ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
猫を飼う上で気をつけたいのはダニの寄生です。ダニは屋外だけでなく家の中や他の動物から寄生する可能性があります。
猫に寄生するダニは、病気を引き起こす恐れがあるので日頃からの予防が大切です。
今回は、猫がダニに寄生された時の対処法を紹介します。寄生するダニの種類や予防法を詳しく解説するので、チェックして猫の健康を守りましょう。
猫にダニが寄生する経路は?
まず、猫がダニが寄生する経路を紹介します。
- 屋外にいるダニの場合
- 家の中にいるダニの場合
- 他の動物から寄生する場合
猫にダニが寄生するそれぞれの経路を理解して、対策できるようにしましょう。
屋外にいるダニの場合
まず、猫が屋外に出ると、ダニが寄生するリスクが高まります。特に、草むらや木の茂み、庭の土などはダニが潜んでいることが多い場所です。
ダニは、環境中で小さな動物に寄生しており、猫が通りかかるとすぐに体に取り付きます。特に春から秋にかけてダニの活動が活発になるため、外に出る猫は注意が必要です。
ダニは非常に小さく、猫の毛の間に隠れてしまうため、発見は容易ではありません。飼い主が気づかないまま寄生が進行することがあります。
屋外で猫を自由にさせる場合、予防薬の使用や帰宅後のブラッシングなど、ダニからの防御策を講じることが重要です。
家の中にいるダニの場合
次に、家の中でもダニの寄生リスクはゼロではありません。家の中にいるダニは、主に人間が外から持ち込んだり、他の動物が家に入ってきたりすると侵入します。
特に窓やドアを開けることが多い夏場には、外から飛び込んでくるダニが家の中で繁殖する場合が多いです。
また、ダニは家具やカーペット、ベッドシーツなどに潜み、そこから猫の体に取り付きます。
ダニは乾燥に弱い一方で、湿度の高い環境を好むため、特に梅雨時期や冬場の加湿によって室内が乾燥しにくくなる時期には注意が必要です。
他の動物から寄生する場合
最後に、猫が他の動物と接触する際にも、ダニの寄生リスクは存在します。特に、野良猫や犬や鳥、小動物などと接触すると、ダニが猫に移動することがあるのです。
他の動物がすでにダニに寄生されている場合、接触時にダニが猫に移り、寄生が始まります。また、他の動物からの寄生は猫が屋外に出る場合に限りません。
例えば、ペットホテルや動物病院、ペットサロンなど、他の動物が集まる場所では、ダニの感染リスクが高まります。
さらに、飼い主が他の動物に触れた後にダニを持ち込む場合も多いです。特に多頭飼いの家庭は寄生が広がる恐れがあるので注意しましょう。
猫に寄生するダニの種類
次に、猫に寄生するダニの種類を紹介します。
- ツメダニ
- ヒゼンダニ
- ミミヒゼンダニ
- マダニ
それぞれ詳しく紹介するので、ダニの種類や特徴を理解して対策できるようになりましょう。
ツメダニ
まず、猫に寄生するダニはツメダニです。ツメダニは、主に猫の皮膚や毛に付着して寄生します。
ツメダニは通常、直接的な病原菌を運ぶわけではないですが、噛み跡や存在自体が猫に強いかゆみや不快感を引き起こしやすいです。
特にツメダニが多く寄生している場合、猫は強いかゆみに悩まされ、頻繁に掻いたり、毛が抜けたりすることがあります。
ツメダニの寄生は、屋外での活動が多い猫に発生しやすく、特に湿気の多い季節に注意が必要です。
ツメダニに嚙まれると、皮膚が炎症を起こし、赤く腫れやかさぶた、湿疹などができる場合があります。
ヒゼンダニ
次に、猫に寄生するダニはヒゼンダニです。ヒゼンダニは、猫に疥癬(かいせん)という皮膚病を引き起こします。
ヒゼンダニは、猫の皮膚に直接寄生し、皮膚の中にトンネルを作って卵を産みつけるのです。強いかゆみにより、ひっかき傷や二次的な感染症を引き起こす恐れがあります。
