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甘噛みは猫の愛情表現?適切な対応もご紹介

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はじめに

猫を飼っていると額のあたりをコツンと当ててくる「頭突き」や、顎や耳、足先などを優しく噛む「甘噛み」を一度はされたことがあるのではないのでしょうか。

とても可愛らしい仕草で、理由はわからないけどやられると嬉しいという気持ちになっている人も多いと思います。

本記事では、猫にありがちな頭突きと甘噛みについて、その理由と適切な対応方法をご紹介します。

理由がわかると猫との生活が少し変わって見えてくるかもしれません。

猫の頭突きと甘噛みの意味とは

猫がしてくる頭突きと甘噛みにはそれぞれ大切な意味があるといわれています。

その両方に当てはまるものは「愛情表現」です。

甘噛みも頭突きも、愛情表現あっての行動がほとんどのなか、他の意味も存在します。それがどのようなものなのか具体的にみていきましょう。

甘噛みの意味とは

一言で甘噛みといってもその行動には色々な意味があります。どのような理由で甘噛みの行為をしているのかを理解した上で反応してあげなくてはいけません。

猫の愛情表現としての意味

人間の言葉を話せない猫は、成長過程で甘噛みを繰り返しながら愛情表現を学んでいきます。噛むという行為はポジティブな気持ちの意味もあるのです。

そのため、甘噛みの行為に全く悪気はなく、あくまで表現の一部とされています。

猫が甘噛みをする心理状態

猫が甘噛みをするときにはそれぞれ理由が存在します。

甘噛みをしてしまう時期によるもの、対応によって解消できる甘噛みとわかれるのです。噛み癖に繋がらないよう正しく対応していきましょう。

甘噛みをする心理状態

猫は理由もなく甘噛みをしているわけではありません。甘噛みをする心理状態は色々ありますが、全てにおいて悪気のあることではないのです。

それぞれ理由をみていきましょう。

歯がむず痒い

生後3ヶ月〜6ヶ月ごろの子猫の歯は、乳歯から永久歯へと変わる時期です。

人間の赤ちゃんと一緒で歯がムズムズかゆくなり、解消のため人間の手を優しく噛む行為をしてしまいます。

永久歯に生え変わると甘噛みをするという行為は自然になくなるでしょう。

発情期

オスは交尾の時「ネックグリップ」という行動にでます。これはメスの首を噛んで動きを止める行動です。発情期にはメス以外にも手や家具などにも噛み付くことがあります。

この行動は本能なので止めることはできません。

しかし、去勢手術でほとんどがなくなるといわれています。

動くものへの狩猟本能

狩猟動物だった猫は、狩猟本能が残っています。そのため動くものや音、匂いに敏感で、刺激されるとお腹が空いていなくても獲物を狙おうと動いてしまうのです。

反応して噛むのが当たり前の動物と覚えておきましょう。

最初は甘噛みで楽しくしていても、次第に力加減がわからなくなり強く噛んでしまうようになります。甘噛みを始めてしまった時には手ではなく、おもちゃで相手をしてあげるようにしましょう。手は噛むものではないと教えるためにも、そのまま手で相手をすることは避けるようにしてください。

欲求

遊び足りず、ストレスが溜まっていると猫は甘噛みをしてくる時があります。猫にとって飼い主との遊びはストレス発散になるほか、構ってもらっているという安心感にもつながります。

理由も見当たらないのに、噛んでくることがあれば遊んで欲しいという訴えなのかもしれません。

また撫でてもらっているうちに、最初は気持ち良かったものが次第に不快に感じ嫌だと思い、噛む行動に変わることもあります。

心理状態を読み取るポイント

猫がどのような理由で甘噛みをしてくるのかをしっかり読み取り理解してあげなくてはいけません。何かして欲しいという欲求なのか、もう嫌だという訴えなのか、時期的なものなのかを判断できるのは、普段からコミュニケーションを取れていれば次第にわかってくるものです。

