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【獣医師監修】猫が目を細めるしぐさにはどんな意味がある?病気の可能性がある時の症状も詳しく解説

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はじめに

猫が目を細めるしぐさが気になったことがある方は多いと思います。目を細めるしぐさはリラックスしているイメージが強いですが、状況によっては同じ意味ではありません。

病気の可能性もあるので、飼い主は目を細めるしぐさに注意が必要です。

今回は、猫が目を細めるしぐさについて詳しく紹介します。

病気の可能性がある症状も詳しく解説するので、目を細めるしぐさの意味を判断できるようになりたい方はぜひチェックしてください。

猫が目を細めるしぐさには意味がある?

猫が目を細めるしぐさには、実に多くの意味が含まれています。

猫は言葉を使わずに自分の気持ちや状態を表現するため、体の動きやしぐさが非常に重要なコミュニケーション手段となっているのです。

目を細める行動もその一環であり、様々な状況で見られ、多様な意味があります。

例えば、猫が目を細める代表的な感情のひとつが心地よさです。

飼い主の膝の上でうとうとしているときや、日向ぼっこをしているときなど、猫が心地よいと感じているときには目を細める場合があります。

猫が目を細めるしぐさには多くの意味があるので、猫の状態を考慮して理解することが重要です。

猫が目を細めるのはどんなとき?

猫が目を細めるのは、多くの状況や理由が考えられます。

  • 相手に好意を持っているとき
  • 気分が良いとき
  • リラックスしているとき
  • 相手を警戒しているとき
  • まぶしいとき
  • おいしいものを食べているとき

それぞれ詳しく紹介するので、猫が目を細める具体的な状況と意味について見ていきましょう。

相手に好意を持っているとき

まず、猫が目を細めるのは相手に好意を持っているときです。特に、飼い主や仲の良い他の猫に対して見られます。

猫がゆっくりと瞬きをしながら目を細める場合、リラックスしていて相手に対して敵意がないことを伝えるサインです。

猫が飼い主に対して目を細めるとき、飼い主を信頼して安心していることを意味します。

また、飼い主も同じようにゆっくりと瞬きを返すと、猫との絆をさらに深めることが可能です。

猫が他の猫に対して目を細める場合も同じ意味を示しています。2匹の猫が互いに目を細めて見つめ合うのは友好のサインです。

特に新しい猫が家に来たときや、初対面の猫同士が出会ったときに猫同士の関係を円滑に築くために行われます。

気分が良いとき

次に、猫が目を細めるのは気分が良いときです。猫が目を細めるときはしばしば心地よさや満足感を示している場合があります。

例えば、日向ぼっこをしているときや、飼い主の膝の上でくつろいでいるときなど、猫が安心しているときに見られるのです。

猫が気分が良いときに目を細めるのは、飼い主にとっても喜ばしい瞬間であり、周囲の環境に満足していることを意味します。

さらに、猫が気分が良いときには、他のしぐさも見られる場合も多いです。

例えば、喉を鳴らす音や、体を伸ばして横たわる、尾をゆっくりと動かすなど、気分の良さを示すサインが多く見られます。

リラックスしているとき

3つ目に、猫が目を細めるのはリラックスしているときです。

リラックスして目を細める場合は、猫が完全に安心している状態を示しており、周囲の環境や人間に対して全く警戒心を抱いていないことを意味します。

リラックスしているときの猫は、体全体がゆったりとしており、緊張感がまったく見られません。

目を細める行動に加えて、猫は体を伸ばしたり、丸くなったりして休んでいるケースが多いです。猫は心身ともにリラックスしており、非常に安心しています。

猫がリラックスしているときには、猫に無理に触れず、そっとしておくことが大切です。

猫は自分のペースでリラックスしたい動物であり、無理に干渉されるとストレスを感じる場合があります。

相手を警戒しているとき

4つ目に、猫が目を細めるのは相手を警戒しているときです。猫が目を細めるのは、必ずしもリラックスしているときだけではありません。

猫は非常に繊細な動物であり、環境の変化や新しい刺激に対して敏感に反応するのです。目を細めて相手の動きを観察し、必要に応じて素早く対応できるようにしています。

例えば、新しい猫が家に来たときや、見知らぬ人が訪問したときなど、猫が不安や警戒心を抱いている場合に目を細める場合が多いです。

目を細めることは猫が集中して観察しているサインであり、何か異常があればすぐに反応できるようにしています。

まぶしいとき

5つ目に、猫が目を細めるのはまぶしいときです。猫の目は人間よりも光に対して敏感であり、強い光や直射日光を避けるために目を細める場合があります。

特に、晴れた日の屋外や明るい室内で見られる行動であり、猫が光の刺激から目を守るための自然な反応です。

猫の目は非常に発達しており、暗い場所でもよく見えるように進化しています。しかし、その分、明るい光に対しては敏感であり、強い光は猫にとって非常に不快です。

猫がまぶしさを感じている場合、飼い主は光の調整を行いましょう。

カーテンを閉めて直射日光を遮る、照明の明るさを調整するなど、猫が快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

