ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
猫がペロペロと舐めてくる理由が気になる方は多いと思います。
猫は自分の体を舐めたり、人の手や猫の手を舐めたりしますが、同じ理由ではありません。そのため、飼い主は状況に応じて猫の気持ちを理解してあげることが大切です。
今回は、猫が手を舐める理由を紹介します。
自分の体や他の猫を舐める理由、舐められて困った時の対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
猫が手を舐めるのはなぜ?
猫が手を舐める行動にはさまざまな理由があります。まず、猫が手を舐めるのは愛情表現の場合が多いです。
猫は自分が大切に思う相手に対して舐める行動を見せ、愛情を表現します。
母猫が子猫を舐めて世話をする行動と似ており、猫同士の絆を深めるためのコミュニケーション手段なのです。
また、猫が手を舐めるのは、自分の匂いを相手につけるためでもあります。猫は嗅覚が非常に鋭く、自分の匂いを他者につけると、安心感を得られるのです。
縄張り意識の強い猫は飼い主の手を舐めて、飼い主を自分の一部として認識し、安心感を得ています。
さらに、猫が手を舐める理由として、何かを要求している場合も多いです。
お腹が空いていたり、遊んで欲しかったり、撫でて欲しかったりする時に、猫は飼い主の手を舐めて自分の欲求を伝えようとします。
猫が自分の体を舐める理由
次に、猫が自分の体を舐める理由を紹介します。
- 毛嫌いするため
- 体温調整するため
- リラックスするため
それぞれ詳しく紹介するので、猫が自分の体を舐める際に理由を理解できるようになりましょう。
毛繕いをするため
まず、猫が自分の体を舐める理由は毛繕いをするためです。
猫はきれい好きな動物であり、自分の体を常に清潔に保つことを重要視しています。
そして、清潔さを保つために、猫は1日に数回、自分の体全体を舐めて毛繕いを行うのです。
猫の舌には小さな突起があり、突起で被毛を整え、汚れや寄生虫を取り除いています。
また、毛繕いは被毛の健康維持にも効果的です。猫が自分の被毛を舐めると、皮脂を均等に広げ、被毛にツヤを与えます。皮脂は猫の皮膚を保護し、外部の有害物質から守るために重要です。
また、毛繕いは抜け毛を取り除き、新しい毛が生えやすくする環境を整えます。
体温調整をするため
次に、猫が自分の体を舐める理由は体温調整するためです。
猫は人間とは異なり、全身で汗をかいて体温を調整できません。そのため、猫は体温を調整するために、自分の体を舐める行動をとります。
具体的には、猫が体を舐める行動は、唾液を被毛に付け、蒸発する際に体温を下げる効果が期待できるのです。
特に暑い季節や運動後など、体温が上がりやすい状況では、猫が頻繁に毛繕いを行う姿を見かける場合が多くあります。
また、長毛種の猫にとっては、体を舐めることによる体温調節は非常に重要です。
被毛が多い分、熱がこもりやすいため、舐めることで効率的に体温を下げる必要があります。
さらに、寒い時期の体温調整にも毛繕いは効果的です。寒い時期には、毛繕いで被毛をふっくらさせ、空気の層を作り出して体温を保持しています。
被毛を整えて皮膚に直接風が当たるのを防ぎ、寒さから身を守っているのです。
リラックスするため
最後に、猫が自分の体を舐める理由はリラックスするためです。
毛繕いは猫にとってリラックスできる行為であり、ストレスを軽減する効果があります。
猫がストレスを感じたり、緊張したりした時に自分の体を舐めるのは、転位行動の1つです。舐める行動は心を落ち着かせ、安心感を得られます。
特に、新しい環境に置かれた時や飼い主が長時間家を空けていた後などに自分の体を舐める場合が多いです。
また、毛繕いはリラックスして快適さを感じられるので、日常的な行動としても見られます。
例えば、猫は長時間の睡眠から目覚めた後や、食事を終えた後に毛繕いを行う場合が多いです。
猫が飼い主の手を舐める理由
次に、猫が飼い主の手を舐める理由を紹介します。
- 愛情表現をしている
- 仲間だと認めている
- 何か要求がある
- 自分のニオイをつけて安心したい
それぞれ詳しく紹介するので、上記の理由のどれか判断できるようになりましょう。
愛情表現をしている
まず、猫が飼い主の手を舐めるのは愛情表現をしているからです。
猫は、愛情を持っている相手に対して舐める行動を見せる場合があります。猫が愛情表現で舐めるのは、母猫が子猫を舐めて世話をする行動と同じです。
