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【獣医師監修】猫が顎の下を撫でると喜ぶ理由3つ&撫でてほしい時のサイン

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はじめに

なぜ猫は顎の下を撫でられると喜ぶのでしょうか。多くの猫がこの行為に快感を示すことはよく知られています。

この記事では獣医師監修のもと、猫が顎の下を撫でられることを好む理由を解説し、猫が撫でてほしいと感じる時や、撫でるのをやめて欲しいと思うときに見せるサインまでご紹介します。これらを理解することで、愛猫とのコミュニケーションが、より深い絆を築く手助けとなるでしょう。この記事を通じて、猫との生活がさらに豊かになり、お互いの理解を深めることができれば幸いです。

猫が顎の下を撫でると喜ぶ理由は?

猫が顎の下を撫でられることが好きな理由には、気持ちがいいからという理由以外にも色々あります。

この行為が猫にとってどれほど心地よいか、そのほかにどのような理由があるのかをご紹介しましょう。

グルーミングが届かない場所で気持ちいいから

「グルーミングが届かない場所で気持ちいい」ということも、猫が顎の下を撫でられるのが好きな理由の一つです。

猫はグルーミングをして抜け毛を取り除いたり体をきれいにしたりします。

顎の下は自分でグルーミングができない部分で、猫にとって手入れがしにくいエリアです。足で掻いたり撫でたりすることはできますが、うまくできません。

その上顎の下は臭腺があり、汚れや皮脂が溜まりやすくかゆくなりやすい場所です。そこを人が優しく撫でてあげることによって、猫は普段自分では届かない場所の不快感を解消でき、満足感を得られます。自分ではグルーミングが満足するまでできない場所なので、余計に気持ちいいところなのかもしれません。

この行為は猫にとって、単なる快適さだけではなく、飼い主との信頼関係を深める行動でもあるため、信頼できる飼い主に顎の下を撫でられることで、安心して飼い主の愛情を感じられるのでしょう。

飼い主に甘えて満足感を得られるから

猫が顎の下を撫でられることから感じる満足感は、単に物理的な快適さだけでなく、精神的な満足も含まれています。

顎の下は猫にとって非常に敏感な部分であり、この場所を撫でられることは猫にとって特別な意味を持ちます。猫はこの行為を通じて、飼い主から愛情と安心感を受け取り、それによってもっと強く甘えたいと思うのです。

顎の下を撫でるという行為が許されること自体、猫と飼い主の間に築かれた強い信頼関係のあらわれといえます。猫がこのように飼い主に甘えられるのは、飼い主を安全で信頼できる存在と認識しているからです。

顎の下を撫でることによって、猫は不安やストレスから解放され、安心してその場を楽しめます。これは猫が精神的に幸せと思える要素であり、猫と飼い主の絆をさらに強いものにしてくれます。

自分のニオイを飼い主につけられるから

猫が顎の下を撫でられると喜ぶ理由の一つに「自分のニオイを飼い主につけられるから」ということがあります。

猫は自分の体から分泌されるフェロモンを使って、縄張りや所有物を示す、マーキングをすることで知られています。顎の下にはフェロモンを分泌する腺(臭腺)があり、この部分を撫でることで、猫は自分のニオイを飼い主につけられます。そうすることで猫は飼い主を「自分のもの」と認識し、安心感を覚えやすいという特徴があるのです。

家の中で、柱や壁などにスリスリしている姿は、同じように自分のニオイをつけて、テリトリーを主張しているあらわれです。

猫が顎の下を大好きな飼い主に撫でてもらう行為は、飼い主との関係をより強いものとする手段になっています。

顎の下を撫でてほしい時のサイン5つ

猫が顎の下をなでてほしい時、どのようにして気持ちを伝えてくるのでしょうか。猫はさまざまなサインを通じて、飼い主に撫でてほしいと願いをあらわしてきます。

これらのサインを理解することで、愛猫の要求をより敏感に察知して、関係を深められます。

近寄ってじっと見つめてくる

猫が近寄ってきてじっと見つめてくる行動を示す時、顎の下を撫でてほしいと願っているサインです。

通常、猫がじっと見つめる行動は、睨みつけるような強い意味を持ちますが、信頼している飼い主に対してこの行動をとる場合、それは愛情表現や甘えのアピールに変わります。猫はこの視線を通じて、自らの愛情と信頼を示し、撫でてほしいという願いを伝えています。

