健康

【獣医師監修】私の愛犬は太っているの?痩せてるの?肥満度チェック方法をご紹介!

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はじめに

愛猫の体重管理と肥満の見分け方1

猫の健康を考えるうえで、体重管理はとても重要です。

特に肥満には気をつけなければなりません。

猫は運動量がそれほど多くはないため、一度太ってしまうと、なかなか痩せることができません。

可愛さゆえについついおやつなどをたくさん与えてしまって、気付けば肥満体型になってしまっていたという事態は避けなければなりません。

猫は自分で体重コントロールができるわけではないので、愛猫に健康で長生きしてもらうためには、飼い主が猫の状態をしっかりと把握して、管理してあげる必要があります。

そのためにも、猫がどのような原因で太るのか、また、肥満を見分ける方法についてもくわしく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

猫の肥満の原因

愛猫の体重管理と肥満の見分け方2

肥満のおもな原因は以下の4つになります。

これらの原因が重なって肥満を引き起こしている可能性があるので、思い当たる点がありましたら、少しずつ改善に取り組んでいきましょう。

カロリーオーバー

肥満の原因として、第一に考えなければならないのは、食べすぎによるカロリーオーバーです。

毎日の食事をおいしそうに食べる姿を見て、ついつい多めにあげていることはないでしょうか。

また、おおよその目分量で食事を与えると、いつのまにか適正量を超えていることもよくあります。

それに加え、1日数回おやつを与えていれば、食べすぎによるカロリーオーバーとなってしまいます。

摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回れば、すぐに体重は増えてしまうので注意が必要です。

一般的な食欲の猫ならば、飼い主が与えれば、与えられた分だけ食べてしまうことがほとんどです。

毎日繰り返しているうちに、体重が増え、肥満体型になってしまうのです。

猫は自分で食事量をコントロールできないため、食べ過ぎにならないよう、飼い主がコントロールしなければなりません。

運動不足

運動不足も大きな肥満の原因となります。

食事によって摂取するカロリーが、運動によって消費されるカロリーを上回ってしまえばすぐに体重は増えます。

猫は1日のうちのほとんどを部屋でゆっくりと過ごすことが多いため、どうしても運動不足になってしまいがちです。

若いうちは、好奇心も旺盛で、やんちゃ盛りなら家中を走り回ったり、よじ登ったりすることもありますが、人間同様に、年齢を重ねると1日の運動量は落ちる子がほとんどです。

そのうえ、食べ過ぎで体重が増加すると、余計に動くのが面倒になり、運動不足になってしまいます。

一度増えてしまった体重を減らしていく場合にも、適度な運動は必要になるので、あまり動いていないと感じたら、おもちゃを使うなどして、遊びながら運動する習慣をつけさせることをおすすめします。

避妊・去勢手術

避妊・去勢手術をおこなうと、ホルモンバランスが変化し、食欲が増すため太りやすくなります。

一般的にオスは男性ホルモンが減少し、メスを探し回ったり、狩りをしたりする本能が弱まり、積極的に運動をしなくなります。

運動量やオスとしての本能が弱まることで、エネルギーの消費が減る半面、食欲は増していくので肥満になりやすい体質になります。

メスも女性ホルモンの分泌が減少し、太りやすくなります。

エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンには、食欲を抑え、代謝の補助をする役割がありますが、避妊手術により、エストロゲンの分泌が減るため太りやすい体質になってしまいます。

愛猫の繁殖を考えておらず、発情行動などの防止という面を考えれば、避妊・去勢手術は重要ですが、体質の変化により太りやすくなってしまうことは理解しておきましょう。

ストレス

ストレスも肥満に影響を及ぼすことがあります。

猫は環境の変化にとても敏感な動物で、引越しなどで安心できる住環境が変わってしまうことや、多頭飼いで今までのテリトリーに自分以外の動物がいることでもストレスになってしまいます。

人間同様に、ストレスから過食になってしまい肥満につながることもあるので、ストレスの少ない環境作りにも注意してあげましょう。

猫の肥満対策

猫の肥満対策として有効な手段には「食事量・カロリー摂取量の見直し」「適度な運動」などがあります。

与えている食事の量が、明らかに適量よりも多ければ、食事量を減らすだけでも体重に変化がみられるでしょう。

食事量は適量与えているのに体重が肥満になってしまう場合は、現在のフードのカロリーが高すぎる可能性があります。

とはいえ、カロリーばかりに気を取られて食事量を極端に減らしてしまうと、必要な栄養素が不足してしまうおそれがあるので、その場合には、肥満猫向けのフードに切り替えてみることも検討してください。

