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はじめに
ラガマフィンは、フワフワで美しい被毛を持ち、今後ますます人気が高まるといわれている大型の猫種です。
大きな体ながら、とても温厚で甘えん坊な一面もあり、穏やかな性格で初心者でも飼いやすい猫として注目されています。
他の猫と違い、完全に成長するまで4年ほどかかり、大きな個体だと10kgになる子もいるほどです。
しかしあまり運動量が多くないため、太りやすい傾向があり、飼い主さんによる食事の管理が必要となります。
これからラガマフィンを飼おうとしている方や、すでに飼い始めている方も、大切な猫の健康管理をするうえで、適正体重を知っておくことは欠かせません。
当記事では、ラガマフィンの適正体重から、肥満の目安の判断方法、適切なフード選びまでくわしく解説いたします。
ラガマフィンの標準体重・体長
ラガマフィンは、筋肉質でがっちりとした体型をしている大型の猫です。
その体を維持するために、成長期は特に食事量も多く、成長期を過ぎても食事量を変えずにいると、肥満になってしまうおそれがあります。
そこで、ラガマフィンの成長段階ごとの基準となる標準体重をご紹介しますので、肥満予防のための基準として参考にしてください。
ラガマフィンのオスの標準体重・体長
ラガマフィンのオスの標準体重は6.5〜9kgで、大きな個体になると10kgを超える子もおり、かなり大きな体が特徴です。
フワフワの被毛で、コロコロとした体型にみえますが、実際には筋肉質でがっちりとしているので、抱っこをするとずっしりとした重みを感じるでしょう。
体長は45〜60cmほどとなり、平均して50cmを超えてくるので、体重同様に体長も大きめの猫です。
ラガマフィンのメスの標準体重・体長
メスの標準体重は、4.5kg〜7kgとなっており、オスよりもひと回り小さくなります。
とはいえ、他の猫種のオスくらいの大きさがあるので、メスもかなり大型といえます。
体長はオスと変わらず、45〜60cmほどになりますが、全体的にオスよりも小さい個体が多くなります。
ラガマフィンの子猫の標準体重・体長
ラガマフィンの子猫の標準体重は、生後2ヵ月で1〜1.5kg、体長は20cmほどですが、ここから食べる量が増えて1歳くらいまでにぐんぐん成長していきます。
子猫の成長には個体差があり、この時点で標準体重を超えていても、成長期なので、あまり心配する必要はありません。
ただし、あまりにも体重が少ない場合には、食事量を増やすなどしてあげてください。
ラガマフィンの成猫の標準体重・体長
ラガマフィンの成猫の標準体重は4.5〜9kgとなっています。
標準体重に大きな開きがあるのは、オスがメスよりもひと回り大きくなることがあるので、成猫の平均値としては上記のようになります。
体長は、オス・メス共に45〜60cmほどで平均的には、性別による違いはそれほどありません。
猫の体型には個体差があるので、標準体重を上回っていても、その分体長も大きく、引き締まって、脂肪が付いていないようでしたら、あまり心配する必要はありません。
ラガマフィンの老猫の標準体重・体長
老猫の標準体重や体長の設定は特にありません。
ただし、年齢とともに運動量が落ち、筋肉量が減ることで痩せてしまう場合や、食欲が落ちないため、逆に脂肪が付きすぎて太ってしまうこともあるので、老猫になったら、より一層食事の管理が必要です。
ラガマフィンの肥満の目安はどれくらい?
