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【獣医師監修】猫用バリカンの選び方や使い方の手順・使用時の注意点を詳しく解説

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はじめに

猫用バリカンは猫の被毛を短時間でカットできるので、飼い主は簡単に猫の被毛を整えられます。

ただ、猫用バリカンは猫が嫌がる場合もあるので、猫が快適に過ごせる工夫や使い方が大切です。

今回は、猫用バリカンの選び方を紹介します。使い方の手順や使用中の注意点も詳しくまとめているので、猫用バリカンを活用して猫の体を清潔に保ってあげてください。

猫用バリカンの選び方

まず、猫用バリカンの選び方を紹介します。

  • カットする部位に合わせて刀幅を選ぶ
  • 刀の種類は毛の長さに合わせて選ぶ
  • 音が静かなバリカンを選ぶ
  • コードレスタイプなら場所を選ばず使える
  • 手入れのしやすさを重視する

それぞれの選び方を詳しく解説するので、自分や猫に合ったものを選びましょう。

カットする部位に合わせて刀幅を選ぶ

まず、猫用バリカンを選ぶ際には、カットする部位に適した刀幅を選ぶことが重要です。

猫の体は非常に敏感で、特にデリケートな部分では細かなカットが必要になるため、部位ごとに適したサイズのバリカンを使うと安全で効率的にカットできます。

例えば、足裏や肉球周りのような狭い部分をカットする際には、刀幅が狭いバリカンが便利です。

逆に、お腹や背中の広い面積をカットする場合は、広い刀幅のバリカンを使用すると、時間を短縮しながらもスムーズなカットができます。

また、刀幅の選び方によって、カットの精度や猫への負担も変わりやすいです。

狭い部位に大きなバリカンを使うと猫が不安を感じたり、誤って皮膚を傷つけるリスクが高まったりするため、適切な刀幅を選びましょう。

刀の種類は毛の長さに合わせて選ぶ

次に、猫用バリカンを選ぶ際に猫用バリカンの刀は、猫の毛の長さや密度に応じて選びましょう。

猫には短毛種と長毛種があり、最適なバリカンの刀を選ばないと、毛が引っ張られて猫に痛みを与えたり、毛が絡まる原因になったりします。

短毛の猫の場合、一般的な短めの刀が適していますが、長毛種にはより長い刀や毛を滑らかに通すことができる特殊な刀を選ぶと効果的です。

また、猫の毛は人間の髪よりも細かく柔らかいため、バリカンの刀が鈍っているとスムーズにカットできない場合があります。

そのため、定期的にメンテナンスを行い、刀を研ぐか交換しましょう。

音が静かなバリカンを選ぶ

3つ目に、猫用バリカンを選ぶ際は音の静かなバリカンを選びましょう。猫は音に非常に敏感な生き物であり、バリカンの音が大きいとストレスを感じる原因になります。

そのため、バリカンを選ぶ際には、できるだけ音が静かなモデルを選ぶことが大切です。

特に、初めてバリカンを使う場合や、神経質な性格の猫には、静音設計のバリカンが適しています。

最近の製品では、振動音を極力抑えたモデルや、モーター音が小さく設計されたものも多いです。

バリカンの音が静かであれば、猫が慣れるのも早く、カットの際に緊張を和らげられます。

また、音が小さいバリカンは、飼い主にとっても使いやすく、長時間使用しても耳障りになりません。

コードレスタイプなら場所を選ばず使える

4つ目に、猫用バリカンを選ぶ際は場所を選ばず使えるコードレスタイプもおすすめです。コード付きのバリカンは、電源の近くでしか使えないため、自由度が制限されます。

一方、コードレスタイプなら、どこでも自由に移動してカットできるため、猫が落ち着ける場所を選んで使えるのです。

特に、猫は一つの場所に長くとどまるのが苦手な場合が多いため、コードレスであれば猫の動きに合わせて対応できます。

また、バリカンのコードが猫の周りで邪魔にならず、安全にカットを行える点も魅力的です。

充電式のコードレスバリカンは、最近では長時間使えるものも多く、持続時間の心配をせずに作業できるモデルも増えています。

手入れのしやすさも重視する

最後に、猫用バリカンを選ぶ際には、使用後の手入れのしやすさも重視しましょう。

