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はじめに
室内で猫を飼っている方は、室内の温度は常に適温で保っていますか?
エアコンを同じ温度で付けっぱなしという方も多いのではないでしょうか。
実は、猫にとって温度の管理以上に、湿度の管理がとても重要なんです。
湿度とは、大気中の水蒸気量を表す数値で、湿度が最適でないと体調不良が起こる危険があります。
今回は、猫にとって湿度が最適でない時に起こる影響と最適な湿度の管理方法を解説します。
それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にして住みやすい環境を整えてあげてください。
猫の室温はみんなどのように管理している?
猫にとって快適な室温は、20〜25度です。
これは一年を通して共通なので、常に一定に保ってあげる必要があります。
室温は外気温に対してエアコンの設定や、窓の開け閉めなどで管理されている方が多いと思うので、常に室温が適温になるように調整してあげましょう。
猫によって寒がりの子や暑がりな子がいるので、様子を見ながら温度の調節をしてあげてください。
実は湿度のほうが大事?
猫にとって室温の管理が大事という事は、聞いたことがある方が多いと思いますが、実は体調管理には湿度の方が大事なんです。
湿度とは、大気中の水蒸気量を表す数値で、低すぎても高すぎても身体に不調が出たり、ウイルスの感染力が高まってしまう可能性があります。
また、湿度が最適でないと猫が自分で体温調節ができなくなってしまうんです。
温度の管理ももちろん大事ですが、今回は猫が健康に暮らせるなめに、最適な湿度について解説するのでぜひ参考にしてください。
猫にとって最適な湿度とは?
猫にとって最適な湿度とは、50〜60%です。
最適な湿度について詳しく解説します。
50~60%ぐらいが最適
猫は暑さには強いと言われていますが、ジメジメや乾燥には弱いと言われています。
湿度が50〜60%でないと、体温調節がうまくできなくなってしまうので、飼い主の方は湿度の調整をしっかりしてあげましょう。
最適な湿度管理をしていないと、どのようなことが起こってしまうのか、解説するので参考にしてください。
低湿度の影響
まずは、低湿度の時に猫に与える影響を説明します。
体感温度が低くなる
汗は、蒸発する時に身体から熱を奪い体温を下げる働きをします。
しかし湿度が低くなると、皮膚から蒸散する水分量が増えてしまうため、体感温度が低くなってしまうのです。
室内の温度を適温にしていても、湿度が低くなると猫は寒さを感じてしまいます。
湿度が10%違うと体感温度は1度変わると言われているので、過ごしやすい環境を作るためにも湿度は常に50〜60%を保ってあげてください。
皮膚が乾燥し肌荒れやかゆみの症状が現れやすい
湿度が低いという事は、肌にも水分量が足りなくなるので乾燥の原因になります。
猫の肌が乾燥すると、肌荒れやかゆみの症状が出やすく、掻きむしってしまったりフケが出ることもあるので注意が必要です。
猫は人と違って、ハンドクリームやボディクリームでケアすることができないので、湿度を調節して乾燥を防いであげましょう。
乾燥が原因で肌がカサカサになってしまったり、頻繁にかいてしまっている時はすぐに動物病院で治療してください。
ウイルスや細菌などに感染しやすくなる
空気中のウイルスは、湿度が40%以下になると活発化し、50%以上だと減少すると言われています。
また、低湿度の時は喉や鼻が乾燥しやすく粘膜にダメージを受けてしまうため、ウイルスへの免疫力も低下しており、ウイルスが好む環境ができてしまうんです。
一頭のみの飼育で室内感染することはほとんどありませんが、多数の猫を飼育している場合や他の猫との接触後は室内感染に注意が必要になります。
感染症や病気のリスクを減らすためにも、湿度を50以上になるように調整して、粘膜の乾燥とウイルスの舞い散りを防いであげましょう。
高湿度の影響
続いては、逆に高湿度の場合に猫に与える影響について説明します。
猫は祖先は砂漠で暮らしていたため、暑さには強い面がありますが、湿度の高いジメジメした環境が苦手な子が多いので注意が必要です。
