健康

【獣医師監修】猫のあくびは心配ない?あくびをする理由と病気の可能性があるケースを解説

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はじめに

猫がときどきあくびをするのを見かける飼い主の方は多いと思います。

「病気のサインでは?」と気になるかもしれませんが、あくび自体は病気に結びついていません。

ただ、あくびの状況によっては病気の可能性があるので注意が必要です。

今回は、猫のあくびについて詳しく紹介します。

あくびをする理由や可能性がある病気についても詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

猫はどんな時にあくびをする?

まず、猫がどんな時にあくびをするか紹介します。

愛猫があくびをしている時の理由を判断できるようになりましょう。

生理現象

あくびは、猫にとってさまざまな状況で見られる生理現象です。

まず、猫はあくびをすることで、体に酸素を取り入れています。

酸素を取り込む際に脳の血流が増え、脳や体全体の活性化が促されるのです。

特に、猫は眠気を感じている時や長時間じっとしていた後にあくびをします。

また、あくびは筋肉の緊張をほぐし、体をリフレッシュさせるのにも効果的です。

猫が伸びをしながらあくびをする姿はよく見かけますが、体全体の筋肉を伸ばし、血流を促進させています。

さらに、あくびは脳の温度を調整する役割も可能です。

あくびをすることで脳の温度を下げ、最適な状態を保っています。

そのため、猫が集中力を必要とする前や、興奮状態が続いた後にあくびしているのです。

猫のあくびは、日々の生活で非常に重要な役割を果たしています。

リラックスしているとき

まず、猫があくびをするのはリラックスしているときです。

猫は体や心が完全に落ち着いていてリラックスしている時にしばしばあくびをします。

例えば、お気に入りの場所でくつろいでいる時や、飼い主に撫でられて安心している時にあくびをするケースが多いです。

また、このシチュエーションでは、猫の顔つきが穏やかで、目もゆったりとしてまばたきを繰り返します。

さらに、猫があくびをすることで、筋肉の緊張が緩和され、体がリフレッシュされるとも言われているのです。

他にも、長時間の休息や睡眠の後のあくびは、体を目覚めさせるために行っています。

リラックスしている時にあくびをするのは、猫にとって心地よい時間を過ごしている証拠なので愛情をもって接してあげましょう。

眠いとき

次に、猫があくびをするのは眠いときです。

私たち人間と同様、猫も眠い時に自然とあくびをします。

先ほどお伝えした通り、あくびは体に酸素を取り入れ、脳を活性化させるのに効果的です。

眠気を感じている時、猫の体はリラックス状態にありますが、あくびをすることで覚醒しようとしています。

あくびをするのは脳の働きを一時的に活性化させ、眠気を少しでも和らげるための自然な反応なのです。

また、あくびをすることで筋肉を伸ばし、血流を促進させる効果もあります。

猫は長時間の昼寝や夜の睡眠の前後にあくびをする場合が多いです。あくびは、体が次の行動に備えている状態といえます。

ストレスを感じているとき

3つ目に、猫があくびをするのはストレスを感じているときです。

意外かもしれませんが、猫はストレスを感じた時にもあくびをする場合があります。

ストレスを感じた時にあくびをするのは、猫がストレスを緩和するための自己防衛の一環です。

例えば、見知らぬ人や動物が家に来た時など、猫にとってストレスを感じる状況であくびをします。

また、あくびは猫が自分自身を落ち着かせるためのカーミングシグナルの一つです。

カーミングシグナルとは、動物が自分自身や周囲の動物のストレスを和らげるための行動を指します。

猫がストレスを感じている時にあくびをすることで、周囲に対して「私は敵意がない」「落ち着こう」というメッセージを送っている可能性もあるのです。

緊張しているとき

4つ目に、猫があくびをするのは緊張しているときです。

緊張している時に猫があくびをするのは、ストレス反応の一部です。

例えば、動物病院に連れて行かれた時、大きな音がした時など猫が不安や恐怖を感じる状況であくびをする場合があります。

このような時、猫はあくびをして、少しでも緊張を和らげようとしているのです。

また、先ほどお伝えした通り、あくびは猫が自分自身を落ち着かせるためのカーミングシグナルの1つでもあります。

さらに、緊張している時のあくびには、身体的なリフレッシュにも効果的です。

あくびは体に酸素を取り入れ、脳を活性化させる効果があるため、緊張や不安を感じている時に一時的に気持ちを切り替える手助けとなります。

飼い主は猫がこのようなあくびをしているのを見かけたら、できるだけ安心できる環境を整えてあげましょう。

退屈なとき

最後に、猫があくびをするのは退屈なときです。

猫が退屈を感じるのはさまざまなシチュエーションが考えられます。

例えば、飼い主が外出していて家に1人でいる時や、おもちゃに飽きてしまった時などです。

刺激が少なくなり、時間を持て余している時にあくびをするのがよくみられます。

飼い主としては、猫が退屈しているサインを見逃さないようにすることが大切です。

猫があくびを頻繁にしている場合は、もっと刺激を求めている可能性があります。

新しいおもちゃを与えたり、一緒に遊んであげたりすることで、猫の退屈を解消し、心身の健康を保つ手助けをしてあげましょう。

病気の兆候であくびが出ることはある?