バリカンは猫の毛や皮脂が刀に付着しやすく、そのまま放置するとカットの効率が悪くなるり、猫の肌に負担がかかる原因にもなります。

そのため、定期的なメンテナンスが欠かせず、掃除が簡単にできるバリカンを選ぶことが大切です。

具体的には、刀が簡単に外れるタイプのバリカンは、毛が溜まりやすい部分をしっかりと掃除できるため、衛生的にも安心できます。

また、水洗いできるタイプであれば、より徹底的に手入れができ、清潔な状態を保つことが可能です。

さらに、専用のオイルで刀の動きを滑らかに保てるバリカンもあります。これにより、刀の劣化を防ぎ、長期間の使用やスムーズな猫のカットが可能になるのです。

【部位別】猫用バリカンの使い方の手順

次に、部位別の猫用バリカンの使い方を紹介します。

  • 足裏の毛や肉球まわり
  • お尻まわり
  • お腹周り
  • 体全体

同じ使い方をすると猫が嫌がる場合があるので、部位別に猫用バリカンを使いこなせるようになりましょう。

足裏の毛や肉球周り

猫の足裏や肉球周りの毛は、定期的にカットして滑りにくくし、清潔を保ちましょう。

特に、長毛種の猫は毛が肉球に覆いかぶさり、フローリングなどの滑りやすい場所で転倒の原因になる場合があるため、定期的なケアが重要です。

まず、足裏のカットに適した細めのバリカンを用意し、静かで落ち着いた環境で作業を行います。また、カットを始める前に、猫がリラックスしていることを確認してください。

そして、肉球の周りは非常にデリケートな部分なので、無理に押さえつけず、猫が自然な体勢で足を伸ばしている時にゆっくりとカットします。

バリカンは毛の流れに沿って動かし、皮膚に触れないように注意を払いながら少しずつカットを進めてください。

お尻まわり

お尻周りの毛は、排泄時に汚れやすく、特に長毛種の猫では排泄物が毛に絡まり不衛生な状態になる場合があります。

定期的にお尻周りの毛を短く整えると、清潔さを保ち、猫の健康を守ることが可能です。お尻周りのカットには、刃の幅が狭めで小回りの利くバリカンを使うのが適しています。

カットする際は、バリカンを猫の肛門に直接当てないように注意しながら、毛の流れに沿って動かしましょう。

お尻周りは敏感で皮膚が薄いため、優しく刃を動かし、無理に短くカットしないことがポイントです。

また、毛が絡まりやすい部分でもあるため、事前に軽くブラッシングして毛をほぐしておくと、スムーズに作業を進められます。

お腹周り

お腹周りの毛は、特に夏場や長毛種の猫であれば、快適さを保つためにカットすることが大切です。お腹は皮膚が薄く敏感な部位なので、カットは慎重に行う必要があります。

まず、無理に押さえつけるとストレスになるため、猫が自然な体勢で落ち着いていることを確認しましょう。

バリカンは、毛の流れに沿って優しく動かすことが大切です。お腹周りは、毛が柔らかく絡まりやすいため、事前にブラッシングして絡みを解いておくと作業がしやすくなります。

また、お腹の皮膚は引っ張ると傷つきやすいため、皮膚を強く押さえつけないように注意しながらカットしてください。

長時間作業するのではなく、数分で終わらせるよう心がけ、猫が不安を感じたら一度休憩を挟むことも大切です。

体全体

体全体の毛をカットする場合、猫にとって快適でストレスの少ない環境で作業することが最も重要です。

特に長毛種の猫は、季節の変わり目や夏場に毛が厚くなりすぎてしまう場合があり、全体的に短くすると熱中症や絡まり防止につながります。

まず、バリカンを使う前に、猫をリラックスさせるために軽く撫でたり、おやつを与えたりして安心させてください。

体全体のカットには、広めの刀幅を持つバリカンが便利です。カットする際は、まず背中から始め、毛の流れに沿って優しく刃を動かしましょう。

背中は比較的カットしやすい部位ですが、脇腹や胸、お腹にかけては皮膚が薄くなるため、バリカンを慎重に扱う必要があります。

猫が動き出したら無理に作業を続けず、一旦休憩を挟みましょう。

猫用バリカンを使う時の注意点

次に、猫用バリカンを使う時の注意点を紹介します。

  • 猫がリラックスした状態で使用する
  • 毛の流れに沿ってバリカンを動かす
  • 皮膚は引っ張らない
  • 毛の絡まりや毛玉に注意
  • 人間用のバリカンは使用しない

