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はじめに
猫が毛布やタオル、飼い主のお腹や背中でもみもみ・ふみふみしている姿を見かけたことがある方も多いと思いますが、その行為には甘えたいという気持ちがあるんです。
マッサージしているような、足踏みしているような可愛い行為をする理由や、どんな気持ちでしているのかを今回は解説します。
注意すべきこともあるので、愛猫の気持ちを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
猫がもみもみ・ふみふみする理由
猫がもみもみ・ふみふみをするのは、甘えたい気持ちからくる子猫時代の名残の行為だと言われています。
飼い主に対して、安心感があり居心地が良いという表れでもあるので、見守ってあげてください。
子猫時代の名残の行為
猫のもみもみ・ふみふみ行為は子猫時代の名残の行為です。
愛猫がどんな気持ちなのか、何を思い出しているのかを解説します。
母猫に甘えたい気持ちからくるもの
猫が前足で毛布やタオルなどの柔らかいものをもみもみ・ふみふみしている時は、母猫のおっぱいを思い出していて、甘えたい気持ちを表している行為です。
子猫は、母猫のおっぱいを飲む時におっぱいを刺激して出やすくするために、前足をグーパーします。
母猫のおっぱいを飲んでいる時の、気持ちよさや心地よかったことを思い出しているのでしょう。
うっとりしながらもみもみ・ふみふみしている姿も良く見られます。
この行為は、いわば赤ちゃん帰りと呼ばれており、母猫に甘えたい気持ちを思い出している行動です。
特に母猫と離されるのが早かった子猫に多く、柔らかくて温かいものを見つけると母猫を思い出して甘えたくなるのでしょう。
危険がない限りは、温かい目で見守ってあげてください。
ウールに含まれる成分には母猫と似た匂いがある?
ウールには、ラノリンという成分が含まれており、母猫の匂いに似ていると言われています。
猫は、嗅覚が優れているので、ウール素材を見分けてもみもみ・ふみふみする子がいるのは、母猫を思い出すからです。
ウール素材のものをもみもみ・ふみふみされるのが嫌な方は、猫が届かない場所にしまっておきましょう。
親離れできていないわけではない
猫がもみもみ・ふみふみするからと言って、親離れができてないわけではありません。
親離れができていても、ふとした時に母猫を思い出したり、安心しきっている飼い主に甘えたい時の可能性もあります。
乳離れが早いと、母猫からの愛情不足で甘えたい時にもみもみ・ふみふみをすることがあるので、そんな姿を見かけた時は飼い主の方はたくさん甘えさせてあげましょう。
ストレスにならない程度にコミュニケーションをとって、愛猫の気持ちを満たしてあげると良いです。
どんな時にもみもみ・ふみふみする?
猫がもみもみ・ふみふみしているのは、どんな時なのか解説します。
猫の行動は、気持ちも表現している場合もあるので、ぜひ参考にしてください。
リラックスして気分が良いとき
猫の気分がよく、リラックスしている時にも、もみもみ・ふみふみしている姿が見られます。
寝起きや寝る前にもよく見られるので、もみもみ・ふみふみする事自体が、猫にとってはリラックスできる行為なのでしょう。
飼い主の膝の上に乗っている時に、足をもみもみ・ふみふみすることもあります。
手の指を開いたり閉じたりしながらしている場合は、爪を立ててしまう可能性があるので、衣服がボロボロにならないように注意してください。
気持ちを落ち着かせたいとき
猫はストレスが溜まってイライラしている時に、気持ちを落ち着かせるため・安心感を得るために、毛布やタオルをもみもみ・ふみふみする事があります。
ストレス発散の行為として見守ってあげるのはもちろん良いですが、何かストレスの原因になる事があるなら原因を取り除いてあげましょう。
飼い主に甘えたいとき
猫がもみもみ・ふみふみしている時は、飼い主に甘えたい時の行為でもあります。
飼い猫にとっては、飼い主が母猫のような存在です。
特に室内飼いをしている愛猫の世界は、飼い主と自分だけなので、いつまでも子猫の部分が残っていて甘えたい気持ちがあります。
飼い主に対し、お腹や背中をもみもみ・ふみふみしてくる時は、甘えさせてほしいという表れなので、優しく受け入れてあげましょう。
猫は気持ち良くなると爪を出してもみもみ・ふみふみする事があります。
悪気があるわけではないので、爪が当たって痛い時は、爪切りをしてあげてください。
もみもみ・ふみふみしながら喉をゴロゴロと鳴らすことも
