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はじめに
猫のノミ対策をどのように行えば良いかわからない方も多いと思います。
ただ、わからないからといって、ノミ対策をしないままではいけません。ノミを放っておくと皮膚炎や下痢、嘔吐などの症状を引き起こすので注意が必要です。
今回は、猫にノミがついた時の対処法を紹介します。ノミが寄生した時に出る症状や繁殖しやすい時期も解説しているので、ぜひチェックしてください。
猫に寄生するノミは?
まず、猫に寄生するノミについて詳しく紹介します。ノミの種類や猫に寄生するノミについてチェックし、ノミの生態について詳しく理解しましょう。
ノミには3種類ある
ノミは大きく分けて3種類です。まず、ネコノミが最も一般的で、猫だけでなく犬や人間にも寄生します。
次に、イヌノミは主に犬に寄生しますが、猫にも影響を及ぼす場合もあります。最後に、ヒトノミは人間に寄生しますが、稀に動物にも寄生する場合があるので注意が必要です。
3種類のノミはそれぞれに異なる生態を持ち、寄生先の動物に応じて繁殖し、成虫は血を吸います。
ネコノミは猫の体に寄生して健康を害することが多いため、適切な駆除が重要です。
ノミが発生する環境をしっかりと管理し、後述する対処法で猫の健康を守りましょう。
猫に寄生するのはネコノミ
猫に寄生するのは主にネコノミです。ネコノミの特徴をまとめているので、対策を立てるためにぜひチェックしてください。
成虫の大きさは2〜3mm程度
ネコノミの成虫は非常に小さく、大きさは2〜3mm程度です。
ネコノミは見つけにくく、猫の被毛の中に隠れています。そして、跳躍力があるネコノミは一度猫の体に寄生すると、頻繁に移動しながら血を吸う場合が多いです。
ネコノミに寄生されると、猫の体に痒みや炎症が発生します。
また、ネコノミに寄生されると猫の掻きむしりによる二次感染やアレルギー反応を引き起こす可能性も高いです。
そのため、ノミの被害を増やさないためにも定期的なチェックが求められます。
猫以外の小動物にも寄生する
ネコノミは猫に寄生するだけでなく、他の小動物にも寄生する場合も多いです。
犬やウサギ、フェレット、さらにはハムスターなど、さまざまな小動物がネコノミの被害に遭う可能性があります。
そのため、多頭飼育している家庭や複数の種類のペットを飼っている家庭では、ノミの駆除が困難です。
ネコノミは宿主の動物が異なっても、同様に吸血し、健康被害を引き起こします。そのため、猫だけでなく他のペットにも注意を払い、全体的な生活環境を清潔に保ちましょう。
ノミが繁殖しやすい時期は?
次に、ノミが繁殖しやすい時期を紹介します。繁殖がしやすい時期を理解して、適切なタイミングで対策してください。
繁殖しやすい環境は気温18〜27℃・湿度75~85%程度
ノミが繁殖しやすい環境は、気温18〜27℃、湿度75〜85%程度です。
繁殖しやすい条件が揃うと、ノミの成虫は活発に活動し、卵を産む速度も速くなります。特に湿度が高い環境は、ノミの卵や幼虫が乾燥しにくいため、生存率が高いです。
逆に、湿度が低い環境では卵や幼虫が乾燥しやすくなり、繁殖速度が遅くなります。
そのため、繁殖しやすい条件を理解して、ノミの発生を予防しましょう。
家庭内で条件をコントロールするのは難しいかもしれませんが、エアコンや除湿器を適切に使用すると、ノミの繁殖をある程度抑えられます。
春から夏にかけて特に繁殖しやすい
ノミは一年を通じて活動しますが、特に春から夏にかけて繁殖が盛んになります。
