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【獣医師監修】アメリカン・ショートヘアの適正体重は何キロ!?痩せすぎ太り過ぎの対策を徹底解説!

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はじめに

アメリカンショートヘアの適正体重1

アメリカン・ショートヘアは、社交的で好奇心旺盛な性格と、やんちゃな一面も併せ持つことで、とても人気の高い猫です。

運動量も多く、筋肉質な体格ですが、食欲も旺盛で太りやすい体質なので、日々の食事や体重管理は気になるところですよね。

一般的には太りすぎばかりに目がいきがちですが、痩せすぎているのも病気の可能性があり、健康な状態とはいえません。

大切な猫に長生きしてもらうためにも、飼い主は、愛猫の適正体重を理解しておく必要があります。

今回は、アメリカン・ショートヘアの適正体重から、餌選びのポイント、痩せすぎ、太りすぎの原因や対処法まで、愛猫と長く健康に暮らしていくための大切なポイントについて解説します。

アメリカン・ショートヘアの標準体重・体長

アメリカン・ショートヘアの標準体重を、性別とライフステージごとにみていきましょう。

アメリカン・ショートヘアのオスの標準体重・体長

オスの標準体重は4〜7kgとなっています。

がっしりとして筋肉質な体型が特徴ですが、体重でみるとそれほど大きくなく、猫のサイズとしては平均的な大きさとなっています。

体長は40〜60㎝となり、平均的な猫の大きさといえるでしょう。

ただし、個体差があるので、大きい個体になると、骨格がしっかりとしているため大きく感じるかもしれません。

アメリカン・ショートヘアのメスの標準体重・体長

メスの標準体重は、3〜6kgとなっており、オスよりもひと回り小さくなっています。

メスも筋肉質ながら、もともとの骨格がオスよりも小さいため、体重も少し軽くなる子が多いようです。

メスの標準的な体長は、オスと変わらず40〜60cmですが、オスに比べると若干小ぶりなこが多くなります。

アメリカン・ショートヘアの子猫の標準体重・体長

アメリカンショートヘアの適正体重2

アメリカン・ショートヘアの子猫の標準体重は2〜3kgとなっています。

まだ筋力が完全に発達しておらず、ここから大きく成長していきます。

体長は成猫とほぼ同じ40〜60cmまで成長するので、体重が軽い分、全体的にほっそりとして見えるでしょう。

とはいえ、まだ成長過程なので、この時期に標準的な体長に達していなくても、成長には個体差があるのでそれほど心配いりません。

アメリカン・ショートヘアの成猫の標準体重・体長

アメリカンショートヘアの適正体重3

成猫の標準体重は、3kg〜7kgとなっており、オスがメスよりもひと回り大きい個体が多くなっています。

体長は40〜60cmとなっており、オス、メスともに大きな違いはありません。

一般的なアメリカン・ショートヘアの場合には、体長が長ければ体に付いている筋肉量も多くなるので、体重も比例して多くなる傾向にあります。

アメリカン・ショートヘアの老猫の標準体重・体長

老猫に関しては、年齢の幅が広いため、標準体重の設定はありません。

運動量が少なくなることで、筋力が落ち、代謝も悪くなるので、動き回っていた成猫の頃に比べると体重は減少することが多くなります。

食欲があり、きちんと栄養が摂れていれば年齢的なものなので、多少の減少ならばあまり心配はいりません。

しかし、急激な体重の減少などは、病気の可能性もあるので、そのような場合には速やかに獣医に相談しましょう。

アメリカン・ショートヘアの肥満の目安はどれくらい?

ご自身の飼われているアメリカン・ショートヘアの肥満度を知るために、おすすめの方法が、ボディコンディションスコア、略して「BCS」です。

猫の大きさには個体差があるので、一概に体重が何キロだから肥満だ、というような判断はできません。

BCSは数値ではなく、見た目や実際に触れてみた状態で体型を5段階に評価します。

チェック方法として、横や上から猫を見ることでのくびれチェックや、肋骨の浮き具合や、実際に触れてみて、腰回りの骨の浮き具合のチェックなどをおこない、「痩せ」から「肥満」までを判断します。

くわしい判断基準は下図をご覧ください。

アメリカンショートヘアの適正体重4

「痩せ」や「肥満」はすぐに改善が必要ですが、「やや痩せ」「やや肥満」もこれ以上進行しないために、食事の量や種類を変えるなどして、BCS3「理想的」になるよう取り組みましょう。

アメリカン・ショートヘアのフード選びのポイント

アメリカン・ショートヘアは食欲旺盛で太りやすい体質のため、成猫に食べたいだけ与えているとすぐに適正体重をオーバーしてしまいます。

そのため、適切なフード選びが重要になってきます。

一般的に健康的な成猫ならば、必要な栄養素をすべて含んだ「総合栄養食」と水だけで問題ありません。

ドライフードとウェットフードをバランス良く与える

ドライフードとウェットフードですが、基本的にはドライフードがおすすめです。

栄養バランスに優れているだけでなく、種類も豊富で、開封後も保存がきくなどのメリットがあります。

ウェットフードは風味がよく、水分を多く含むためやわらかく食べやすくなっており、体調不良や食欲の落ちているときなどにはよく食べてくれるメリットがありますが、保存がきかないことや、噛む力が弱くなってしまうなどのデメリットがあります。

