン」という活動が認知されています。

交通事故は飼い主にとって心配の一つになります。

猫が外から帰ってきたら、怪我がないかチェックをし、歩き方に違和感がないか確認をしましょう。

近隣迷惑の可能性がある

外飼いをするデメリットの対象は猫だけではありません。

今の日本の住宅事情はとても繊細で、騒音やゴミ出しで近隣住民とトラブルになる場合があります。

飼っている猫が隣の家でオシッコやウンチをした場合、処理をしたり勝手に侵入し排泄した事への謝罪をしなければいけません。

周りの人達が全員猫に理解があるとは限らないからです。

もしかしたらアレルギーで猫を避けなくてはいけない人もいます。

猫は人間の近隣トラブルは知りません。

外猫は好きな時に好きな場所で遊んだり、縄張り確認のためのオシッコをします。

周りの人が猫に理解がある人がいれば黙認してくれますが、猫が苦手な人もいます。

近隣の敷地内で猫がオシッコやウンチをしてしまい、トラブルになるケースはよくあります。

近隣の人はどんな人かを知り、できれば猫が外へ遊びに出かける趣旨を伝えておきましょう。

猫の行動は飼い主の責任になります。

外飼いをする猫の飼い主は猫が気持ちよく外で遊べるように近隣住民との円滑なコミュニケーションをとりましょう。

外飼いするコツ

猫の外飼い4

個体差はありますが外飼いは猫にとって好奇心をそそる場所です。

特に元野良や外で生活をした経験のある猫は外への興味はあります。

外へ出かけたいけど飼い主との散歩程度が落ち着く猫や1匹で自由に家の周りを探検する猫など個体差によって外飼いの違いはあります。

飼い主も猫を外へ出してあげるだけでなく、自宅周りの環境が猫にとって安全であるかチェックが必要です。

また、近隣住民との良好なコミュニケーションをとり、猫によるトラブルを回避しましょう。

元気に外に出かけるにはある程度のルールやコツを決めることをオススメします。

猫や飼い主が気持ちよく外飼いができるコツを紹介します。

餌を出しっぱなしにしない

餌を外に出しっぱなしにすると他の猫が集まる可能性があります。

野良猫が外を歩く理由はご飯を探すことです。

誰もいない場所で餌があることは野良猫にとって有り難いことです。

野良猫が集まると猫の鳴き声や排泄で近隣住民に迷惑をかける場合があります。

また、飼い猫と野良猫が餌をめぐってケンカをする可能性もあります。

餌は外に出しっぱなしにするのではなく、室内で決まった時間に与えることをオススメします。

トイレを設置してあげる

外にトイレを設置することで近隣の家にオシッコやウンチをさせないようにします。

猫は決まった場所で排泄をする動物です。

自宅の外にトイレがあることで安心して排泄ができます。

また、自宅以外の近隣とのトラブルが減るのでオススメです。

トイレは猫にとって無防備になる時です。

排泄をしているときに外敵に襲われないようにトイレの形状はドーム型がオススメです。

不妊去勢手術を行っておく

外飼いをする猫にとって子猫を出産するリスクがあります。

特に春と秋は発情期なので、メスはオスに追いかけまわされます。

猫がパニックにならないようにメスは不妊手術、オスは去勢手術を行いましょう。

事前に不妊手術をし、出産するリスクを無くす事をしましょう。

不妊去勢手術のメリットは子供を産んだ後の飼育費用が高額になることです。

猫は1度の出産に3〜8匹産みます。

1匹の生涯にかかる費用は総額で約200万円といわれます。

多頭飼い飼育には経済的な負担がかかるので、不妊手術やオスなら去勢手術をすることをオススメします。

できるだけ室内で飼ってあげよう

猫の外飼い5

外飼いのメリットとデメリットを紹介しましたが、猫自身が積極的に外へ出かける様子がある場合を除き、基本的に室内飼いをオススメします。

外へ出かけるリスクが高く、怪我や病気を貰う場合があるからです。

猫の活動範囲は餌を中心としています。

室内飼いの猫は餌で困ることはないので、活動範囲は狭いです。

飼い主の目の届く範囲で生活をすることが猫にとって安全で安心する環境になります。

交通事故や病気のリスクを減らしてあげよう

猫の外飼い6

交通事故は外飼いをする猫にとって心配な事です。

道路事情にあまり詳しくない外飼い猫にとって道路を横断することは車にひかれるリスクがあります。

また、外でパニックになった時、道路に飛び出すこともあります。

外飼い猫のリスクは交通事故以外にも病気もあります。

猫エイズウイルス感染症の経路は、猫エイズウイルスに感染している猫との接触で発病します。

グルーミングやケンカの他に唾液や便にウイルスが含まれている場合、口や傷口などからウイルスが侵入し感染症を引き起こします。

猫エイズウイルスに感染した場合の症状は下記になります。

  • くしゃみ
  • 食欲低下
  • 貧血
  • 呼吸があらい

いつもより元気がない場合は動物病院に受診する事をオススメします。

また、感染していても無症状の場合もあるため、健康診断の機会にウィルス検査も受けることをお勧めします。

キャットタワーやおもちゃでストレス発散

猫の外飼い7

室内で猫と遊ぶ時はキャットタワーやおもちゃを使って遊びましょう。

猫は飼い主との遊びがストレス発散になります。

猫じゃらしやネズミのおもちゃは狩猟本能をくすぐるおもちゃなので一緒に遊んでくれます。

猫の種類にもよりますが、1日15分以上を目安に一緒に遊ぶと猫は満足します。

忙しくて猫と一緒に遊ぶことができない場合はキャットタワーを活用しましょう。

キャットタワーは猫にとって遊び場であり安全な場所になります。

猫にとって上下運動をすることはストレス発散になります。

環境省が発行している資料によると、キャットタワー以外にも隠れる場所を用意するのもオススメです。

たくさん遊んであげて孤独にさせない

猫の外飼い8

猫は警戒心が強く、単独行動を好む動物ですが、甘えたい時もあります。

猫は飼い主に対して信頼関係を築ける動物です。

飼い主と一緒に遊びたい時や構ってほしい時は猫自身から寄ってきます。

尻尾を高く立ててすり寄ってくる時はかまってほしいサインです。

おもちゃを使って遊んであげたり、スキンシップを取るなど猫が飽きるまで遊んであげましょう。

猫は孤独になるとストレスを感じます。

強いストレスによって病気になる可能性があります。

まとめ

窓から外を覗いているのは自分のテリトリーが他の猫に侵略されていないかをチェックする「自宅警備」です。

外を覗いているから外へ行きたいと思っている訳ではないのでなるべく室内飼いをオススメします。

猫の外飼いは交通事故や病気などのリスクもあります。

猫が嫌がる場合は無理に外で遊ばせず、家で生活させましょう。

良好な信頼関係を築くことが猫にとって一番の幸せになります。

ストレスを感じることは猫にとって病気を発症し寿命を短くします。

猫との楽しい生活を送りましょう。

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