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【獣医師監修】猫がお腹を見せる時の心理は?お腹を見せた時に撫でると噛む理由も解説

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はじめに

猫は、警戒心が強い動物なので滅多に急所であるお腹を見せることはありませんが、信頼していたり様々な理由で相手にお腹を見せる体勢をとることがあります。

話のできない猫のことを理解するためには、行動や仕草から気持ちを感じ取ることが大事です。

今回は猫がお腹を見せる時の心理を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

猫がお腹を見せる時の心理は?

猫がお腹を見せるのは、信頼している相手か相手に対して敵意がないことのアピールの場合が多いです。

しかし、中には体温管理やリラックスのためにお腹を見せていたり、威嚇している場合もあるので、その時に無理にお腹を触ろうとすると嫌がります。

構って欲しそうにお腹を出していて、遊んであげる時は様子を見ながらストレスのない範囲でコミュニケーションを取るのがおすすめです。

お腹を見せた時に猫は何を考えているのか知りたい方、思っていた反応と違ったと言う方は猫がお腹を出している時の様々な心理を理解しましょう。

信頼している

猫にとってお腹は、骨がなく内臓が守られていない急所なので、基本的に誰かに見せることはありません。

普段はお腹を守るように丸まった姿勢でいることが多いため、猫がお腹を見せる時は相手のことをとても信頼している証拠です。

自分の弱点を見せていることになるので、敵意がない・安心できる相手と言う意思表示をしています。

とはいえ、お腹を見せたからといって触って欲しいわけではない可能性もあるので、嬉しいからと執拗に構うのはやめましょう。

リラックスしている

猫がお腹を出して寝ている時は、安心してリラックスしている状態です。

お気に入りの場所や寝床でへそ天をしているなら、お家がとても居心地良いのでしょう。

逆に緊張していたり警戒している時は、お腹を守るように丸くなっているので、周りの環境を確認して猫が危険を感じている原因を排除してあげてください。

甘えている

猫がお腹を出すのは、甘えたい時の意思表示の可能性があります。

子猫の時は母猫にお腹を出して甘えるので、その名残りから飼い主に甘えたい時にもお腹を出してアピールすることがあります。

撫でて欲しい・おやつが欲しいなど期待を込めてお腹を見せてくれているので、対応できる状態なら甘やかしてあげましょう。

猫が構って欲しい時にお腹を見せてくれるなら、信頼されている証拠なので良いコミュニケーションが取れているということです。

引き続き毎日コミュニケーションが取れるように時間を作りましょう。

遊ぼうと誘っている

猫が飼い主の前にわざわざきてゴロンと寝転がりお腹を出す時は、遊んで欲しい・構って欲しい時です。

自分に注目して欲しいというアピールなので、ぜひ一緒に遊んであげましょう。

しかし、猫が遊びに誘っている時は撫でて欲しい・甘えたいわけではない事があるので、お腹を撫でると噛み付く真似をして戦いごっこに繋がる可能性があります。

猫が遊びたいならオモチャを使って、コミュニケーションを取るのがおすすめです。

威嚇している

お腹は猫にとっても急所なので、相手にお腹を出すのは服従しているサインと思われがちですが、猫にとっては服従するポーズではありません。

猫は、ケンカをしている時に不利だと思ったらお腹を出して迎え撃つことがあります。

急所のお腹を出すことは不利にもなりますが、4本の足を使って戦えるぞという体勢です。

実際の戦いでは、4本の足で引っ掻いたりキックを繰り出し、相手からは絶対に目を離さずにずっと警戒しながら威嚇を続けます。

猫がお腹を出していても攻撃体勢の場合があるので、猫が本当に構ってほしくてお腹を出したのかどうか様子を見て判断し、威嚇をしているなら近づかず安心させてあげれる環境を作ってあげましょう。

反対に猫が服従している時は守りの体勢に入ります。

  • 頭を引く
  • 四肢を曲げる
  • 身体を低くする
  • 尻尾を体の下にしまう
  • 耳を後ろに寝かす

上記のような様子が見られた時は、負けを認めて服従をしている可能性が高いので、これ以上追い込まないようにしましょう。

体温調整のため

猫は体温調整のためにお腹を出すことがあります。

寒いのが苦手な猫は身体を温めるために日光をお腹に当て、逆に暑い時はお腹を出して熱を逃しているのです。

日向でお腹を出している時や、夏場にお腹を出して寝ているときは室内の温度を調節してあげましょう。

猫にとって最適な気温は25〜28℃が目安です。

猫がリラックスしている時のお腹の見せ方

猫はリラックスしている時にもお腹を見せますが、甘えていたり触って欲しいわけではないので無理やり構おうとしないでください。

気分良くリラックスしている時間なので、猫の邪魔をしないようにしましょう。

ゴロゴロ言っている

猫はリラックスしてお腹を見せている時に、喉をゴロゴロと鳴らすことがあります。

ゴロゴロの音は全て一緒ではなく、猫のその時の気分や状況で低音〜高音を使い分けています。

ゴロゴロの音気分や状況
低音
  • ストレスを感じている時
  • 痛みを感じている時
中音
  • リラックスしている時
  • コミュニケーションを取る時
高音
  • 何かして欲しい時

