暮らし

【獣医師監修】猫を二匹飼いたい!猫を増やすメリットデメリットをご紹介

ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。

はじめに

この記事では「猫を二匹飼いたい!」と希望している人にとって、見逃すべきではない必見の有益な情報を提供し、さまざまな視点から細かく解説しています。

猫を増やすことで生じる「メリット」と「デメリット」についても詳しく紹介し、注意したいポイントや配慮すべきポイントを提示しつつ、具体的にまとめました。

先住猫のいる家庭で、新たな猫を二匹目として迎え入れることを検討する場合には、この記事の情報を参考にして、ぜひ基礎的な知識としてお役立てください。

二匹飼いするメリット

猫の二匹飼いに必要な知識1

猫のチャーミングな性格や仕草は、飼い主さんにとって心の安らぎとなることが考えられ、猫との同居生活は日々の癒しとなるでしょう。

二匹飼いすることによって、猫と暮らす楽しみや喜びが2倍に増えるだけでなく、たとえば以下のようなメリットを得ることができます。

  • 外出時にさみしい思いをさせない
  • 遊び相手がいるからストレス発散ができる
  • 新しい環境に早く慣れやすい
  • 二匹の方が楽しい

次の項目で、配慮したいことや注意したいポイントなどを提示しつつ、それぞれのメリットについて簡潔にまとめました。

外出時にさみしい思いをさせない

たとえば一人暮らしの飼い主さんが仕事などで外出することが多い場合、日常的に猫を一匹で過ごさせることになるため、猫の孤独感や退屈に対する配慮が必要です。

留守番をさせる時間が長くなると、猫の性質によっては寂しさや退屈を感じ、ストレスを与えてしまうことがあります。

毎日継続的に不在にすることが想定される場合には、二匹目の猫を迎え入れることを検討し、このようなトラブルを回避しましょう。

二匹目の猫がいれば、猫同士でコミュニケーションを取ることができ、寄り添い合うことで安心感も増すため、孤独感などの寂しさを解消することが可能です。

遊び相手がいることにより、一匹で過ごすよりも楽しくなり、時間を持て余さずに過ごせるため退屈することもないでしょう。

さらに飼い主さんが不在にしたときの寂しさも和らげられるため、猫の生活の質が向上する可能性もあります。

遊び相手がいるからストレス発散ができる

一般的な見解として、猫は比較的単独行動を好む動物として知られていますが、個体差があるため、他の猫と一緒に遊ぶことを好む社交性を持つ場合もあります。

二匹飼いをすることにより、猫同士でコミュニケーションを取り合うことが可能になり、遊び相手ができることでストレス発散にもつながるでしょう。

また家の中を一緒に駆け回ったり、キャットタワーやキャットウォークなどで追いかけっこをしたりするなど、活発な遊びも可能になるため運動不足の解消にも効果的です。

新しい環境に早く慣れやすい

おうちに猫を迎え入れたとき、今まで過ごしていた環境とは異なる新しい場所で生活することになった猫は、不慣れであることから不安やストレスを感じることが多いです。

先住猫がいる場合、新入りの猫に寄り添ったり遊び相手になったりすることで、二匹目の猫が新しい生活に馴染むのをサポートしてくれる可能性があります。

ただし急ぎ同居させるのではなく、新入りの猫が新しい環境に慣れ、先住猫も受け入れ態勢が整うまで、段階を追って少しずつ顔合わせを行うようにしましょう。

猫同士が心を許して警戒心を解くまでには、ある程度の時間を要することが考えられるため、最初のうちは別々の部屋で過ごさせるなどの配慮が大切です。

迎え入れた初日に、時間を置かず先住猫と対面させたり、新入りの猫に制限を設けず自由に行動させたりすると、双方にストレスを与えてしまう可能性があるので注意しましょう。

なお個体差や猫同士の相性などによっても異なりますが、基本的には先住猫のストレスケアを最優先事項とすることを心がけてください。

二匹の方が楽しい

猫を二匹飼うことで遊び相手ができるため、飼い主さんの不在時にも寂しさが軽減され、退屈することもなく楽しい生活を送ることができるでしょう。

また一緒に生活させることで、猫同士による距離感を学び合うことができ、社交性などを身に付けることができます。

新しく迎え入れた猫が子猫である場合には、先住猫がトイレの場所などを教えてくれることもあり、そういった点もメリットの1つです。

飼い主さんにとっても、猫が二匹でじゃれ合いながら遊んでいる様子を見ることで、日々の癒しとなり心が和むことが考えられます。

猫の二匹飼いのデメリット

猫の二匹飼いに必要な知識2

猫を二匹飼うときは、メリットだけでなくデメリットもあるため、飼い始めてから困ることが生じないよう、ある程度のデメリットを事前に認知しておく必要があります。

争いが生じないよう十分なスペースと設備を用意し、それぞれの性格やニーズに合わせたケアをすることを心がけ、デメリットについて理解した上で二匹飼いを検討してみましょう。