春から夏にかけての時期は気温と湿度がノミの繁殖に適しているため、ノミの活動が活発になるのです。
春から夏にかけての季節は、気温が18〜27℃、湿度が75〜85%程度になる日が多く、ノミの成長と繁殖を促進します。
また、ペットが外で過ごす時間が増えるのも、ノミの寄生機会を増やす原因です。
外出先から帰宅したペットにノミがついていると、家の中に持ち込まれ、さらに繁殖してしまいます。
春から夏にかけての時期には特に注意が必要で、定期的な駆除薬の使用や、ペットの寝床や生活環境の清掃を徹底しましょう。
また、散歩や外出後にはペットの体をしっかりとチェックし、ノミの付着を早期に発見することが重要です。
秋冬の間も室内が暖かければ繁殖が可能
ノミの活動は主に春から夏にかけて盛んになりますが、秋冬の間も室内が暖かければ繁殖が可能です。
現代の環境では、暖房や空調設備が整っており、室内の気温や湿度が年間を通して快適に保たれるため、ノミにとっても繁殖しやすい条件が揃っています。
特に暖房を使用する冬の季節でも、室内の気温が18〜27℃、湿度が75〜85%に近づくと、ノミは活発に活動しやすいです。そのため、秋冬でもノミの被害が発生する可能性があります。
室内のカーペットや家具の隙間など、ノミが潜む場所が多く存在するため、定期的な掃除と駆除薬の使用は年間を通じて行いましょう。
猫にノミが寄生した時に出る症状
次に、猫にノミが寄生した時に出る症状を紹介します。
- 背中や首・しっぽの付け根などにカサブタや炎症ができる
- 抜け毛が多くなる
- うんちに白っぽいものが混じる
- 顔の周りを頻繁に掻く
- 毛づくろいを頻繁にする
それぞれ詳しく解説するので、猫にノミが寄生しているか判断できるようになりましょう。
背中や首・しっぽの付け根などにカサブタや炎症ができる
まず、猫にノミが寄生した時に出る症状は、背中や首、しっぽの付け根などにできるカサブタや炎症です。
ノミは猫の皮膚に噛みついて血を吸うため、背中や首、しっぽの付け根に強い痒みを引き起こします。
猫は痒みを和らげるために頻繁に舐めたり引っ掻いたりする場合があり、カサブタや炎症を悪化させる原因になるのです。
特にノミの唾液に対するアレルギー反応を起こす猫は、皮膚が赤くなり、酷い場合には湿疹ができる場合もあります。
炎症の症状は非常に不快で、猫のストレスを増加させ、健康状態を悪化させる可能性が高いです。
飼い主は、猫の体に異常がないか定期的にチェックし、早期に異変を察知しましょう。
抜け毛が多くなる
次に、猫にノミが寄生した時に出る症状は抜け毛です。ノミが寄生すると、皮膚に噛みついて血を吸う際に、猫の体に強い痒みを引き起こします。
猫は痒みを和らげるために頻繁に舐めたり引っ掻いたりするので、皮膚にダメージを与え、毛が抜けやすくなるのです。
特に背中や首、しっぽの付け根など、ノミが好んで寄生する部位で抜け毛が顕著に見られます。
猫の被毛が薄くなり、全体的に毛がパサついて見える場合も多いです。また、ノミの寄生が続くと皮膚が炎症を起こし、さらなる脱毛を引き起こす可能性があります。
飼い主は猫の被毛の状態を定期的にチェックし、異常な抜け毛が見られた場合は、ノミの存在を疑いましょう。
うんちに白っぽいものが混じる
3つ目に、猫にノミが寄生した時に出る症状は、白っぽいものが混じったうんちです。
ノミの幼虫が猫の体内に寄生すると、一部が糞として排出されるため、白っぽいものが混じります。
うんちに白っぽいものが混じっている場合、消化不良などの腸内トラブルを引き起こす可能性があります。
飼い主は、猫のトイレを定期的にチェックし、うんちに白っぽいものが混じってないか確認しましょう。