猫が喉をゴロゴロと鳴らす時は、母猫と子猫のコミュニケーション行為です。
子猫は、生まれてから3日もすれば、喉をゴロゴロと鳴らせるようになります。
喉をゴロゴロと鳴らしながら、母猫に甘えてお乳を飲みたいアピールをするのです。
もしも、愛猫がもみもみ・ふみふみしながらゴロゴロと喉を鳴らしてきたら、甘えたいアピールをしている時なので、飼い主の方はぜひ構ってあげてください。
眠いとき
成猫になってから寝床の毛布をもみもみ・ふみふみしている行為は、巣を整える行動だという説もあります。
眠い時に、寝心地を良くしたい・リラックスできる場を作りたい思いからの行動なので、危険がない限りは見守ってあげましょう。
冬場の寒い時に、飼い主の寝床まで来てもみもみ・ふみふみをする時は、温かい場所を求めている場合があります。
もちろん飼い主に甘えたい気持ちもあるので、問題がないなら一緒に寝てあげてください。
もみもみ・ふみふみしながら生地を噛む時は要注意
猫がもみもみ・ふみふみをしながら生地を噛んでいる時は、何らかの事情があるので注意が必要です。
どうして噛んでしまうのかを解説するので、ぜひ参考にして対処してあげましょう。
生地を噛むのはおっぱいを吸う行為を思い出しているから
猫がもみもみ・ふみふみしながら生地を噛むのは、おっぱいを吸う行為を思い出している可能性があります。
生後間もない頃に、乳離れをさせられてしまった猫は母猫に甘えたい気持ちが満たされていない場合が多いです。
ストレスが溜まってしまって、落ち着きたい時の行動の可能性もあるので、無理に噛むのをやめさせる事はしないでください。
よりストレスを溜めてしまい悲しい思いをしたり、ストレスを溜め続けて体調不良になる場合もあります。
生地を噛んだり吸う行為をしている時は、愛情不足を感じている状態なので、飼い主の方は親代わりになったつもりでたくさん愛情を与えてください。
成猫になるにつれて、生地を噛む行為が落ち着いていくことも多いですが、どうしてもやめられない場合は、長い目で見て愛猫の気持ちを受け止めてあげるのも大事です。
体内に繊維を取り込まないように注意
猫がもみもみ・ふみふみしている時は、毛布やタオルの繊維が体内に取り込まれないように注意が必要です。
特にウールや毛糸のような繊維質のものは、吸ったり噛んだりすると、体内に入り込んでしまう可能性が高いので注意しましょう。
誤飲してしまった場合に見られる症状や行動はこちらです。
- 吐く行為はしているが吐けない
- 嘔吐する
- 食欲がない
- 口を開けたり閉じたりしている
- 呼吸がしづらい・苦しそう
- ぐったりして元気がない
- 舌・口の中・歯茎が青紫色になる
飲み込んだ瞬間を見ていなかったり、一部がなくなっている毛布やタオルを見つけた時は、要注意です。
よく愛猫を観察し、誤飲の症状が出てないか・普段と変わった様子が見られないかを見ておきましょう。
もしも、体内に入り込んでしまうと炎症を起こしたり、胃や腸の中で詰まってしまい危険です。
すぐに動物病院に連れて行き診察を受けましょう。
考えられる治療法を紹介します。
治療法 | 治療内容 |
嘔吐を促す治療 | 異物が胃内に残っている場合は、吐かせて異物を出します。 催吐剤や点滴を打ち、嘔吐を促す方法です。 観察する必要がある場合は、入院になります。 |
内視鏡手術 | 嘔吐を促しても出せない場合は、内視鏡手術を行います。 全身麻酔で、基本的には口から内視鏡を入れて異物を取り除く方法です。 |
切開手術 | 内視鏡手術では取り除けない場合や、腸で詰まってしまった場合は切開手術を行います。 特にひも状で絡みついたり、引っかかっている場合は緊急手術が必要です。 全身麻酔ですし、切開なので傷が治るのも時間がかかってしまいます。 |
投薬治療 | 中毒を起こす危険のある異物を飲み込んでしまった場合は、薬物作用を中和するために結抗剤や解毒剤を飲ませます。 |
異物の誤飲は、危険な状態になることも多く、最悪の場合は手術になることもあります。
小さい身体で全身麻酔をするのは、愛猫の身体にかなりの負担がかかるので、飼い主の方は誤飲には細心の注意を払ってください。
どうしても毛布やタオルを噛むのをやめない場合は、繊維質ではないものや毛羽立ちにくいものを与えましょう。
発情期のマウンティングとの違い
猫がもみもみ・ふみふみしていると、発情期のマウンティング?と思われる方もいると思いますが、全く別の行為です。
マウンティングについて、詳しく解説するので、行動から愛猫のことを理解したいと思われる方はぜひ最後まで見て参考にしてください。
マウンティングとは?