猫を二匹飼いすることで生じる可能性のあるデメリットには、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 抜け毛の量が二匹分
  • 費用も2倍になる
  • 知らない猫がやってくるとストレスになることもある
  • 泌尿器系トラブルを起こしやすい
  • 療法食が必要になった時に、与えわけが難しくなる
  • 健康管理がしにくい

次の項目で、配慮したいことや注意したいポイントなどを押さえながら、それぞれのデメリットについて詳しくまとめました。

抜け毛の量が二匹分

飼育する数が増えれば、そのぶんだけ抜け毛の量が増えるのは必至と言えるでしょう。

抜け毛の量が二匹分になってしまうことで、ブラッシングの手間、抜け毛掃除の手間、毛が付着した衣服類を洗濯する手間など、飼育管理における負担も増加します。

定期的にブラッシングを行うことが重要であり、抜け毛の除去に努め、掃除機の使用頻度を上げて清潔さを保つことを心がけましょう。

とくに長毛種の猫を飼う場合には、個体差などもありますが、短毛種に比べて抜け毛が多い可能性が高いです。

短毛種に比べて飼育管理の負担が大きくなる傾向があるため、その点を考慮する必要があります。

また健康状態にも配慮し、被毛や皮膚に異常が見られないか細かく観察し、トラブルの早期発見に努めることも大切です。

費用も2倍になる

まず特筆しておくべきこととしては、猫を二匹飼うことで費用が2倍になるというのは、あまり正しい表現ではありません。

なかには倍増するものもありますが、全体的に費用が増加する傾向にあると言ったほうが、より正しいでしょう。

たとえば動物病院にかかる医療費は、猫の飼育数に比例して増加すると言えます。

しかし同時期に同じ病気を発症し、二匹とも全く同じ治療を行い、寸分たがわず同じ費用がかかるという事例は聞いたことがありません。

猫風邪などの感染病であれば、同じ環境で過ごしている場合に同時期に発症することもあるでしょう。

とはいえ、同じ病名の疾患を発症したとしても、症状の進行具合は異なるため、猫の健康状態に応じた処置や治療が必要となり、それぞれ経費は異なります。

またキャットフードなどの飼育費用は、猫の飼育数に比例して増加することが考えられるため、必要経費は2倍と言っても間違いではありません。

しかし品種における違い、年齢や性別による違いなどを考慮すると、全ての猫において食事量が全く同じというわけではないと言えるでしょう。

たとえばメスよりもオスのほうが食べる量が多かったり、個体差や年齢的なものにより小食だったり、品種によっては多くの食事を必要とする場合などもあり、それぞれの食事量は異なります。

費用が2倍になることが想定されるケースとしては、猫用トイレ、猫用ベッド、ケージやキャリー、猫用のおもちゃなど、全く同じ価格のアイテムを2個購入した場合です。

たとえば500円のおもちゃを購入する場合、二匹の猫に対して個別に与えるために同じものを2個購入した場合であれば、必要経費は2倍を要したことになります。

しかし500円のおもちゃ1個を先住猫に、300円のおもちゃ1個を新入り猫に買い与えた場合には、おもちゃの購入費用としての経費は増加していますが、正確に言うと2倍ではありません。

つまり飼育数が増えれば、生活費や医療費などの必要経費は増加する傾向にありますが、一概に「2倍」と断言することは難しく、それぞれの状況によって変動すると言えるでしょう。

