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【獣医師監修】猫がくしゃみをする理由は?考えられる病気や家でできるくしゃみの予防法

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はじめに

猫を飼っていると猫がくしゃみをする場面がたまにあり、くしゃみをする理由が気になる方も多いはずです。

猫は鼻に何らかの刺激があると生理現象でくしゃみをします。しかし、病気のサインでくしゃみをしている場合もあり注意が必要です。

今回は、猫のくしゃみの理由について詳しく紹介します。

くしゃみの原因になる病気や予防法を詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

猫がくしゃみをする理由は2つ

猫がくしゃみをする理由は2つあります。

  • 生理現象によるくしゃみ
  • 病気が疑われるくしゃみ

それぞれ詳しく紹介しますので、猫の状況をみて判断できるようになりましょう。

生理現象によるくしゃみ

猫が生理現象によりくしゃみをする場合は、下記の2パターンです。

  • 鼻の粘膜に何らかの刺激があったとき
  • 鼻の中に入った異物を追い出すとき

猫がくしゃみをするのはこれらのパターンが多いので、ぜひチェックしてください。

鼻の粘膜に何らかの刺激があったとき

まず、猫が生理現象でくしゃみをするのは、鼻の粘膜に何らかの刺激があったときです。

例えば、微細な粒子であるほこりや花粉が、猫の鼻腔に入り込むと、鼻の粘膜を刺激してくしゃみを引き起こします。

特に春や秋など、花粉が多い季節には猫がくしゃみをする頻度が多いです。

また、強い匂いや煙も猫の鼻を刺激する要因となります。タバコの煙や香水の強い香りは、猫にとって非常に刺激的です。

他にも、家庭用の洗剤や消毒剤などの化学物質も、猫の鼻粘膜を刺激する場合があります。

掃除をした後に猫がくしゃみをする場合は、ほこりや化学物質が原因の可能性が高いです。

鼻の中に入った異物を追い出すとき

次に、猫が生理現象でくしゃみをするのは、鼻の中に入った異物を追い出すときです。

猫は、異物が入ると防御反応で取り除こうとしてくしゃみをします。

例えば、猫は食事中に食べ物のかけらが誤って鼻に入ったり、自分の毛が鼻に入ったりするとくしゃみをしやすいです。

さらに、稀なケースですが小さな虫やその他の異物が猫の鼻腔に入り込む場合もあります。

猫はこれらの異物に対しても敏感に反応し、くしゃみを連発して異物を排出しようするのです。

病気が疑われるくしゃみ

次に、生理現象ではなく病気が疑われるくしゃみを紹介します。

  • くしゃみが何度も続けて出る
  • 鼻水や鼻血、目ヤニが出ている
  • 黄緑色のような鼻水が出る
  • 鼻や顔が腫れたり変形したように見える
  • 発熱がみられる
  • 食欲がない

