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はじめに
猫を飼っている場合は、いずれお別れの時がやってきます。ただ、猫がいきなり亡くなってお別れになるのは避けたいですよね。
今回は、猫の突然死で多い病気を紹介します。
猫の突然死を防ぐためにできることも解説しますので、猫が少しでも長生きできるようぜひチェックしてください。
猫にも突然死は起こる?
飼い主にとって非常にショックな出来事ですが、猫にも突然死が起こります。
見た目は健康そうに見える猫が、急に命を落とすケースがあるため、飼い主は原因や予防策を知っておくことが大切です。
突然死の原因はさまざまで、病気などが関与している場合が多くあります。
具体的には、肥大型心筋症や脳梗塞、心筋梗塞、血栓塞栓症、腎臓病、フィラリア症、猫パルボウイルス感染症などが突然死を引き起こす可能性が高いです。
突然死を防ぐためには、猫の健康状態を日頃からよく観察し、定期的に動物病院で健康診断を受けましょう。
突然死で最も多い原因は肥大型心筋症
猫の突然死の原因として最も多く見られるのが肥大型心筋症です。肥大型心筋症の特徴や症状を詳しくみていきましょう。
心臓の左心室の筋肉が分厚くなる病気
肥大型心筋症は、心臓の左心室の筋肉が異常に分厚くなる病気です。筋肉の肥大化は心臓の機能に重大な影響を与え、心臓が血液を送り出す能力を低下させます。
左心室は全身に酸素を含んだ血液を送り出す重要な部位ですが、筋肉が分厚くなると、心室内の空間が狭くなり、血液の流れが妨げられるのです。
その結果、全身に必要な酸素と栄養が供給されず、猫の健康状態が急速に悪化します。
6ヶ月〜16歳の猫に起こる
肥大型心筋症は、生後6ヶ月から16歳までの猫に発症するケースが多いです。特に若い成猫から中高齢の猫にかけて多く見られますが、発症年齢には幅があります。
そのため、飼い主は猫の年齢に関係なく、常に注意を払う必要があり、定期的な健康診断が重要です。
また、肥大型心筋症の発症は、猫の年齢だけでなく、遺伝的背景や生活環境にも影響されます。
肥大型心筋症を発症したときの主な症状は?
肥大型心筋症は、早期発見が難しい病気です。しかし、主な症状を知っておくと、飼い主は異常を察知し、適切な対応を取ることができます。
- 呼吸が荒くなる
- 体がうまく動かせない
- 大きな声で騒ぐ
- 肉球が青白くなる
- トイレで粗相をする
それぞれ詳しく紹介するので、詳しくみていきましょう。
呼吸が荒くなる
まず、肥大型心筋症を発症したときの主な症状は、呼吸が荒くなる状態です。
肥大型心筋症で全身に十分な酸素を供給できなくなると、体は酸素不足を補おうとして呼吸を速く浅くしようとします。
その結果、猫は普段よりも荒い呼吸をするようになるのです。
また、猫が息苦しさを感じている場合、頻繁に座り込んで首を伸ばす姿勢を取る場合も多くあります。
異常な呼吸パターンは、心臓に負担がかかっているサインであり、早急な獣医師の診断が必要です。
体がうまく動かせない
次に、肥大型心筋症を発症したときの主な症状は、体をうまく動かせない状態です。特に後ろ足の筋肉が麻痺したり、歩行が困難になったりする場合が多くあります。
うまく動かせないのは、心臓の機能が低下し、血流が滞ってできた血栓が後肢の血管で詰まり麻痺が生じるためです。
体の動きに異常が見られる場合、猫は突然立ち上がれなくなったり、歩くときに足を引きずったりするようになります。
また、バランスを崩しやすくなり、転倒が増えやすいです。体がうまく動かせない状態は、血流の障害が深刻なので、直ちに医師の診断を受ける必要があります。
大きな声で騒ぐ
3つ目に、肥大型心筋症を発症したときの主な症状は大きな声で騒ぐ状態です。大きな声で騒ぐのは、痛みや不快感、呼吸困難に対する反応として現れます。