ヒゼンダニによる疥癬は、主に顔や耳、足、腹部などの毛が薄い部分に発症し、猫が頻繁に掻くと皮膚が荒れ、かさぶたや脱毛が見られることが特徴です。
また、疥癬は非常に感染力が強く、他の猫や動物、人間にも感染する可能性があるため、早急に対処しましょう。
ミミヒゼンダニ
3つ目に、猫に寄生するダニはミミヒゼンダニです。ミミヒゼンダニは、猫の耳に寄生するダニで、耳疥癬とも呼ばれる病気を引き起こします。
特に子猫や免疫力の弱い猫に多く見られ、耳の中に黒いかさぶたや耳垢が大量にたまることが特徴です。
ミミヒゼンダニは、耳の中に住みついて耳の分泌物や耳垢を食べ、猫に強いかゆみを引き起こします。
そのため、感染した猫は頻繁に耳を掻いたり、頭を振ったりする場合が多いです。症状が進行すると、耳の内側が炎症を起こし、外耳炎や中耳炎などになる恐れもあります。
ミミヒゼンダニは同じ家にいる他の猫や犬にも簡単に移るので注意が必要です。
マダニ
最後に、猫に寄生するダニはマダニです。マダニは吸血して猫に深刻な健康問題を引き起こすだけでなく、重篤な感染症を媒介する恐れもあります。
特にマダニが媒介する病気は、重症熱性血小板減少症候群やライム病などが挙げられ、猫だけでなく人間にも感染する可能性があるのです。
マダニは、主に草むらなどの屋外で活動しているため、外に出る猫は寄生される恐れがあります。マダニは猫の皮膚にしっかりと噛みつき、長時間吸血するのが特徴的です。
猫が自分で取り除くことは難しく、無理に引き剥がすとマダニの一部が皮膚に残ります。
猫がダニに寄生されるのを防ぐ方法
次に、猫がダニに寄生されるのを防ぐ方法を紹介します。
- 完全室内飼育にする
- 定期的にブラッシングする
- シャンプーをする
- 予防薬を投与する
- 寄生されていないか定期的にチェックする
上記のポイントを日頃から実践し、猫の皮膚の健康を維持しましょう。
完全室内飼育にする
まず、猫がダニに寄生されるのを防ぐには、完全室内飼育にしましょう。
屋外にはさまざまな種類のダニが生息しており、特に草むらや庭、森などで活動している猫は、容易にダニに寄生される危険性があります。
また、外に出る猫は、他の動物や野良猫と接触する機会も増えるため、ダニだけでなく、他の寄生虫や感染症のリスクも高いです。
一方で、室内飼育にすると、寄生されるリスクを大幅に減らせます。特に春や夏の暖かい季節はダニの活動が活発になるため、外出を控えることが適切です。
室内飼育が猫にとってストレスにならないよう、豊富な遊び道具やキャットタワー、窓からの景色を楽しむ場所を用意して、猫が快適に過ごせる環境を作りましょう。
定期的にブラッシングする
次に、猫がダニに寄生されるのを防ぐには、定期的にブラッシングしましょう。ブラッシングをすると、猫の体に付着したダニを早期に発見して取り除くことができます。
特に長毛種の猫は、毛が絡まってダニが隠れやすくなるため、こまめなブラッシングが必要です。
また、ブラッシングをすると猫の皮膚の状態も確認できるため、ダニに限らず皮膚トラブルや寄生虫の早期発見にもつながります。
さらに、定期的にブラッシングを行うと毛の絡まりや抜け毛を防ぐことが可能です。ブラッシングを行う際には、専用のブラシを使用し、毛の根元から丁寧にとかしましょう。
特に耳の後ろや首など、ダニが寄生しやすい場所を重点的にチェックしてください。
シャンプーをする
3つ目に、猫がダニに寄生されるのを防ぐにはシャンプーをしましょう。
猫は自ら体を舐めて清潔を保つため、頻繁なシャンプーは不要とされていますが、ダニの寄生が疑われる場合に適度なシャンプーは効果的です。