知らない猫がやってくるとストレスになることもある

猫を二匹飼う場合には、知らない猫がやってくることで、先住猫がストレスを感じる可能性があることに注意しましょう。

具体的な事例としては、攻撃的になった先住猫が、新入りの猫を叩こうとしたり追い掛け回したりするなど、威嚇行動をとる場合があります。

これは、見知らぬ猫が自分の居住範囲内で生活を始めたことに困惑し、自分のテリトリーを侵害されたと感じた先住猫が、ストレスを感じてしまうことが要因の1つです。

個体差はあるものの、一般的に猫は警戒心が強いところがあるため、猫同士が心を許して仲良くなるまでには、ある程度の時間が必要になります。

お互いの存在に慣れないうちに、いきなり対面させてしまうとストレスを与えるだけであり、逆に不仲の原因となりえるため同居が難しくなる場合もあるでしょう。

最初の1週間程度は、新入り猫と先住猫を同じ部屋で過ごさせるとストレスを感じることがあるため、数日間は別々の部屋で生活させてください。

新入りの猫には、基本的にケージ内を居場所として与え、しばらくの間は先住猫と直接接触することがないよう配慮しましょう。

少しずつ対面させる時間や回数を増やしていき、ゆっくりと時間をかけて、お互いの存在に慣れさせることが大切です。

またストレスに関しては、先住猫に限られたことではなく新入りの猫も同様に、新しい環境や別の猫の存在に緊張することでストレスを感じる可能性があります。

寝る場所や遊ぶための場所など、それぞれの猫が快適に過ごせるだけの十分なスペースを確保し、不満などが生じないようにしてください。

トイレやフードボウルに関しては、なるべく共有することを避けて、飼育数に応じて個別に用意し、争いなどのトラブルが生じないよう配慮しましょう。

先住猫に不満を抱かせないようコミュニケーションを密にし、新入りの猫にも不安を感じさせないよう配慮するなど、それぞれの心理状態に気を配ることが大切です。

泌尿器系トラブルを起こしやすい

猫を二匹以上の多頭飼いにする場合、泌尿器系のトラブルを起こしやすい可能性があるという意見があります。

猫の祖先は砂漠に生息していた動物であり、水を節約するために尿を濃縮して体内の水分を大切に使うという生理的な機能がありました。

この機能的特徴は現代の猫にも受け継がれており、泌尿器系に常に負荷がかかっていることから猫は泌尿器系の病気にかかりやすく、特にオスは尿道が細いため尿道閉塞を発症するリスクが高いです。

猫の多頭飼いと泌尿器系トラブルには関連性があるという意見もあり、ストレスと不衛生な環境が要因の1つであることが指摘されています。

たとえば新しい猫を迎え入れたときのストレス、複数の猫によるテリトリー争いによるストレスなどが、泌尿器系疾患のリスクを高めることにつながる可能性があるでしょう。

また多頭飼いにすることでトイレの清潔さを保つことが難しいため、不衛生なトイレ環境が泌尿器系トラブルを引き起こす要因になることが考えられます。

多頭飼いはストレスの増加や環境の悪化などから、泌尿器系疾患のリスクを高める可能性があるため、飼育環境の管理やストレス軽減に配慮するようにしてください。

療法食が必要になった時に、与えわけが難しくなる

猫が病気を患って療法食が必要になったとき、同居猫が横取りして食べてしまう事態が生じることが考えられます。

猫を二匹以上飼育している場合には、適切な与えわけが難しくなる可能性があるため、食事の与え方に関する対策が必要です。

猫によってそれぞれ食べるスピードが異なり、自分の分を食べ終えた猫が、別の猫の食事を奪ってしまうことが原因の1つとして考えられます。

また健康体の猫が、療法食に興味をもってしまうことで横取りして食べてしまうこともあるため、注意が必要です。

逆に病気の猫が療法食の味を嫌い、同居猫が食べている美味しそうな匂いのする食事に惹かれて、通常のフードを食べようとすることもあります。

対策の1つとして、猫たちを別々の部屋に誘導し、それぞれの食事を個別に与えるようにするとよいでしょう。

また食事スペースに簡易的な衝立を設置するなどして、お互いの食事をつまみ食いできないような工夫をすることも効果的です。

なお2024年4月から新発売された「横取り防止自動給餌器 CATLINK RFID Pet Feeder」は食事管理が容易になる可能性があるため、購入を検討してみることを推奨します。