例えば、呼吸困難に陥ったり、血流の問題で血栓が後肢で詰まったりすると、猫は痛みを感じやすいです。
また、心臓の機能が低下していると、猫は不快感や動揺を感じ、普段と異なる行動を取ることが増えます。
大きな声で騒ぐ行動に気づいた場合、飼い主はすぐに獣医師に相談することが重要です。
肉球が青白くなる
4つ目に、肥大型心筋症を発症したときの主な症状は肉球が青白くなる状態です。
肥大型心筋症で血液中の酸素濃度が低下すると、末梢組織に酸素が行き渡らなくなり、肉球や歯茎などの色が変わる場合があります。
肉球が青白くなるのは、血流が正常でないことを示す明確なサインで血栓が詰まっている可能性が高いです。通常、健康な猫の肉球はピンク色をしていますが、酸素不足になると青白くなる場合があります。
飼い主は、猫の肉球の色を定期的にチェックし、異常が見られた場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
トイレで粗相をする
最後に、肥大型心筋症を発症したときの主な症状は、トイレで粗相をする状態です。トイレでの粗相は病気の進行による体調不良やストレス、または神経系の影響が現れています。
心臓の機能が低下すると、猫は体調が悪化し、普段のトイレの習慣が乱れる場合が多いです。
具体的には、呼吸困難や体の動きの制限によって、猫はトイレに行くことが難しくなり、近くの場所で排泄をしてしまいます。
また、心臓の問題によるストレスが、猫の行動に影響を与えるケースも多いです。
子猫に多い突然死の原因は子猫衰弱症候群
次に、子猫に多い突然死の原因として、子猫衰弱症候群が挙げられます。子猫衰弱症候群は、通常生後数日から数週間の間に発症し、急激に体調が悪化してしまう状態です。
子猫衰弱症候群の特徴や症状について詳しくみていきましょう。
先天性疾患や発達不良などが原因
子猫衰弱症候群の主な原因は、先天性疾患や発達不良が挙げられます。
先天性疾患とは、子猫が生まれながらにして持っている病気や異常であり、子猫の成長や発育に深刻な影響を与える場合が多いです。
例えば、心臓の異常や呼吸器の欠陥、消化器系の問題などがあります。先天性疾患は、親猫からの遺伝や妊娠中の母猫の健康状態、環境要因などが原因です。
また、発達不良も子猫衰弱症候群に影響を及ぼしています。発達不良とは、子猫が正常に成長しない状態を指し、栄養不足や環境ストレス、母乳の不足などが原因です。
生後数日から数ヶ月で亡くなる
子猫衰弱症候群は、生後数日から数ヶ月の間に発症し、急速に進行するケースが多いです。
生後数日から数週間の子猫は、体温調節機能や免疫機能が未発達であり、環境の変化やストレスに対して非常に敏感になっています。
子猫は出生後すぐに母猫の母乳を摂取して免疫力を得ますが、母猫の健康状態が悪かったり、母乳の供給が不十分だったりする場合、十分な栄養を得られません。
その結果、感染症にかかりやすくなり、体力が低下してしまいます。また、体温調節が未熟なため、寒さや暑さに対する耐性も低く、適切な環境管理が必要です。
子猫衰弱症候群の症状
子猫衰弱症候群の症状は多岐にわたり、急速に進行するため、飼い主は日々の観察を怠らないようにする必要があります。
まず、子猫の体重が増加しないことが症状の1つです。次に、食欲不振も重要な症状であり、栄養不足に陥り、体力が低下してしまいます。
さらに、体温の低下も子猫衰弱症候群の典型的な症状です。子猫は体温調節機能が未発達であるため、環境温度に大きく影響されます。
他にも、子猫が活動的でない場合も、子猫衰弱症候群の兆候と考えられる場合が多いです。最後に、子猫衰弱症候群だと子猫が鳴き声を上げず、音に反応しない場合もあります。
その他の突然死の原因になる病気
次に、その他の突然死の原因になる病気を紹介します。
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 血栓塞栓症
- 腎臓病