猫の甘噛みに対する適切な対応

甘噛みにはそれぞれ意味があります。

どうして甘噛みをしてきたかを理解した上で、それに合った対応方法を行わなくてはいけません。

甘噛みに対する対応方法

甘噛みをされたからといって、厳しく叱ったり叩いたりしてはいけません。

猫は人間の言葉を理解できない分、怒鳴ったり叩いたりしてもなぜ怒られているかわからないのです。

特に性格がおとなしいとされている猫種は、大きい音だけでなく大きい声にも恐怖を覚えます。そのため、怒鳴られても怖い思いをしたとしか認識してくれないのです。

やったらダメだと理解できないということは、怒ることは無意味になるだけでなく、恐怖の対象となり猫にとっても飼い主にとってもプラスになることはありません。

コミュニケーションを円滑にするコツ

噛まれた時には「痛い」といい、その場から離れるようにしましょう。楽しくしていたのに急に飼い主が離れていき楽しい遊びが終わってしまったというように、噛む=嫌なことがおこることだと理解してもらうことが大切です。

どのような理由で噛んでいるかを理解するためには、日頃からのコミュニケーションがとても大切となってきます。

コミュニケーションが取れていると、なぜ甘噛みをしてきたかは自然にわかってくるものです。言葉は話せなくても猫の行動でどのようなことを訴えているかわかるよう日頃からのスキンシップを大切にしてください。

たくさん遊んだり撫でたりして、猫が飽きてきたら自由に放っておくという「猫に主導権を渡した状態」の生活を心がけると、コミュニケーションを円滑に進められるようになるはずです。

猫が頭突きをする心理状態や適切な対応

甘噛みのほかに「頭突き」も猫がよくする行動の一つです。額のあたりをコツンとあてるような仕草をしてきます。

頭突きをする心理状態

甘噛み同様、頭突きも愛情表現の一つだといわれています。心から信頼している証の行動で、信頼した相手だからこそ無防備に頭をくっつけてくるのです。

しかしごく稀に、初対面でも頭突きをしてくるという人懐っこい個体もいます。

このほかにも頭突きをしてくる理由を何点かご紹介しましょう。

あいさつ

自分より強い立場の猫へあいさつする時は、頭や顔を下げてコツンと額をぶつける行為をします。これは子猫から親猫へ、オスからメスへされることが多い行為です。子猫の時、コミュニケーションの手段として学習しているのでしょう。

飼い主に対しても同じようにしているのかもしれません。

マーキング

猫の額には、フェロモンをだす「臭腺」という匂いの線がいくつもあります。

そのため頭突きは、お気に入りの場所周辺や角になっている場所などに自分の匂いをつけようとしているのです。

飼い主に対しても「自分のもの」とマーキングしているのでしょう。

欲求

甘噛みと同じように、何かを訴えて頭突きをしてくる時もあります。

構って欲しい時や何かをして欲しいなどの欲求を訴えているので、どうして頭突きをしてくるのかを瞬時に読み取って対応してあげることが大切です。

頭突きに対する対応方法

頭突きの一番の理由は愛情表現やあいさつがほとんどです。

帰宅した時「おかえり」という意味で頭突きをしてきます。

「ただいま」という意味を込め優しく撫でてあげましょう。構って欲しそうに頭突きをしてきた時にも「何?」と聞きながら反応してあげることが大切です。

繰り返すうち、あいさつでの頭突きなのか何かの欲求なのかわかってきます。

遊んで欲しい、撫でてほしい、ご飯が食べたい、トイレをきれいにしてほしいなど、自ら誘導してきてくれるので対応してあげてください。

このほかに、皮膚トラブルが起きて擦り付けてきていることもあります。

何度も擦り付けてきたり、手足を使って頭を掻いていたり、頭に赤みや湿疹ができていたりする場合には、痒みがあるのかもしれません。猫は頭や顔に皮膚炎ができることが多い動物です。少しでもおかしいと感じたら動物病院を受診しましょう。

問題行動へのエスカレーションを防ぐために

そもそも猫のする「問題行動」とは、人間と一緒に生活する上で人間側にとって不都合なことをいいます。

乗ってはダメな場所に乗る、してはいけないところで爪研ぎをするなど、問題行動とされるほとんどは、猫にとって当たり前の行動といえます。

人間の言葉が話せない猫にとって、どうしてやってはいけないのかを理解することはできません。そのため問題行動がエスカレートする前に、習慣化させない必要があります。

問題行動の予防法

訓練や練習を理解することは難しいかもしれませんが、褒めて撫でて可愛がることによって飼い主に心を許してもらうことがしつけに繋がります。叱るばかりではなく、その分たくさん褒めて撫でてあげましょう。