それぞれ詳しく紹介するので、猫にストレスを与えないように注意して行ってください。

猫がリラックスした状態で使用する

まず、猫用バリカンを使う時は、猫がリラックスした状態で作業を進めましょう。

猫は環境の変化や新しい音に敏感な動物であり、ストレスを感じると暴れたり、嫌がったりする場合があります。

そのため、バリカンを使用する前に、猫が落ち着いているかを確認してください。静かな部屋で、できるだけ猫がリラックスできる場所で作業を行うのが理想的です。

作業前に軽く撫でたり、安心感を与える言葉をかけたりすると、猫をリラックスさせられます。

また、猫が緊張している場合は、すぐにバリカンを使用するのではなく、バリカンの音に慣れさせる時間を設けましょう。

電源を入れずにバリカンを猫に近づけて、匂いを嗅がせたり触れさせたりすると、道具に対する警戒心を和らげられます。

猫がリラックスした状態でないと、皮膚を傷つける恐れがあるので慎重に進めることが重要です。

毛の流れに沿ってバリカンを動かす

次に、猫用バリカンを使用する際は、毛の流れに沿って優しく動かしましょう。

逆毛を立てるようにバリカンを動かすと、猫の皮膚を傷つける可能性が高まるだけでなく、毛が不自然に切れてしまう場合もあります。

毛の流れに沿って刃を動かすことで、自然な仕上がりを保ち、猫にとっても心地よいカットが可能です。

まず、背中から始めるのが一般的ですが、部位によって毛の流れが異なるため、各部位の毛の向きをよく確認しましょう。

例えば、足やお腹、顔周りの毛は方向が複雑なことが多いため、慎重に作業を進める必要があります。

また、毛が絡まっている部分や毛玉がある部分では、バリカンが引っかかりやすくなるため、事前にブラッシングして毛の流れを整えることが効果的です。

猫用バリカンの刃が直接皮膚に当たらないように注意し、軽いタッチで動かしましょう。

皮膚は引っ張らない

3つ目に、猫の皮膚は非常に柔らかく、引っ張ると簡単に傷ついてしまうため、バリカンを使用する際には皮膚を引っ張らないようにしましょう。

カット中に皮膚を引っ張ると、毛穴が広がり、バリカンの刃が皮膚に当たってしまう恐れがあります。

そして、猫が痛みを感じたり、切り傷ができてしまったりするため、十分に注意してください。

まず、バリカンを使う前に、毛の絡まりを解いておくことが大切です。絡まった毛を無理にカットすると、皮膚が引っ張られやすくなるため、事前にブラッシングして毛を整えます。

