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- はじめに
- 猫のワクチン接種は必ずした方が良い?
- ワクチンの種類
- 猫のワクチン接種の費用
- 猫のワクチン接種の時期
- 猫のワクチン接種の副反応
- 接種前の注意点
- 接種後の注意点
- 猫のワクチン接種、しないとどうなるの?
- 完全室内飼いであればワクチンを受けなくてもOK?
- まとめ
はじめに
猫のワクチン接種は、伝染病を予防する・重症化させないためには必要不可欠です。
しかし、猫のワクチン接種ってあまり聞いた事がないという方や、一体どんなワクチンを摂取すれば良いのかわからないという方も多いと思います。
愛猫に長く元気でいてもらうために、飼い主は健康のためにできる限りの予防をしてあげないといけません。
今回は、猫のワクチンの種類や費用、接種する際の注意点や副作用についても詳しく解説します。
今猫を飼っている方も、これから家族に迎え入れようと思っている方も、ぜひこの記事を読んで、愛猫が健康に過ごせるように考えていきましょう。
猫のワクチン接種は必ずした方が良い?
猫のワクチン接種は、強制ではありませんが定期的に受けた方が良いです。
猫が打つべきワクチンには3種混合、4種混合、5種混合、猫エイズワクチンなどがあります。
どんな猫でも必ず打つべきワクチンと、環境や状況によって打った方が良いワクチンがあるため、専門の獣医と相談しながらどのワクチンを打つか決めるのがおすすめです。
ワクチンの種類の詳しい情報は、下記で解説します。
ワクチンの種類
猫のワクチンには、コアワクチンとノンコアワクチンの2種類があります。
それぞれどのようなワクチンなのか、詳しく解説します。
コアワクチン
コアワクチンは、完全室内飼いでも関係なくどの猫にも打った方が良いワクチンの事を言います。
ワクチンの種類は、3種混合という猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウィルス感染症(3タイプ)・猫汎血球減少症の、3種類の強い伝染力を持つ感染症を予防するためのワクチンです。
空気感染をするウイルスなため、室内飼いの猫でもかかる可能性があるため、接種することを推奨されています。
ノンコアワクチン
ノンコアワクチンは、その猫の生活環境や他の猫との接触する可能性の有無で、接種するべきか検討するワクチンのことを言います。
ワクチンの種類は、4種混合・5種混合・猫エイズワクチンです。
4種混合は、3種混合の3種類に猫白血病ウイルス感染症を加えたワクチンで、5種混合は、更にクラミジア感染症を追加したワクチンです。
猫エイズワクチンは、猫免疫不全ウイルス感染症を予防するためのワクチンで、混合ワクチンには含まれず単体で打つ必要があります。
感染経路は主に喧嘩による咬傷が多いので、現在のワクチンでは完全に感染を防ぐことは難しいです。
1番の感染予防は、完全室内飼いをすることに限ります。
猫のワクチン接種の費用
猫のワクチン接種にかかる費用を紹介します。
動物病院は、クレジットカードが使えないところもあるので、現金で用意しておくと安心です。
また、ワクチン接種は予防のための治療になるので、基本的にはペット保険の対象外になるため、気になる方はあらかじめ保険屋さんや動物病院に確認しておくことをおすすめします。
それぞれのワクチンの費用は、下記を参考にしてください。
3種混合:3,000~5,000円ぐらい
3種混合は3〜5,000円で接種できます。
動物病院によって価格が違うので、ホームページなどで調べたり、電話で先に確認しておきましょう。
4、5種混合:5,000~7,000円ぐらい
4種混合や5種混合は3種よりも高めな5〜7,000円程度で接種できます。
外出する可能性がある子や、他の猫と接触する可能性がある子は、初めから4種や5種を選んでおいた方が良いです。
それぞれのワクチンを一つずつ打つと、かなり価格が上がるのでまとめて打てる混合ワクチンを選びましょう。
猫エイズワクチン:4,000〜5,000円ぐらい
猫エイズワクチンは単体での摂取しかできないので、価格は動物病院の設定次第です。
外で他の猫と関わる可能性がある猫は、打つことをおすすめします。
猫のワクチン接種の時期
猫のワクチン接種をする時期を紹介します。
ワクチン接種は、早ければ早いほど予防できる可能性が上がるので、なるべく子猫の時期に接種しましょう。
子猫の時の一般的な接触時期はこちらです。
必ずしもこのスケジュールで打たなければいけないわけでなく、最適なタイミングは専門の獣医に聞いてみてください。
1回目
1回目は、生後2ヶ月(8週間)の時に打ちます。
ペットショップから購入する場合は、1回目は接種済みのことが多いです。
ブリーダーから購入する場合も、早くても生後56日を過ぎないと法律で販売ができないと決められているので、接種をしてから引き渡される可能性があります。
家族に迎え入れる事が決まっている場合は、ブリーダーの方とどのワクチンを接種するべきか相談すると良いです。
2回目
2回目は1回目の4週間後、生後3ヶ月を目安に接種します。
基本的に子猫の場合、家族に迎え入れている可能性が高いので、どこの動物病院を行きつけにするか調べておくと良いでしょう。
