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はじめに
愛猫を見た時に目の上が禿げてるように見えて、驚いてしまった方は安心してください。
基本的に猫は、目の上の毛が薄くても問題はありません。
しかし、中には病気や皮膚トラブルのせいで禿げている可能性もあるので、よく観察し問題がある場合は早期発見・早期治療をしましょう。
今回は、猫の目の上が禿げているように見える理由や病気や皮膚トラブルの見分け方を紹介します。
愛猫の目の上の毛が薄くて気になるという方はぜひ最後まで読んでみてください。
猫の目の上がはげてる?
猫の目の上が禿げてる?と思うのは、他の部分より目の上から耳にかけての毛が薄いからです。
目の上の毛が薄いのは全ての猫に共通する特徴ではなく個体差があるので、うちの猫だけハゲてるのかもと不安になってしまうこともあるでしょう。
しかし、基本的には問題のない事がほとんどです。
目の上から耳にかけて毛が薄くても問題ない
猫の個体差によりますが、目の上の毛をよく見ると他の部分より薄かったり禿げている子がいます。
ストレスで10円ハゲができちゃった?と心配になった飼い主さんもいると思いますが、基本的には問題がないことがほとんどです。
目の上の薄毛の理由として挙げられている説を紹介します。
音を聞こえやすくするため説 | ネズミなどの獲物が出す超音波を聞き分けるために、進化の過程で耳を塞ぐ被毛を排除した。 |
マーキング説 | 顔にあるフェロモンを家具や飼い主にマーキングするために被毛が薄くなっている。 |
どちらの説も信憑性はありますが、まだ仮説の段階なので可能性として確認しておいてください。
仮説を見る限り問題なさそうですし、病気や皮膚病ではない場合は気にしなくて良いでしょう。
個体差があるため気にしなくて良い
同じ猫種でも他の子は禿げてないのに愛猫だけが禿げてたら不安になりますが、同じ猫種でも毛の薄さや生え方は個体差があります。
他の猫と毛の生え方が違うからといって不安になる必要はないです。
可愛い特徴の一つとして捉えてあげましょう。
毛が薄くない猫もいる
この記事を読んでから愛猫を見た時に、逆に目の上の毛が薄くないから異常なの?などと思わないでください。
毛の薄さには個体差があるというだけです。
明らかに異常な薄さ・生え方をしてなければ特に問題はないですが、どうしても心配な場合は動物病院に連れて行き相談しましょう。
もしも、病気が隠れていた場合の早期発見にも繋がりますし、何もなければ飼い主さんの安心に繋がります。
気になる時は専門の獣医師に聞いてみてください。
目の上の毛が薄く見えやすい猫
猫は毛の長さや色によって目の上の毛が薄く見えることがあります。
本当に薄いわけではなく目の錯覚によるものですが、愛猫を見て毛が薄いと感じた方は以下のような特徴を持っていないか確認してみてください。
目の上の毛が薄く見えやすい特徴を持っている猫を紹介します。
短毛の猫
まずは、地肌が見えやすい短毛の猫です。
被毛が長ければ薄いところも隠れやすいですが、短毛だと丸見えになってしまうので長毛の猫種と比べると薄く見えやすくなります。
単色の猫
被毛の色が単色の猫は、薄くなっている部分の一部だけ色が違うため禿げていると勘違いされやすいです。
特に被毛の色が濃いと、地肌の色との差が激しいため禿げて見えることがあります。
黒猫は目立ちやすい
黒猫は被毛の色が黒いですが、毛が薄くなっている部分は地肌の色が出て白っぽく見えたりピンク色に見えて目立ってしまいます。
逆に白猫や薄い茶色の猫は目立ちにくいので、目の上の毛が薄いことに気付きにくいです。
複数の色が混じっている猫は目立ちにくい
元々複数の色の被毛が混じっている猫は、目の上の毛の色が違っていても目立ちにくいです。
特に白色が混ざっている子は、ほとんどわからないので気にする必要はありません。
毛が薄い部分に問題があるのはどんなとき?
