ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
猫の首の後ろをつかんでも大丈夫かと気になる方は多いと思います。
猫は首の後ろをつかまれるとリラックスする本能があり、掴んでも問題ありません。
しかし、つかむ際に強くつかんだり長時間つかんだりすると、体に負担がかかる恐れがあるのです。
今回は、猫の首のつかみ方について詳しく紹介します。
首をつかむ際の注意点や正しい首のつかみ方などを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
猫の首の後ろをつかんでも大丈夫?
猫の首の後ろはつかんでも大丈夫です。
首の後ろをつかんでも大丈夫な理由を詳しく紹介しますので、まずは猫の生態を理解しましょう。
母猫は仔猫の首の後ろをくわえて持ち上げる
まず、猫の母親が仔猫をくわえて首の後ろを持ち上げるのは、自然な行動です。
この行動は、定期的に安全な場所に移動する際に、母猫が仔猫を安全に運搬して保護するために行われます。
仔猫が生まれて間もない時期には、体力がまだ発達していないため、うまく歩けません。
そのため、母猫が仔猫の首の後ろをくわえることで、彼らの体をしっかり支え、安全に移動させられるのです。
これにより、仔猫は母親の移動中に落ちたり、怪我をしたりするリスクを減らせます。
また、仔猫は母猫に首をくわえられると、母猫が移動するのだと認識するので、落ちないようにカラダを丸めてじっと大人しくしているのが特徴的です。
このように、母猫が仔猫の首の後ろをくわえて持ち上げる行動は、仔猫の安全と健康を確保するために重要な役割を果たしています。
猫は首の後ろつかまれるとリラックスする
そして、多くの猫が首の後ろをつかまれるとリラックスするという特徴があります。
これは、母猫からの愛情を思い出すような本能的な反応なのです。
猫が首の後ろをつかまれると、多くの場合自然と身を任せてリラックスします。
これは、仔猫の頃に母猫に首をくわえられていた状態に似た感覚を呼び起こすためです。
母猫が仔猫を運ぶ際には、首の後ろをくわえてしっかりと支えます。
そのため、同様の行動を行うと、猫に安心感やリラックスをもたらすのです。
ただし、猫の性格や経験によっては、首の後ろをつかまれるのが好ましくない場合もあるので注意しましょう。
例えば、過去に首をつかまれて不快な経験をした猫や、自立心が強い猫などの場合です。
首根っこをつかむ時の注意点
次に、首根っこをつかむ時の注意点を紹介します。
- 首をつかんで持ち上げてもいいのは小さい仔猫だけ
- 首の皮と肉だけを軽くつかむ
- 首輪を付けたままでつかまない
- 長時間つかんだままにしない
- 力加減にも気をつける
- 苦手な猫には行わない
- しつけの一環として行うのは避ける
それぞれ具体的に紹介するので、実際に注意しながら首根っこをつかみましょう。
首をつかんで持ち上げてもいいのは小さい仔猫だけ
まず、首をつかんで持ち上げてもいいのは小さい仔猫だけです。
成猫は首根っこをつかむのを避けてください。
小さい仔猫は、母猫が首をつかんで運ぶのに慣れています。
また、首をつかんで持ち上げても体重が少ないので、身体に負担はかかりません。
母猫が仔猫をくわえて運ぶのと同様に、首根っこをつかむと仔猫を安全に抱えられます。
しかし、成猫の場合は異なります。
成猫の首の筋肉や骨格は、仔猫と比べて発達しており、首根っこをつかまれると負傷する可能性があるのです。
特に力の加わるところであるため、首をつかむと首の骨や筋肉を傷つける危険があります。
また、成猫は自立心が強く、無理やり首をつかまれると不快に感じる場合も多いです。
そのため、首を掴んで持ち上げるのは仔猫だけにしましょう。
首の皮と肉だけを軽くつかむ
次に、猫の首根っこをつかむ際は、首の皮と肉だけを軽くつかみましょう。
