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はじめに
猫が薬を飲んでくれずに困っている方は多いと思います。
猫は薬を嫌がる動物なので、コツを押さえないとなかなか猫に薬を飲ませられません。
今回は、猫が薬を飲まない時の対処法について紹介します。
薬ごとの飲ませるコツや注意点を詳しく解説しているので、スムーズに薬を猫に与えたい方はぜひチェックしてください。
猫が薬を嫌がるのはなぜ?
まず、猫が薬を嫌がる理由を紹介します。
- 猫は食べ物の味に敏感
- 警戒心が強い
それぞれ詳しく紹介するので、なぜ猫が薬を嫌がるのか詳しくみていきましょう。
猫は食べ物の味に敏感
猫は非常に味覚が鋭い動物であり、特に苦味や異物感に対して敏感です。鋭い味覚は、野生の状態では有害な食物や毒物を避けるために進化してきたと考えられています。
そのため、薬に含まれる成分の味やにおいが通常の食べ物と異なる場合、猫は即座に異常を感じ取り、口にすることを避けようとするのです。
さらに、猫の嗅覚は非常に発達しており、微妙な変化を察知できます。そのため、猫は通常とは異なる匂いや味を持つ薬に対して特に慎重になる場合が多いです。
そのため、普段の食事に薬を混ぜても、微妙な違いを感じ取り、薬の存在を察知する場合があります。
警戒心が強い
猫は非常に警戒心が強い動物であり、環境の変化や新しい物事に対して敏感に反応します。猫の警戒心は、野生で生き抜くために重要な役割を果たしてきました。
猫は自分のテリトリーに対する意識が強く、新しい物体や見慣れない人、特に薬を飲ませようとする行動に対しては非常に敏感です。
また、薬を飲ませる行為は猫にとって日常的でないため、ストレスや不安を引き起こす可能性があります。
そのため、飼い主が薬を与えようとすると、猫は警戒心を強めるのです。
猫の薬の種類にはどんなものがある?
猫の薬にはさまざまな種類があります。
- 錠剤
- カプセル
- 粉薬
- 液体の薬
それぞれの特徴を詳しく紹介するので、与える際の注意点を理解しましょう。
錠剤
まず、猫に使用される薬の1つは錠剤です。錠剤は、一般的な薬の形態をしており、固形の小さな丸い形状をしています。
錠剤の利点は、正確な投与量を管理できる点です。多くの薬が錠剤で提供されており、抗生物質や痛み止め、心臓薬、駆虫薬などがあります。
錠剤は通常、猫の体重や症状に応じて適切なサイズに調整されており、飼い主が猫に与えやすいです。
しかし、猫は口の中に異物を感じると敏感に反応し、錠剤を吐き出してしまうケースがあります。そのため、錠剤を飲ませる際には、特別なテクニックや工夫が必要です。
カプセル
次に、猫に使用される薬の1つはカプセルです。カプセルは、通常ゼラチンや植物由来の素材で作られたカバーに薬が入っています。
カプセルの利点は、苦味のある薬や、猫が拒否するような味やにおいを持つ薬を隠すことができる点です。
そのため、猫が薬の存在を感じにくくなり、摂取を拒否する可能性が低くなります。カプセルは、特に敏感な猫に対して効果的です。
また、カプセルには、薬の成分が胃酸で破壊されるのを防ぐコーティングがされている場合もあります。
コーティングにより薬が胃を通過してから適切な場所で溶解し、効果を発揮することが可能です。
粉薬
3つ目に、猫に使用される薬の1つは粉薬です。粉薬は、薬を細かい粉末状にした形態で、様々な用途に使用されます。
粉薬の利点は、他の形態の薬に比べて細かく調整できる点です。例えば、錠剤やカプセルが大きすぎて猫が飲み込めない場合、粉薬にすると簡単に投与できます。
また、粉薬は食べ物や水に混ぜることができるため、猫に自然な形で摂取させられます。
しかし、猫の敏感な嗅覚と味覚は、粉薬に含まれる特定の成分や味を嫌うため、飼い主は慎重に投与方法を考えましょう。
粉薬を飲ませる際には、少量の水や猫の好きなおやつと混ぜる方法などがあります。
液体の薬
最後に、猫に使用される薬の1つは液体の薬です。液体の薬はシロップなどの形で提供され、子猫や高齢の猫、錠剤やカプセルを飲むのが難しい猫に適しています。
液体の薬は、計量スプーンやシリンジを使って正確な量を投与できるため、飼い主にとっても便利です。
また、液体の薬は猫の味覚を考慮して、甘味やフレーバーが付けられている場合が多いので、猫が薬を受け入れやすくなっています。
しかし、一部の猫は特定の味やにおいに敏感であるため、液体の薬でも飲むのを嫌がる場合も多いです。液体の薬は温度管理が重要なので、常温にしてから投与しましょう。
猫に薬を飲ませるときのコツ
次に、猫に薬を飲ませるときのコツを紹介します。
- 錠剤・カプセルを飲ませるときのコツ