リラックスしている時は中音のゴロゴロ音です。

お腹を出してゴロゴロ言っている時は、音の高さも気にしてみてください。

気持ち良さそうに寝ている

猫がお腹を出して気持ちよく寝ている姿をへそ天とも呼びますが、心の底からリラックスしている状態です。

寝ている場所や周りにいる人や動物に絶対的な信頼があり、何があっても守ってもらえると安心しきって寝ています。

あくびや伸びをする

猫がお腹を見せながらあくびや伸びをしているのなら、体の疲れを癒したいと思っている可能性があります。

そもそも猫があくびや伸びをするのは、不安やストレスで身体が緊張している時に、気持ちを落ち着かせてリラックスさせるために行う行動です。

背中を伸ばして全身を寝かせることで、筋肉の緊張を解いてストレスを軽減することができます。

安心できる場所では、猫もゆっくりと快適な体勢でリラックスして過ごしたいのです。

猫がくねくねしてお腹を見せる時は?

猫がお腹を見せながらくねくねしている場合は、何かしらの不快感や興奮状態の可能性があります。

構って欲しい時ばかりではないので、無理やりコミュニケーションを取ろうとしてはいけません。

猫がお腹を出してくねくねしている時の原因や注意点を紹介するので参考にしてください。

興奮している

猫は興奮するとお腹を出して、身体をくねくねすることがあります。

猫が興奮する原因
  • またたびを与えた時
  • おもちゃで遊んでいる時
  • 他の猫と戯れあっている時
  • 好きな匂いがした時
  • 塩素系の洗剤の匂いを嗅いだ時