ここまで猫があくびをする理由を紹介しましたが、あくびが病気の兆候か気になる方が多いと思います。

猫があくびをしても基本は心配ありませんが、理由について詳しく紹介するので、ぜひチェックしてください。

直接病気に結びつくような兆候はない

猫があくびする理由はさまざまですが、一般的には病気の兆候としてあくびが見られる場合はほとんどありません。

なぜなら、猫のあくびは通常、リラックスや眠気、退屈、緊張など、日常的な状態を示すものだからです。

しかし、日頃から猫の健康状態を総合的にチェックしましょう。

あくび自体が病気の兆候ではないとしても、他の症状と併せて観察することが大切です。

例えば、過剰なあくびや、あくびと共に他の異常な行動や食欲不振などの症状が見られる場合は、何らかの健康問題が潜んでいる可能性も考えられます。

また、猫があくびをする際に口の中の異常を発見する場合も多いです。

あくびが臭い時は病気の可能性も

あくびは病気の兆候ではありませんが、あくびが臭い時は下記の病気の可能性があります。

  • 口内炎
  • 口腔内腫瘍
  • 歯周病
  • 猫風邪
  • 腎臓病

それぞれ詳しく紹介しますので、猫があくびする際は合わせてチェックするようにしましょう。

口内炎

まず、猫のあくびが臭い時に考えられる病気は口内炎です。

口内炎は猫の口腔内に炎症が起きる病気で、痛みや不快感を伴う場合が多く、口臭の原因となります。

口内炎になると、痛みや不快感からよだれが増え、粘ついたよだれが見られる場合が多いです。

また、口の痛みから食べ物を避けるようになり、食事量が減るケースもあります。

そして、食事を避けるために体重が減少してしまうのです。

さらに、口に痛みがあるため、口の周りを触られるのを嫌がることが多くなります。

猫の口内炎は、カリシウイルスやヘルペスウイルスなどの感染が引き起こす場合が多いです。

口内炎の原因が感染症の場合は抗生物質や抗ウイルス薬で治療しましょう。

口腔内腫瘍

次に、猫のあくびが臭い時に考えられる病気は口腔内腫瘍です。

口腔内腫瘍は、口の中にできる腫瘍を指し、良性のものから悪性のものまでさまざまな種類があります。

口腔内腫瘍になると、細菌が繁殖するので、強い口臭を引き起こしやすいです。

また、よだれが増えたり、口の中にしこりや腫れが見られたりします。

さらに、口の中の痛みや不快感から食事を避けるようになり、体重が減少する場合も多いです。

他にも、口の中から出血が見られることがあります。

口腔内腫瘍の原因は不明な場合が多く、遺伝的要因やウイルス感染なども一因です。

口腔内腫瘍になった場合は、手術や放射線治療、化学療法を組み合わせて治療を行いますが、腫瘍の部位によっては積極的な治療が難しい場合もあり、緩和治療が勧められることもあります。