顔の周りを頻繁に掻く
4つ目に、猫にノミが寄生した時に出る症状は、頻繁な皮膚の掻きむしりです。
ノミは猫の全身に寄生しますが、特に下腹部や耳、首元などの柔らかい皮膚を好みます。
ノミが噛みつくと強い痒みが生じ、猫は痒みを和らげるために体を引っ掻いたり、前足で擦ったりする場合が多いです。
掻きむしる行動を繰り返すと、皮膚に傷がつき、炎症を引き起こす恐れがあります。また、引っ掻くと被毛が薄くなり、皮膚が露出してしまう可能性が高いです。
飼い主は、猫が顔を頻繁に掻いている様子を見たら、ノミの存在を疑い、早急に対応しましょう。
毛づくろいを頻繁にする
最後に、猫にノミが寄生した時に出る症状は、頻繁な毛づくろいです。
掻きむしりと同じで、ノミが皮膚に噛みついて血を吸うと強い痒みを引き起こし、猫は痒みを和らげるために猫が頻繁に体を舐めます。
特に、ノミが集中して寄生する背中や首、しっぽの付け根などを執拗に舐める場合が多いです。
毛づくろいが過剰になると、皮膚が荒れたり、被毛が抜けやすくなったりする場合があります。
また、ノミを舐め取るとノミが保有している瓜実条虫に感染することがあり、消化不良などの健康問題を引き起こす可能性も高いです。
飼い主は、猫がいつもより頻繁に毛づくろいをしている様子を見たら、ノミの寄生を疑い、早急に対応しましょう。
ノミが原因で起こる病気は?
次に、ノミが原因で起こる病気を紹介します。
- アレルギー性皮膚炎
- 貧血
- 下痢や嘔吐
それぞれ詳しく紹介するので、ノミが原因で起こる病気を理解しましょう。
アレルギー性皮膚炎
まず、ノミが原因で起こる病気はアレルギー性皮膚炎です。
アレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液に対して猫が反応を示すことで発生します。ノミが猫の皮膚を噛むと、唾液が注入され、強い痒みと炎症を引き起こすのです。
アレルギー性皮膚炎の症状は、皮膚の赤みや腫れ、湿疹、かさぶたなどがあります。
また、猫は痒みを感じて頻繁に掻いたり舐めたりするため、傷ついた皮膚からの二次感染に注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎は猫にとって非常に不快であり、治療を行わないと慢性的な皮膚トラブルに発展しやすくなります。
飼い主は、猫にアレルギー性皮膚炎の症状が見られた場合、速やかに動物病院を受診し、適切な治療とノミの駆除を行いましょう。
貧血
次に、ノミが原因で起こる病気は貧血です。
ノミが大量に寄生して頻繁に吸血すると、猫の体から多量の血液が失われてしまいます。
貧血は子猫や体力が低下している猫にとっては深刻な問題です。貧血の症状としては、猫が疲れやすくなったり、元気がなくなったりする場合があります。
重症になると、呼吸困難や心拍数の増加など、命に関わる症状が現れる場合もあるので注意が必要です。
飼い主は、猫の行動や体調に異変を感じたら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。
下痢や嘔吐
最後に、ノミが原因で起こる病気は下痢や嘔吐です。
猫がノミを食べると、ノミの体内に寄生する寄生虫が猫の消化器官に入り込み、感染症を引き起こします。
特に、瓜実条虫という寄生虫は、ノミを介して猫に感染し、消化不良や腹痛、下痢、嘔吐を引き起こすのです。
下痢や嘔吐の症状は猫にとって非常に不快であり、栄養不良や脱水症状を招く恐れがあります。
飼い主は、猫に下痢や嘔吐の症状が見られた場合、ノミの存在を疑い、速やかに動物病院を受診しましょう。
