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【獣医師監修】猫がまばたきをするときの意味は?対応方法や病気の時のまばたきについても解説

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はじめに

猫がまばたきするときは、一般的に好意的なメッセージを伝えようとしています。ただ、猫のまばたきが全ていい意味とは限りません。

病気のサインの可能性もあるので、飼い主は状況に応じた判断が必要です。

今回は、猫がまばたきをするときの意味を紹介します。

対応方法や病気のときのまばたきについても解説するので、猫のまばたきで猫の心理や状態を理解できるようになりましょう。

猫はまばたきをあまりしない?

猫はまばたきをあまりしないとされています。まばたきをしないのは、猫の体の仕組みが関係しているので、詳しくみていきましょう。

まばたきの回数は1分間に3回程度

猫のまばたきの回数は、私たち人間と比べて非常に少ないと言われています。一般的に、猫は1分間に3回程度しかまばたきをしません。

人間のまばたきの頻度は1分間に約15〜20回なので、比較すると極めて少ない数値です。

猫のまばたきが少ない理由は、目の構造が関係しています。猫の目は非常に効率的に涙を分泌し、目を保護するためのメカニズムが備わっているため、頻繁にまばたきをする必要がありません。

また、猫は獲物を狙う捕食者としての特性から、視界をクリアに保つことが重要であり、まばたきを少なくして獲物を逃さないようにしています。

さらに、猫のまばたきの少なさはリラックスした状態を示す場合が多いです。安心している環境であればあるほど、猫はまばたきが少なくなる傾向があります。

猫の目は乾燥しづらい構造になっている

猫の目は乾燥しづらい構造です。猫の目には「瞬膜」と呼ばれる第三のまぶたが存在します。

瞬膜は、目の表面を保護し、ごみを取りながら目の潤いを保ってくれるのです。

また、猫の涙は目の表面を保護し、乾燥を防ぐための成分が豊富に含まれています。涙は、目の表面を滑らかにし、異物の侵入を防ぐことが可能です。

さらに、猫の目は比較的丸みを帯びており、涙が目の全体に均一に行き渡るようになっています。そのため、猫の目は乾燥しにくく、まばたきを頻繁にする必要がありません。

猫がまばたきをするときの意味

次に、猫がまばたきをするときの意味を紹介します。

  • ゆっくりと瞬きをしているとき
  • 何度もゆっくりとした瞬きを繰り返すとき
  • 呼びかけたあとにまばたきをするとき

上記のパターンで意味が変わってくるので、詳しくみていきましょう。

ゆっくりと瞬きをしているとき

まず紹介するのは、猫がゆっくり瞬きをしているときの意味です。

信頼している気持ちを伝えている

猫がゆっくりと瞬きをしているときは、信頼している気持ちを伝えています。ゆっくりとしたまばたきは、猫同士や人間との間で特に重要なコミュニケーション手段の1つです。

猫がゆっくりと瞬きをする際、目をゆっくり閉じて再びゆっくりと開く動作を見せます。

猫は、相手に対して「あなたを信頼しています」「あなたに対して警戒心を持っていません」というメッセージを伝えているのです。

自然界では、捕食者や他の動物に対して瞬きすることは目を離すリスクを伴います。そのため、猫が目を閉じる行動は、相手に対して全く警戒していないという意思表示なのです。

また、ゆっくりとした瞬きは猫が安心してリラックスしている状態であることを意味しています。

何度もゆっくりとした瞬きを繰り返すとき

次に、何度もゆっくりとした瞬きを繰り返すときの意味を紹介します。

相手への愛情を伝えている

猫が何度もゆっくりとした瞬きを繰り返すときは、相手への愛情を伝えています。

猫がゆっくりとしたまばたきを繰り返すとき、相手に対して「あなたが大好きです」「あなたに深い愛情を感じています」というメッセージを送っているのです。

猫がゆっくりと瞬きを繰り返すときは、非常にリラックスしている状態で、信頼関係が築かれている相手に対してのみ見せます。

猫は本能的に、目を閉じると無防備な状態なため、安心していない相手には瞬きの繰り返しは行いません。

そのため、何度もゆっくりと瞬きを繰り返す行動は、相手に対して絶対的な信頼と愛情を感じている証拠となります。

呼びかけたあとにまばたきをするとき

最後に、呼びかけたあとにまばたきをするときの意味を紹介します。

返事をしている

呼びかけた後にまばたきをするときは、猫は返事をしています。呼びかけに対してのまばたきは、コミュニケーションを取ろうとしているサインです。

猫が呼びかけに応じてまばたきをするのは、猫がリラックスしており、相手に対して友好的であることを示しています。

例えば、飼い主が猫の名前を呼んだり、優しく話しかけたりしたときに、猫が目を細めてゆっくりとまばたきをするケースがあります。猫は呼びかけに対して「聞こえたよ」「あなたに気づいています」といった反応を示しているのです。

猫は言葉を使ってコミュニケーションを取れないため、言葉以外のサインを通じて意思疎通を図ります。

また、猫が呼びかけに対してまばたきをして、飼い主に安心感や信頼感を伝えている場合も多いです。

猫がゆっくりまばたきしたときはどうしたらいい?

