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【獣医師監修】猫は夜行性じゃなかった?猫が夜中に活動する理由と対処法を詳しく解説

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はじめに

猫が夜中に活動するので寝られず困っている方は多いと思います。

猫は夜行性のイメージですが正確には薄明薄暮性です。

猫の性質を理解して対策しないと猫は夜中の活動をやめてくれません。

今回は、夜中に活動する猫の生態について詳しく紹介します。

夜中に活動する理由や活動を防止するための対策も解説しているので、夜中の活動をやめさせたい方はぜひ参考にしてください。

猫は夜行性じゃない!薄明薄暮性とは?

猫は、夜行性ではなく薄明薄暮性です。

薄明薄暮性の特徴や夜行性との違いを詳しくまとめているので、まずは薄明薄暮性はどんな性質か理解しましょう。

猫は薄明薄暮性

猫は薄明薄暮性の動物であり、明け方と夕方に活動します。

一方で、昼間は眠って過ごしており対照的です。

薄明薄暮性の猫の特徴について詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

夜明けと夕暮れが活動のピーク

薄明薄暮性の猫は、夜明けと夕暮れが活動のピークです。

これは猫の自然な習性であり、野生の猫が生きていた頃の生活に由来しています。

猫は夜明けと夕暮れに狩りをするのが一般的です。

夜明けと夕暮れは祖先の猫が狩りを行う最も効果的な時間帯であり、その習性が現代の家庭猫にも受け継がれています。

夜明けや夕暮れの時刻には、猫は獲物を見つけやすくなり、狩りの成功率が高いです。

具体的には、猫の獲物であるネズミは夕暮れに活動し始め、鳥は明け方から活動します。

夜明けと夕暮れの時間帯は猫の狩猟本能を刺激し、猫は狩りを楽しむのです。

飼い猫でも、この本能は強く残っており、夜明けや夕暮れに活発になります。

猫の目は暗闇でもよく見える

猫の目は暗闇でも非常によく見えます。

猫の目の構造は特徴的で視力が優れており、活動する時間帯に適応した進化の結果です。

猫の瞳孔は非常に広く、暗闇ではより大きく開きます。

瞳孔の調節能力により、少ない光でも猫の目に入りやすくなり、暗い場所でもよく見えるのです。

また、猫の網膜の裏には反射層があり、光が反射して網膜に再度届くので、暗闇でもより多くの光を捕らえられます。

そのため、猫は暗闇での活動が得意であり、その視力を活かして夜間に狩りや探検を行うのです。

飼い猫も家の中が暗くてもよく見えるため、夜間に活動的になる場合があります。

猫の睡眠パターン

猫の睡眠パターンは特徴的であり、寝たり起きたりを繰り返しています。

サイクルは約30分から2時間ほどで、眠りと目覚めの周期を繰り返すのです。

また、猫は一日の大部分を睡眠に費やしており、平均12時間〜16時間程睡眠します。

猫は薄明薄暮性なので昼間は眠りが深くなる場合が多いです。

猫は深い眠りの中でリラックスしている場合が多く、眠っているときでも耳が動いたり体がぴくぴく動いたりする場合があります。

猫の睡眠パターンは、薄明薄暮性の生活環境や自然な生活リズムによって構成されているのです。

夜行性と薄明薄暮性の違い

夜行性と薄明薄暮性は、動物の生活リズムや習性を表す用語ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。

例えば、夜行性の動物は、夜間に活動的になる傾向がありますが、薄明薄暮性の動物が活動的なのは夜明けや夕暮れです。

代表的な夜行性の動物にはフクロウやコウモリがいるのに対し、薄明薄暮性の動物には猫やクマがいます。

また、夜行性の動物は暗闇での生活に適応して視覚や聴覚を発達させているのが特徴的です。

一方で、薄明薄暮性の動物は昼と夜の境目での活動に適応して、明るい時間帯にも活動できる能力を持っています。

猫が夜中に活動する理由は?