猫にノミがついた時の対処法
次に、猫にノミがついた時の対処法を紹介します。
- ノミ駆除薬を使う
- ノミ取りシャンプーやノミ取りクシなどを使う
- ノミは潰さない
それぞれ詳しく紹介するので、病気を防ぐためにすぐにノミの対処ができるようになりましょう。
ノミ駆除薬を使う
まず、猫にノミがついた時はノミ駆除薬を使いましょう。
ノミ駆除薬には、スポットオンタイプや経口薬、スプレーなどさまざまな種類があります。
スポットオンタイプは猫の首の後ろに数滴垂らすだけで、ノミを駆除する効果があり、使用が簡単で持続効果も高いです。
経口薬は猫に直接飲ませて体内からノミを駆除しますが、猫によっては薬を飲むのを嫌がる場合があります。
スプレーも即効性があり、ノミを物理的に取り除く効果がありますが、定期的な使用が必要です。
駆除薬を使用する際は、製品の説明をよく読み、適切な量と頻度を守りましょう。また、獣医師に相談して、猫の年齢や健康状態に合った製品を選ぶことも大切です。
ノミ取りシャンプーやノミ取りクシなどを使う
次に、猫にノミがついた時にはノミ取りシャンプーやノミ取りクシなどを使いましょう。使い方や注意点を詳しく紹介するので、参考にしてください。
完全に駆除することは難しい
ノミ取りシャンプーやノミ取りクシは一定量のノミは駆除できますが、完全に駆除できるわけではありません。
シャンプーやクシを使った方法は即効性があり、目に見えるノミを物理的に取り除くのに効果的ですが、ノミの卵や幼虫を完全に排除するのは難しいのです。
ノミは成虫だけでなく、卵や幼虫、サナギといった段階があり、猫の体や周囲の環境に存在しています。
また、シャンプーやクシで駆除する際に猫が嫌がる場合もあり、頻繁に行うのが困難です。
ノミは非常に繁殖力が強く、一度発生すると完全に駆除するのは簡単ではありません。
薬とうまく併用するのがおすすめ
ノミ取りシャンプーやノミ取りクシを使用する際は、ノミ駆除薬と併用するのがおすすめです。
駆除薬を併用すると、ノミのライフサイクルを断ち切り、新たな発生を防ぐことができます。
ノミ駆除薬には、猫の皮膚に塗布するスポットオンタイプや、経口薬、スプレータイプなどがあり、成虫だけでなく、卵や幼虫にも効果的です。
そのため、シャンプーやクシで物理的にノミを取り除いた後、駆除薬を使用して残っているノミの卵や幼虫を効果的に駆除しましょう。
ノミは潰さない
最後に、猫にノミがついた時は、見つけても潰さないようにしましょう。
ノミを潰すと、体内に含まれる卵が周囲に飛び散り、新たなノミの発生源となる可能性があるためです。
また、ノミは様々な病原体を運んでいるため、潰すと病原体が周囲に広がるリスクもあります。テープなどに貼り付け、包み込んで捨てるのがお勧めです。
ノミを駆除するためには、駆除薬の使用やノミ取り用のクシを使って取り除く方法が効果的です。
クシで取り除いたノミは、中性洗剤を溶かした水に入れて確実に処分しましょう。また、猫の体からノミを取り除いた後は、周囲の環境も清潔に保つことが重要です。
まとめ
今回は、猫に寄生するノミについて紹介しました。
ネコノミ・イヌノミ・ヒトノミのうち、猫に寄生するのはネコノミであり、春から夏にかけての時期に大量発生します。
猫にノミが寄生すると、背中や首の炎症や抜け毛、白っぽいうんち、頻繁な毛づくろいがみられる場合が多いです。
また、ノミが原因でアレルギー性皮膚炎や貧血、下痢や嘔吐が起こる可能性があります。
猫にノミがついた時は、ノミ駆除薬やノミ取りシャンプーやノミ取りクシなどを使い、猫の皮膚の健康を維持しましょう。