この商品は、首輪に専用タグを取り付けた猫が近づいたときだけフタが自動で開き、食べ終わって離れるとフタが自動で閉まるという画期的なシステムです。

猫を多頭飼育するときは療法食の与えわけが難しくなるため、以上のような工夫をするなど、細やかな配慮が必要になります。

猫同士の食事スペースの分離や、専用の自動給餌器を導入するといった個別管理など、適切な対策を立てることが重要です。

健康管理がしにくい

一般家庭においては、複数の猫を同じ部屋で生活させていることが多く、それぞれの猫に専用部屋を与えて個別に飼育管理するケースはあまり聞きません。

本来、嘔吐物や排泄物をチェックすることが健康管理につながりますが、猫を多頭飼いする場合は個別に管理することが難しいため、病気の発見が遅れてしまう恐れがあります。

たとえば嘔吐物に異常が見られたとしても、吐いているその場でない限り、どの猫が吐いたのかを特定することができません。

時間が経過してしまった嘔吐物などに関しては判別のしようがありませんが、吐いている瞬間を目撃したときは、その場ですぐに異常がないかを確認しましょう。

日頃から猫の健康状態を細かく観察し、たとえば「猫手帳」などで健康状態を細かく記録し、トラブルの早期発見に努めることが大切です。

またトイレを共有して使っている場合、排泄物の状態を個別に確認できないことが考えられるため、可能な限り猫ごとにトイレを分けるなどの工夫をしたほうがよいでしょう。

個別に排泄の様子をチェックし、排泄物に異常がある場合や部屋の中で排泄するなどのトラブルがある場合には、動物病院で診察を受けてください。

多頭飼いをするときの注意事項として、複数の猫を個別に健康管理することは非常に難しいため、日頃から定期的な健康診断を受けさせることが大切です。

顔合わせのポイント

猫の二匹飼いに必要な知識3

新入りの猫を迎え入れた初日に、いきなりキャリーバックから出して、先住猫の居住範囲内で新入りの猫を自由に遊ばせてはいけません。

猫同士が仲良くする様子を見たいという気持ちは理解できますが、顔合わせを急ぐと失敗につながるため、ゆっくりと慣れさせていくことが大切です。

先住猫と新入り猫、双方のストレスに十分配慮しながら、猫たちが安心して生活できる環境を整えましょう。

いきなりの顔合わせはNG

猫を迎え入れたとき、いきなりの顔合わせは要らぬトラブルを招く可能性があるため、絶対にNGです。

次に挙げた手順を参考にして、段階的に対面させることを心がけ、猫にストレスを与えないよう配慮しましょう。

最初の1週間程度は、それぞれ別々の部屋で生活させてください。

いきなり同じ部屋で過ごさせてはいけません。

見知らぬ猫がいることにより、双方ともに警戒心や緊張感が高まることでストレスになるため、ゆっくり時間をかけることが大切です。

新入りの猫には基本的にケージ内を居場所として与え、先住猫と直接接触することがないよう配慮してください。

部屋の出入口は完全に閉め切らず、数ミリほど隙間を開けておき、お互いの鳴き声や様子などが聞こえるよう配慮することも大切です。

また体臭の付いたタオルやブランケットなどを、お互いに交換して使用させ、それぞれの臭いに慣れさせるとよいでしょう。

顔合わせをするときは、まずはケージ越しに対面させて相性に問題がないかを確認し、双方に負担をかけないよう様子を見ながら、少しずつ顔合わせの時間を増やしてください。

お互いの存在に慣れてきたようであれば、チュールなどの猫用おやつを同時に与えるなどして、一緒に食事を摂ることで仲間意識を促しましょう。

数日が経過して慣れてきたら、先住猫が生活している部屋に新入り猫のケージを置いて、自由に対面させてください。

警戒したり威嚇したりするなどの行動が見られないようであれば、新入り猫に対する制限を解除し、部屋の中で自由に過ごさせて互いの様子を見てみましょう。

ケージの外に出す時間を徐々に増やしていき、二匹がトラブルなく快適に過ごせるよう、ゆっくりと慣れさせていくことが大切です。

いきなりの顔合わせを避け、またストレスを感じさせないよう時間の配分にも配慮し、少しずつ対面の機会を増やしていくようにしてください。

事前の健康診断をしっかり実施する

二匹目の猫を迎え入れて多頭飼いをするときは、顔合わせのポイントの1つとして、事前の健康診断をしっかり実施することが重要です。

健康診断を実施して感染症や寄生虫の有無などを確認し、新入り猫の健康状態を把握しておくことで、先住猫に病気などの疾患が感染しないよう配慮しましょう。