3回目
3回目も2回目と同じように、2回目の4週間後の4ヶ月を目安に接種します。
それ以降
3回目以降は、1年に1回のペースになります。
頻繁に接種する必要がなくなるので、病院に通う手間がなくなりますが、忘れてしまう飼い主さんも多いので注意してください。
成猫になってから接種する場合は、家族に迎え入れた時点で1回目を接種し、4週間後に2回目、その後は1年に1回のペースで打つ事が推奨されています。
ワクチンを打って具合が悪くなってしまう場合もあるので、様子を見ながらスケジュールを組みましょう。
猫のワクチン接種の副反応
猫のワクチン接種は、様々なウイルスや病気の予防ができるメリットがある反面、副反応が出てしまうデメリットもあります。
副反応を知らないと、急に猫が具合悪くなった時に対応できなくなってしまう可能性があるので、飼い主はどんな副反応が出るのか、どう動けば安全なのかを知っておきましょう。
それぞれの副反応について、詳しく解説するので確認してください。
アナフィラキシーショック
アレルゲン物質によってアレルギー反応を引き起こしている状態をアナフィラキシーと言い、その結果、血圧低下や意識障害など重篤な症状が出てしまう状態をアナフィラキシーショックと言います。
症状 |
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治療法 |
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アナフィラキシーショックという名前は、聞いた事がある方も多いと思いますが、アレルゲン物質を身体に取り込んでから数分〜数十分で症状が出る場合が多いです。
軽い症状なら薬の投与や点滴で様子を見ますが、重症化してしまった場合は、早急に呼吸の確保をし適切な治療を受ける必要があります。
命の危険もある怖い副反応なので、ワクチン接種後は動物病院に残り、専門の獣医の許可がおりるまで様子を見てから帰りましょう。
もしも、アナフィラキシーショックが出てしまった場合は、迅速かつ的確な治療が必要になるので、午前中に接種するのがおすすめです。
ワクチン接種後はいつも以上に愛猫の体調の変化に気を付けてあげてください。
ムーンフェイス
ワクチン接種後に、顔が腫れたり目元が腫れてしまう症状をムーンフェイスと言います。
症状 |
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治療法 |
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ムーンフェイスは、アナフィラキシーショックと違い、ワクチンを接種してからすぐに症状が出るわけではなく、数時間〜半日後に現れることが多いです。
呼吸器や循環器の症状は出にくいため、命の危険はありませんが、腫れが見られた場合は専門の獣医の指示に従い、必要な場合は動物病院に連れて行きましょう。
じんましん・かゆみ・下痢・嘔吐
ワクチン接種後に、蕁麻疹や接種部のかゆみなどの皮膚に出る副反応や、下痢や嘔吐などの副反応もあります。
症状 |
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治療法 |
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症状が現れた場合は、すぐに動物病院へ連れて行き、専門の獣医の指示に従ってください。
副反応が出てしまう場合は、ワクチン接種前にアレルギーを抑える注射をしたり、他の種類のワクチンに変えることもできます。
軽い症状の副反応でも、後々何が起こるかわからないので甘く見ずに、必ず専門の獣医に診てもらい適切な治療を受けてください。
接種前の注意点
ワクチン接種は病気に対する免疫力を高めたり、予防のために行いますが、少なからず猫の身体に負担がかかります。
必ず体調の良い日に、連れて行くようにしましょう。
午前中がおすすめである
どんなに体調が良くても、ワクチン接種には副反応が出てしまう場合があるので、午前中に接種するのがおすすめです。
副反応には命の危険に繋がるような、重症化してしまう症状があるので、すぐに専門の獣医に診てもらう必要があります。
夜間に見てもらえる動物病院も中にはありますが、治療が受けられるまでにかかる時間を考えると、急な対応をしてもらうのは難しいです。
愛猫を危険にさらさないためにも、ワクチン接種は午前中に行いましょう。
接種後の注意点
ワクチンの接種後にも注意する事があります。
副反応が出なくても、無理をして体調を崩してしまう事があるので、24時間は注意深く観察しましょう。
運動やシャンプーは控える
接種後は数日間、激しい運動やシャンプーは控えてください。
無理はさせずに、安静に過ごしましょう。
猫のワクチン接種、しないとどうなるの?
猫のワクチン接種は、怖い感染症から守るために必要です。
特に子猫の時期は、免疫力が弱いため致死率の高い病気にかかってしまったり、後遺症が残る病気にもかかりやすくなります。
感染症にかかってしまったら、どのような症状が出るのか、どのくらい危険なのかを解説するのでぜひ参考にしてください。
感染症にかかったらどうなるのか?