母猫は子猫を舐めて愛情を示し、子猫の体を清潔に保ちながら体温を調整する役割を果たしています。
猫が飼い主の手を舐めるのも同じ理由です。猫は飼い主を大切に思っているため、愛情を示すために舐める行動をとります。
特に、飼い主が帰宅した時や、猫と一緒に過ごす時間が長くなった時に、猫が飼い主の手を舐める姿を見かける場合が多いです。
また、猫が飼い主の手を舐める行動は、安心感を与える効果もあります。猫は舐める行動で愛情を示し、自分自身も安心感を得ているのです。
仲間だと認めている
次に、猫が飼い主の手を舐めるのは、仲間だと認めているからです。
猫は社会的な動物なので、信頼関係を築くために舐める行動をします。これはアログルーミングと呼ばれており、猫同士の絆を深めるために重要な行動です。
猫が飼い主の手を舐める行動も、アログルーミングの一環であり、飼い主を仲間として認めています。
特に、猫が飼い主に対して安心感を感じている時や、リラックスしている時にこの行動が見られる場合が多いです。
何か要求がある
3つ目に、猫が飼い主の手を舐めるのは、何か要求があるからです。
猫は言葉を使ってコミュニケーションをとれないため、舐める行動を通じて自分の欲求を伝えようとします。
例えば、お腹が空いている時や遊んで欲しい時、撫でて欲しい時など、何かを求めている時に猫は飼い主の手を舐める場合があるのです。
猫が何かを要求している場合、舐める行動には具体的なサインがあります。例えば、猫が飼い主の手を舐めながら目を見つめる、または軽く鳴く場合が多いです。
飼い主はサインを見逃さず、猫の要求に応えると、猫とのコミュニケーションを円滑にできます。
猫が安心して過ごせる環境を提供し、猫の要求に適切に対応することが、猫との信頼関係を築くために重要です。
自分のニオイをつけて安心したい
最後に、猫が飼い主の手を舐めるのは、自分のニオイをつけて安心したいからです。
猫は非常に嗅覚が鋭い動物であり、匂いを使って自分のテリトリーを確認し、安心感を得る習性があります。
猫は飼い主の手を舐めて、自分の唾液を付け、匂いを広げて安心感を得ようとしているのです。
猫は縄張り意識が強く、自分の匂いが付いた場所を自分の領域として認識します。
特に、新しい環境に置かれた時や、飼い主が他の動物と接触した後など、猫が不安を感じる状況では、猫が飼い主の手を舐める場合が多いです。
飼い主は猫の縄張り意識を理解し、猫が安心できる環境を整えましょう。
猫が他の猫の手を舐める意味
次に、猫が他の猫の手を舐める意味を紹介します。他の猫の手を舐める理由やどういった猫に見られるのかを紹介しているので、ぜひチェックしましょう。
アログルーミング
猫が他の猫の手を舐める行動は、先述した通りアログルーミングと呼ばれる社会的な行動の1つです。
アログルーミングは、猫同士が互いに毛繕いをする行動であり、親しい関係や社会的な絆を深めるために行います。
アログルーミングは、猫の社会生活においてメリットが多いです。
まず、アログルーミングは、体の届きにくい部分を清潔に保つ手助けができます。
猫は自分自身を舐めて毛繕いを行いますが、頭部や背中の一部などはどうしても舌が届きません。
アログルーミングによって、他の猫が頭部や背中の一部を舐めると、全身を清潔に保てるのです。
また、アログルーミングは猫同士のストレスを軽減する効果もあります。毛繕いを行うことで、猫はリラックスし、安心感を得ることが可能です。
そのため、アログルーミングは緊張をほぐし、グループ内の平和を維持するために必要な手段となります。
特に、家に新しい猫が加わったり、環境の変化があったりした場合に、アログルーミングは猫同士の関係を安定させるのに効果的です。
親しい関係の猫同士で見られる
猫が他の猫の手を舐める行動は、親しい関係にある猫同士で特によく見られます。
猫が互いに信頼し、安心感を持っている証拠であり、親密な関係を示す重要な行動です。猫同士が親しい関係にある場合、互いに毛繕いをして絆を深め、信頼を確認し合います。
特に家族の一員として一緒に育った猫や、長期間同じ環境で過ごしている猫同士で見られる場合が多いです。
猫は、ストレスを感じたり、不安を感じたりする状況では、他の猫と距離を置く傾向があります。
しかし、親しい関係にある猫同士は、互いに毛繕いを行ってリラックスし、安心感を得ているのです。
猫に舐められると痛いのはなぜ?