- 粉薬を飲ませるときのコツ
- 液体の薬の飲ませ方
それぞれ分けて紹介するので、自分が飲ませている薬の与え方のコツをぜひチェックしてみてください。
錠剤・カプセルを飲ませるときのコツ
まず、錠剤・カプセルを飲ませるときのコツを紹介します。
- 薬を割って細かくする
- 舌の奥の方に薬をのせて口を閉じる
- 鼻に水や好きなおやつを付ける
具体的な手順も紹介するので、実際にできるように詳しくみていきましょう。
薬を割って細かくする
まず、猫に錠剤やカプセルを与える際、薬を割って細かくすることが大切です。猫はサイズが大きすぎると飲み込むのが難しく、ストレスを抱える恐れがあります。
ただし、一部の薬は割ると効果が変わる可能性があるため、獣医師に相談しましょう。
分割した薬は、猫が好む食べ物やおやつに混ぜると、自然に摂取しやすくなります。
例えば、ウェットフードやペースト状のおやつに混ぜると、猫が気づかずに薬を摂取できるようになる場合が多いです。
さらに、薬の苦味を感じさせないために薬をよくかき混ぜましょう。猫が薬を嫌がる場合は、分量を少しずつ増やし、徐々に慣らしていくとよいです。
舌の奥の方に薬をのせて口を閉じる
次に、猫に錠剤やカプセルを与える際は、猫の舌の奥に薬をのせて口を閉じるのがおすすめです。
猫の口を開けさせ、薬を舌の奥深くに置くと、猫が反射的に飲み込むように促すことができます。
具体的には、猫をしっかりと抱え込み、片手で口を開け、もう一方の手で薬を舌の奥に慎重に置いてください。
そして、薬を置いた後に少量の水をシリンジで与えると、薬が喉に引っかからずスムーズに飲み込めます。
猫が薬を飲み込んだ後は、すぐにご褒美を与えたり、優しく褒めたりして、薬の投与がポジティブな体験になるように努めましょう。
鼻に水や好きなおやつを付ける
最後に、猫に錠剤やカプセルを与える際は、猫の鼻に少量の水や好きなおやつを付ける方法がおすすめです。
猫は自分の鼻に何かが付くと舐め取ろうとする習性があります。
そのため、舐めとろうとする行動を利用して、薬を飲んだ後に鼻に水やおやつを付けると、猫が自然と薬を飲み込むのを促せるのです。
特に錠剤やカプセルの後味が猫に不快感を与える場合に効果が期待できます。
おやつは猫が特に好きなものであることが望ましいです。付けるおやつの量は少量にとどめ、猫が興味を持って舐め取るように仕向けましょう。
粉薬を飲ませるときのコツ
次に、粉薬を飲ませるときのコツを紹介します。
- 粉薬を少量の水で溶く
- おやつのペーストに混ぜる
- シリンジやスポイトを使う
- 猫の上あごに擦り付ける
具体的な手順も紹介するので、実際にできるように詳しくみていきましょう。
粉薬を少量の水で溶く
まず、猫に粉薬を与える際は、粉薬を少量の水で溶くのがおすすめです。粉薬はそのままでは風味や質感が猫にとって不快である場合が多く、水で溶かすと問題を軽減できます。
まず、適量の粉薬を測り、少量の水で完全に溶かしましょう。水の量が多すぎると猫が飲むのを嫌がる場合があるため、少量で十分です。
溶かした薬は、シリンジやスポイトを使って猫に与え、猫の口の横から挿入し、ゆっくりと液体を流し込むようにします。
液体を流し込む際は、猫がむせないように慎重に行うことが大切です。また、薬を飲ませる際に、猫がリラックスしている時を選ぶとスムーズに行えます。
おやつのペーストに混ぜる
次に、猫に粉薬を与える際は、おやつのペーストに混ぜましょう。
ペースト状のおやつは猫にとって舐めやすく、味も好まれる場合が多いため、薬の味や匂いを隠すのに適しています。
まず、適量の粉薬をペースト状のおやつに混ぜてください。薬の味が強すぎると猫が拒否する可能性があるため、薬の量を少しずつ調整しながら混ぜることがポイントです。
また、おやつは猫が特に好む味のものを選ぶと良いでしょう。日常的に与えているおやつを利用すると、猫にストレスを感じさせずに薬を摂取させることが可能です。
そして、薬を混ぜたおやつを猫が完食するように、量やタイミングを工夫しましょう。
シリンジやスポイトを使う
3つ目に、猫に粉薬を与える際は、シリンジやスポイトを使いましょう。まず、粉薬を適量の水で溶かし、完全に混ぜます。
水の量は少量で、薬が溶け残らないようにしっかりと混ぜることが重要です。溶かした薬液をシリンジやスポイトに吸い上げ、猫の口の横から慎重に注ぎましょう。
注ぐ際には、猫がむせたり嫌がったりしないよう、少しずつゆっくりと行うことが大切です。
また、薬を飲ませる際には、猫の頭を少し後ろに傾けると飲み込みやすくなります。
シリンジやスポイトを使用する際には、先端が鋭利でないことを確認し、猫に怪我をさせないよう注意が必要です。