次に、猫が夜中に活動する理由を紹介します。

  • 発情期
  • 運動不足で体力が余っている
  • ストレス解消
  • かまってほしいアピール
  • 飼い主の生活リズムが夜型

それぞれ具体的に紹介するので、状況から愛猫が夜中に活動する理由を判断してください。

発情期

まず、猫が夜間に活動する理由の1つは発情期です。

発情期は繁殖のための生理現象であり、その影響は特に夜間に顕著に現れます。

発情期に入ると、猫の体内でホルモンのバランスが変化するのです。

具体的には、エストロゲンとプロゲステロンのレベルが上昇し、性的興奮が高まります。

このホルモンの変化により、猫の夜間の活動が増加するのです。

猫の発情期には、パートナーを探す行動が増えます。

夜間には他の猫が外に出てくる場合も多く、猫は夜中に外に出ようとしたり、鳴き声を上げたりするのです。

また、発情期に入った猫は飼い主に求愛行動を示します。

猫の発情期は夜中の行動パターンに大きな影響を与えるので、発情期の猫が夜中に活動する場合はこの理由を疑いましょう。

運動不足で体力が余っている

次に、猫が夜中に活動するのは運動不足で体力が余っているからです。

猫は活発的な動物であり、十分な運動をしないとストレスや不満が蓄積される場合があります。

そして、夜間にその余ったエネルギーを発散するために活動的になるのです。

猫は野生の本能を持っており、自然の中では狩りを行ったり、周囲を探索したりして体力を消費します。

しかし、家庭で飼われている猫は、野生の環境よりも制限された空間で過ごす時間が多いため、運動量が不足しがちです。

猫は家の中でしばしば眠ったり、暇つぶしのために少し遊んだりしますが、それだけでは体力を消費するには不十分です。

そのため、夜になると猫は余ったエネルギーを発散するために活動的になります。

走り回ったりジャンプしたり、おもちゃで遊んだりして日中の運動不足を補うのです。

ストレス発散

3つ目に猫が夜中に活動する理由はストレス発散です。

猫はストレスを感じると、解消するために様々な行動を夜間にとります。

例えば、ストレスの原因は新しいペットや家族の加入、引っ越しなどです。

また、複数のペットを飼っている場合、猫は他の動物との関係でストレスを感じる場合もあります。

さらに、飼い主が十分に構っていないと不安を感じる場合が多いです。

その結果、夜間に飼い主の注意を引くために活動的になるケースもあります。

かまってほしいアピール

4つ目に、猫が夜中に活動する理由はかまってほしいアピールです。

猫は孤独を感じると、飼い主の注意を引こうとします。

そして、その行動は夜間に顕著に現れるのです。

猫は昼間に一人で家にいるときや、飼い主が寝ている間に孤独を感じる場合があります。

そのため、夜間に孤独感を癒すために飼い主に近づき、かまってほしいとアピールするのです。

猫はかまってほしいときに、飼い主の部屋で鳴き声を上げる・寝室のドアをノックする・飼い主の顔を触るなどの行動を取ります。

飼い主の生活リズムが夜型

最後に、猫が夜中に活動する理由は飼い主の生活リズムが夜型である点です。

猫は飼い主の行動パターンに合わせて生活するため、飼い主が夜に活動すると、それに合わせて夜に活動的になる場合があります。

猫は飼い主が家にいる時間帯に一緒に過ごすのが好きであり、夜間に飼い主が家にいる場合、猫はその時間に一緒に遊んだり、交流しようしたりするのです。

このように、飼い主が寝ている間は猫も眠る場合が多いため、飼い主の生活リズムが夜型であると、猫も夜に活動する傾向が強くなります。

夜中の活動を防止するための対策

次に、夜中の活動を防止するための対策を紹介します。

  • 日中に十分運動させる
  • なるべくたくさん遊んであげる
  • 一人でも遊べる環境を整える
  • お昼寝しすぎないように気をつける
  • 夜中に騒ぎ出しても相手にしない