猫がゆっくりまばたきしたときは、飼い主は猫の気持ちに応えてあげることが大切です。

  • 同じようにゆっくりとまばたきをする
  • まばたきを返すことで猫と心が通じ合える

上記のポイントを詳しく紹介するので、まばたきで猫とコミュニケーションを取れるようになりましょう。

同じようにゆっくりとまばたきをする

猫がゆっくりとまばたきする姿を見かけたときは、同じようにゆっくりとまばたきを返してあげましょう。

猫がゆっくりとまばたきをするのは、相手に対しての安心や信頼を示すサインです。

猫がリラックスしている状態で見せるまばたきに対して、飼い主が同じようにゆっくりとまばたきを返すと、猫に対して安心感や信頼感を示せます。

まばたきをする際のポイントは、自然なタイミングで行うことです。猫がゆっくりと目を閉じた後、飼い主も同じくゆっくりと目を閉じ、少しの間そのままの状態を保ちます。

そして、再びゆっくりと目を開け、猫に対して「信頼しているよ」「あなたと一緒にいることが心地よい」といったメッセージを伝えましょう。

まばたきを返すことで猫と心が通じ合える

猫との絆を深めるための方法として、まばたきを返すことは非常に有効です。

猫がゆっくりとまばたきする行動は、信頼や安心感を示すサインであり、飼い主が同じようにまばたきを返すと、猫と心が通じ合えます。

相互のまばたきのやり取りは、猫とのコミュニケーションを深めるための重要な手段です。猫は言葉を使わずに感情や意図を伝えるため、まばたきやボディランゲージでコミュニケーションを図ります。

そのため、飼い主がサインを理解して適切に応じると、猫は飼い主に対する信頼感をより強め、安心して生活できるのです。

特に、新しく猫を迎えたばかりの飼い主や、猫との関係をさらに深めたいと考えている飼い主は、サインを見逃さずにまばたきを返しましょう。

目を半開きにしているときは?