猫の上あごに擦り付ける
最後に、猫に粉薬を与える際は、猫の上あごに粉薬を擦り付けましょう。まず、粉薬を少量の水で練り、ペースト状にします。
そして、ペーストを指や綿棒を使って猫の上あごに擦り付けてください。猫は上あごに何かが付いていると、舐め取ろうとするため、自然に薬を飲み込むことが可能です。
あごに擦り付ける方法は、シリンジやスポイトで薬を与えるのが難しい場合にも役立ちます。
ペーストがあまり硬すぎると猫が不快感を感じる場合があるので、柔らかい状態にしましょう。
また、薬を与えた後に猫が上あごを舐め終えたか確認し、必要に応じて追加のペーストを与えてください。
液体の薬の飲ませ方
次に、液体の薬の飲ませ方を紹介します。
- シリンジやスポイトで口に流し込む
- 少量のフードにかける
具体的な手順も紹介するので、実際にできるように詳しくみていきましょう。
シリンジやスポイトで口に流し込む
まず、猫に液体の薬を与える際は、シリンジやスポイトで口に流し込みましょう。まず、薬をシリンジやスポイトで適量吸い上げます。
そして、猫をしっかりと抱えて安定させ、シリンジを口の横から挿入してください。
流し込む際は、猫の舌の上ではなく、頬の内側に沿って薬を流し込むと、猫が自然に飲み込みやすいです。
薬を急に流し込むと猫がむせることがあるため、ゆっくりと少量ずつ与えましょう。
また、薬の投与後には少量のおやつを与えたり、猫を褒めたりして、薬を飲む行為をポジティブなものとして認識させてください。
少量のフードにかける
次に、猫に液体の薬を与える際は、少量のフードにかけましょう。液体をかける方法では、猫の好きなウェットフードや缶詰のフードに液体の薬を混ぜて与えます。
まず、少量のフードを用意し、規定量の液体の薬をかけましょう。薬をフードに均一に混ぜると、猫が薬の味を感じにくくなり、自然に摂取しやすくなります。
特に、猫が好きなフードを選ぶと、薬の味や匂いが目立たなくなり、スムーズに食べてくれる場合が多いです。
ただし、薬の濃度が高すぎると猫がフードを食べるのを嫌がる可能性があるため、少量ずつ試して猫の反応を見ながら調整しましょう。
猫に薬を飲ませるときの注意点
次に、猫に薬を飲ませるときの注意点を紹介します。
- 無理やり飲ませない
- 飲めたらほめてご褒美をあげる
それぞれ詳しく紹介するので、猫に薬を飲ませる時は日頃から行ってください。
無理やり飲ませない
まず、猫に薬を飲ませる際、無理やり薬を飲ませることは避けましょう。
猫は非常に敏感で、無理強いされると強いストレスを感じるだけでなく、飼い主との信頼関係にも悪影響を及ぼします。
無理やり薬を飲ませようとすると、猫が暴れたり噛みついたりする恐れもあり、猫自身も飼い主も怪我をするリスクが高いです。
さらに、無理やり薬を飲ませると、猫が薬を吐き出してしまう場合もあります。
少し時間を置いて再度チャレンジする
猫が薬を拒否した場合、すぐに試すのではなく少し時間を置いてから再度チャレンジしましょう。
猫はストレスを感じやすい動物であり、一度拒否された場合は、時間を空けて猫の気持ちを落ち着かせることが重要です。
再チャレンジする際には、前回と異なる方法を試しましょう。例えば、錠剤を直接与えようとした場合、次は錠剤を細かく砕いてフードに混ぜるなどの工夫をしてみると良いです。
時間を置くと猫もリラックスしており、抵抗感が減少する可能性が高まります。
また、再度チャレンジする前に、猫を優しく撫でたり、おもちゃで遊んだりして気分転換を図るのも効果的です。
猫に対して無理強いをせず、猫が薬に対して前向きな印象を持てるようにしましょう。
飲めたらほめてご褒美をあげる
次に、猫が薬を無事に飲んだ場合、しっかりと褒めてあげましょう。
猫は褒められたりご褒美をもらったりするとポジティブな印象を持ち、薬の投与に対して抵抗感が減少します。
そのため、薬を飲んだ後は、猫の好きなおやつを与えることが効果的です。おやつは、特別感を出すために普段とは違うものを用意してください。
優しく撫でたり声をかけたりして、猫に安心感を与えることも大切です。
特に、日常的に薬を飲ませる必要がある場合は、ご褒美を繰り返すと、薬の投与がスムーズになります。
まとめ
今回は、猫が薬を飲まない場合の対処法について紹介しました。
猫は警戒心の強い動物なので、食べ物の味や匂いがいつもと違うとなかなか食べてくれません。
そのため、猫の薬の種類に応じて、猫の習性を利用した与え方や薬を感じさせない与え方を選びましょう。
具体的には、おやつや水に混ぜたり、おやつを舐めさせて薬を飲み込ませたりするなどの方法が効果的です。
猫が気にならない薬の与え方を見つけて、猫の健康をサポートしましょう。