猫に舐められると痛いと感じる方は多いと思います。原因は猫の舌の構造にあるので、詳しくチェックしていきましょう。
猫の舌には小さなトゲが生えているから
猫に舐められると痛みを感じるのは、猫の舌に小さなトゲが生えているからです。
猫の舌をよく観察すると、小さなトゲ状の突起があって表面がザラザラしているのがわかります。
小さなトゲ状の突起は猫が食べ物を捕らえたり、毛繕いを行ったりする際に非常に重要な役割を果たしているのです。
小さなトゲ状の突起はケラチンという硬いタンパク質でできており、舌の表面をザラザラとした質感にしています。
ケラチンは人間の爪や髪の毛の主成分でもあり、非常に硬く強靭です。
そのため、猫が舌で舐めると、人間の皮膚には痛みを感じるほどの圧力が加わります。
特に、猫が力を入れて舐める場合や、同じ場所を繰り返し舐める場合には、痛みを強く感じる場合が多いです。
トゲはネコ科の動物に特有の糸状乳頭
猫の舌に生えているトゲは糸状乳頭であり、ネコ科の動物に特有です。
糸状乳頭は、猫だけでなくライオンやトラ、ヒョウなどの大きなネコ科の動物にも見られます。それぞれの種が環境に適応し、生存するために糸状乳頭を活用しているのです。
糸状乳頭の構造は非常に独特で、細かい突起が舌の表面全体に密集しています。
糸状乳頭でネコ科の動物は獲物の肉を引き裂いたり、骨に付着した肉を効果的に取り除くことが可能です。
例えば、ライオンやトラは大型の獲物を捕らえる際に、糸状乳頭を使って肉をしっかりと引き裂き、栄養を効率的に摂取しています。
糸状乳頭の発達は、ネコ科の動物の生活習慣に密接に関連しており、ネコ科の動物が効率的に食物を摂取し、健康を維持するための重要な手段となっているのです。
しつこく舐められて困った時の対処法
次に、猫にしつこく舐められて困った時の対処法を紹介します。
- 手を服でそっと隠す
- 猫を撫でてあげる
- 猫の要求を満たしてあげる
それぞれ詳しく紹介するので、困った時はぜひ実践してみてください。
手を服でそっと隠す
まず、猫がしつこく舐めてくるときは、手を服でそっと隠しましょう。
猫が手を舐めるのは愛情表現や安心感を得るため、または何かを要求している可能性が高いですが、しつこく続けられると痛みを感じます。
そのため、手を服で隠すと猫は舐める対象がなくなり、自然に行動を止めることが多いです。
手を隠す際には、急に動かすのではなく、ゆっくりと動かして隠し、猫が驚かないように注意しましょう。
また、手を服でそっと隠す際は猫がストレスを感じないようにすることが重要です。
猫は非常に敏感な動物であり、急な変化や予期しない動きに対して敏感に反応します。
手を服で隠す際には、穏やかな声で話しかけたり、優しく撫でてあげたりして、猫に安心感を与えることが大切です。
猫を撫でてあげる
次に、猫がしつこく舐めてくる場合、猫を撫でてあげましょう。
猫が飼い主の手を舐めるのは、愛情を示すためや安心感を求めるための行動である場合が多いです。
そのため、飼い主が猫を優しく撫でてあげると、猫は満足感を得て舐める行動を止めてくれる場合があります。
猫を撫でる際には、猫がリラックスできるような触れ方を心がけることが重要です。
多くの猫は、頭部や首筋、背中、そして耳の後ろを撫でられるのを好みます。優しく撫でてあげると、猫は安心感を感じ、舐める行動が和らぐのです。
猫の反応を観察しながら、適切な撫で方を見つけてあげましょう。猫が嫌がるような反応を示した場合には、対象の部分を撫でるのを避けてください。
猫の個体差によって好みの撫で方や部位が異なるため、猫が快適に感じる撫で方を見つけることが大切です。
猫の要求を満たしてあげる
最後に、猫がしつこく舐めてくる場合、猫の要求を満たしてあげましょう。
猫は言葉を使わずにコミュニケーションをとるため、舐める行動によって何かを伝えようとしている場合があります。
猫の要求を理解して満たしてあげると、舐める行動を減少させられるのです。
まず、猫が何を要求しているのかを見極めましょう。例えば、猫が空腹を感じている場合、舐める行動によって飼い主に食事の時間を知らせている場合があります。
猫が特定の時間に食事を欲しがる場合には、定期的な食事のスケジュールを作ることが効果的です。
また、猫が遊びたいと感じている場合も、舐める行動によって欲求を伝えようとする場合があります。猫は活動的な動物であり、適度な運動や遊びが必要です。
猫が退屈している場合や、エネルギーを発散させたいと感じている場合には、飼い主が積極的に遊び相手をしてあげましょう。
まとめ
猫が飼い主の手を舐めるのは、愛情表現や何かの要求、安心感を得るための場合が多いです。
また、親しい猫同士でも手を舐める様子が見られます。一方で、猫が自分の体を舐めるのは、毛繕いや体温調整、リラックス効果が理由です。
飼い主は、猫にしつこく舐められて困った時は、手で服をそっと隠し、猫を撫でてあげましょう。何かを要求している場合は、注意深く観察し、満たしてあげることが大切です。
猫の手を舐める時の気持ちを理解して、過ごしやすい環境を維持してあげましょう。