また稀なケースですが、発情期を迎えている猫を受け入れる場合には、顔合わせの際に交尾行動や攻撃的な行動が起きる可能性があります。

健康診断を行うときに、発情期についても獣医師と相談しておき、避妊手術や去勢手術を実施することにより、このようなトラブルを未然に防ぐことが可能です。

多頭飼育をするときは、猫同士の相性や環境への適応などに気を配るだけでなく、さまざまな問題に注意しなければなりません。

猫の健康状態を事前に把握し、健康面におけるトラブルが生じないよう、健康診断などの必要な処置をしっかり実施しておきましょう。

新入り猫と先住猫の対面方法

二匹目として新しく猫を迎え入れる場合、新入り猫と先住猫の対面方法に失敗すると同居が難しくなるため、以下のような手順をとることがベストとされています。

最初の1週間程度は、新入り猫と先住猫を同じ部屋で過ごさせるとストレスを感じることがあるため、数日間は別々の部屋で生活させてください。

新入りの猫には基本的にケージ内を居場所として与え、先住猫と直接接触することがないよう配慮しましょう。

この期間におけるポイントの1つは、部屋の出入口は完全に閉め切らないことです。

扉や襖などは閉め切らず数ミリほど隙間を開けておき、鳴き声などが聞こえるよう工夫をすることで、お互いの存在が伝わるようにしましょう。

もう1つのポイントとして、体臭の付いたタオル交換などをすることで、それぞれの臭いに慣れさせることを推奨します。

顔合わせをするときは、まずはケージ越しに対面させて相性に問題がないかを確認し、双方に負担をかけないよう様子を見ながら、少しずつ顔合わせの時間を増やしてください。

最初のうちは、一緒に過ごす時間は短めに設定して、猫たちにとって過度のストレスとならないよう心がけましょう。

ケージ越しとはいえ、過度の緊張感から先住猫が威嚇することもあり、また新入り猫が警戒して怖がることもあります。

そのような場合には、毛布などでケージを覆うなどの工夫をして、毛布の隙間から中の様子を覗えるように配慮するとよいでしょう。

しばらくは短時間の対面を継続し、お互いに慣れてきたようであればケージ越しに猫用のおやつを与え、一緒に食事を摂ることで仲間意識を促しましょう。

数日が経過して慣れてきたら、先住猫の様子が落ち着いているときを見計らって、先住猫がいる部屋に新入りの猫をケージに入れた状態で連れて行き、対面させてください。

警戒したり威嚇したりするなどの行動が見られないようであれば、新入り猫に対する制限を解除し、部屋の中で自由に過ごさせて互いの様子を見てみましょう。

徐々にケージの外に出す時間を増やしていき、最終的には、お互いに制限されることなく自由に過ごせるようにしてあげてください。

顔合わせをするときは、新入り猫にとっては不安感、先住猫にとっては警戒心や不満感を感じてしまうことがあります。

先住猫と新入り猫、双方のストレスを最小限に抑えながら、猫たちが安心して快適に過ごせる環境を整え、時間をかけて慣れさせていくことが重要です。

先住猫を優先する

新しく猫を迎え入れたときは、先住猫を優先して配慮することが重要です。

具体的には、以下のようなポイントに注意して、適切な対応をすることが求められます。

先住猫にとっては、飼い主さんを新入り猫に奪われたと思ってしまう場合があるため、不満を感じさせないよう配慮して、先住猫のストレスケアを最優先してください。

今まで以上にスキンシップをとるよう心がけて、先住猫に対して愛情をそそぎ、心の平穏を守ってあげるようにしましょう。

猫同士の対面は徐々に行い、最初はケージ越しの対面から始め、猫同士が安心できるよう配慮してください。

先住猫は今までどおり自由にさせて、新入り猫を別の部屋で数日間過ごさせ、徐々に対面の機会を増やしていくようにしましょう。

生活スペースは十分に確保し、それぞれの猫が寛いで寝ることができる場所や、自分のペースで自由に遊べる場所を提供し、安心して過ごせるよう配慮してください。

トイレやフードボウルに関しては、なるべく共有することを避けて、飼育数に応じて個別に用意し、争いなどのトラブルが生じないよう注意しましょう。

先住猫のストレスケアを最優先にしながらも、新入りの猫に対しても不安を感じさせないよう配慮することが大切です。

双方のストレスに気を配り、争いごとなどが生じないよう細かな点にも注意し、それぞれの猫が快適に過ごせるような環境を整えてください。

猫を二匹飼いする際に揃えておきたいアイテム

猫の二匹飼いに必要な知識4

猫を飼うときは、健康管理や食事管理、生活環境の整備などの面から、多岐にわたるアイテムを準備しておくことが重要です。