- フィラリア症
- 猫パルボウイルス感染症
それぞれの特徴を詳しく紹介するので、他の病気の可能性もあるかチェックしましょう。
脳梗塞
まず、猫の突然死の原因になる病気は脳梗塞です。脳梗塞になると、脳の血管が詰まって脳細胞が酸欠状態になり、最終的に死滅してしまいます。
猫においても、人間と同様に脳梗塞は重大な健康問題を引き起こす場合が多いです。脳梗塞の原因は、高血圧や心臓病、血管の異常などが挙げられます。
また、肥満や糖尿病などの生活習慣病も発症するリスクが高いです。
脳梗塞が発生すると、突然の意識喪失や身体の一部が動かなくなる、片側の顔が垂れる、歩行が不安定になるなどの症状が現れます。
心筋梗塞
次に、猫の突然死の原因になる病気は心筋梗塞です。心筋梗塞は、心臓の動脈が詰まって心筋に血液が供給されなくなる病気であり、心筋細胞が死滅してしまいます。
人間と同様に、猫にとっても心筋梗塞は急激な体調悪化を引き起こし、適切な処置をしないと命に関わるので注意が必要です。
心筋梗塞の原因として、一般的に冠動脈に血栓が形成されることが考えられます。動脈硬化や肥満、糖尿病などの生活習慣病が関与する場合も多いです。
また、遺伝的な要因や心臓の異常、慢性の高血圧もリスク要因となります。猫が心筋梗塞を発症すると、突然の息切れや胸部の痛み、虚弱、失神などの症状が現れやすいです。
血栓塞栓症
3つ目に、猫の突然死の原因になる病気は血栓塞栓症です。血栓塞栓症になると、血管内で血栓が形成され、血流によって運ばれ、他の血管を詰まらせてしまいます。
そして、血流が途絶えた部位の組織が壊死し、重大な健康問題を引き起こすので非常に危険です。
猫の血栓塞栓症の原因としては、肥大型心筋症が考えられます。心臓内で形成された血栓が動脈に運ばれ、特に後ろ足の大動脈分岐部に詰まるケースが多いです。
後肢動脈塞栓症と呼ばれる状態になると、後ろ足に麻痺や激しい痛みなどが現れます。
腎臓病
4つ目に、猫の突然死の原因になる病気は腎臓病です。猫は慢性腎臓病を発症しやすく、特に高齢猫においてリスクが高まります。
腎臓病が進行すると、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物を適切に排出できなくなるため、全身に様々な症状が現れるのです。
腎臓病の主な原因には、遺伝的要因や感染症、毒性物質の摂取、慢性的な高血圧などが挙げられます。
腎臓病の症状は、飲水量と尿量の増加、食欲不振、体重減少、嘔吐、脱水、貧血などが多いです。症状が進行すると、最終的には尿毒症を引き起こし、突然死に至ることがあります。
フィラリア症
5つ目に、猫の突然死の原因になる病気はフィラリア症です。フィラリア症は、フィラリアという寄生虫が猫の体内に侵入し、主に心臓や肺の血管に寄生すると発症します。
フィラリアは蚊を介して伝播され、蚊がフィラリアに感染した動物の血を吸うと、次に吸血する猫に感染するのです。
フィラリア症の初期段階では症状が現れないことが多く、感染に気づきにくくなっています。
しかし、フィラリアが成虫になると、呼吸困難や咳、運動低下、体重減少などの症状が現れる場合が多いです。
そして、最終的には心臓や肺の主要な血管を詰まらせ突然死を引き起こすことがあります。
猫パルボウイルス感染症
最後に、猫の突然死の原因になる病気は猫パルボウイルス感染症です。猫パルボウイルス感染症は、猫パルボウイルスによって引き起こされます。
特に子猫や免疫力の低下した猫は非常に危険です。ウイルスは、感染猫の糞便や唾液、尿などを介して広がり、環境中で長期間生存しています。
猫パルボウイルス感染症の主な症状は、激しい嘔吐や下痢、食欲不振、体重減少、発熱、脱水などです。特に下痢は重篤で、血便を伴う場合が多くあります。
適切な治療を受けなければ、短期間で命を落とすケースもあるため注意が必要です。
猫の突然死を防ぐにはどうしたらいい?