猫の首は非常に敏感な部位です。
首には重要な神経や血管が通っており、力強くつかむと猫が痛みを感じたり、傷ついたりする可能性があります。
一方で、母猫が仔猫を抱っこする際には、首の後ろの皮を軽くくわえて運んでおり、仔猫は首を掴まれる行動から愛情や安心感を得ているのです。
そのため、猫の首の後ろをつかむ際には、力を抜いて優しくしましょう。
首輪を付けたままでつかまない
3つ目に、猫の首根っこをつかむ際は首輪を付けたままで掴まないでください。
首輪は飼い主にとって必要なアイテムですが、つかまれると首に負担をかけてしまいます。
首輪がついたままで首根っこをつかまれると、猫が窒息したり、首に圧力がかかって不快に感じたりする可能性があるのです。
特に、力を入れてつかまれると、首輪が猫の首に食い込む場合があります。
また、首輪には鈴やタグなどの付属品がついている場合が多いです。
これらの付属品がつかまれると、猫が嫌がったり怪我をしたりする可能性があります。
特に、急に動いたり暴れたりする猫は、付属品が首に食い込んだり、体に引っ掛かったりする可能性が高いです。
さらに、首輪をつけたままで首根っこをつかむと、猫の首の周りの毛や皮膚を傷つける可能性もあります。
そのため、猫の首根っこをつかむ際には、首輪を付けたままでつかまないようにしましょう。
長時間つかんだままにしない
4つ目に、猫の首根っこをつかむ際には、長時間つかんだままにしないでください。
猫の首根っこを長時間つかんでいると、不快に感じたりストレスを感じたりする恐れがあります。
首根っこをつかむのは猫にとって本能的に安心感を与えリラックスさせますが、長時間同じ体制を維持すると猫が不快に感じる原因になるのです。
猫は自由に身体を動かし、探索して遊ぶのを好みます。
首根っこをつかまれたままだと動きが制限され、自由に動けません。
また、猫は首根っこを長時間つかまれると、猫の首や頸椎に負担がかかる恐れがあります。
猫は首根っこをつかまれたままだとストレスを感じ、不安や攻撃的になる場合もあるのです。
そのため、猫の首根っこをつかむ場合は、長時間ではなく短時間でおこないましょう。
力加減にも気をつける
5つ目に、猫の首根っこをつかむ際には力加減に気をつけてください。
猫の首は非常に敏感な部位であり、誤った力の加え方だと猫が不快に感じる可能性があります。
まず、力加減に関しては、強くつかみすぎないのが重要です。
猫の首は柔らかい組織でできており、力を加えすぎると痛みを感じたり、不快に感じたりする恐れがあります。
逆に、力を抜きすぎるのも問題です。
猫の首根っこを十分に支えないと、猫が不安定に感じて恐がる場合があります。
そのため、首根っこをつかむ際には、適度な力でしっかりと支えるのが重要です。
また、力加減に加えて、猫の体調や性格にも配慮しましょう。
例えば、高齢の猫や関節炎を患っている猫は首にかかる圧力に敏感であり、優しく扱う必要があります。
また、猫が緊張していたり、警戒心が強かったりする場合には、力を加えずに落ち着かせるようなアプローチをとりましょう。
苦手な猫には行わない
6つ目に猫の首根っこをつかむ行為は苦手な猫には行わないのが大切です。
特に、個々の猫の性格や経験によって、首根っこをつかまれると不安や恐怖を感じる場合があります。
猫がストレスを感じると警戒心が高まり、攻撃的になったり身を守るために暴れたりする場合が多いです。
そして、猫がトラウマになり、飼い主との信頼関係を損なう可能性があります。
首をつかまれるのが苦手な場合、過去に首根っこをつかまれて不快な経験をした・自立心が強いなどが原因です。
猫に安心感を与えてリラックスさせたい場合は、優しく声をかけ撫でてあげるなど他のコミュニケーション方法を取りましょう。
しつけの一環として行うのは避ける
最後に、猫の首根っこをつかむ行為をしつけの一環として行うのは避けましょう。