それぞれ詳しく紹介しますので、夜中の活動に悩む方はぜひ実践してみましょう。

日中に十分運動させる

まず、夜中の活動を防止するための対策は日中に十分運動させることです。

運動不足は猫の夜間の活動を増加させる可能性があります。

猫は適度に運動するとエネルギーを消費し、夜間の活動が減るのです。

日中に十分運動させるためには、おもちゃでの遊びやキャットタワーなどの運動器具を利用しましょう。

また、猫に定期的な運動の時間を設けると、猫の活動量をコントロールしやすくなります。

毎日同じ時間に遊ぶ習慣をつけて、日中にエネルギーを消費させ、夜間の活動を自然に減らしてください。

なるべくたくさん遊んであげる

次に、夜中の活動を防止するための対策は飼い主がなるべくたくさん遊んであげることです。

多くの運動で猫は日中にエネルギーを消費し、夜間の活動を減らすのに役立ちます。

そのため、先述の通り毎日の遊びの時間を確保しましょう。

猫が最も活発になる時間に合わせて、遊ぶ時間を設定してください。

また、飼い主がなるべくたくさん遊んであげると、猫とのコミュニケーションが増えて信頼関係を築けます。

そして、飼い主が不在の際の不安や夜間のかまってほしいアピールを減らせる可能性があるのです。

さらに、遊ぶ際は単調な運動ではなく、さまざまな運動を組み込むのが大切です。

猫が興味を持つさまざまなおもちゃや遊び方を試してみましょう。

猫は狩りの本能を満たすためにさまざまな動きを好みます。

他にも、屋外に出る機会がある場合は、外での運動を促しましょう。

外での散歩や庭での遊びは、猫の運動量を増やし、家の中での夜間の活動を減らすのに役立ちます。

猫が興味を失わないように、さまざまな面で工夫し、なるべくたくさん遊ばせましょう。

ひとりでも遊べる環境を整える

3つ目に、夜中の活動を防止するための対策は、ひとりでも遊べる環境を整えることです。

猫は自立心があり、ひとりで遊べる場所やおもちゃがあると、夜間に孤独を感じずに過ごすことができます。

そのため、猫がひとりでも楽しめるおもちゃや遊び道具を準備しましょう。

例えば、ボールや羽根付きのおもちゃ、キャットタワーなどがあります。

これらの道具は猫がひとりで遊び、エネルギーを発散するのに役立つのです。

また、猫は高い場所や隠れ家が好きなので自分だけの場所があると安心してリラックスできます。

キャットツリーやボックス、カーテンの隙間など、猫が隠れられる場所を用意しましょう。

さらに、猫専用のスペースを作ると、猫が自分だけのテリトリーを持ち、安心して遊ぶことができます。

おもちゃやベッド、トイレを設置し、猫が快適に過ごせる環境を整えてください。

このように、猫がひとりでも遊べる環境を整えて、猫が夜中に活発になるのを防ぎましょう。

お昼寝をしすぎないように気をつける

4つ目に、夜中の活動を防止するためには、猫がお昼寝しすぎないように気をつけるのが重要です。

猫が昼間に過度に眠りすぎると、夜間に活動的になる傾向があります。

猫が昼間に眠りすぎないようにするためには、明るい場所で過ごせるように窓際にベッドを置いたり、部屋全体に日光が差し込むようにしたりしましょう。

また、昼間に猫と一緒に遊んだりトレーニングしたりして、猫の眠りすぎを防ぎます。

定期的な運動や精神的な刺激は、猫の活動レベルを調整し、夜間の活動を減らすのに役立つのです。

さらに、過度な食事量や高カロリーの食事は猫を眠りに誘います。

適切な食事管理を行い、猫が適度なエネルギーを持つようにするのが重要です。

他にも、猫が昼間に一度に長時間眠ると、夜間に活動的になる可能性が高まります。

そのため、猫が眠る場所を変えたり、一緒に遊んだりして、長時間の昼寝を防ぎましょう。

夜中に騒ぎ出しても相手にしない

最後に、夜中の活動を防止するためには、猫が夜中に騒ぎ出しても相手にしないのが重要です。