上記のような原因がある時は、猫が一時的に興奮状態になっている可能性が高いです。

興奮しているかどうかは、お腹を出しているだけでなくほかの仕草でも判断できます。

興奮した時の猫の様子
  • 瞳孔が開く
  • 目がらんらんとする
  • ヒゲが前を向く
  • 鼻や耳の中がピンクになる
  • 唸り声を上げる

猫は、一度興奮してしまうと冷静になるまでに時間がかかることもあります。

特にマタタビの摂りすぎで興奮している時は、興奮状態が長く続くので注意が必要です。

猫が興奮していて危険を感じたらゲージに入れたり、別の部屋に行くなど猫から距離を取り落ち着くのを待ちましょう。

遊んでいる

猫がおもちゃなどで遊びながらお腹を出している時は、とてもご機嫌に遊んでいる証拠です。

思う存分遊ばせてあげましょう。

もしも足元でゴロンとお腹を出しているなら、一緒に遊ぼうとアピールしています。

そんな可愛い仕草に、キュンキュンしてしまう飼い主さんも多いはずです。

時間が許すなら一緒に遊んで、たくさんコミュニケーションをとってあげてください。

猫は持久力がないため長時間激しく遊ぶと疲れてしまうので、15分ほどを目安に毎日遊んであげるのがおすすめです。

背中をかいている

猫は背中が痒い時に、床にゴロンとして背中を擦るようにクネクネすることがあります。

たまにクネクネする程度なら心配ありませんが、執拗に痒がって背中を地面に擦り付けているなら皮膚病を患っている可能性が高いです。

とても可愛い行動ではありますが、放置せずにしっかり猫の身体の状態をチェックしましょう。

猫の毛を掻き分けると地肌が見えるので、赤みやただれなどの異常がないか確認してください。

背中〜腰回りはノミによる皮膚炎が起こりやすい場所なので、特に注意深く見てあげましょう。

何か異常が見つかったら、早急に動物病院へ連れて行ってください。

猫がお腹を見せた時に撫でると噛む理由

猫がお腹を見せてくれた時は撫でても良いサインで、撫でたら喜んでくれることも多いです。

しかし、タイミングや気分によっては嫌がって噛んでくることもあります。

なぜお腹を見せてくれたのに、噛まれるのか理解できない方もいると思うので、猫が噛んできた時の心理を解説します。

嫌なことをされて反射的に噛んでしまうのは野生本能を持つ猫には仕方のないことですが、飼い猫の場合は噛んではいけないことを教えるのも大事です。

コミュニケーションの一環として、噛みつく行為をしてしまうのは飼い主や家族、客人のケガの原因になってしまうので注意しましょう。

お腹を触られたくない

猫からお腹を出してきたのに、触ったら噛んできたときは、お腹を触られたくないという意思表示です。

どんなに信頼関係が築けていたとしても、結局お腹は猫にとって急所なので、触られると身の危険を感じて反射的に噛んでしまうこともあります。

特に警戒心の強い子は、嫌がる可能性が高いので様子を見ながらお腹を触っても良い状態か推測しましょう。

尻尾を小刻みに振ったり、耳をたたんでいる時は猫がストレスを感じている可能性が高いので、すぐに触るのをやめてください。

撫でられたのが不快だった

猫が目の前でお腹を出してきたら撫でて欲しいのかなと思いますが、ただリラックスをしているだけの可能性があります。

その場合は、撫でられるのが嫌で噛みついてしまうことがあります。

噛み付く行為は、猫にとって触らないで欲しいという意思表示です。

または、撫で方が不快だった可能性もあります。

噛みつかないようにしつけることも大事ですが、猫が嫌がっていないのか・撫でて欲しいのかを見極めてあげることも必要です。

猫がお腹を出してもすぐに撫でるのではなく、手を近づけても嫌がらないか様子を見ながら撫でるようにしましょう。

撫でる時は、猫の呼吸に合わせておへそから胸に向かって円を描くように優しく撫でてください。

ゆっくり手を動かすと気持ちよさそうにする猫が多いですが、それぞれ好みが違うので焦らずにその子にあった撫で方を見つけてあげましょう。

猫は初対面の人にもお腹を見せる?

初対面の猫がお腹を見せてくれたら可愛くて嬉しいものですが、その背景には様々な理由が隠されています。

お腹を見せる理由詳細
信頼している猫が初対面なのにお腹を出すのは、相手に対して信頼や安心感を抱いている可能性があります。
環境や人に対してすぐに適応できる人慣れしている猫に多いです。
ごはんやおやつが欲しい過去に知らない相手から食べ物をもらった記憶のある猫は、お腹を出して食べ物をねだっている可能性があります。
可愛がられたい過去にお腹を出したらかまってもらった記憶のある猫は、また可愛がって欲しくてアピールのためにお腹を出す可能性があります。
ゴロンと足元に転がったり、お腹を出して撫でて欲しそうにするなど人懐っこい猫に多いです。
性格猫の性格上、警戒心のない子だと初対面でもお腹を出すことがあります。
特に触って欲しいアピールでない場合もあるので、注意が必要です。
警戒心猫は自分より強い相手に威嚇をする際に、仰向けになり全ての足を使って戦おうとする可能性があります。
安心感からお腹を出しているわけではなく、警戒心が強いからこその行動なので、なるべく刺激を与えないようにしましょう。

猫がお腹を見せるのは信頼や甘えているなどの良い意味の場合もあれば、警戒心を抱き怖がっている場合もあります。

初対面の猫だと特に、性格やお腹を出す本当の意味を理解してあげるのが難しいので、無理にコミュニケーションを取ろうとせずに様子を見ながら対応してあげてください。

初対面でお腹を見せることはほぼない

猫は警戒心の強い動物なので、初めて会った相手に自分の弱点を見せることはほとんどありません。

お腹を見せてくれるのは相当レアなケースなので、もしもお腹を見せてくれる機会があったら無理やりに触ったり執拗に構わずに様子を見ましょう。

野良猫でもお腹を見せてくれる?

基本的に野良猫は室内で飼われている猫よりも警戒心が強いので、お腹を見せてくれることは少ないです。

野良猫にとって外敵から身を守るためにはお腹は隠しておきたい場所なので、相当信用されない限りは近づかせてもくれない可能性があります。

信頼してもらえるとお腹を見せてくれることも

野良猫でも信頼してもらえるとお腹を見せてくれる事があります。

初対面で見せてくれることはほとんどありませんが、何度も会っていて敵ではないと安心感をもってもらえたらお腹を出してくれるかもしれません。

中には野良猫に餌をあげる人もいるので、人慣れしている猫の場合はお腹を見せてくれる可能性が高いです。

しかし、執拗に構って無理に懐かせようとすると、猫にとってストレスになってしまう場合もあるので注意しましょう。

まとめ

今回は猫がお腹を出す行為の心理について解説しました。

猫は警戒心の強い動物ですが、信頼した相手や安心できる場所ではお腹を出してリラックスすることがあります。

しかし、中には威嚇した臨戦体勢でお腹を出してることもあるので猫の気持ちを理解してあげる事が大事です。

お腹を出しだからといって、触って欲しいわけではない事もあるので、猫にストレスを与えないようにその子にあった対応をしてあげましょう。

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