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【獣医師監修】マンチカンの適正体重は何キロ!?痩せすぎ太り過ぎの対策を徹底解説!

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はじめに

マンチカンの適正体重1

マンチカンは短い足でちょこちょこと歩く姿がとても愛らしく、性格も人懐っこいのでとても人気の高い猫種です。

実は、マンチカンの中で短足は全体の2割程度しかおらず、それ以外は一般的な足の長さの「長足」とその中間の「中足」だということはあまり知られていません。

そのため、イメージとしてマンチカンは足が短くとても小さいイメージがついていますが、足の長さにより大きさも変わるため、適正体重が判断しづらい猫でもあります。

しかし、マンチカンは太りやすい猫でもあるので、健康のためにも飼い主さんがしっかりとコントロールしてあげなければなりません。

ただ、太りやすいからといってエサを極端に減らすだけでは、かえって痩せすぎてしまい、決して健康的とはいえません。

そこで、今回は、マンチカンの適正体重から、エサ選びのポイント、痩せすぎ、太りすぎの原因や対処法までくわしく解説してまいります。

すでにマンチカンと暮らしている方も、これから飼おうとお考えの方も、ぜひ参考にしてください。

マンチカンの標準体重・体長

マンチカンの適正体重2

マンチカンは足の長さの違いにより、大きさが多少異なるため、標準体重に開きがありますが、一般的な標準体重と体長についてご紹介します。

マンチカンのオスの標準体重・体長

マンチカンのオスの標準体重は3〜4.5kgです。

小さいイメージがありますが、体は筋肉質でしっかりとしています。

また、足の長さにより体重も異なり、短足のマンチカンは小さく、長足は大きくなる傾向があります。

体長は50cm〜60cmとなっており、長足の方が体長も長くなります。

マンチカンのメスの標準体重・体長

メスの標準体重は、2〜4kgで、オスよりもひと回り小さくなっています。

足の長さにより、体重は変わりますが、オスよりも大きくなることはあまりありません。

メスの体長はオスとそれほど変わらず50cm〜60cmです。

こちらも長足の場合には体長も標準を上回り、長くなる傾向があります。

マンチカンの子猫の標準体重・体長

マンチカンの子猫の標準体重は、生後6ヵ月ほどで1.7〜3kgとなっています。

体長は30cmほどとなり、成猫の半分ほどの大きさです。

筋力が未発達のため、ここから約半年かけて、体重、体長ともにさらにひと回り大きくなっていきます。

マンチカンの成猫の標準体重・体長

マンチカンの成猫は2〜4.5kgほどに成長します。

全体的に筋肉質でしっかりとした体型をしていますが、足の長さにより、体重は変わることが多く、足が長くなると重くなる子が多くなります。

体長は60cmほどですが、やはり足の長さで個体差があります。

マンチカンの老猫の標準体重・体長

マンチカンの老猫の標準体重の定義はありませんが、運動量も落ちるため、筋肉が落ちてくることから、成猫時よりも減少してくることがほとんどです。

体長も成猫の頃と変わりませんが、体重が落ちてきた分だけ、少し小さく見えるかもしれません。

マンチカンの肥満の目安はどれくらい?

マンチカンの肥満の目安を知るのに、適正体重を飼い主が理解しておくことは大切ですが、マンチカンの中でも体の大きさには個体差があるので、体重だけで肥満かどうかを判断することはできません。

筋肉の多い個体は、肥満ではなくても体重は重くなる傾向がありますし、体長の小さな個体ならば、適正体重でも少し太りすぎな場合もあるでしょう。

そこで、猫の肥満度をチェックするための方法として、ボディコンディションスコア、略して「BCS」があります。

BCSとは猫の体型を体重ではなく、上や横からの見た目と実際に体に触れてみて、くびれの有無や、肋骨の浮き具合などを確認する方法です。

BCSは肥満だけでなく、痩せすぎにも対応しており、痩せ〜理想的〜肥満までの状態を5段階で判断します。

詳しい判断基準は下図を参考にしてください。

マンチカンの適正体重3

もし、マンチカンに触れた際に、「痩せ」や「肥満」に該当する状態でしたら、すぐに対策が必要です。

また、「やや痩せ」「やや肥満」であっても、予備軍であることには変わりないので、安心せずに、日々の食生活や運動を見直してBCS3「理想的」を目指しましょう。

マンチカンのフード選びのポイント

マンチカンの適正体重4

マンチカンは小柄ながら筋肉質な体型をしていますが、食欲も旺盛で、比較的太りやすい猫種に分類されます。

そのため、成長段階や、現在の肥満度などに応じて適切なフードを選ぶことが大切です。

適切なフード選びのポイントについて解説します。

ドライフードとウェットフードをバランス良く与える

ドライフードとウェットフードどちらを与えるべきか、お悩みの方も多いと思いますが、結論からいうと、基本的にはドライフートがおすすめです。

そのなかでも、「総合栄養食」と記載されているものを選べば、必要な栄養素をすべて含んでいるため、ドライフードと新鮮な水だけで事足ります。

栄養バランスに優れているだけでなく、種類も豊富なため、猫の食いつきのよいものを選んであげるとよいでしょう。

また、開封後も保存がきくため、経済的にもメリットがあります。

ウェットフードは風味がよく、水分を多く含んでおり、やわらかく食べやすいため、体調を崩しているときや、食欲不振、ドライフードをあまり食べてくれないときの味付けなどに利用するとよいでしょう。