自律神経の働きが乱れる
高湿度になると、身体のだるさ・やる気が出ない・めまいが起こるなどの症状が出たり、寝付きが悪くなったり、動悸・不安・緊張の気分障害が出ることがあります。
どの症状も、高湿度による自律神経の乱れが原因です。
人と違い猫は自分の体調が悪くても話すことができないため、なんとなく元気がなかったり、近づかれることを嫌がり飼い主にも威嚇する姿が見られます。
いつもと違う様子が見られた場合は、温度と湿度を確認し、適温に合わせたら無理に構わずそっとしてあげましょう。
体調が良くならない場合は、動物病院に連れて行き専門の医師の指示に従ってください。
カビやダニが繁殖する
湿度が高くなると、カビやダニが繁殖します。
カビは60%以上、ダニは70%以上の湿度を好み、ダニはカビを餌にするのでカビの生えているところにはダニが発生しやすいと言う、最悪な相乗効果が生まれるんです。
繁殖したダニなどを含むハウスダストの影響で、皮膚炎を起こす猫もいます。
また、湿気によりカビたり悪くなった餌を食べてしまい、食中毒になることもあるので注意が必要です。
猫用の布団にもカビやダニが発生しやすくなるので、定期的に天日干しをしたり、新聞紙やスノコを布団の下に敷くのもおすすめになります。
カビやダニが繁殖してしまってからでは遅いので、繁殖しないように対策をしっかりしましょう。
アレルギーを発症しやすくなる
上記でも解説したように、高湿度だとカビやダニの繁殖スピードが急激に増加します。
カビやダニが繁殖すると、鼻炎・皮膚炎・咳・目の痒みなどのアレルギー症状が現れる可能性があります。
カビやダニは放っておくと、猫の病気を引き起こす原因になるので、湿度が高くなりすぎないように気を付けましょう。
湿度を調整する方法
湿度が低すぎても高すぎても、猫にとって体調不良を起こす可能性があるので良くありません。
まずは、湿度計を準備し家の中の湿度を測ってみましょう。
湿度計を猫が生活する部屋に置き、湿度が50〜60%より低い場合、高い場合はそれぞれ湿度を上げたり下げたりする必要があります。
調整方法を紹介するので、ぜひ参考にして、湿度の管理をしてください。
湿度を下げる方法
まずは、湿度が高く高湿度状態の時の解決策です。
湿度が60%より高くなった場合は、試してみてください。
部屋の換気
部屋の中が高湿度の状態になったら、換気をするのが1番です。
窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。
雨の日は窓を開けると湿度が上がってしまうと思ってしまう方が多いですが、雨の日でも湿度は室内の方が高いです。
天気は気にせず、こまめに窓を開けて換気してあげましょう。
特に湿気が溜まりやすい梅雨や冬場の時期は、1〜2時間に1回、5〜10分の換気が望ましいです。
しかし、冬場は換気により室温が下がりやすいので、空気清浄機を取り入れるなどの対処もおすすめと言えるでしょう。
換気しやすいように複数の窓を開けて、風の通り道を作っておくと効率よく空気の入れ替えができるので試してみてください。
その際は猫が脱走しないように、網戸をしっかり閉めるなど脱走対策も注意が必要です。
エアコンなどの除湿機能の使用
高湿度の状態になった時は、エアコンのドライや除湿機能がおすすめです。
暑い時期に外出する際に、お留守番の猫のためにエアコンを付けたままにする方が多いと思いますが、冷房よりもドライの方が室内の温度も下げすぎず、適度に湿気を取り除いてくれます。
外出時間が長い方やこまめに換気するのが面倒な方は、簡単に除湿できるので試してみてください。
竹炭や除湿剤の設置
湿気が溜まりやすい場所には、竹炭や除湿剤を設置するのも効果的です。
竹炭には、細かい穴で湿気を吸収する効果があり、空気中の水分を調節してくれます。
逆に空気中の水分量が多い時は、水分を放出するので湿気調節には万能です。
天日干しをすると除湿効果がリセットされるので、何度でも繰り返し使えます。
脱臭効果もあるので、猫の匂いが気になる方も部屋に一つ置いておくだけでケアができるのでおすすめです。
除湿剤は、しっかり湿気を吸ってくれて、種類も豊富なので置きたい場所によって使い分けることができます。