ここで注意点として、食事量の調整や、カロリーの見直しをおこなっても、おやつを与え過ぎていては意味がありませんのでおやつの回数なども見直す必要があります。

次に必要な肥満対策として、適度な運動があります。

ほとんどの飼い猫が、1日中家で過ごすことが多いため、どうしても運動不足になりがちです。

家の中にスペースが確保できるのならば、キャットタワーなどがおすすめです。

猫は登ったり、降りたりする運動を好むので、運動不足やストレスの解消につながります。

可能ならば、子猫のうちにキャットタワーで遊ぶことに慣れさせておくことで運動習慣が身に付きます。

ほかにも猫じゃらしなどを使用して、一緒に遊んであげるのもおすすめです。

運動不足解消だけでなく、コミュニケーションも取ることができるので、1日のうち少しでも構わないので、時間を作って遊んであげることでも効果的な肥満対策となります。

猫の肥満を見分ける方法は?

体重が重いからといって必ずしも肥満とは限りません。

筋肉量の多い猫は体重が重くなる傾向がありますし、大型の猫の場合には、体重が他の猫よりあったとしても標準的なこともあります。

では、猫の適正体型を調べるにはどのような方法があるのか、解説いたします。

BCS(ボディ・コンディション・スコア)がおすすめ

猫の適正体型を調べる方法として「ボディ・コンディション・スコア」、略して「BCS」という5段階の評価基準があります。

BCSは体重など数字だけでなく、見た目と実際に触れたときの状態で、体型を評価します。

チェック方法としては、以下のような方法でおこないます。

  • 横から見た状態でのくびれのチェック
  • 上から見た状態でのくびれのチェック
  • 肋骨がどの程度浮き出ているかチェック
  • ウエストに触れてくびれのチェック
  • 腰回りの骨がどの程度浮き出ているかチェック

この方法で、自分の愛猫が痩せているのか、適正体型なのか、肥満なのか判断します。

BCSの肥満度チェック

実際に肥満度チェックをした際の、5段階での判断基準は下図を参考にしてください。

自分の猫が、どの状態なのか、健康管理の参考にするためにも知っておくとよいでしょう。

愛猫の体重管理と肥満の見分け方3

BCS1(痩せている)

BCS1に該当した場合には標準的な体型よりも痩せすぎている状態です。

肋骨が浮き出ており、くびれもかなり深くなっており、脂肪もついていない状態になります。

もし食事をしっかりと摂っているのに、痩せすぎと判定された場合には、どこか病気の可能性も考えられるので、動物病院に相談してみましょう。

BCS2(体重不足)

BCS2は、適正体型よりやや痩せている状態です。

この場合には、与えている食事量が少なかったり、ライフステージに合ったフードではなかったりすることで、必要カロリーを摂取できていないこともあるので、食事の見直しを検討してください。

BCS3(理想体重)

BCS3は適正体型のため、とても健康的な状態になります。

上から見て腰のくびれがわずかにみられる程度が理想とされています。

食事量も、摂取カロリーも、運動もバランスが取れているので、このまま維持できるよう年齢に合わせて調整していきましょう。

BCS4(体重過剰)

BCS4になると体にやや脂肪が付いて丸みを帯びている体型となり、体重が過剰気味になっている肥満予備軍となっています。

このまま今の生活を続けると、いずれ肥満になってしまうおそれがあるので、BCS4と判定されたら、食事量の調整、食事内容の改善、運動不足の解消など肥満対策を始めましょう。

BCS5(肥満)

BCS5は脂肪も多く、くびれも見られない肥満状態を指します。

歩くと脂肪が揺れるほど太っているので、健康的にも心配な段階です。

肥満はさまざまな病気の原因にもなるので、すぐにでも生活習慣を見直す必要があります。

また、太り過ぎにより足腰にも負担がかかり、関節を痛めてしまう事にも注意しなければなりません。

すでに体に異常がないか確認するためにも、一度動物病院を受診することもあわせておすすめします。

BCS3を目指すには

愛猫の体重管理と肥満の見分け方4

BCSにより痩せ過ぎや太り過ぎと判定されたら、愛猫の生活習慣を見直さなければなりません。

理想体型の基準となるBCS3を目指すために、飼い主がするべき対策をご紹介します。

機能性フードに切り替える

肥満とはいえ、必要な栄養素を摂らなければならないため、これまで食べていたフードからダイエット向けの機能性フードに切り替えましょう。

ダイエット用のフードは栄養素をカバーしつつ、カロリーは抑えられているので、肥満の猫も、極端に食事量を減らすことがないため、ストレスを感じずに健康的にダイエットを始めることができます。