この行動に気づいた時、飼い主が優しく顎の下を撫でて気持ちに応えることは、猫との信頼関係をさらに深める絶好のチャンスです。

猫が静かに近づいてきて、目を大きく開いてじっと見つめる様子は、安心している証拠であり、飼い主への信頼のあらわれです。そのため、このサインを見逃さず、愛情を持って応えることで、猫との絆はより強いものとなります。

膝の上にのってくる

猫が顎の下を撫でてほしいときに膝の上に乗ってくる行動は、飼い主との親密なふれあいを求めている強いサインです。

猫が安心感を欲しているときや、愛情を深めたいと感じているときに見られます。愛猫がゆっくりとあなたの膝に乗り、くつろいだ姿勢をとることは、あなたの存在を安全で心地よいものと感じていることを意味するのです。

この行動は、単に快適な位置を探しているだけでなく、飼い主に対する深い信頼と愛情を示しています。猫はこのようにして自分の感情をあらわすことで、撫でてもらうことの願いも含めて、飼い主との結びつきを求めてくるのです。

猫が膝の上でリラックスしているときに、顎の下を優しく撫でることで、信頼関係を確認しさらに強いものへとしていけます。

すりすりしてくる

すりすりしてくるという行動は、猫が顎の下を撫でてほしいというサインの一つです。

猫は積極的に飼い主の手足や体に、すりすりすることで、自分の感情を表現しています。猫がこのように行動することは、愛情を示す以外に、フェロモンで自分のニオイを飼い主に移し、安心感を得るという理由があります。

この行動は人間の言葉を話せない猫にとって、何かを求めている時のコミュニケーションの取り方です。すりすりと身体を寄せてきて猫が顎の下を撫でてもらいたいと感じている時、飼い主がすぐに気づき、適切な反応を返すことで猫との信頼関係がさらに深いものとなります。そして猫は、愛されていると実感できるのです。

鳴きながら寄ってくる

猫が鳴きながら寄ってくる行動は、顎の下を撫でてほしいというサインです。この行動は、猫が愛情や注意を強く求めているときによく見られます。

鳴き声をあげながら飼い主に近づくことは、猫が積極的にコミュニケーションを取ろうとしている証拠です。猫が発する鳴き声は、優しく甘えた声で、撫でてほしいという願いを伝えてきます。

この鳴き声は猫の感情のあらわれであり、その時の気持ちや欲求を飼い主に理解してもらいたいという意思表示です。猫は直接的な繋がりだけでなく、感情的なつながりや安心感も求めてきます。飼い主がこのサインに敏感に反応し、優しく顎の下を撫でて応えることで、猫はより一層幸せな気持ちになれます。

このようなやりとりは、猫と飼い主の絆を深め、お互いの信頼関係を強いものにするでしょう。猫が甘えた行動を見せることは、飼い主を心から信頼しているあらわれです。

ずっとあとを付いてくる

猫がずっとあとをついてくる行動は、顎の下を撫でてほしいというサインです。この行動は、猫が飼い主の近くにいたいという強い願いを示しており、注意や愛情を求めている証拠といえます。猫があなたの動きをじっと見て、どこに行ってもあとを追いかけてくるのは、撫でてほしいという欲求を強く感じている証拠です。

この行動はただの甘えだけでなく、猫が安全な場所を求めていることにつながります。信頼できる飼い主のそばにいることで、安定を得て、このような行動をすることで安心感を確保しているのです。

飼い主がこのサインに敏感に反応し、優しく顎の下を撫でることで応えると、猫はその愛情と安心感を肌で感じ、満足と幸せな気持ちを得られます。

猫が喜ぶ顎の下の撫で方

猫が喜ぶ顎の下の撫で方について、わかりやすく説明します。

まず、猫がリラックスしている状態で、優しく顎の下に手を近づけましょう。その後、指の腹を使って、顎の下から首にかけてのエリアを軽くなでるように撫でてください。

このとき、力は入れずに柔らかく痒いところをかいてあげるような感じで触れることがポイントです。

また、撫でるスピードもゆっくりと一定に保ち、猫が快適だと感じる強さと速度で続けることが重要となってきます。猫が気持ちよさそうに目を細めたり、ゴロゴロと喉を鳴らし始めたら、撫で方が気に入って気持ちのいい証拠です。

猫の様子をよく観察しながら、愛情を込めてゆっくりと撫でてあげましょう。

顎の下を撫でるのをやめて欲しい時の行動

猫が顎の下を撫でるのをやめて欲しいと感じる時、どのようにしてその気持ちを伝えるのでしょうか。

猫は非常に繊細で、自分の感情をさまざまなサインであらわしてきます。

この章では、猫が撫でるのをやめて欲しい時に見せる行動をそれぞれご紹介します。

ソワソワしはじめる

猫が顎の下を撫でるのをやめて欲しいと感じる時に出る行動の一つが、ソワソワしはじめることです。この行動は、猫が不快感やストレスを感じているサインとしてあらわれます。