日頃はドライフードを与えて、食欲が落ちているときにはウェットフードにするなど、バランスよく与えるのがよいでしょう。

成長段階に合わせたフードを選ぶ

正しいフード選びには、成長に合わせたものを選ばなければなりません。

成長段階ごとのフード選びの基準となるポイントをご紹介します。

子猫期のおすすめのフード

生後3ヵ月を過ぎた子猫は、みるみる体が大きくなり、内臓器官なども急激に発達してきます。

その分、多くのエネルギーを要するため、高カロリー・高たんぱくのフードを選ぶ必要があります。

パッケージにも「子猫用」「1歳未満」などと表示されているものを与えてください。

この時期は、食事量もあまり気にせず、たくさんあげても構わないのですが、体が未発達なため、一度に食べ過ぎてしまうと嘔吐してしまうことがあるので、1回の食事でまとめて与えるのではなく3回に分けるなど回数で食事量を調節してあげましょう。

成猫期のおすすめのフード

1歳〜7歳くらいまでを成猫期といい、ほとんどの猫が大人の体になります。

この頃になると、子猫のときほどのエネルギー摂取は必要なくなるため、子猫用のフードを与え続けるとカロリーオーバーで肥満になってしまうおそれがあります。

1歳を過ぎたら、「1歳以上」「成猫用」「アダルト」などの表示があるフードを与えてください。

量に関しても、すでに成長期を過ぎているため、体重に合わせた適量で1日2回与えるようにしましょう。

食欲のある猫ならば、与えるだけ食べてしまうので、ついたくさん与えてしまいたくなりますが、肥満予防のためにも1歳を超えたら、しっかりと食事の管理を始めてください。

特に、避妊、去勢をすると、ホルモンバランスの関係で太りやすくなるので、注意が必要です。

老猫期のおすすめのフード

老猫期に入ると筋力や運動量が落ちることで基礎代謝も下がり、消費カロリーも減少します。

そのため、この時期に与えるフードは低カロリーのものでなければなりません。

「シニア用」、「〇歳以上」と表示されているエサを選びましょう。控えめで、運動量が落ち、便秘になりやすい老猫のために

シニア用は、低カロリーなだけでなく、猫が注意しなければならない腎臓病では注意が必要なリンや塩分が控えめなものが一般的です。また、運動量が落ち、便秘になりやすい老猫のために便通を助ける食物繊維が多く含まれているものがあります。

また、年齢によっては硬いフードを食べることができなくなることもあるので、ドライフードの場合にはそのまま与えずに、少しふやかして、やわらかくして与えるようにしてください。

回数も、1日2回で残してしまうようでしたら、3回に分け、1回あたりの量を減らして与えてみてください。

栄養素に注意する

成長段階により、フードにはさまざまな特徴がありますが、たんぱく質や脂質などの基本的な栄養素は必ず摂取しなければなりません。

そのため、猫のフード選びでは、必要な栄養素をすべて含んだ、「総合栄養食」を選ぶようにしてください。

成長段階ごとの総合栄養食を選んでおけば、ライフステージに合わせて必要な栄養素をカバーできます。

猫のフード選びには年齢に適した総合栄養食を与えておけば、必要な栄養素が不足してしまう心配はありません。

痩せすぎの原因と対処方法

アメリカン・ショートヘアにとって、肥満だけでなく、痩せ過ぎも健康的に良くありません。

実際に触れてみて、腰回りが大きくくびれ、肋骨が浮き出ているような状態であれば、痩せ過ぎと考えて間違いありません。

この場合も原因を突き止めて、なんらかの対処をおこなう必要があります。

考えられる原因について解説します。

痩せすぎの原因

病気

食欲があるのに、痩せ過ぎている場合、病気の可能性があります。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、必要以上に代謝が活性化してしまう甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)や、糖尿病などの病気を発症していると食べているのに体重は減少してしまいます。