おいしいものを食べているとき

最後に、猫が目を細めるのはおいしいものを食べているときです。猫は味覚が鋭く、おいしいものを食べているときには、喜びを体全体で表現します。

目を細めることは、猫がリラックスして食事を楽しんでいる状態です。また、食事中に目を細める場合、猫は周囲の環境に安心しています。

猫は非常に警戒心の強い動物であり、食事中も周囲を警戒する場合が多いです。しかし、目を細めている場合、猫は食事中に警戒する必要はないと判断しています。

飼い主の家で安心して食事をしている猫は、目を細めて安心感を示しているのです。

猫が目を細めているときはどうしたらいい?

次に、猫が目を細めているときの対応方法について紹介します。

  • 構いすぎずそっと見守る
  • 目を細めて見つめ返す
  • ずっと見つめない

対応すべき理由もそれぞれ詳しく紹介するので、猫が目を細めているときはぜひ実践してみてください。

構いすぎずそっと見守る

まず、猫が目を細めているときは構いすぎずそっと見守りましょう。猫はマイペースで自分の時間や空間を大切にする動物です。

そのため、飼い主が猫の行動に過度に干渉すると、猫にとってストレスとなる場合があります。

特に、目を細めてリラックスしているときや好意を示しているときには、猫のペースを尊重し、静かに見守ることが大切です。

安心しているときに無理に抱っこしたり構いすぎたりすると、猫のリラックスした状態を邪魔してしまう可能性があります。

目を細めて見つめ返す

次に、猫が目を細めているときは目を細めて見つめ返しましょう。猫は視線を使ったコミュニケーションが得意であり、目を細める行動は信頼や安心感を示すサインです。

飼い主が同じように目を細めて見つめ返すと、猫に対して敵意がないことを伝えられます。

目を細めて見つめ返す行為は、猫との信頼関係を築くための重要な手段です。目を細めてリラックスしている状態や友好の意図を猫に示しましょう。

目を見開いて見つめ返すと敵意があると思われる

猫とのコミュニケーションにおいて、目を見開いて見つめ返す行動は避けるべきです。目を見開いて見つめることは、敵意や威嚇を示す行動と認識される場合があります。

猫同士の間でも、目を見開いてじっと見つめる行動は対立や威嚇の意味です。例えば、猫が他の猫に対して目を見開いて見つめる場合、攻撃をしようとしています。

飼い主としては、猫との信頼関係を築くために、目を見開いて見つめ返す行動を避けることが重要です。

代わりに、目を細めてゆっくりと瞬きを返して敵意がないことを示し、安心感を与えましょう。

ずっと見つめない

最後に、猫が目を細めているときはずっと見つめないようにしましょう。

猫に対して長時間の視線を送ると、威圧感や敵意を示すと受け取られ、猫との信頼関係を損なう可能性があります。

長時間見られるとストレスに感じる

猫は非常に敏感な動物であり、長時間見られることはストレスを感じさせる原因となります。

猫にとって視線は重要なコミュニケーション手段であり、長時間の視線は威圧感や敵意と受け取られるのです。そして、猫は不安や恐怖を感じ、ストレスを抱える恐れがあります。

猫がストレスを感じると、行動や健康に影響が出やすいです。例えば、食欲不振や攻撃的な行動、さらには体調不良を引き起こすケースもあります。

飼い主は猫のストレスサインを見逃さず、長時間見つめ続けることは避け、猫が安心して過ごせる環境を提供することが大切です。

また、猫が視線を避ける行動を見せた場合には、無理に視線を合わせることを避けましょう。

目を細めているときは目に異常があることも

猫が目を細めているときは、目に異常が起きている可能性もあります。

  • 結膜炎
  • 角膜炎
  • 緑内障

上記の病気のケースもあるので、猫が目を細めているときは症状をみながら病気の可能性も疑いましょう。

結膜炎

まず、猫が目を細めているときに疑われる病気は結膜炎です。結膜炎の特徴や症状を詳しくみていきましょう。

目の結膜に炎症が起きる病気

結膜炎は、猫の目の結膜に炎症が起こる病気です。結膜は目の白目の部分と瞼の裏側を覆っています。

結膜炎は目に細菌が感染して発生し、感染源は外部から持ち込まれるケースが多いです。また、猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスなどの感染症によって引き起こされる場合もあります。