歯周病

3つ目に、猫のあくびが臭い時に考えられる病気は歯周病です。

歯周病は、猫の口腔内における疾患であり、炎症で口臭が強くなるケースがあります。

歯周病になると、歯肉が赤く腫れたり、炎症したりする場合が多いです。

また、歯の表面に黄色や茶色の歯垢や歯石が蓄積されてしまっています。

さらに、歯周病が進行すると、触れるだけで歯ぐきから出血したり歯が抜け落ちたりする可能性が高いです。

歯周病の主な原因は歯垢と歯石の蓄積であり、歯の表面に付着した細菌が、歯肉に炎症を引き起こし、歯周病を発症させます。

他にも、栄養不良、免疫不全、遺伝要因、ストレス、加齢などが歯周病のリスクを高めるのです。

歯周病になった場合は、クリーニングや抗生物質や消炎剤の投与、抜歯などを行って治療しましょう。

猫風邪

4つ目に、猫のあくびが臭い時に考えられるのが猫風邪です。

猫風邪は、猫の呼吸器系に感染を引き起こすウイルスによる疾患で、口臭が発生します。

猫風邪の最も一般的な症状は、猫の鼻水やくしゃみです。また、鼻の通気が悪くなり、鼻詰まりで猫が呼吸をするのが難しくなるケースがあります。

さらに、目の周りが赤くなったり、膿が出たりする可能性があるので注意が必要です。他にも、食欲不振、疲れやだるさがみられる場合もあります。

猫風邪の原因は、主にヘルペスウイルスやカリシウイルスが原因です。これらのウイルスは、空気中の飛沫や接触によって感染が広がります。

猫風邪になった場合は、獣医師から処方された抗生物質や抗ウイルス薬を使用しましょう。

また、猫の体力を保つために、適切な栄養と水分摂取が重要です。

腎臓病

最後に、猫のあくびが臭い時に考えられるのは腎臓病です。

腎臓病は、腎臓の機能が低下する疾患であり、口臭が強くなることがあります。

口臭が強くなるのは、腎臓病で体内の毒素や老廃物が蓄積しやすくなるのが原因です。

また、腎臓病になると、尿の量が増えたり減ったりする場合があります。尿の色や臭いが変わるケースも多いです。

他にも腎臓病により吐き気や不快感が生じて食欲が低下し、食欲不振や栄養吸収の問題から体重が減少するケースがあります。

腎臓病の原因はさまざまですが、年をとると腎臓の機能が低下しやすいです。

さらに、遺伝的な要因が腎臓病の発症に関与する場合があります。

不適切な栄養摂取や水分不足、ストレスなども原因の場合が多いです。

腎臓病の治療では、腎機能低下の進行抑制や症状の緩和を目的とした薬物で治療しましょう。

口をパクパクしているのはあくび?

ここまで、あくびをしている理由やあくびが臭い時に考えられる病気を紹介しました。

他にも、猫が口をパクパクしているのがみられて、気になる方も多いはずです。

次に、猫が口をパクパクさせているのはあくびなのかを紹介します。

口の中に違和感がある場合が多い

猫が口をパクパクしている様子がみられる場合、あくびの1つと考えられます。

しかし、口をパクパクさせる行動が繰り返される場合、口の中に何らかの異物や痛みを感じている可能性が高いです。

口の中に違和感がある場合、口が開いたり閉じたりする場合があります。

猫が口をパクパクさせるのをすぐにやめた場合は、違和感を取り除けた可能性が高いので特に問題ありません。

ただ、何度もパクパクさせる場合は、注意深く観察し、口の中に異物が詰まっていないか、異常がないかを確認することが重要です。

異常が見られる場合は、速やかに獣医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

炎症や異物があることも

猫が口をパクパクさせている場合、口の中に炎症や異物がある可能性もあります。

口の中に異物が入り込んだり、歯茎や舌に炎症が起きたりすると、口の中の不快感や痛みを覚える恐れがあるのです。

そして、猫が口をパクパクさせて口の中の不快感を和らげようとします。

また、口の中の炎症や異物が原因で食欲不振や吐き気を引き起こす場合も多いです。

そのため、口をパクパクさせる行動をやめない場合は、口の中を注意深く観察し、異物や炎症があるかどうかを確認することが重要です。

あくびの回数が多くて心配?

猫があくびをする際に、あくびの回数が多くて心配な方もいると思います。

あくびの回数が多い理由について詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

極端に多すぎなければ心配ない

猫があくびをすることは一般的であり、生理現象の1つです。

通常、猫はリラックスしたり眠たくなったりするとあくびをします。

そのため、猫のあくびが極端に多すぎなければ心配は特に必要ありません。

ただ、ストレスや不安、興奮などの要因がある場合にもあくびが増えるケースがあります。

一般的には、1日に何回かのあくびは通常の行動ですが、極端に頻繁にあくびをする場合は獣医師の診察を受けることが重要です。

いつもと違う様子なら病院で相談すると安心

猫がいつもよりも多くあくびをする場合、特にその行動が継続する場合は、獣医師の診察を受けると安心です。

猫が普段と異なる行動を示す場合、潜在的な健康問題の兆候かもしれません。

あくびの回数が増えるということは、猫が不快感や痛みを覚えている可能性を示唆しています。

また、あくびが増える原因にはストレスや不安、環境の変化、身体的な不調などが多いです。

そのため、猫のあくびの回数が通常よりも多い場合は、病院で獣医師と相談することで安心できるでしょう。

獣医師は猫の状態を詳しく診察し、必要に応じて適切な治療やケアを提供してくれます。

まとめ

猫のあくびは生理現象の1つなので、リラックスしているときや眠い時にあくびをします。

一方で、ストレスを感じていたり、緊張や退屈さを感じていたりする場合もあるので注意が必要です。

猫のあくびは病気の兆候ではなく、あくびをしているからといって病気を疑う必要はありません。

しかし、猫のあくびが臭い場合は、口内炎・口腔内腫瘍・歯周病・猫風邪・腎臓病の可能性があります。

また、猫が口をパクパクさせていたり、あくびの回数が多かったりする場合も基本は問題ありませんが、極端な場合は注意が必要です。

猫の様子を注意深く観察し、猫の健康を維持してあげましょう。

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