まずはコアワクチンである3種混合のワクチン接種で防げる感染症を紹介します。
感染症名 | 症状 | 原因 |
猫ウイルス性鼻気管炎 |
| 猫ヘルペスウイルス1型の感染が原因です。 感染している猫の鼻水や目ヤニを、口や鼻から取り込むことで感染します。 排泄物に含まれるウイルスも感染源になるので、注意が必要です。 多頭飼いの場合、グルーミングやくしゃみから感染することもあるので、猫同士の接触頻度の高い環境では、感染率が高くなります。 |
猫カリシウィルス感染症(3タイプ) |
| 猫カリシウイルスの感染が原因です。 口や鼻を通して感染するため、多頭飼いの場合グルーミングやくしゃみから移ります。 一度感染した猫は、回復して無症状となった後も、長期間ウイルスを排泄し続け、最悪の場合は生涯ウイルスの感染源になってしまう場合もあります。 |
猫汎血球減少症 |
| 猫パルボウイルスの感染が原因です。 感染している猫の嘔吐物や排泄物に含まれているウイルスが、口や鼻から入ることにより感染します。 感染力が高く、空気中に長く生存するため、多頭飼いのご家庭では感染率が高くなります。 |
どの感染症も風邪のような症状から、命の危険があるような重度な症状まで出てしまうこともある感染症です。
口や鼻から空気感染で移ってしまうので、他の猫との接触する環境はもちろん、接触がなくても感染する可能性があります。
感染しないためには、ワクチンを打ち、生活環境を整え、身の回りを清潔に保つことが大事です。
アルコールが効かないウイルスもあるので、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒を使ってください。
白血病、エイズは、外出する猫には特に危険な感染症
続いてはノンコアワクチンである、4種・5種混合ワクチンや猫エイズワクチンで防げる感染症を紹介します。
外出する猫は特に感染しやすく、とても危険な病気なのでチェックしてください。
感染症名 | 症状 | 原因 |
猫白血病ウイルス感染症 |
| 猫白血病ウイルスの感染が原因です。 感染している猫の唾液や血液から感染します。 食器類の共有やケンカによる咬傷、交尾をする時や出産時に母猫の胎盤から感染することもあります。 他の猫との接触が多い外出する猫は、感染率が高くなるので特に注意が必要です。 |
クラミジア感染症 |
| クラミジアという細菌の感染が原因です。 感染した動物の分泌物や排泄物や、口や鼻を通して感染します。 子猫は母猫から感染する可能性が高く、目が開く前から結膜炎になってしまっていることがあります。 |
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ) |
| 猫免疫不全ウイルスの感染が原因です。 感染した猫の唾液や血液から感染します。 食器の共有やグルーミングなどの軽い接触では感染せず、主に喧嘩をした際の咬傷などが感染源です。 外出する可能性がある猫は、感染率が高くなるので注意が必要になります。 |
猫白血病ウイルス感染症や猫免疫不全ウイルス感染症は、感染初期に発熱や食欲不振の症状が見られますが、自然に落ち着くことが多く無症状な時期が続きます。
しかし、その間に免疫機能は落ちて行くので、口内炎やリンパ腫などの症状が出て、気付いた時に呼吸困難や食べ物が飲み込めない状態になっている可能性があります。
感染経路は、交尾や喧嘩での咬傷が多いため外出する猫は特に感染率が高くなるので注意が必要です。
感染してしまった母猫から子猫に感染してしまう事もあるので、感染症の連鎖が起こらないためにも体調に変化があったらすぐに動物病院に連れて行きましょう。
そして、感染しないために他の猫や動物との接触がある場合はワクチン接種をおすすめします。
完全室内飼いであればワクチンを受けなくてもOK?
感染症にかかるには、感染した猫との接触が必要になると思われがちですが、空気感染など猫同士の接触がなくても移ってしまうことがあります。
室内飼いの猫だから、安心できると言うわけではないんです。
完全室内飼いでも毎年接種するようにする
飼い猫が室内飼いの場合でも、コアワクチンである3種混合ワクチンは必ず毎年打ってください。
他の猫との接触で移る感染症と違い、3種混合ワクチンに入っている感染症はどんな猫でもかかってしまう可能性がある感染症です。
愛猫が苦しんでいる姿を見たくないと思う飼い主の方は、ぜひワクチン接種をしてあげてください。
まとめ
今回は猫のワクチン接種について紹介しました。
かかってしまったら命の危険のある病気に、ワクチンを接種するだけで免疫がつけられます。
愛猫の健康を守れるのは、飼い主の方です。
子猫の時に始めていれば感染症のリスクがかなり減りますが、成猫になってからでも遅くはありません。
この記事を参考に今猫を飼っている方も、これから家族に迎え入れようと考えている方も、ぜひワクチン接種をしてあげてください。