シャンプーで体に付着したダニや汚れを洗い流せて、皮膚の健康も保てます。特に、外に出る機会が多い猫や他の動物との接触が多い場合は、定期的なシャンプーが大切です。
シャンプーを購入する際は、ダニ対策用のシャンプーを選び、皮膚に優しい成分で作られた製品を使用しましょう。
また、シャンプーを行う際には、しっかりと泡立て、猫の体全体を優しくマッサージするように洗ってください。ダニが寄生しやすい耳の後ろや首は入念に洗うことが大切です。
予防薬を投与する
4つ目に、猫がダニに寄生されるのを防ぐには予防薬を投与しましょう。ダニ予防薬は、スポットタイプや飲み薬などがあり、寄生しているダニを駆除する効果があります。
特に、外出する猫や多頭飼いの家庭では、予防薬の使用が重要です。予防薬を投与する際には、猫の体重や年齢に適した製品を選び、獣医の指導のもとで使用しましょう。
予防薬を定期的に投与すると、ダニだけでなく、ノミや他の寄生虫からも猫を守ることができます。
予防薬は、特にダニの活動が活発になる春から秋にかけての使用が推奨されますが、年間を通じての使用も効果的です。
予防薬の定期的な使用で、ダニによる皮膚トラブルや感染症のリスクを大幅に軽減し、猫の健康を守りましょう。
寄生されていないか定期的にチェックする
最後に、猫がダニに寄生されるのを防ぐには、寄生されていないか定期的にチェックしましょう。
ダニは非常に小さく毛の中に隠れていることが多いため、気づかないうちに猫に寄生している場合があります。そのため、猫の体を定期的にチェックする習慣を持つことが大切です。
特にダニが寄生しやすい耳の後ろや首、脚の付け根、尻尾の周辺は注意して観察しましょう。
また、猫が頻繁に掻いたり、体を舐めたりする様子が見られる場合は、ダニが寄生している可能性が考えられます。
さらに、屋外に出る猫や他の動物と接触する機会が多い猫は、特に注意が必要です。定期的なチェックは、早期発見と迅速な対応が可能となるため、ぜひ取り入れましょう。
猫にダニが寄生したらどうする?
次に、猫にダニが寄生した際の対処法を紹介します。誤った対処法を行ってしまう可能性もあるので、事前にチェックしてすぐに対処できるようになりましょう。
無理に取ろうとせずに動物病院へ連れて行く
まず、猫にダニが寄生しているのを発見した場合、無理にダニを取ろうとするのはやめましょう。
ダニは皮膚にしっかりと食いついて寄生しているため、無理に引き剥がすと、ダニの一部が猫の皮膚に残り、感染症や炎症を引き起こす可能性があります。
特に、ダニの口器が皮膚に残った場合、猫の体内に病原菌が侵入しやすいです。そのため、まずは冷静になり、適切な処置を受けるために動物病院へ連れて行きましょう。
獣医師は専用の器具を使って安全にダニを取り除く方法を熟知しており、猫の体に負担をかけずに対応してくれます。
できる範囲でダニの発生原因を取り除く
次に、猫にダニが寄生した場合、ダニの発生原因を取り除きましょう。
ダニは湿気の多い場所や草むらなどに生息しており、特に外で生活する猫はダニにさらされやすいです。
家の中で飼っている場合は、猫がよくいる場所や寝床を定期的に掃除し、清潔を保つようにしましょう。
特に、カーペットやラグ、ソファなどの布製品はダニが隠れやすい場所なので、定期的な掃除機がけや洗濯が必要です。
また、猫が外に出ることがある場合、庭や散歩する場所の草むらなど、ダニが発生しやすい環境を整備すると、ダニ寄生を防ぐ効果が期待できます。
ダニの寄生によって発症する感染症
次に、ダニの寄生によって発症する感染症を紹介します。
- 重症熱性血小板減少症候群
- ライム病
- 猫ヘモプラズマ感染症
それぞれの病気の発症する原因や症状をまとめているので、ダニが寄生する危険性を理解しましょう。