ラガマフィンは筋肉質で大きな体型をしているため、均整の取れた体つきをしていても、体重は比較的重くなる傾向があります。
そのため、ラガマフィンは体重だけで肥満かどうかを判断することはできないので、別の方法を用いて肥満度を計測します。
その方法がボディコンディションスコア、略してBCSです。
BCSとは、体重ではなく、猫を上や横から見てくびれが見えるかどうかや、触れてみてくびれや肋骨の浮き具合などを確認して、痩せすぎから肥満までを5段階で評価する方法です。
5段階は「痩せ」「やや痩せ」「理想的」「やや肥満」「肥満」に分かれており、特に専門的な知識は必要としません。また、肥満だけでなく痩せすぎのチェックにも対応しているため、飼い主が日常の体型チェックに用いることができます。
ご自身でBCSをおこなって、愛猫が「痩せ」や「肥満」と判断される状態ならばすぐに改善が必要です。
また「やや痩せ」「やや肥満」の状態でも予備軍の可能性が大いにあるので、「理想的」を目指し生活の見直しをおこないましょう。
BCSのくわしい判断方法は、下図で解説しています。
ラガマフィンのフード選びのポイント
ラガマフィンは体が大きく、他の猫よりも食事量も多くなります。
それだけ、成長にたくさんの栄養素が必要になりますが、量を増やせば問題ないというわけではありません。
体の成長に必要な栄養素を含んだフードを与える必要があります。
フード選びのポイントとして、1種類のフードに必要な栄養素をすべて含んだ「総合栄養食」と表示されたものを与えてください。
適量の総合栄養食と、新鮮な水を与えていれば、成長に必要な栄養素をカバーできます。
ドライフードとウェットフードをバランス良く与える
フード選びのなかで、ドライフードとウェットフードのどちらを選んだらよいのか迷ってしまう飼い主さんは多いと思います。
もしご家庭の猫が、両方とも問題なく食べてくれるようであれば、ドライフードをおすすめします。
ドライフードは、比較的長期間の保存が可能であり、まとまった量を購入できることで、経済的でもあり、種類も多岐に渡るため、愛猫に必要な栄養素にあわせて選べるなど多くのメリットがあります。
ウェットフードは風味がよく食べやすいため、ドライフードに手を付けない子や食欲不振の子でもよく食べてくれる点や、水分量も多いので水分補給も兼ねることができるなどのメリットがあります。
しかし、一度開封してしまうと保存が効かない点や、風味の弱いドライフードを食べなくなること、やわらかいものを食べることに慣れてしまい、あごの力が弱くなってしまうなどのデメリットがあります。
バランスの良いフードの与え方は、日常的にはドライフードを与え、気分転換に風味を変えるときや食欲不振になってしまったときなどにウェットフードを与えるとよいでしょう。
成長段階に合わせたフードを選ぶ
フード選びのポイントとして、成長段階に合ったフード選びがあります。
成長段階と違う食事を与えていると、成長に必要な栄養素が不足したり、逆に栄養素が高過ぎて栄養過多になり、カロリーオーバーとなって肥満になってしまうことがあります。
成長段階ごとの適切なフード選びについて解説します。
子猫期のおすすめのフード
生後3ヵ月を過ぎてくると、子猫は急激に食欲が増します。
ここから1歳までの間に、倍以上の体型になることも珍しくありません。
特にラガマフィンのような大型の猫の場合、量も栄養素も十分に与える必要があります。
そこで、1歳までは高たんぱくで、多くの栄養素を含んでいる子猫用の総合栄養食を与えましょう。
パッケージに「子猫用」「1歳未満」と表示のあるものを与えてください。
大型のラガマフィンは食欲旺盛なことが多く、たくさん食べたがりますが、成長期のこの時期に限り、多めに食事を与えても構いません。
ただし、消化器官が未発達なため、一度に与える量を増やし過ぎると消化不良を起こしやすくなるので、回数を1日3回に増やして与えるなどしてあげてください。
成猫期のおすすめのフード
通常1歳から7歳くらいまでを成猫期と呼び、1歳を迎える頃には大人の体になります。
この時期に入ったらフードは子猫用から「1歳以上」「成猫用」「アダルト」などのフードに切り替えましょう。