子猫の頃から愛情を持ってコミュニケーションをとることによって、徐々に指示に反応できるようになるかもしれません。

感情的にならず、全てにおいて冷静に対応するよう心がけてください。

そして、問題行動を予防するために家族内でのルールは統一しておきましょう。

家族の一人が何度いけないと言い聞かせていても、もう一人が同じように叱らなければしつけをしている意味がなくなります。可愛くて大目に見てしまおうかという気持ちになるかもしれませんが、心を鬼にして、ダメなものはダメというルールにそって家族全員でしつけをしていきましょう。

爪研ぎをしてほしくない場所でしてしまうなどの予防には、イタズラ防止スプレーがおすすめです。

スプレーには柑橘類やココナッツ、シナモンの香りがし、嫌いな苦味もあります。あらかじめその場所にスプレーを振りかけておくことにより、イタズラ防止につながります。

しかし、個体によって効き目に差が出てくるかもしれません。

トレーニングやしつけの重要性

しつけと聞くと難しいことをしたり厳しくしたりと考えてしまいがちですが、実際はそうではありません。

しつけをするということは厳しくすることではなく、飼い主と一緒に暮らしていく中で危険を避けるためのルールを覚えてもらうことです。根気強く教えていきましょう。

叱る時の注意点として、叩いたり怒鳴ったりすることは絶対にやってはいけないことです。

叩いたり、怒鳴ったりしても猫には伝わりません。叱る時には、軽く頭を押さえる程度にしておきましょう。

イタズラしそうになっている時には、気づかれないよう手を叩いて大きな音をだし、行動をやめさせましょう。

霧吹きなどで水をかけたり、空気を吹きかけたりすることもおすすめです。これをやると嫌なことが起こると猫に学習させるのです。

そして、可愛がる時とは違う声でダメなことだと伝えることが重要になります。猫は飼い主の言葉をよく聞いているので、いつも優しい飼い主が怖い声で言っているとわかってもらう必要があるのです。

猫との良好な関係を築くために必要なこと

信頼関係を築くことから良好な関係は始まってきます。

猫は信頼関係を築けてこそ、さまざまな愛情表現をしてくれるようになるのです。

まずは猫に主導権を与えた生活を送りましょう。

主導権を与えるということは好き勝手させることとは違います。猫にとって適切なペースで安心して過ごせる環境に整えてあげることです。

気持ちを尊重し、無理な抱っこや必要以上のスキンシップは控えましょう。

部屋の中で、猫が静かに安心して過ごせる場所を作ってあげることも大切なことです。

いけないことをしたからといって、怒鳴ったり叩いたりすることは絶対にやめてください。

体罰をされたからといって、何が悪かったか猫は理解できません。そのため恐怖心だけが残り、信頼関係を築くどころか信頼をなくしてしまいます。

毎日猫とスキンシップをとり、欲求に答えてあげましょう。

撫でて欲しい、遊んで欲しい、ご飯を食べたいなど、しっかりコミュニケーションをとり、欲求に応えてあげることで良好な関係が築けます。

信頼関係が築けているかどうか猫の表情や動きで判断できます。

飼い主のそばにいる、舐めてくれる、ゴロゴロ喉をならす、抱っこをせがむなど信頼関係が築けているからこその行動をしてくれるのです。甘えん坊の性格だとどこにでもついていき、離れないことも多いのです。

その反対に、そばにいたがらない、近づくとしっぽと頭を下げてじっと見つめる、しっぽが膨らむなど緊張状態の時にする行動にでるようなら信頼関係が薄れている証拠です。

信頼関係が薄れてしまったからと言って修復が不可能というわけではありません。

猫が嫌がることは絶対にせず、愛情を持って話しかけ居心地のいい環境を整えてあげてください。時間はかかるかもしれませんが、次第に心を開いてくれるようになるはずです。

まとめ

猫にとって甘噛みや頭突きは大切な愛情表現であり、コミュニケーションの一つです。甘噛みを通じて、人との関係を築いたり欲求を伝えたりします。信頼している相手だからこそ、無防備に頭突きをし、愛情を伝えてきます。

今まで何気なくされてきた行為ですが、飼い主と猫との信頼関係が築けている証です。

猫は人間の言葉は話せません。そして理解もできません。

しかし、しっかりコミュニケーションがとれているからこそ、二つの表現の仕方で気持ちを伝えてきてくれようとするのです。

猫との関係に自信を持ち、今まで通り猫に愛情を注いでください。注げば注ぐだけそれ以上の愛情を返してくれることでしょう。

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