猫がイタズラした時に首根っこをつかんで叱ろうとすると、猫が恐怖や不安を感じます。
そして、猫は首根っこをつかむ行為を恐怖に感じ、自分の飼い主に対する不信感や警戒心を抱く可能性があるのです。
代わりに、猫のしつけにはポジティブな方法を活用するのが重要です。
例えば、猫が良い行動をしたときには褒めたりおやつを与えたりして、一定の行動を取るといい結果が得られると理解させましょう。
猫が首根っこをつかむ行為に警戒するのではなく、安心できるように努めてください。
正しい首根っこのつかみ方
ここまでお伝えしてきたように、猫の首根っこをつかむ際には、正しい方法で行うのが重要です。
まず、首根っこをつかむ場合は、猫がリラックスしているか確認しましょう。
そして、猫の首のあたりを撫でながらマッサージするようにつかみます。
つかむ際は、首の皮と肉を優しく軽くつかんであげましょう。
強すぎる力は猫に不快感を与え、弱すぎる力では猫が不安定に感じます。
また、首根っこをつかむ時間は短めにしてください。
長時間つかまれると、猫が不安や緊張を感じる可能性があります。
正しい首根っこのつかみ方を実践して、猫との信頼関係を損なわずに猫に安心感を与えましょう。
猫の首の後ろをつかむメリットは?
次に、猫の首の後ろをつかむメリットを紹介します。
- 猫が一時的におとなしくなる
- 首をつまむマッサージでスキンシップになる
それぞれ詳しく紹介しますので、飼い主にとってどのようなメリットがあるのか理解しましょう。
猫が一時的におとなしくなる
まず、飼い主が猫の首の後ろをつかむと、猫が一時的におとなしくなるのがメリットの1つです。
猫が首の後ろをつかまれると、猫は自然とおとなしくなってリラックスします。
先述の通り、仔猫の頃から母猫が行っていた行動を思い出すような本能的な反応です。
母猫が仔猫をくわえて持ち上げる行為は、仔猫が安心している姿勢であり、成長した猫でも同じような反応を引き起こします。
そして、猫が一時的におとなしくなると様々なシチュエーションで役立つのです。
暴れると困るシチュエーションで役立つ
猫が一時的におとなしくなって役立つのは暴れると困るシチュエーションです。
例えば、猫の爪を切る際、猫が暴れると作業が難しくなります。
しかし、首の後ろをつかむと、猫が安定して爪切り作業を行いやすくなるのです。
また、猫に薬を飲ませる場合、猫が暴れると薬の投与が難しいですが、首の後ろをつかむと猫を安定させ薬を飲ませる作業が容易になります。
さらに、動物病院での検診時は、猫が暴れると診察が困難です。
ただ、首の後ろをつかむと猫をおとなしくさせ、診察や処置をスムーズに行えます。
他にも、猫のトリミングやシャンプー時にも猫の首の後ろをつかむ行為は効果的です。
暴れると困るシチュエーションでは、首根っこをつかんで猫がおとなしくなるか試しましょう。
専用のクリップも販売されている
猫の首の後ろをつかむのが難しい方には、専用のクリップが販売されています。
これらのクリップは、首の後ろを軽くつかむための補助具であり、猫の安全と快適さを考慮した設計になっているのです。
専用のクリップは柔らかい素材でできており、猫の首の皮膚や毛に負担をかけません。
また、クリップは猫の首の後ろに装着するだけで、簡単に取り外し可能です。
首根っこのつかみ方が上手くない人や、猫の首に負担をかけたくない人は簡単に使用できます。
専用のクリップは猫のトリミングや医療処置などの際に便利なので、気になる方はぜひ購入してください。
洗濯バサミを使うなら挟む力が強すぎないものを選ぶ
猫の専用クリップを紹介しましたが、洗濯バサミは大丈夫なのかと考える方もいると思います。
猫の首の後ろをつかむ際に洗濯バサミを使用する場合、挟む力が強すぎないものを選ぶのが重要です。
洗濯バサミは、首の後ろの毛を軽く挟み、猫を安定させるために使用します。