さらに、花粉やダニ、カビなどのアレルゲンに対するアレルギー反応が原因で結膜炎が発生する場合も多いです。

他にも、目に異物が入ったり、傷がついたりして結膜炎が起こるケースもあります。

結膜炎の治療に使われるのは、原因に応じて処方される薬です。目に異物が入った場合や外傷が原因の場合は、異物の除去や目の保護を行います。

結膜炎の症状

結膜炎の症状はさまざまです。まず、結膜炎になると血管が拡張して目の赤みが発生します。

目の赤みは、目の白目部分やまぶたの裏側で発生することが一般的です。炎症が進行するにつれて目立つようになり、猫が目を細める理由の1つになります。

また、涙の増加も結膜炎の一般的な症状です。目が刺激を受けると涙が多く分泌され、目の表面を潤すと同時に異物や炎症を排除しようとします。

目やにの発生も結膜炎の兆候です。炎症によって分泌物が増え、固まって目やにとして現れます。

目やには細菌感染やウイルス感染の際に特に多く見られ、目の周りに黄色や緑色の分泌物が付着する場合が多いです。また、結膜炎による目のかゆみや痛みも猫に不快感を与えます。

角膜炎

次に、猫が目を細めているときに疑われる病気は角膜炎です。角膜炎の特徴や症状を詳しくみていきましょう。

目の角膜に炎症が起きる病気

角膜炎は、猫の目の角膜に炎症が起こる病気です。角膜は透明な膜であり、目の表面を覆っています。

角膜炎の原因にはさまざまな要因があり、細菌感染やウイルス感染が一般的な原因で、特に猫ヘルペスウイルスやカリシウイルスが関与するケースが多いです。

また、ウイルスは猫同士の接触や感染した物品を介して広がる場合もあります。さらに、目に異物が入ったり、傷がついたりするのも角膜炎の原因です。

乾燥によって角膜が損傷する場合や、アレルギー反応によって炎症が引き起こされるケースもあります。

角膜炎の治療には、抗生物質や抗ウイルス薬、抗炎症薬が使用される場合が多いです。目に異物が入った場合や外傷が原因の場合は、異物の除去や目の保護を行います。

角膜炎の症状

角膜炎にはさまざまな症状があり、よくみられるのは目の赤みです。炎症が起こると、角膜や目の白目部分が血管拡張によって赤くなります。

猫は目にかかる圧力や炎症が原因で、猫が目を細めたり、目を頻繁にこすったりします。

次に、涙の増加も角膜炎の一般的な症状です。角膜の炎症は目の表面を乾燥させることがあり、猫の体は涙を多く分泌します。

目やにの発生も角膜炎の典型的な症状です。炎症により目の分泌物が増え、目やにとして固まる場合があります。

目のかゆみや痛みも見逃せない症状です。さらに、視力の低下も角膜炎の進行によって起こる可能性があるので注意しましょう。

緑内障

最後に、猫が目を細めているときに疑われる病気は緑内障です。緑内障の特徴や症状を詳しくみていきましょう。緑内障は犬ではしばしばみられますが、猫では比較的稀な疾患です。

眼圧が高くなることで視神経や網膜に影響が出る病気

緑内障は、猫の眼圧が異常に高くなることで視神経や網膜に影響を及ぼす病気です。

眼圧が上昇すると視神経が圧迫され、結果として視力が低下したり、最悪の場合は失明に至ったりする恐れがあります。

緑内障の主な原因は、眼球内の房水という液体の流出が阻害されることです。

房水は眼球内の圧力を一定に保つために重要な役割を果たしており、通常は黒目の端にある小さな通路を通じて排出されます。

しかし、何らかの理由で詰まると、房水が眼球内にたまり、眼圧が上昇するのです。また、遺伝的要因や他の眼疾患、外傷、感染などが房水の流出障害を引き起こす場合があります。

緑内障は進行性の病気であり、視力が失われるリスクがあるので、早期に診断して治療を開始することが重要です。

緑内障の症状

緑内障の症状は、眼圧の上昇によって視神経や網膜が影響を受けることで現れます。

初期の段階では症状は目立たないことが多いです。緑内障の主な症状は目の赤みであり、眼圧の上昇によって目の血管が拡張して充血が発生します。

また、涙の増加も緑内障の一般的な症状です。眼圧の上昇によって目が刺激を受け、涙が多く分泌される場合があります。

さらに、眼圧の上昇によって目の痛みが引き起こされる場合も多いです。目の痛みは猫にとって大きなストレスとなり、早期の治療が必要になります。

視力の低下も緑内障の症状の1つです。眼圧の上昇が視神経にダメージを与えると、視力が徐々に低下します。

そして、眼球の拡大も緑内障の進行した症状です。眼圧の上昇によって眼球が拡大し、目が突出して見える場合があります。

まとめ

猫が目を細めるしぐさは、相手への好意やリラックス、まぶしさ、警戒心などを示しています。

猫が目を細めているときは構いすぎずそっと見守り、目を細めて見つめ返すことが大切です。

また、目を細めている時は結膜炎や角膜炎、緑内障の可能性もあるので、症状が出ていないかチェックしてください。

目を細めるしぐさで猫の状況を確認し、猫の目の健康をサポートしましょう。

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