猫は飼い主が夜間に起きて反応するのを学習し、それが続くと夜間の活動を増加させる可能性があります。

まず、猫が夜中に騒ぎ出しても相手にしないと猫に学ばせる必要があります。

猫が夜中に騒ぎ出しても、徐々にその反応を減らすようにしましょう。

そして、夜中に騒いでも飼い主が反応しないと理解すると、猫は自然と夜間の活動を減らす傾向があります。

また、夜間に猫が騒ぎ出すことを防ぐためには、夜間に明るいライトを消し、騒音を最小限に抑えるようにしましょう。

猫が最も体力を消耗する運動はジャンプ

ここまでは、猫が夜間に活動するのを防ぐために運動が必要であるとお伝えしてきました。

そして、猫が最も体力を消耗する運動はジャンプです。

猫は素早く、柔軟な体で高い場所にジャンプするのが得意であり、猫の狩猟行動に密接に関連しています。

ジャンプは猫のエネルギー消費が非常に高い運動なので、猫は素早く動き回り高い場所にジャンプすると体力を消耗します。

そのため、猫が夜間に活動する時間を減らすには、日中の運動でジャンプさせるのが効果的です。

下記のおもちゃや環境を整えて、猫の体力を消耗させて夜間の活動を減らしましょう。

  • 猫じゃらしやボール
  • 上下運動ができるキャットタワー

猫じゃらしやボール

まず、猫じゃらしやボールを使って猫を運動させるのは、夜間の活動を防止する効果的な方法です。

猫じゃらしは猫が大好きな遊び道具であり、手持ち式の猫じゃらしや棒に取り付けたタッセルのついたものなどがあります。

飼い主は猫に追いかけさせたり、ジャンプさせたりしましょう。

猫に猫じゃらしを追わせると、運動量が増えて夜間の活動の減少が期待できます。

また、ボールを使った遊びが猫の運動に効果的です。

小さなボールを転がしたり、投げたりして猫に追いかけさせると、猫は興奮して運動量が増加します。

特に、ボールを追いかけると猫が狩りの本能を満たせるのです。

ボールを上に投げて、猫のジャンプを促し、たくさん遊んでもらいましょう。

猫をじゃらしやボールで遊ばせるときには、安全な環境を確保してください。

室内で遊ぶ場合は壊れやすいものを片付け、外で遊ぶ場合は安全な場所を選んで遊ばせるのが大切です。

上下運動ができるキャットタワー

次に、上下運動ができるキャットタワーを使って猫を運動させるのも、夜間の活動を防止するのに効果的です。

高さのあるキャットタワーを使うと、ジャンプなどの猫の運動量を増やし、夜間の活動を抑えるのに役立ちます。

上下運動ができるキャットタワーは、段差があってジャンプやクライミングを楽しめるものを選びましょう。

また、キャットタワーにはおもちゃを取り付けられるものもあります。

羽根やボールなどのおもちゃを取り付けると、猫は興奮して上下の段差を使って追いかけたり、ジャンプしたりしてくれるのです。

キャットタワーで遊ぶときには、タワーが倒れないようにしっかりと固定し、周囲には壊れやすいものを置かないようにするのが大切です。

まとめ

猫は夜行性ではなく、明け方と夕方に活動する薄明薄暮性の動物です。

そのため、昼間は眠っている時間が多くあまり活動しません。

猫が夜中に活動する理由は下記が考えられます。

  • 発情期
  • 運動不足で体力が余っている
  • ストレス解消
  • かまってほしいアピール
  • 飼い主の生活リズムが夜型

夜中の活動を防止するためには、日中に飽きさせずになるべくたくさんの遊びを取り入れるのが重要です。

また、お昼寝しすぎないように注意し、ひとりでも遊べる環境を整えると夜中の活動を減少できます。

猫じゃらしやボール、キャットタワーなどを活用して積極的に遊ばせ、夜間の活動を減らしましょう。

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