ほかにも消化管の寄生虫感染などでも、寄生虫に栄養を奪われてしまうことで、エサを食べていても体重が減少することがあります。

他、痩せすぎの原因となる病気

  • 肝臓病
  • 腸炎
  • 膵炎
  • 腎臓病
  • 腫瘍
  • FIV、FeLVなどウィルス感染症

など

ストレス

猫は環境の変化にとても敏感な動物です。

これまでと違うことが起きたり、日頃より不快に感じていたことが積み重なったりすると、ストレスで食欲不振になり痩せてしまうことがあります。

また、ストレスにより胃腸の調子を崩してしまい、下痢や嘔吐を繰り返すような状態になることも考えられます。

フードが合っていない

そもそもフードの量や種類が合っておらず、きちんと食べていても痩せてしまうことがあります。

成長段階によって必要な栄養素は変化しており、年齢に合ったエサを与えなければ栄養が足りず痩せてしまいます。

また、子猫やシニアの場合消化吸収能力が弱いため、年齢に適したフードを与えていなければ、消化不良を起こし、痩せてしまうことも考えられます。

対処方法

アメリカン・ショートヘアが痩せすぎてしまう問題について、すぐにでもできる対処法をご紹介します。

与えるエサの種類や量を見直す

与えているエサが、成長段階に合っているものなのか確認しましょう。

もし、合っていないのならば、年齢に合ったエサを与えることですぐに改善する可能性が高いです。

その際に、きちんと量の確認もしてください。

必要な栄養素をしっかりとカバーしているエサでも、必要量を与えていなければ、栄養が不足して痩せてしまいます。

何らかの病気の可能性

エサの種類も合っていて、食欲もあるのに痩せてしまう場合には、何らかの病気にかかっていることもあります。

どのような病気にかかっているのかわかりませんので、その場合には、大丈夫だろうと勝手に判断せずに、まずは動物病院で診察を受けてください。

太り過ぎの原因と対処方法

アメリカン・ショートヘアが、適正体重をオーバーして太りすぎている場合に考えられる原因と対処法をご紹介します。

太り過ぎの原因

肥満の代表的な原因は以下の3点になります。

カロリーオーバー

太りすぎの場合に、まず考えなければならないのは、食べすぎによるカロリーオーバーです。

毎日おいしそうにエサを食べる姿を見ていると、ついたくさん与えてしまいがちです。

エサとは別に、ご褒美として1日に数回おやつも与えていれば、必要カロリーをオーバーしてしまいます。

摂取カロリーが消費カロリーを上回る生活を繰り返していれば、あっという間に肥満になってしまいます。

運動不足

猫は犬のように毎日散歩に出かけて、定期的な運動をするわけではありません。

そのため、どうしても運動不足になりがちです。

子猫のうちはやんちゃ盛りで、動くことも多いですが、年齢を重ねると家でのんびりと過ごす時間が長くなるので太りやすくなります。

一度体重が増えてしまうと、余計に動くことが面倒になり、さらに運動をしなくなってしまいます。

避妊・去勢手術

避妊・去勢手術をするとホルモンバランスの変化により、太りやすい体質になることがあります。

本能的な活発さが弱まり、少しおとなしくなることも多く、エネルギーの消費は減りますが、食欲が変わらずに体重が増えていくことがよくあります。

そのため、避妊・去勢手術を終えた猫は、日々の体重管理が必要になってきます。

ストレス

人間同様、猫もストレスを抱えると、食欲不振になる猫もいれば、反対に食欲が増す猫もいます。

ストレスによって過食になってしまっても、飼い主が食べ物を与えなければ、食べ過ぎることはないですが、ついつい必要以上のフードやおやつを与えすぎてしまうと、肥満の原因となってしまいます。

猫の肥満対策

すぐにでもできる、肥満対策を2点紹介します。

対処方法

フードは決まった量を与える

愛猫が欲しがるからといって、適量を超えてフードを与えてはいけません。

年齢に合ったフードならば、適量を食べていれば、すでに必要カロリーは摂取できています。

適量以上に与えてしまえば、当然カロリーオーバーになってしまいます。

ここで1つ注意したいのが、適量を与えているのに太ってしまう場合です。

この場合、極端に量を減らしてしまうと、常に空腹状態になり、必要な栄養素が足りなくなってしまいます。

現在与えているフードが、すでにカロリーオーバーの可能性もあるので、肥満猫用のフードに切り替えることで、必要な栄養素を確保しながら、カロリーオーバーを防ぐことができるので試してみてください。

おやつに関しても、1日1回程度に回数を制限して与えるようにしてください。

運動量が増えるようにたくさん遊んであげる

食事の管理と同時進行で、運動不足の解消にも取り組みましょう。

1日中、家で過ごすため、どうしても運動不足になりがちなので、1日のうちの少しでも構いませんので、時間を作っておもちゃなどで遊びながら運動をさせるようにしましょう。

また、スペースがあればキャットタワーを設置して、上下運動させるのもおすすめです。

猫は昇り降りが好きな動物なので、キャットタワーで遊んでくれるようになると、留守番中でも運動をしてくれて、運動不足の解消につながります。

まとめ

アメリカン・ショートヘアの適正体重や、痩せすぎ、太りすぎの対策について解説しました。

適正体重を常にキープできていれば問題はありませんが、毎日体重計に乗せて測定するのは面倒なものです。

今回ご紹介した、BCSを活用すれば、毎日猫と触れ合いながら、体型の確認をするだけなので、とてもわかりやすいのではないでしょうか。

ご自身で触れた感触で、「太りすぎかも」「痩せすぎているかもしれない」と感じたら、今回ご紹介した対策を参考に肥満対策に取り組んでみてください。

ただし、文中でも解説したように、病気を疑う場合には、ご自身で判断せずに、まずは動物病院を受診してください。

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