広い部屋や広範囲の湿度調節には据え置きタイプが向いており、湿気を吸って下に水が溜まっていくので、定期的に交換が必要です。
猫が運動している時に倒してしまう可能性もあるので、置く場所は猫が入らない場所や届かない場所にしましょう。
猫の布団などに使いやすいシートタイプは、消臭効果もあり、湿気が溜まると色が変わるので交換のタイミングもわかりやすいです。
その他にもハンガータイプもあるので、必要に応じて除湿剤を選んで快適な空間を作りましょう。
湿度を上げる方法
続いて湿度が低く低湿度状態の時の解決法を紹介します。
湿度が50%より低くなった場合は、試してみてください。
加湿器の使用
低湿度で、湿度を上げたい場合には加湿器を使うのがおすすめです。
加湿器はタンクの大きさも様々で、加湿方法もスチーム・気化式・超音波式・ハイブリッド式など自分好みのものが選べます。
猫が倒してしまわないように、置く場所やタンクの水を放置しないなど対策は必要になりますが、ボタンひとつで簡単に湿度の調整ができるのは嬉しいポイントです。
しかし、水の入ったタンクを放置したりこまめに掃除をしないとカビの発生に繋がるので、注意が必要になります。
最近ではアロマを混ぜれる加湿器もありますが、猫は植物を消化分解する酵素がなく、アルコール類も代謝分解できないので少量でも危険です。
加湿器を使う時はアロマなど使わずに、加湿目的のみで使うようにしましょう。
ただし、全ての植物が危険なわけではないので、必要に応じて獣医師に確認するようにしてください。
洗濯物の室内干し
低湿度で部屋の乾燥が気になる時は、洗濯物を室内干しするのも効果的です。
加湿器など特別な機械を用意しなくても、簡単に室内の湿度を上げることができます。
洗濯物がない場合は、タオルを水に濡らして干して置くだけでも、湿度を上げられるのでぜひ試してみてください。
室内干しをする場合は、遊び道具と勘違いして猫が飛びつくことがあるので、猫が届かない場所に干すようにしましょう。
浴室のドアを開けて湿気を室内に入れる
低湿度になっている場合は、入浴後お風呂のお湯を抜かずにドアを開けて加湿する方法もあります。
手軽に湿度を上げることはできますが、湯気が発生しているとカビの発生につながる可能性もあるので、結露ができた場合は濡れた部分を拭いて雑菌がわかないように対策してください。
また、お風呂のドアを開けっぱなしにしておくと、猫が入ってしまう危険もあるので、ずっと見ていられない時は、浴槽のお湯は抜いてからドアを開けるなど十分に注意してあげましょう。
気温の変化が激しい春や秋の対策
ウェザーニュースによると、1日の気温の変化が激しいのは春、日によっての気温差が激しいのは秋と言われています。
気温の変化が激しいと、猫は体温調節が難しくなってしまい体調を崩す原因になるので、対策が必要です。
1番簡単に温度調節ができるのは、エアコンになります。
特に1日で気温が変わる時は、自動機能で部屋の温度を一定に保ってあげると猫の体温調節をサポートできるだけでなく、冷えすぎや暑すぎる環境を避けることもできるので大変便利です。
しかし、エアコンの風が苦手な猫もいるのでその場合は、風の強さを控えめにしたり、風が直接当たらないように向きを調節してあげましょう。
また、エアコン以外のアイテムで体温調節をしてあげることもできます。
寒い場合は、ホットカーペットなど風の出ない暖房器具や加温の布団を使ったり、暑い場合は、冷却マットや冷たい水を与えるなどエアコンを使わないでも体温調節をサポートしてあげましょう。
その時に、湿度を最適な状態に保つのも忘れないでください。
温度と湿度を最適な状態にしてあげることが、猫の体調管理に繋がるので、飼い主の方は特に春や秋など気温が変わりやすい時期は注意して管理しましょう。
まとめ
今回は、猫と湿度の関係について詳しく解説しました。
猫にとって湿度が高すぎても低すぎても、体調不良を起こす危険があります。
湿度の調整は難しいことではありません。
飼い主は、大事な愛猫と健康的に暮らすために、最適な環境を用意してあげる必要があります。
ぜひこの記事を参考に、湿度管理を徹底してあげてください。