食事量を減らす

機能性フードに切り替えたとはいえ、肥満になった原因として食べ過ぎが考えられるので、食事量は減らさなければなりません。

ただし、極端に減らしてしまうと必要な栄養素が摂れなくなるので、減らし過ぎには注意しましょう。

また、段階を経て減らすほうが空腹によるストレスを抱えることもないので、徐々に減らしていくようにしてください。

食事の回数を減らす

肥満の原因は食べ過ぎによる、カロリーの過剰摂取によるものが多いのですが、もし与えているフードの1日の推奨量を超えて2回以上食事を与えていたならば、回数を減らしてください。

また、食事に加え1日に何度もおやつを与えていた場合にも、おやつの回数を1回までとしましょう。

成猫は通常1日に2回の食事で充分ですが、食欲旺盛だからといって、日に3回、4回と食事を与えてしまっては確実に太ってしまいます。

注意点として、食事の回数を減らすのは、1日の食事回数が多い場合であって、通常回数で量も適量ならば減らす必要はありません。

早食いをやめさせる

早食いも肥満の原因となることがあります。

一気に食べてしまうので、満腹感を得られずに、1日に何度も食べ物を要求してくることがあるかもしれません。

その際に、おやつやフードを与えると、結果的に食べすぎによる肥満につながってしまいます。

早食いをやめさせる方法として、早食い防止用のフードボールがあります。

フードボールの中に突起があり、少し食べにくい設計になっているため、一気に食べられないようになっています。

早食いは肥満だけでなく、胃に大きな負担がかかったり、のどに詰まらせたりすることもあるので、愛猫が早食いしているようでしたら、すぐにでもやめさせましょう。

日頃から定期的に運動をする

肥満には、運動が効果的なのは人間も猫も変わりません。

定期的な運動によって消費カロリーが増えるため、ダイエットや肥満予防になります。

また、運動を通じて筋肉量も増えるので、引き締まった太りにくい体作りにもつながります。

しかし、猫は犬と違い、毎日定期的に散歩をする習慣がないため、なかなか運動量の確保が難しい場合が多いでしょう。

それでも運動不足を放置するわけにはいきませんので、室内で定期的に運動させる方法を紹介します。

おもちゃを買ってあげることで遊ぶようになる

遊びながら運動させるために、おもちゃを買って与えてみましょう。

夢中で遊んでいるうちに、十分な運動になっているので、毎日遊ばせることで肥満の予防に効果的です。

特に猫じゃらしのような動きのあるおもちゃの方が反応も良く、運動にもなるので、少し広めの場所で、飼い主さんが動かしながら遊ばせるのがおすすめです。

1つ問題点として、猫がおもちゃに飽きてしまうと遊ばなくなる事があります。

そうならないために、おもちゃは複数用意しておくとよいでしょう。

また、おもちゃを部屋に出しておくと、いつでも遊べるため、猫はすぐに飽きてしまいます。

十分に運動をさせて遊び終わったら、おもちゃはきちんと片づけておくと、次の機会にも夢中になって遊んでくれます。

キャットタワーで食事をさせることも効果的

食事の際に、キャットタワーのもっとも高い所に置いてみる方法も効果的です。

一見、危ないと思いがちですが、猫は高い所や狭いスペースでも器用に食事をする事ができます。

警戒心の強い猫ならば、床で食事をするよりも高い所で食べた方が、安心している場合もあるでしょう。

最上段まで登らないようでしたら、少し低い位置に置いて、慣れさせてから徐々に上に持っていけば問題ありません。

この方法は、運動不足の解消以外にも、「キャットタワーを設置したのに、猫がなかなか登ってくれない」といった場合にも効果的です。

なかなか登らなかった猫が、キャットタワーで食事をすることによって、食事以外の時間にも登るようになれば、一気に運動不足の解消につながります。

まとめ

猫の適正体型や肥満度チェックについて解説してまいりました。

しっかりと食事を摂っているにも関わらず痩せている場合には、なんらかの病気の可能性もあるので、まず動物病院を受診してください。

食事量が少ない、ライフステージに食事が合っていないといった問題であれば、食事量の調整や、キャットフードを替えるだけでも改善されるでしょう。

肥満の場合には、食事の見直しに加え運動も必要となり、早めの肥満対策が必要です。

猫は運動量がそれほど多くないため、一度肥満になってしまうと簡単には体重が落ちません。

しかし、猫は自分で体重も体型もコントロールすることはできません。

つまり猫の健康は飼い主さんによるところが大きくなります。

肥満を放置すると、糖尿病などさまざまな病気のリスクが高まりますが、注意さえしていれば肥満は防ぐことができます。

今回ご紹介したBCSでこまめに体型をチェックして日々の変化を見逃さないようにしましょう。

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