しかし、挟む力が強すぎる洗濯バサミを使用すると、猫が痛みを感じたり不快に感じたりする恐れがあるのです。
さらに、挟む力が強すぎる洗濯バサミは猫のストレスを増大させる可能性があります。
したがって、洗濯バサミを使う際には、挟む力が強すぎないものを選びましょう。
挟む力が適度であれば、猫の首の後ろを軽く挟んで猫を安心させられます。
また、柄が長い洗濯バサミほど猫をしっかりと安定させやすくなるので柄が長いものがおすすめです。
他にも、挟む部分に滑り止めがあり柔らかい素材でできている洗濯バサミを選ぶと、猫の首や毛を優しく扱うことができます。
洗濯バサミを使う際には、猫の安全と快適さを考慮し、適切な洗濯バサミを選びましょう。
首をつまむマッサージでスキンシップ
次に、猫の首の後ろをつかむと、マッサージでスキンシップをとれるのがメリットの1つです。
猫は母猫からの愛情や保護を感じるため、首をつかまれることで安心感を得られます。
そして、首の後ろは猫が自分自身では触れるのが難しい部分であり、人間の手でのマッサージは猫にとって心地よい刺激となるのです。
また、首をつまむマッサージは、猫の筋肉をほぐしてストレスを軽減する効果があります。
そして、スキンシップを通じて飼い主と猫の間で信頼関係を深められるのです。
ただ、首をつまむマッサージでスキンシップを取る場合は、下記の2点に注意が必要です。
- 強く引っ張らないように注意する
- 猫の様子をみながら行う
それぞれ詳しく紹介するので、実際にスキンシップを取る際に参考にしてください。
強く引っ張らないように注意する
まず、猫の首の後ろをつかんでマッサージする場合は、強く引っ張らないように注意するのが重要です。
首の後ろをつかむ際に強く引っ張ると、猫が痛みを感じる可能性があります。
猫の首は非常に敏感で傷つきやすい部位であり、過度な引っ張りは首の皮膚や筋肉を傷つけるおそれがあるのです。
また、強く引っ張ると猫は不安やストレスを感じ、信頼関係が損なわれる可能性もあります。
さらに、首の後ろを強く引っ張ると、猫の首や首筋にストレスがかかる場合があります。
そのため、猫の首の後ろをつかむ際には、強く引っ張らず、適度な力で首の後ろをつかむようにマッサージしましょう。
猫の様子を見ながら行う
次に、猫の首の後ろをつまんでマッサージする際は、猫の様子を見ながら行うのが大切です。
猫の様子を見ながら行うと、猫の反応から快適で安心しているかを確認できます。
猫は個体差があり、首の後ろをつかまれるのに対する感じ方も多種多様です。
そのため、猫がリラックスしているかストレスを感じているかを観察し、適切なアプローチを取りましょう。
例えば、耳が前後に向いていたり、目が半開きになっていたり、体が緩んでいる様子が見られる場合、猫はリラックスしている可能性が高いです。
一方で、体が凝り固まったり、唸ったり興奮したりする場合はストレスに感じている可能性があります。
これらの反応がみられた場合は、猫のストレスを軽減するために作業を中断し、猫が落ち着くまで待ちましょう。
また、他のスキンシップの方法を試してみるなど、猫の好みに合わせたアプローチを取ってください。
まとめ
猫の首の後ろをつかむのは問題ありません。
なぜなら、猫は仔猫の時に母猫に首根っこをくわえて運ばれており、リラックスして安心感を得られる行動だからです。
ただ、猫の首根っこをつかむと体に負担がかかるため、成猫に行ってはいけません。
また、苦手な猫には行わず、力加減に気をつけて短時間つかむのが大切です。
猫の首根っこをつかむと一時的におとなしくなるので、病院やトリミングなど暴れるシチュエーションで役立ちます。
また、首をつまむマッサージでスキンシップが取れるので、猫との信頼関係を深めることが可能です。
飼い主は猫の性格に配慮して注意しながら首の後ろをつかむ行為を行い、猫との生活に活用しましょう。