猫が目を半開きにしながらまばたきをする場合は、通常のまばたきの意味とは異なります。詳しく紹介するので、猫が目を半開きにしている意味や対処法をチェックしましょう。

目を細めて半開きにしている時は愛情表現ではない

猫が目を細めて半開きにしているときは愛情表現ではないケースが多いです。目を細めるしぐさは、リラックスしている状態や単に眠そうなときにも見られます。

そのため、猫が目を半開きにしている場合、物理的な疲れや環境に対する反応、またはただ単に休息を取っているだけの可能性も高いです。

また、猫が目を半開きにしているのは、警戒心を持っている状態や環境の変化に敏感に反応している場合もあります。

警戒心をもっている場合、猫は周囲の状況を常に監視しているのです。

目を完全に閉じると視覚情報を遮断してしまうので、目が半開きの状態で周囲を観察しながらも休息をとっています。

また、猫が目を細めているときには、明るい光から目を保護しようとしている場合も多いです。

イライラや緊張を感じていることが多い

猫が目を半開きにしているとき、特に目を細めている際は、イライラや緊張を感じている場合が多いです。

目を細めている状態は、猫が不安や警戒心を抱いている場合に見られます。

例えば、新しい環境に移動したばかりの猫は、知らない人や動物がいる場合、目を細めて半開きにしながら周囲を観察するのです。

また、猫がイライラしている場合、目を半開きにしながら耳を後ろに倒したり、尾を振ったりする行動が見られることもあります。

イライラしている状況で猫を安心させるためには、落ち着かせることが重要です。

猫がリラックスできる静かな場所を提供し、無理に触れたり抱き上げたりしないようにしましょう。

片目だけのまばたきは病気の可能性

猫が片目だけでまばたきをする場合は病気の可能性があります。

疑うべき症状や考えられる病気の種類を詳しく紹介するので、猫に病気の疑いがあるかまばたきで判断できるようになりましょう。

こんな症状があったら注意

もし、猫のまばたきに下記のような症状がみられたら要注意です。

  • 片目だけを何度もつぶる
  • 片目だけ開けづらそうにしている

それぞれの症状を詳しく紹介するので、日頃から猫のまばたきの仕方に異常がないかチェックしましょう。

片目だけを何度もつぶる

猫が片目だけを何度もつぶる場合、異常のサインであり注意が必要です。通常、猫は目の異常や不快感があると、片目だけを何度もつぶります。

例えば、異物が目に入ったり、感染症や炎症が原因で目が痛む場合、猫は片目を頻繁に閉じる場合が多いです。

また、猫が片目を何度もつぶる行動を見せる際には、その他の症状にも注意しましょう。

具体的には、目の周りの赤みや腫れ、涙や目やにの増加などが見られる場合、目の問題がある可能性が高いです。

猫が片目だけを何度もつぶる場合、まず目の表面に異常がないかをチェックしましょう。

異物が見つかった場合は、無理に取り除こうとせず、専門の獣医師に相談することをお勧めします。

片目だけ開けづらそうにしている

次に、猫が片目だけ開けづらそうにしている場合も注意が必要です。片目だけ開けづらそうにしている場合、目の異常や痛みを示している可能性が高く、早急な対応が求められます。

猫が片目を開けづらそうにしている原因で考えられる病気は、目の外傷や感染症、炎症などです。

例えば、猫が遊んでいる最中に目を傷つけた場合や、他の動物と喧嘩をして目を怪我した場合、片目だけ開けづらそうにする症状が現れます。

また、眼瞼炎や眼瞼内反症といったまぶたの異常も、片目だけ開けづらそうにする原因です。

具体的には、眼瞼炎はまぶたの炎症であり、まぶたの構造や機能に問題が生じるため、猫が目を開けることが困難になります。

症状が見られた場合は、速やかに動物病院での診察を受け、適切な治療を受けましょう。早期の対応が、猫の目の健康を守り、さらなる問題を防ぐために重要です。

考えられる病気の種類

次に、猫が片目だけのまばたきをする場合に考えられる病気を紹介します。

  • 角膜炎
  • 眼瞼炎
  • 眼瞼内反症

それぞれの病気を詳しく紹介するので、少しでも異常がみられたらすぐに病院に連れて行きましょう。

角膜炎

まず、片目だけのまばたきで考えられる病気は角膜炎です。

角膜は目の前面を覆う透明な膜であり、炎症が生じると、痛みや不快感が発生します。

角膜炎は、細菌やウイルス、真菌などの感染によって引き起こされるケースが多く、外傷や異物が原因の場合もあります。

症状としては、目の赤みや涙の増加、目やにの発生などが見られます。

角膜炎が疑われる場合、早期の診断と治療が重要です。適切な治療を受けないと、角膜の損傷が進行し、視力に重大な影響を与える可能性があります。

治療法としては、抗生物質や抗ウイルス薬、抗真菌薬などの点眼薬が使用されることが一般的です。また、炎症を抑えるための抗炎症薬も処方されるケースがあります。

眼瞼炎

次に、片目だけのまばたきで考えられるのは眼瞼炎です。眼瞼炎は、細菌やアレルギー、外傷などが原因で発生します。

症状は、まぶたの赤みや腫れ、痛み、目やにの増加などです。まぶたが腫れ、猫は目を開けづらくなり、頻繁にまばたきをするようになります。

眼瞼炎の治療には、原因に応じた適切な対処が必要です。細菌感染が原因の場合、抗生物質の点眼薬が処方されることがあります。

また、アレルギーが原因の場合は、アレルギーの原因を特定して避けるようにすることが重要です。炎症を抑えるための抗炎症薬が使用される場合もあります。

眼瞼炎は目の周りを清潔に保つことが大切であり、目やにが多い場合は湿らせたガーゼやコットンで優しく拭き取るようにしましょう。

眼瞼内反症

最後に、片目だけのまばたきで考えられるのは眼瞼内反症です。

眼瞼内反症になるとまぶたが内側に巻き込まれる状態になり、まぶたの縁やまつげが角膜に接触し、刺激や痛みを引き起こします。

眼瞼内反症は、先天的な要因や外傷、炎症などが原因で発生する場合が多いです。症状は目の赤みや涙の増加、目やにの発生、猫が頻繁に目をこするなどが見られます。

眼瞼内反症の治療には、症状の重さに応じた対処が必要です。軽度の場合は、抗炎症薬や点眼薬を使用して症状を緩和する場合があります。

しかし、重度の場合や慢性的な状態の場合は手術が必要です。手術によってまぶたの位置を修正し、正常な状態に戻すと症状を改善できます。

手術後は、獣医師の指導に従って適切なケアを行い、回復をサポートすることが重要です。

まとめ

猫のまばたきの回数は1分に3回程度であり、人間と比べると回数は少ないです。

猫がゆっくりとまばたきしたり何度もまばたきをしてくれたりする場合は、信頼や愛情を表現してくれています。そのため、飼い主は同じようにゆっくりとまばたきを返して、猫の気持ちに応えてあげましょう。

ただ、目を半開きにしていたり片目だけでまばたきしたりする場合は、緊張やストレス、病気の可能性があります。

飼い主は、猫のまばたきに応じて猫の状況を理解し、適切な対応を取りましょう。

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