ラガマフィンは大型の猫であるため、完全に成長するまで4年かかるといわれています。
そのため、他の猫に比べ、食事量も多くなりますが、必要な栄養素は変わりませんので、成猫用のフードを体重に合わせた適量で与えてください。
成猫の食事で注意しなければならないのは、避妊・去勢手術を終えた場合です。
ホルモンバランスの関係で太りやすくなるため、食事の摂りすぎには注意が必要なため、成猫用のフードを適量で与えるようにしてください。
老猫期のおすすめのフード
7歳を超え、運動量が落ちてくると、筋肉量や代謝が落ちるため、若い頃に比べてカロリー消費量が減少します。
注意点として、運動量が減り、代謝が落ちているのに食欲が変わらないケースです。
この場合、どうしても体重が増え、肥満になってしまうことがあります。
特にしっかりとした筋力に支えられた大型のラガマフィンは、筋肉量が減ると、脂肪が増えてしまうことがあるので注意が必要です。
老猫期に選んでおきたいフードは、「シニア用」「〇歳以上用」と表示されている老猫用のものにしましょう。
シニア用のフードなら、低カロリーで、猫に多い腎臓病予防のために摂取を控える必要がある塩分やリンが控えめになっています。
また、食物繊維を多く含んでおり、老猫に多い便秘予防なども考慮されています。
大きな体のラガマフィンは、老猫になって太ってしまうこともあるので、食事管理には気をつけましょう。
また、歯やあごの力が弱まり、ドライフードが硬くて食べづらそうなら、ふやかして食べさせてあげても構いません。
栄養素に注意する
成長段階ごとに必要な栄養素は異なりますが、そのすべてに気を配りながら、食事を与えるのはなかなか難しいことです。
そこで、猫のフード選びには、成長段階ごとに必要な栄養素をしっかりと含んだ総合栄養食を与えてください。
成長段階に合った総合栄養食を適量で与えていれば、必要な栄養素が不足することは少ないでしょう。
痩せすぎの原因と対処方法
健康管理というと、つい肥満にばかり目がいきますが、痩せすぎているのも決してよくありません。
BCSを参考に、実際に体に触れてみて、深いくびれや肋骨が浮いているのを確認できたら痩せすぎとなります。
太っていないからといって、必ずしも健康だとはいえないので、痩せすぎている原因を突き止めておく必要があります。
考えられる原因について解説します。
痩せすぎの原因
病気
食欲はあるのに、体重が減少してくる場合には、なんらかの病気の可能性が考えられます。
考えられる病気として、甲状腺ホルモンの過剰分泌で、代謝が活性化され過ぎてしまう甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、糖尿病、寄生虫やウィルスの感染、胃腸や腎臓の疾患などがあります。
どれもすべて、簡単には判断できない病気なので、食べているのに痩せてくるようなことがあれば、すみやかに動物病院を受診してください。
ストレス
環境の大きな変化が苦手な猫は、いつもと違うことが起きたり、新しい家族が増えたりと毎日の生活のなかで不快な状況が続くと、ストレスで食欲不振を起こし痩せてしまう事があります。
そのまま放置すると、さらなる食欲不振や、下痢などを引き起こすことがあるので、ストレスを軽減させるために環境の整備をおこなって、できるだけ静かに過ごせるようにしてあげましょう。
フードが合っていない
しっかりと食事を摂っており、元気もあるのに痩せてきてしまう場合には、フードが合っていない可能性が考えられます。
ライフステージと違う食事を摂っているために、必要な栄養素が足りていないケースです。
この場合には、成長段階に合ったフードに切り替えることで解決することがあるので、試してください。
特にたくさんの栄養を必要とする子猫に、成猫用のフードなどを与えていると、必要な栄養素が足りずに、痩せてしまうことがあります。
それぞれのライフステージに合ったフードを与えるよう、いつもチェックしてください。
対処方法
痩せすぎてしまっている猫の対処法について解説します。
与えるフードの種類や量を見直す