ただし、日常的に味の濃いウェットフードばかり食べていると、ドライフードを食べなくなることもあります。

また、噛むことが少ないため、あごの力が弱くなってしまうデメリットもあります。

日常的にはドライフード、ウェットフードは体調不良時や気分転換として少量与えるなど、使い分けて食べさせるのがおすすめです。

成長段階に合わせたフードを選ぶ

バランスの良いフード選びとともに、大切なポイントとして、成長段階に合わせたフード選びがあります。

成長段階とかけ離れたフードを与えていると、必要な栄養素が不足したり、逆にカロリー過多になってしまったりと、さまざまな問題が発生してしまいます。

間違ったフード選びをしないための成長段階ごとのポイントを解説します。

子猫期のおすすめのフード

生後3ヵ月を過ぎた子猫は、どんどん大きくなる成長期に入るので、多くのエネルギーを必要とします。

この時期は「子猫用」「1歳未満」などの表示をしている、高たんぱく、高カロリーの子猫用のフードを与えてください。

食事量に関しても、食欲があるようでしたら、たくさん与えても構いませんが、消化器官が未発達なため、一度にたくさんの量を食べてしまうと下痢や嘔吐してしまうことがあるので、その場合には回数を増やして、1回の量を増やしすぎないようにしましょう。

成猫期のおすすめのフード

1歳になると大人の体になり、7歳くらいまでを成猫期と呼びます。

成猫期に入ると、急激に成長することはないため、成長期に必要な多量のエネルギーは必要としなくなります。子猫用のエサを与え続けるとカロリーオーバーとなり肥満のリスクが高くなります。

1歳を過ぎたら、「成猫用」「1歳以上」「アダルト」などの表示がされている成猫用のエサを体重に合わせて適量与えるようにしてください。

子猫の頃に食べたいだけ与えられる習慣がついて、たくさん欲しがる子もいますが、成猫期には肥満予防のためにも適量での食事管理を始めましょう。

また、避妊、去勢手術をすると、ホルモンバランスの関係で太りやすくなることが多いので、食事量や、摂取カロリーなどに注意が必要です。

老猫期のおすすめのエサ

7歳以上になると老猫期に入り、運動量が落ち、筋肉量が減ることで代謝も低下します。

そのため、肥満防止のためにも食事は低カロリーのものに切り替えましょう。

「シニア用」「〇歳用」と表示されている老猫用のフードを選んでください。

シニア用に切り替える理由は低カロリー食というだけでなく、猫に多い腎臓病では摂取制限が必要なリンや塩分が控えめになっており、便秘になりやすいシニアのために食物繊維も多く含まれているためです。

ドライフードを与える際に、年齢が高くなると、固いものを噛み砕けなくなることがあるので、その際は少しふやかしてやわらかくしてから食べさせてあげてください。

食べる量も、食欲が落ちてあまり食べられないようならば、回数を3回くらいに分けて少量ずつ与えるようにするとよいでしょう。

栄養素に注意する

健康な体を維持するために、たんぱく質などの栄養素は摂取しなければなりません。

人間はさまざまな食べ物を食べることで必要な栄養素を摂取しますが、猫の場合は、必要な栄養素を含んだ「総合栄養食」と表示のあるエサを与えておけば、必要な栄養素がカバーできます。

ただし、成長段階により必要な栄養素や摂取カロリーは変わってくるので、ライフステージごとのエサを選ぶようにしましょう。

年齢に合った総合栄養食と新鮮な水があれば、栄養が不足することはありません。

痩せすぎの原因と対処方法

肥満にばかり目がいきがちですが、痩せ過ぎも健康面を考えると良くありません。

BCSを参考に、腰回りのくびれが深く、あばらが浮き出ているような場合には、痩せすぎている可能性が高くなります。

まずはなぜ痩せすぎているのか、原因を突き止めて対処する必要があります。

おもな原因について解説いたします。

痩せすぎの原因

病気

食欲もあって、しっかりと食事を食べているのに痩せている場合には、病気の可能性があります。

甲状腺ホルモンの過剰分泌により、代謝が活性化され過ぎてしまう甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)や糖尿病などの病気を発症していると、食べていても体重が減少してくることがあります。

また、寄生虫感染をしていると、栄養を奪われてしまい、食事を食べても痩せてくることがあります。

ストレス

ストレスによる食欲不振でも体重が減少することがあります。

猫は少しの環境変化にも敏感に反応する動物なので、自分のテリトリーでこれまでと違うことが起きたり、日々ストレスに感じていたことが積み重なったりすると、強いストレスを感じてしまいます。