猫のマウンティングとは、相手より自分が優位だということを示したり、自分の縄張りだと示すための行為です。
毛布やぬいぐるみなどの上に乗っかるのは、自分の方が強いんだぞという本能的な行為であり、発情期以外でも見られます。
多頭飼いの家庭では、特に縄張り争いや自分の方が強いというアピールをするためよく見られる行動です。
基本的に相手に対し上から腰を押し付け、首の付け根に噛み付く事もあります。
噛み付くのは動かないようにする行動で、怪我をさせる目的ではありません。
飼い主に対してマウンティングをする場合は、手や足を噛んだり身体のどこかに腰を当ててくるなどの行動が見られます。
また、優位に立ちたいだけでなく、失敗した時や我慢させられた時に気持ちを落ち着かせるためにもマウンティングをする猫もいます。
ストレスを感じた時の発散方法なので、無理にやめさせて余計ストレスを与えないように、見守ってあげてください。
ストレスを取り除いてあげられるなら、生活にずっと関わってくる問題なので、なるべく早く取り除いてあげましょう。
前足か後ろ足かの違い
猫がもみもみ・ふみふみする時は基本的に前足で行う事がほとんどなので、後ろ足でしている場合はマウンティングの可能性が高いです。
マウンティングと聞くと、上に乗っかっていたり、腰を振るイメージを持たれる方が多いと思いますが、もみもみ・ふみふみをする子もいます。
特に生後4ヶ月頃のオスによく見られる行為で、交尾の練習にもなっており、成猫になるための通過点なので心配はいりません。
腰振りなどの動作も加わっている
猫が後ろ足をもみもみ・ふみふみしている場合に、腰振りなどの動作が加わっているのは、縄張りやオスの猫として優位なことをアピールしている行動です。
そのほか、ストレス発散や自分を落ち着かせるといった意味合いもあります。
可愛い愛猫が腰振りをしている姿を見るのは、何とも言えない気持ちになる飼い主の方もいると思いますが、オス猫にとっては自然行為なので見守ってあげましょう。
発情期以外にも腰振りの動作をいつまでもやり続けている場合は、去勢手術をおすすめします。
しかし、手術を受けるのは愛猫の体調の問題、飼い主の方の金銭面の問題が出てくるので、よく考えてから専門医のいる動物病院に相談しましょう。
ぬいぐるみや毛布を相手にマウンティングすることも
猫はぬいぐるみや毛布を相手にマウンティングすることがあります。
その場合は、周りに異性の猫がいないため異性の猫に見立ててしている場合がほとんどです。
成猫に近づいてきて、交尾の練習をしているとも考えられます。
噛みちぎってしまったり、あまりにも回数が多い場合は猫の見えないところ・届かないところに隠しましょう。
ぬいぐるみが対象の場合は、中から綿が出てきてしまったり、布が切れてしまって飲み込んでしまう事があるので危険です。
様子を見ながら、無理に怒って取り上げるのではなく、優しく止めてあげましょう。
マウンティング行為は、猫に元々備わってる行為なので、危険な事がない限り無理にやめさせる必要はないという事を頭に入れておいでください。
去勢手術を受ければマウンティングしなくなる
基本的に猫は、去勢手術を受けるとマウンティング行為をしなくなります。
マウンティング行為にお困りの飼い主の方は、愛猫の年齢や体調を考慮した上で、去勢手術を検討するのもおすすめです。
基本的には手術をする事で、性的な衝動が起こるのを抑えてくれるので、自然とマウンティング行為もしなくなります。
しかし、中には手術後でもマウンティング行為を続けてしまう子もいるので、その場合は無理に対象物から引き離さずに見守りましょう。
毎回同じぬいぐるみや毛布を相手にマウンティングする場合は、猫の見えないところにしまうのも落ち着かせるのもひとつの方法です。
まとめ
猫のもみもみ・ふみふみ行為には、どんな気持ちがあるのか、なぜするのかを紹介しました。
もみもみ・ふみふみの行為は、母猫のおっぱいを思い出す甘えたい行動の場合や、リラックスしたい時によく見られます。
飼い主の方に対して、母猫のように甘えたい気持ちの表れでもあるので、もみもみ・ふみふみ行為が見られた時はたくさん愛情を与えてあげてください。
反対に、全くもみもみ・ふみふみ行動をしないから信頼されていないの?と不安になる飼い主の方もいると思いますが、単純に親離れができているだけなので安心して大丈夫です。
どちらにせよ、飼い主の方は愛猫の行動を受け入れて、愛猫にたくさん愛情を注いで過ごしてください。