猫が落ち着きなく動き始めたり、よく体位を変えるようになったりすることで、不快な感覚から逃げようとします。このソワソワした動きは、通常のリラックスしている状態とは明らかに違い、ふれあいが原因で過敏になっていることが考えられる動きです。

このサインに気づいたら、撫でるのをすぐに中止しましょう。猫がこのように行動するのは、今のふれあいを快適と感じていないためであり、それ以上に触れ合うことは猫のストレスの原因になりかねません。

猫がソワソワしているときは猫と距離をとり、リラックスするための時間を与えてあげましょう。

これにより、猫の不快感を和らげ、信頼関係を保ちつつ心地よさを最優先に考えられるようになります。

イカ耳になる

猫が顎の下を撫でるのをやめてほしい時に示すサインの一つが、イカ耳の形をした耳です。イカ耳は、猫の耳が通常の立っているものと違い、横や後ろに平たく向けられたものをいいます。

イカ耳は猫が不快感やイライラ、または警戒心を持っている時に特有のもので、ストレスを感じているか、今の状況に対して不満を持っていることを示します。

この耳の形は、とても明確な不快のサインであり、猫が撫でられることに対して抵抗感を持っていることをあらわしています。そのため、イカ耳を見た時には撫でることをすぐに中止し、猫に少し時間を与えましょう。

そうすることで、猫のストレスが軽減され、その場の緊張を和らげられます。飼い主が猫のサインに敏感に反応することで、猫との信頼関係を損なうことなく、より快適な環境を提供できます。

しっぽを激しく動かす

猫が顎の下を撫でるのをやめてほしいと感じた時、しっぽを激しく動かす行動は、明確なサインとしてあらわれます。

通常、猫のしっぽの動きは感情のバロメーターとなるもので、快感や喜びを感じているときはしっぽがなめらかに動きます。しかし、しっぽが激しく左右に振られたり、床を叩くような動きをしたりする場合、不快感やイライラを示しているサインです。このような動きは、猫が触れられていることに対して、ストレスや不安を感じていることを意味し、しっぽの動きとしてあらわされています。

このように激しくしっぽを動かす動きが見られたら、飼い主はすぐに撫でるのをやめて猫と少し距離をとりましょう。撫でるのを止めることで猫は不快な刺激から解放され、落ち着きを取り戻せます。少し距離をおき、猫が再び安心感を取り戻すまで待つことが大切です。

顎の下を撫でられるのが嫌いな猫もいる?

猫はそれぞれ独自の性格と好みをもっており、全ての猫が顎の下を撫でられることを好むわけではありません。実際に、中には顎の下を撫でられることを好まない猫もいます。好まない理由には、過去に不快な体験をしたことや、顎の下が特に敏感な部分であるために起こることが多いです。

さらに、触られ慣れていない猫や信頼関係が十分に築かれていない状況、または過剰な触れ方をされると、猫は触れられること自体を不快と感じることがあります。

それに加えて、顎の下や口周辺に痛みを伴う病気を抱えている猫も、このエリアを触られることを避けたがります。猫が撫でられる際に痛みを感じる原因となり、不快感を強く持つからです。このような兆候が見られる場合は、早めに獣医師に相談することが大切です。

飼い主は猫の好みや反応を普段から注意深く観察し、愛猫が撫でられることを嫌がっている場合には、無理に触れることは避けましょう。代わりに、言葉で話しかけたり遊ぶことで愛情を示し、猫が快適と感じる他の方法で関係を築いていきましょう。

このように適切に対応することで、猫との信頼関係を保ちつつ、愛猫の個性に合わせたケアを行えます。

まとめ

猫が顎の下を撫でられることに喜びを感じる理由として、グルーミングでは自ら届かない場所であること、飼い主への甘えで満足感を得ること、そして自分のニオイを飼い主に移すことで安心感を得ることが猫にとって大きな意味を持っていることがわかりました。

撫でて欲しいと感じる時には、飼い主の近くに寄ってきてじっと見つめたり、膝に乗ってきたり、すりすりしてくるなどさまざまなサインを自ら出して、その願いを伝えてきます。この行動は猫が愛情を求めている明確なサインです。

飼い主はこれらのサインを正しく理解し、適切に応じることで、猫との絆をさらに強いものにできます。愛情を持って対応することが、飼い主と猫両方が幸せな時間を過ごすポイントとなるでしょう。

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