ストレスにより食欲不振に陥ったり、嘔吐を繰り返したり下痢になったりして、体重が減少してしまうことがあるので、環境が変わる場合などには注意して観察しておきましょう。

フードが合っていない

そもそもフードの種類や量が合っていなければ、きちんと回数を食べていても痩せてしまいます。

それぞれのライフステージによって必要な栄養素は変わるので、年齢に適したフードを与えなければなりません。

子猫や老猫は、消化能力が強くないため、適切なフードでない場合、消化不良で体調を崩し、痩せてしまうことがあります。

対処方法

与えるフードの種類や量を見直す

しっかりと食べているのに体重が減少してしまう場合には、まず与えているフードが年齢に適しているものなのか確認してください。

合っていなければ、フードの種類を変えることですぐに解決することもあります。

与える量もあらためて確認しておきましょう。

きちんと年齢に適したフードを与えても、量が少なければ必要な栄養素が不足して痩せてしまうからです。

何らかの病気の可能性

フードに関して何も問題はないのに痩せてしまうときは、病気にかかっている可能性があります。

どのような病気にかかっているのか、問題ないのか、元気そうだからと飼い主が判断するのではなく、まずは動物病院で診察を受けてください。

太り過ぎの原因と対処方法

マンチカンが太り過ぎてしまう原因と、太り過ぎ解消のための対処法について解説します。

太り過ぎの原因

マンチカンが太り過ぎてしまう原因には、以下の4つが考えられます。

カロリーオーバー

太り過ぎてしまった場合に、最初に考えなければならないのは、食べ過ぎによるカロリーオーバーです。

毎日おいしそうにエサを食べる姿を見て、「足りないかもしれない」と適量を超えて与えてなおかつ、おやつを数回与えてしまえば、太りやすいマンチカンはすぐに体重が増えてしまいます。

この場合、摂取カロリーが、消費カロリーを大きく上回ってしまっていることが考えられます。

運動不足

猫は、犬のように散歩に出かけるわけではないため、毎日決まった運動習慣があるわけではありません。

そのため、家でのんびりと過ごすことが多くなり、運動不足になりがちです。

食べ過ぎと運動不足によりさらに動くのが面倒になると、肥満に拍車がかかってしまいます。

避妊・去勢手術

避妊・去勢手術をすると、ホルモンバランスの関係で、体質が変化して太りやすくなることがあります。

比較的おとなしく落ち着く子が多くなり、エネルギーの消費は減少しながらも、食欲はそのままなので体重が増えてしまうことがよくあります。

ストレス

猫もストレスを抱えると、食欲不振になる子もいれば、過食気味になって太ってしまうことがあります。

しかし、猫は自分で食べ物を用意するわけではありませんので、過食気味の愛猫に合わせて飼い主がフードをたくさん与えなければ、太ることはありませんので注意しましょう。

猫の肥満対策

肥満になってしまった愛猫のために、今日から始められる肥満対策を2点ご紹介します。

フードは決まった量を与える

すでに食事量が適量ならば、欲しがるからといってフードの量を増やしてはいけません。

年齢に合ったフードを食べているのならば、必要なカロリーはすでに摂取できているので、増やしてしまうとカロリーオーバーにつながります。

ただし、例外もあります。

それは適量なのに太ってしまう場合です。

このケースでは、量を減らしてしまうことはあまりおすすめしません。

現在食べているエサが、すでにカロリーオーバーになってしまっている可能性があるので、肥満猫用のフードに切り替えてみると、量は変えることなく、低カロリー、低脂質の食事によって体重がコントロールできるようになるでしょう。

運動量が増えるようにたくさん遊んであげる

1日中家で過ごす猫は、どうしても運動不足になりがちです。

肥満防止のためには、食事だけでなく適度な運動が不可欠です。

とはいえ、散歩に行くわけではないので、毎日時間を作って飼い主さんがおもちゃなどで遊んであげてください。

ほかにも留守番中に運動をさせるためにも、スペースがあればキャットタワーの設置をおすすめします。

猫は昇り降りが好きなので、自らキャットタワーで遊んでくれるようになると、留守中も運動してくれることによって運動不足につながります。

まとめ

マンチカンの適正体重、体重管理の対策について解説いたしました。

大切なことは、成長段階に合ったフードを適量与えることです。

特に成猫のマンチカンは太りやすいため、食欲があるからといってたくさん食べさせてしまうとすぐに肥満になってしまうので注意しましょう。

また、愛猫の肥満度を把握するためにも、今回ご紹介したBCSを活用してください。

1日1回、コミュニケーションの一環として、体に触れることで簡単に愛猫の肥満度をチェックすることができます。

猫の肥満は、そのままにしておくとあらゆる病気の原因となります。

大切な愛猫とこれからも長く暮らしていくためにも、当記事を参考に適正体重を常に気にしつつ健康維持に取り組んでみてください。

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