猫の心身の健康を第一に考えて、快適に過ごせることができるよう配慮し、生活必需品などの必要なアイテムを取り揃えておきましょう。

トイレ

猫用のトイレには、いくつかの種類があります。

平たいバケツのような構造の「スタンダード・トイレ」が一般的です。

上の段がスノコで下の段がトレーという二重構造になった「システム・トイレ」、センサーで検知して自動で掃除する機能が付いた「自動トイレ」などもあります。

トイレの形状には、「オープンタイプ」「ハーフドームタイプ」「ドームタイプ」「ハイタイプ(高さのあるタイプ)」「コーナータイプ」などの種類があります。

一般的な「スタンダード・トイレ」は、猫に好まれやすいタイプではありますが、外観上や衛生面から頻繁に清掃が必要になることが考えられるでしょう。

またトイレの掃除が行き届いていない場合、尿の滞留や細菌の繁殖などが生じやすくなり、猫の下部尿路疾患のリスクが高まる可能性もあります。

多頭飼育するうえで定期的なトイレの清掃は非常に重要であり、衛生面における適切な管理が、猫の健康を守るためにも欠かせません。

このような点を考慮すると、「システム・トイレ」と「自動トイレ」の2種類がおすすめと言えるでしょう。

システム・トイレは二重構造になっており、尿と便を自動的に分離するため比較的清潔感が保たれ、清掃の手間が省けることでも人気があります。

自動トイレは、センサーで検知して適宜自動で掃除してくれるため、手間が軽減されるだけでなく衛生面でも清潔感が保たれやすいです。

とはいえ肝心の猫が使ってくれなければ意味がありません。

衛生面は飼い主さんが管理することを心がけ、猫が好んで使用してくれるトイレを導入することを優先すべきです。

食器

猫を飼育する上で、食器は毎日必要となる生活必需品の1つであり、絶対に欠かせないアイテムです。

猫を迎え入れる前に、フードボウルとウォーターボウルを必ず用意しておきましょう。

猫用のフードボウルとウォーターボウルには、たとえば以下のような素材や形状のものがあります。

素材には、重量があり比較的安定性が高い陶器製、丈夫で扱いやすく衛生面にも優れているステンレス製、軽量で扱いやすく割れにくいプラスチック製、割れにくくて重量感があるセラミック製などがあります。

形状には、食べやすくてこぼれにくい浅型タイプ、食べこぼしが少ない深型タイプ、首の負担が少ない傾斜のあるタイプ、猫が無理なく食事ができるよう配慮した高さのあるタイプ、自動で補給される自動給餌器と自動給水器などがあります。

食器選びの注意点としては、安全性と耐久性のある素材を選ぶこと、なるべく洗浄が容易で衛生的に保てること、子猫や高齢猫には低めのボウルを選ぶこと、動かないように滑り止めの付いたものを選ぶことなどを考慮しましょう。

ケージ

猫用のケージには、トイレが付属しているタイプ、2段タイプや3段タイプなどの大型ケージ、木製のケージ、キャスター付きのケージ、折りたたみ式など、様々な種類があります。

猫用のケージを購入する必要がある理由としては、顔合わせ前の新入り猫のための居住スペース、子猫期の安全確保としての隔離スペースなどの利用が考えられるでしょう。

子猫期は好奇心が強い傾向があり、電気コードを噛むなどの危険な行動をとりやすいため、ケージで過ごさせることで安全性を確保することができます。

また病気や怪我、体調不良のときなど、安静にする必要があるときの療養スペースとしても有効利用が可能です。

来客時、地震などの災害時、あるいは飼い主さんが不在のときなど目が行き届かないときの誤飲防止や脱走防止など、一時的な避難場所としても使うことができます。

ただしケージを利用する際は、長時間の利用はストレスを与える可能性があることに留意し、また活動範囲が限られるため運動不足になる恐れもあるという点に注意してください。

猫の安全確保や健康管理などの面から、必要に応じてケージを活用することは推奨されますが、過度な使用は猫の健康を害する可能性があるため、適切な使い方が重要です。

まとめ

この記事では「猫を二匹飼いたい!」と希望する人に向けて、さまざまな視点から必見となる内容を細かく解説しており、有益な情報の提供を目的としています。

猫を増やすことで生じる「メリット」と「デメリット」についても具体的に取り上げ、注意点を示しながら配慮するべきことなどを紹介し、分かりやすくまとめました。

先住猫のいる家庭で、新たな猫を二匹目として迎え入れることを検討する場合には、この記事の情報をぜひ基礎的な知識としてお役立てください。

RANKING
人気記事ランキング