与えているフードがライフステージに合っているのか、量は問題ないのか確認しましょう。
もしフードの種類が合っていなければ、切り替えてあげて下さい。
食事量が少ないようならば、適正量与えるとよいでしょう。
いくらライフステージに合ったフードでも、量が少なければ痩せてしまうので、しっかりと食べさせてあげることが大切です。
目安は体重別にフードのパッケージに記載されている量を参考にしてください。
何らかの病気の可能性
年齢に合ったフードを、適量でしっかり食べているのに痩せてしまう場合には、なんらかの病気にかかっている可能性があります。
すでに病気が進行している可能性もあるので、そのまま放置せずに、動物病院を受診してください。
太り過ぎの原因と対処方法
次に太りすぎの原因と対処法について解説します。
太り過ぎの原因
カロリーオーバー
太りすぎの原因として、最初に考えなければならないのは、食べ過ぎによるカロリーオーバーです。
ラガマフィンは体が大きいこともあり、食事量も多く、つい「足りないかも」と多く与えてしまいがちですが、体重に合わせた適量以上に与えたうえに、おやつを1日数回与えていれば、すぐにカロリーオーバーとなり、放置すれば肥満となってしまいます。
摂取カロリーが、明らかに消費カロリーを上回らないよう注意しましょう。
運動不足
ラガマフィンはあまり活動的な猫ではないため、運動不足になりがちです。
子猫の頃はなんにでも興味津々で、いつも活発に動いていますが、成猫になると落ち着いてのんびりと過ごす時間が増えるので、運動不足になる子が多くなります。
その結果、太ってしまい、体重が増えることで動くことが面倒になり、さらに体重が増えて、肥満になってしまうことがあるので気をつけましょう。
避妊・去勢手術
避妊・去勢手術をすると、ホルモンバランスが変わり、太りやすくなります。
性格もおとなしくなり、落ち着くことが多く、運動量も減りますが、食欲はそのままなので、体重が増えてしまうことがあるので注意が必要です。
ストレス
猫もストレスで過食気味になることがあります。
ストレスを和らげる環境作りもとても大切ですが、同様に飼い主さんがするべきことは過食気味の猫の食事管理です。
猫は自分で食事を用意することはできないので、たくさん欲しがっても、必要以上の量を与えないようにしてください。
猫の肥満度対策
愛猫の肥満対策を2点ご紹介します。
食事は決まった量を与える
肥満を予防するためには、年齢に合ったフードを決まった量でしっかりと与えることです。
適量を与えていれば、必要な栄養素は摂ることができているので、それ以上与えてしまうとカロリーオーバーとなり肥満の原因になってしまいます。
ただし、年齢に合ったフードを適量与えているのに。体重が増えてしまう場合は、現在のフードがカロリーオーバーの可能性があるので、肥満猫用のフードに切り替えてあげてください。
肥満用であれば、量をあまり減らすことなく、低カロリーで、必要な栄養素を補えるので、試してみましょう。
運動量が増えるようにたくさん遊んであげる
猫の肥満対策では運動も重要なポイントです。
とはいえ、散歩に行かず、家で過ごす猫に運動をさせるのは簡単ではありません。
対策として、運動習慣をつけるためにも、1日のうち、少しでもよいので、飼い主さんが時間を作ってあげて、おもちゃなどを使って遊んであげてください。
おもちゃ遊びを覚えてくれると、運動量の少ない猫でも定期的な運動習慣が身につきます。
あわせてキャットタワーの設置もおすすめです。
猫は昇り降りが好きなので、キャットタワーで遊べるようになると、留守中でも自発的に運動してくれるようになります。
まとめ
ラガマフィンの適正体重や、痩せすぎ・太りすぎの対策まで解説してきました。
体も大きく、たくさん食べる猫なので、肥満には特に注意が必要です。
そのため、特に成猫期を迎えてからは、飼い主さんの適切な食事管理が重要になります。
肥満や痩せすぎは、それ自体も健康的ではないですが、ほかの病気を誘発するおそれもあります。
今回ご紹介したBCSの「理想的」を目安にして、大切な愛猫の健康維持のためにも食事と運動管理をしっかりとおこないましょう。