目の上の毛がただ薄いだけなら特に問題はありませんが、中には病気の場合があるので赤くなっていたり痒がる時は注意してください。
病気の可能性がある症状
愛猫に病気の可能性がある症状が出ている場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。
赤くなっている
猫の目の上が赤くなっている時は、皮膚炎になっている可能性が高いです。
また、目や目の周りが赤い時は、結膜炎や角膜炎などの病気の場合もあります。
どこが赤くなっているのかをよく観察し、必要に応じて動物病院に連れて行き治療を受けましょう。
掻きむしっている
猫が目の上を掻きむしっている時は、痒みが出ている可能性が高いです。
アレルギー症状や皮膚炎の炎症に伴って痒みが出ていることもあるので、まずは原因を特定しましょう。
また、掻きむしる場所が耳の上なら外耳炎などの耳の病気にかかっている可能性もあります。
その場合は、一緒に大量の耳垢が出ていないか確認してみてください。
頻繁に掻きむしってしまうと引っ掻いたところが傷になったり、傷から菌が入ってしまう事もあるので注意が必要です。
爪を短く切り、なるべく掻きむしらないように声をかけたり、エリザベスカラーをつけて対策してください。
出血している
猫の目の上が出血している時は、どこかにぶつけてしまったり猫同士の喧嘩、掻きすぎて傷つけてしまった可能性があります。
出血している場合は、血を拭いて止まっているなら傷口からばい菌が入らないようにエリザベスカラーなどをつけて治癒するのを待ちましょう。
もしも、出血が止まらない場合や異常に出血量が多い場合は、急いで動物病院に連れて行って適切な治療を受けてください。
かさぶたになっている
猫の目の上の部分がかさぶたになっている時は、外傷によってできた傷や掻きむしってできてしまった可能性があります。
かさぶたは治る途中で痒みが出ることがあるので、何度も繰り返し掻いてしまうとなかなか傷が治りません。
完全に治るまでは、かさぶたの部分を触らせないようにしましょう。
考えられる理由は?
上記で解説したように、猫の目の上のハゲが脱毛や薄毛、赤くなっていたり痒みの症状が出た場合に疑われる理由を紹介します。
症状の出方は個体差があるので、異変を感じた時はすぐに専門の獣医に診てもらいましょう。
アレルギー
猫のアレルギー発生率は年々増加しています。
人間と違い猫のアレルギー症状は皮膚炎として現れることが多いです。
痒みがあるため症状が出ている場所を引っ掻いてしまい悪化することがあります。
主な猫のアレルギーにはノミアレルギー性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーの3種類に分類され、複数のアレルギーが関与していることもあるため注意が必要です。
アレルギーの種類 | 原因 | 症状 | 治療法 |
ノミアレルギー性皮膚炎 | ノミの唾液、糞、死骸にアレルギー反応を起こす。 |
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アトピー性皮膚炎 | 皮膚バリア機能の異常といった素因に加え、空気中の花粉、カビ、イエダニ、動物のフケに対するアレルギー反応を起こす。 |
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食物アレルギー | 食物に含まれるタンパク質に反応を起こす。 |
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ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液、糞、死骸にアレルギー反応を起こすため、噛まれた箇所が1箇所でも強い痒みを誘発します。
過剰に毛繕いする場合や掻きむしると、場合によっては脱毛に至るためなるべく早く治療を開始しましょう。
治療法として有効なのは、ノミの寄生を防止することです。
ノミの種類によって様々な駆除剤がありますが、どの商品が愛猫に適しているのかは専門の獣医に相談しましょう。
ノミアレルギーは予防することが大事になるので、日頃から頻繁に猫の身の回りを掃除・洗濯するのがおすすめです。
アトピー性皮膚炎は、慢性的な痒みが出るため原因を特定し排除する必要があります。
痒いと頻繁に掻いてしまうので脱毛に繋がる危険があり、早急に治療開始することが大事です。
1〜3歳に発症することが多いですが、生後4ヶ月〜7歳頃まで発症する可能性があるので、異変を感じたらすぐに動物病院に連れて行きましょう。
原因特定には皮内検査や血液検査が行われ、生活環境から原因を取り除くように指示されます。
症状が重い場合は薬物治療・薬用シャンプーで症状を軽減させたり、アレルゲン成分を注射し慣らしていく治療法を取ることが多いです。
軽度の場合は痒い場所を掻いてしまわないようにエリザベスカラーをつけて、引っ掻いてしまわないような防止策をします。
食物アレルギーは、食材に対してアレルギー反応が出てしまう病気です。
発症するには、免疫の異常により免疫細胞が特定の成分を異物として判断する事で起こります。
アレルギーを発症するのに年齢は関係なく、数年間食べ続けた食材でも発症する可能性があります。
食物アレルギーの最善の対処法は食事で管理をすることです。
専門の獣医の指示のもと除去食や低アレルギー食を与え、症状の軽減を目指しましょう。
原因の食材が特定できたら、再発や悪化しないように気を付けながら食事管理をしてください。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、真菌である皮膚糸状菌が原因で発症する皮膚炎です。