重症熱性血小板減少症候群
まず、ダニの寄生によって発症する感染症は重症熱性血小板減少症候群です。この病気はウイルス性の感染症であり、マダニによって媒介されます。
ウイルスは主にマダニから猫や人に感染し、猫にとっては非常に危険です。ウイルスに感染すると、猫は発熱や元気の喪失、食欲不振、嘔吐、下痢、が見られるようになります。
この病気は重篤な症状を引き起こし、早期に適切な治療を受けなければ命に関わる場合もあり注意が必要です。
特に、免疫力が低下している猫や高齢の猫がマダニに噛まれた可能性がある場合は早急に動物病院で診察を受けましょう。
ライム病
次に、ダニの寄生によって発症する感染症はライム病です。ライム病はボレリアと呼ばれる細菌の感染症で、マダニの媒介によって引き起こされます。
マダニが寄生している猫が感染すると、発熱や食欲不振、関節炎などの症状が現れやすいです。また、感染が進行すると神経系や心臓、腎臓に影響を及ぼす恐れもあります。
特に、関節炎が引き起こされると、猫は足を引きずったり、歩くのを嫌がったりするようになるため、早期の診断と治療が重要です。
ライム病は早期に治療を行わないと、慢性的な健康問題を引き起こす可能性があります。
猫ヘモプラズマ感染症
最後に、ダニの寄生によって発症する感染症は猫ヘモプラズマ感染症です。
猫ヘモプラズマ感染症は、主にダニやノミによって媒介される細菌性感染症で、ヘモプラズマと呼ばれる病原菌が赤血球に寄生し、貧血を引き起こします。
猫ヘモプラズマ感染症は免疫力が低下している猫や慢性的な病気を持つ猫で重症化しやすいです。
症状は元気の喪失や食欲不振、体重減少など、貧血の兆候が見られます。感染が進行すると、重篤な貧血や黄疸、さらには死に至ることもあり非常に危険です。
猫がノミやダニに寄生されないように予防を徹底しましょう。
猫のダニは人にもうつる?
ダニは猫だけでなく人にもうつる可能性があります。猫のダニが人間に及ぼす影響を詳しく見ていきましょう。
人にも影響を及ぼす可能性がある
猫に寄生するダニは、人にも影響を及ぼす可能性があります。特に、猫と密接に生活している場合、ダニが人間にも移るリスクが高いです。
ダニは宿主の血液を吸うことで生きており、人間が新たな宿主となる場合もあります。
猫に寄生する一部のダニは、人間の皮膚にも寄生し、かゆみや発疹を引き起こすので注意が必要です。
特に、猫に外出の習慣がある場合、外部からダニを持ち帰るリスクが高くなり、家庭内にダニが広がる恐れがあります。
人間に寄生した場合、最も一般的な症状は、皮膚のかゆみや赤い発疹で、特にダニがかんだ部位が腫れやすいです。
マダニは重大な疾患を引き起こすことも
マダニは人間にとっても重大な健康リスクを引き起こす可能性があります。特に、マダニはライム病や重症熱性血小板減少症候群などの深刻な感染症を媒介するので注意が必要です。
これらの病気は、マダニが寄生している猫を通じて人間に感染する可能性があり、適切な対策を取らないと、命に関わるリスクが高まります。
ライム病は、人間に感染すると、発熱や関節の痛み、皮膚の発疹といった症状が現れます。
また、重症熱性血小板減少症候群は高熱や下痢、嘔吐などの症状が特徴的であり、高い致死率を持っているので非常に危険です。
まとめ
今回は、猫に寄生するダニについて詳しく紹介しました。
ダニにはツメダニ、ヒゼンダニ、ミミヒゼンダニ、マダニなどの種類があり、屋外だけでなく家の中や他の動物にも潜んでいます。
猫がダニに寄生されるのを防ぐには、完全室内飼育にして定期的にブラッシングやシャンプーをし、日頃から寄生されていないかチェックしましょう。
猫にダニが寄生した場合は、無理に取ろうとせず動物病院に相談し、発生原因を特定して再発防止に努めましょう。