次に、猫の突然死を防ぐための方法を紹介します。
- 病気の症状を知っておく
- 日頃から猫の様子を観察しておく
- 定期検診を受ける
- 何か異常が見られたらすぐに病院に行く
それぞれ詳しく紹介するので、猫に長生きしてもらうためにぜひ実践してみてください。
病気の症状を知っておく
まず、猫の突然死を防ぐためには、発症しやすい病気の症状を知っておきましょう。
猫は人間と同様にさまざまな病気にかかる可能性がありますが、特に注意すべき病気は肥大型心筋症、腎臓病、フィラリア症、猫パルボウイルス感染症などです。
病気の初期症状を理解して早期に気づくと、適切な対処が可能になります。定期的な健康チェックを心がけ、猫の健康を守るための知識を常に持っておくことが大切です。
日頃から猫の様子を観察しておく
次に、猫の突然死を防ぐためには、日頃から猫の様子を注意深く観察しておきましょう。
猫は病気や不調を隠す習性があるため、些細な変化も見逃さないようにすることが重要です。
観察するポイントは、食欲や飲水量、排尿・排便の様子、活動量、呼吸の状態、被毛の状態など、日常生活の全てにわたります。
日常的に観察して猫の健康状態を把握すると、早期に異常を発見し、適切な対処を行うことが可能です。
猫の健康を守るためには、飼い主の細やかな観察力と日々のケアが欠かせません。
定期検診を受ける
3つ目に、猫の突然死を防ぐためには、定期検診を受けましょう。定期検診は、健康に見える猫でも潜在的な健康問題を早期に発見できます。
特に、猫は病気の症状を隠す傾向があるため、飼い主が気づかないうちに深刻な状態に陥っていることが少なくありません。
定期検診の内容は、身体検査や血液検査、尿検査、画像診断などです。定期検診の頻度は、猫の年齢や健康状態によって異なります。
一般的には、若い猫は年に一回、高齢猫や持病を持つ猫は半年や4ヶ月に1回の検診がおすすめです。
定期検診を受けると、病気の早期発見だけでなく、予防接種や寄生虫予防のタイミングも確認できます。
何か異常が見られたらすぐに病院に行く
最後に、猫の突然死を防ぐためには、何か異常が見られたらすぐに病院に行きましょう。
猫は病気の症状を隠す傾向があり、飼い主が気づいた時には既に深刻な状態に陥っているケースが多いため、異常を感じたら迅速に対応することが必要です。
猫の行動や健康状態にいつもと違う点が見られた場合、変化を軽視せずに観察しましょう。
例えば、食欲が突然減少したり、逆に異常に増加したりする場合、何らかの健康問題を示している可能性があります。
また、猫の飲水量や排尿の変化、元気がない、運動能力が低下するなどの変化も無視してはいけません。
まとめ
今回は、猫の突然死について紹介しました。
猫の突然死で最も多い原因は肥大型心筋症であり、左心室の筋肉が分厚くなって、荒い呼吸や大きな鳴き声、青白い肉球などがみられます。
また、子猫に多い突然死の原因は子猫衰弱症候群であり、先天性疾患や発達不良などで起こるので、生後数日から数ヶ月に注意が必要です。
他にも、突然死の原因になるさまざま病気があるので、飼い主は病気の症状や日頃の猫の様子をチェックし、定期検診を受けて猫の健康を守りましょう。