原因 | 症状 | 治療法 | |
皮膚糸状菌症 | 真菌の皮膚糸状菌が被毛や皮膚に感染する。 |
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感染経路は感染している動物との接触や、感染している被毛やほこりとの接触でも移る可能性があります。
床・壁・エアコンフィルターなどは、掃除機や洗剤でしっかり掃除をしてください。
皮膚糸状菌に対しては次亜塩素酸や過酸化水素水が有効なので、衣類や猫が使ったタオルなどは高濃度で浸け洗いをし使い回しもしないようにしましょう。
感染した猫とは治るまで隔離し、人間にも移る可能性があるので接触する際は細心の注意を払い、手洗いうがいは念入りにしてください。
皮膚糸状菌症の症状で痒みは必発ではありませんが、細菌感染で濃皮症になると強い痒みが現れます。
免疫力の少ない子猫や老猫がかかりやすいので、症状が悪化する前に動物病院で治療を受けましょう。
ダニ
猫に寄生する数種類のダニは、皮膚炎を引き起こす原因になります。
ダニの種類 | 原因 | 症状 | 治療法 |
マダニ | 草むらに生息していて猫に寄生し血を吸う。 他の動物から移ることもある。 |
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ミミヒゼンダニ | 猫の耳に寄生する。 |
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マダニは猫に対してダニとしての影響のほかに、病気の媒介の役割も果たします。
皮膚病やアレルギーの症状以外にも以下の症状が見られた場合は注意が必要です。
猫ヘモプラズマ感染症 |
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ライム病 |
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重症熱性血小板減少症候群(SFTS) |
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異変を感じた場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。
ミミヒゼンダニに寄生されると耳に激しい痒みが出るため、耳を掻いたり頭を振る行為をします。
また、耳から悪臭がしたり外耳炎になっている時もミミヒゼンダニが原因の可能性があるので、動物病院で診てもらいましょう。
異常がある場合は早めに病院へ
もしも猫の目の上に病気の可能性がある症状が出ていたらすぐに動物病院に連れて行ってください。
アレルギーや炎症を起こしていることもあるので、原因の特定をして早めに治療を開始しましょう。
ケガや症状が軽度であっても後に悪化してしまうケースもあるので、異変を感じたら一度動物病院で診てもらうと良いです。
投薬治療や薬用シャンプーに変えるなど飼い主が対応するケースも多いので、専門の獣医の指示にしっかりしたがって対処してください。
皮膚トラブルの場合の対処法は?
もし愛猫が皮膚トラブルを起こしている場合は、すぐに原因を特定し対処しましょう。
対処法は個体によっても様々なので、動物病院で一度診てもらってください。
自宅で飼い主ができることもあるので、獣医の指示の元愛猫のために生活改善をしてあげましょう。
病院で薬をもらう
まずは皮膚トラブルの原因を特定し、治療に合った薬を動物病院で出してもらいましょう。
薬は用法容量を守り、決まったタイミングで与えてください。
抗菌薬が出ている場合は特に、処方された薬をちゃんと飲み切りましょう。
シャンプーをする
皮膚に炎症が起きている場合は通常のシャンプーではなく、薬用のシャンプーを使います。
動物病院で購入しても良いし、自分でネットなどを使って購入しても良いですが、原因ごとに適した成分が違うため自分で購入する場合必ず獣医の指示に従ってください。
症状が悪化しないために、適切な成分が配合されているシャンプーを使いましょう。
食事を変える
アレルギー症状が出やすい食物 |
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食物アレルギーなど食べるものに問題がある場合は、食事を変えることで症状が落ち着く場合があります。
食事管理をするにはアレルゲンを特定することが大事ですが、必ず獣医師指導のもと行いましょう。
まずは、アレルゲンの可能性がある食材を除去した「除去食試験」を最低6週間続けアレルギー症状が出ないかを確認し、その後元の食事に戻して再発をチェックする「負荷食試験」を行います。
除去食試験でアレルゲンを特定するには長時間かかりますが、難しい場合は採血をしてアレルギー検査をすることで素早く原因の食物を特定できます。
なかなか食物のアレルギーを予防することは難しいですが、なるべく早く飼い主が気付いてあげることが大事です。
愛猫が噛んだり舐める行為を繰り返している時は、動物病院に連れて行き相談しましょう。
まとめ
今回は猫の目の上が禿げて見える理由について解説しました。
基本的には心配する事のない場合がほとんどですが、中には皮膚病などを引き起こしている可能性もあります。
皮膚病になっている場合は、何度も舐めたり引っ掻いたりを繰り返すことが多いので、心配な場合や異変に気付いた時は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。