バリカンを動かす際は、毛の流れに沿って滑らせるようにし、皮膚に直接刀が当たらないよう、優しい力加減で進めるのがポイントです。

猫が動きやすい部位、特に脇腹やお腹の周りでは、皮膚がたるんでいることが多いので、注意しましょう。

毛の絡まりや毛玉に注意

4つ目に、猫の毛が絡まったり、毛玉ができたりしている状態でバリカンを使うと、刀が引っかかる危険性があるので注意しましょう。

バリカンを使用する前には、必ず猫の毛の状態を確認し、絡まりや毛玉がある場合は事前に取り除いておくことが重要です。

特に長毛種の猫は毛が絡まりやすく、毛玉ができやすい傾向があります。毛玉や絡まりを解く際には、ブラシを使って優しく毛をほぐし、無理に引っ張らないようにしましょう。

毛玉が大きい場合は、専用のハサミを使って、慎重に取り除いてください。

無理にバリカンを使って毛玉を切ろうとすると、刃が絡まり、毛が引っ張られて猫が痛みを感じる可能性があるため、絶対に避けましょう。

人間用のバリカンは使用しない

最後に、猫の毛をカットする際は、人間用のバリカンを使用することは避けましょう。

人間用のバリカンは、猫のデリケートな皮膚や柔らかい毛に適しておらず、怪我の原因になる場合があります。

猫用バリカンは、猫の毛質や肌の構造に合わせて設計されているため、適切な道具を使うことが重要です。

人間用バリカンは、刃が大きすぎたり、出力が強すぎたりする場合が多く、猫の皮膚にダメージを与える危険性があります。

また、猫は音に敏感なため、人間用バリカンの音が大きいと、ストレスや不安を感じやすいです。

猫用バリカンは、静音設計がされているものが多く、猫にとっても使いやすい特徴があります。

さらに、猫の毛は人間の毛と異なり、密度や柔らかさが違うため、専用の刀が必要です。人間用バリカンを無理に使うと、毛が絡まったり、皮膚を傷つけるリスクが高まります。

猫がバリカンを怖がる・暴れる時の対処法

最後に、猫がバリカンを怖がったり暴れたりする時の対処法を紹介します。

  • 静かで落ち着ける場所を選ぶ
  • 撫でたりおやつを与えたりして落ち着かせる
  • 嫌がる時は何回かに分けて少しずつ進める

猫が嫌がるとバリカンをうまく使うのは難しいので、ぜひ日頃から実践してみてください。

静かで落ち着ける場所を選ぶ

まず、猫がバリカンを怖がる場合、静かで落ち着ける場所で作業を行いましょう。猫は非常に敏感な動物であり、特に大きな音や慣れない環境に対して強い不安を感じます。

そして、騒がしい場所や他の動物がいる場所では、バリカンを使用する際にさらに怖がったり、暴れたりする場合があります。

そのため、バリカンを使う前に、猫が普段から安心できる静かな部屋を選びましょう。部屋は窓やドアを閉めて、外からの騒音をできるだけ遮断することが大切です。

また、作業中に他の音を出さないようにすると、猫が集中できる環境を整えられます。

可能であれば、猫がリラックスできるお気に入りのベッドやブランケットを用意してあげるのがおすすめです。

さらに、作業を始める前に猫が慣れている匂いや物を周囲に配置して、いつもと変わらない環境を作り出し、安心感を与えましょう。

撫でたりおやつを与えたりして落ち着かせる

次に、猫がバリカンを怖がったり暴れる場合、撫でたりおやつを与えたりして落ち着かせましょう。

猫は人間の優しいタッチや声かけに反応して、リラックスする場合があります。

バリカンを使用する前や途中に猫を撫でてあげると、作業への警戒心やストレスを和らげることが可能です。

特に耳の後ろや顎の下など、猫が好きな場所を優しく撫でると、安心感を与えられます。さらに、バリカン作業を始める前や途中で、猫にご褒美としておやつを与えるのも有効です。

猫にとってバリカンが嫌なものではなく、良い体験と結びつけるためには、ポジティブな強化が必要になります。

おやつは、猫が好きなものを少量ずつ与えると、作業が少しずつ進んでも猫がストレスを感じにくくなるのです。

また、作業後におやつを与えて、「バリカンを使うと良いことがある」と猫に学習させましょう。

嫌がる時は何回かに分けて少しずつ進める

最後に、猫がバリカンを嫌がる場合、無理に一度で全ての作業を完了させようとせず、何回かに分けて少しずつ進めましょう。

猫は新しい経験や不快な状況に対して敏感に反応するため、長時間のバリカン作業は大きなストレスとなる場合があります。

嫌がる猫を無理に押さえつけて作業を続けると、怪我をするリスクも高まり、猫自身もバリカンに対して恐怖心を抱く可能性が高いです。

まず、猫が落ち着いている短い時間内に少しずつ作業を進めましょう。

例えば、最初に足裏の毛をカットするだけに留め、次にお尻周りの毛をカットするといったように、部位ごとに分けて行うことが効果的です。

作業が短く終わると、猫が感じるストレスも最小限に抑えられます。また、猫が嫌がるサインを見逃さず、猫がリラックスしている時に少しずつ作業を再開することが重要です。

まとめ

今回は、猫用バリカンの選び方を紹介しました。猫用バリカンはカットする部位や毛の長さ、静音性、手入れのしやすさなどをチェックして選ぶことが大切です。

猫用バリカンを使う際は、猫がリラックスした状態で行い、毛の絡まりや毛玉はとった上で毛の流れにそって優しくバリカンを使いましょう。

猫がバリカンを怖がる場合は静かな場所で行う、撫でたりおやつを与えたりしてポジティブな経験に置き換える、何回かに分けて行うなどが有効です。

猫用バリカンを活用して、猫の清潔さを保ってあげましょう。

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