それぞれ具体的に紹介するので、愛猫のくしゃみが当てはまらないか注意して観察してください。

くしゃみが何度も続けて出る

まず、猫の病気が疑われるのは何度も続けてくしゃみが出る場合です。

猫が頻繁にくしゃみをする場合、アレルギーや感染症、慢性鼻炎などの病気が考えられます。

例えば、猫がアレルギー性鼻炎だと、原因であるハウスダストや花粉が入り続けて、くしゃみが何度も続いてしまっているのです。

また、くしゃみが続く場合には、鼻の腫瘍やポリープ、歯周病などの可能性もあります。

日常的に観察し、くしゃみを頻繁にしていると感じたら、すぐに専門の獣医師に相談しましょう。

鼻水や鼻血、目ヤニが出ている

次に、猫の病気が疑われるのは鼻水や鼻血、目ヤニが出ているときです。

透明な鼻水が出る場合は、アレルギーや軽い風邪の可能性がありますが問題ありません。

しかし、鼻水が黄色や緑色に変わってきた場合は、細菌感染やウイルス感染症を疑いましょう。

また、猫のくしゃみとともに鼻血が出る場合、鼻の中で何らかの損傷や炎症が起きている可能性が高いです。

さらに、くしゃみと共に目ヤニが出る場合、猫風邪の可能性もあります。ウイルスや細菌が原因であり、特に免疫力が低下している猫に多く見られるのです。

猫がこれらの症状を示す場合、早めに獣医師に相談しましょう。

黄緑色のような鼻水が出る

3つ目に、猫の病気が疑われるのは黄緑色のような鼻水が出るときです。

健康な猫の鼻水は通常透明ですが、色が付いている場合は感染症や炎症の可能性があります。

特に、ウィルス感染症が原因でくしゃみと共に黄緑色の鼻水が出る場合が多いです。

また、慢性的な鼻炎も、黄緑色の鼻水を引き起こします。

猫の免疫力が低下していると、感染症に対する抵抗力が弱まり、症状が重くなるケースが多いです。

黄緑色の鼻水が出る場合、猫の全身的な健康状態も確認し、適切なケアを行いましょう。

鼻や顔が腫れたり変形したように見える

4つ目に、猫の病気が疑われるのは、鼻や顔が腫れたり変形したように見えるときです。

例えば、重度の細菌感染やウイルス感染は、猫の鼻や顔の組織に炎症を引き起こし、腫れや変形をもたらす場合があります。

特に猫風邪が悪化すると、鼻腔内や副鼻腔に膿が溜まり、腫れを引き起こす恐れがあるのです。

また、歯周病も、鼻や顔の腫れを引き起こす原因であり、炎症が鼻腔や顔の組織に広がると、腫れや痛みを伴う場合があります。

さらに、鼻腔内に腫瘍が発生すると鼻や顔の形が変わるケースもあり、早期発見と治療が重要です。

発熱が見られる

5つ目に、猫の病気が疑われるのは発熱が見られるときです。

発熱は、猫の体が感染症や炎症に対抗しているサインであり、くしゃみと共に現われる場合があります。

具体的には、カリシウイルスやヘルペスウイルスなどが原因で発熱を引き起こす場合が多いです。

他にも、鼻水、目やに、食欲不振、元気のなさなどの症状が見られる場合もあります。

免疫力が低下している猫は、感染症にかかりやすく、発熱やくしゃみなどの症状が現れやすいです。

猫がくしゃみをし、同時に発熱が見られる場合は、速やかに獣医師の診察を受けましょう。

食欲がない

最後に、猫の病気が疑われるのは食欲がないときです。

食欲不振は猫の体調不良のサインであり、くしゃみとともに現われると病気を疑う必要があります。

具体的には、食欲の減退はウィルス感染症や細菌感染症と一緒に現われる場合が多いです。

そして、食欲不振が続くと、体重減少や脱水症状が進行してしまいます。

また、歯周病や口腔内の炎症、歯の問題も食欲不振の原因です。

口の中に痛みや不快感があると、食べることが難しくなり、食欲が減退します。

猫がくしゃみをし、同時に食欲がない場合は、動物病院で病気かどうかチェックしましょう。

猫のくしゃみの原因になるものは?

次に、猫のくしゃみの原因になる病気を詳しく紹介します。

  • アレルギー性鼻炎
  • 副鼻腔炎
  • 猫風邪
  • クリプトコッカス症
  • 歯周病
  • 鼻のポリープや腫瘍

それぞれ詳しく紹介しますので、病気が疑われた場合はすぐに動物病院に連れていきましょう。

アレルギー性鼻炎

まず、猫のくしゃみの原因になるのはアレルギー性鼻炎です。

アレルギー性鼻炎では、猫が特定のアレルゲンに反応して鼻の粘膜の炎症が起こります。

アレルギー性鼻炎になると、猫の鼻腔内で過剰に粘液が生成され、くしゃみや鼻水が発生するのです。

猫のアレルギー性鼻炎の主な原因は、花粉、ハウスダスト、カビ、ダニ、煙などがあります。

アレルギー性鼻炎によるくしゃみは通常、季節的に起こる場合が多いです。

例えば、花粉症の場合、特定の季節や植物の花粉が飛散する時期に症状が現れます。

副鼻腔炎

次に、猫のくしゃみの原因になるのは副鼻腔炎です。

副鼻腔炎は、猫の副鼻腔において感染や炎症がおこる疾患であり、くしゃみを引き起こします。

副鼻腔炎は通常、細菌やウイルスの感染によって発生する場合が多いです。

細菌やウィルスが副鼻腔に侵入すると、膿や粘液が溜まります。そして、くしゃみを誘発するのです。

副鼻腔炎によるくしゃみは、通常、鼻水や目ヤニといった症状と共に現れます。

猫はくしゃみをしながら鼻をこする場合が多いです。また、副鼻腔炎による炎症や膿のため、猫は顔を頻繁に触る場合もあります。

猫風邪

3つ目に、猫のくしゃみの原因になるのは猫風邪です。

  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫クラミジア感染症

それぞれ詳しく紹介するので、どんな症状があるかチェックしましょう。

猫カリシウイルス感染症

猫のくしゃみを引き起こす猫風邪のひとつは猫カリシウィルス感染症です。

感染すると、口腔内や舌に水疱・潰瘍ができ、たくさんのよだれや口臭が気になるようになります。

また、くしゃみや鼻水、目やに、発熱、食欲不振などの症状を引き起こす場合も多いです。

さらに、肺炎や関節炎になって、足を引きずったりひょこひょこと歩いたりします。

猫がカリシウイルスに感染する原因は、感染猫のくしゃみや咳、鼻水などです。

他にも、感染した猫が共有の食器やトイレを使用すると、ウイルスが移る場合もあります。

猫ウイルス性鼻気管炎

次に、猫のくしゃみを引き起こす猫風邪のひとつは猫ウイルス性鼻気管炎です。

猫ウイルス性鼻気管炎は、くしゃみや鼻水、咳、呼吸困難などの症状を引き起こす場合があります。

また、猫はくしゃみを繰り返し、鼻をこする場合が多いです。さらに、咳や喉の痛み、発熱などの全身的な不調も見られるケースがあります。

猫ウィルス性鼻気管炎の主な原因は、ヘルペスウイルスなどです。

このウィルスは、感染猫の分泌物を介して他の猫に感染します。

猫クラミジア感染症

最後に、猫のくしゃみを引き起こす猫風邪のひとつは猫クラミジア感染症です。

猫クラミジア感染症は、クラミジア細菌が猫の体内に侵入すると発症します。

感染した猫は、くしゃみや鼻水、目ヤニといった症状を発症し、他の猫に感染する可能性が高いです。

また、結膜炎やまぶたの腫れなどの目の症状も見られる場合もあります。

感染は、感染猫の分泌物が直接触れたり、共有の食器やトイレを使用したりするのが原因です。

クリプトコッカス症

4つ目に、猫のくしゃみの原因になるのはクリプトコッカス症です。

クリプトコッカスは、土壌や鳥の糞などに存在する真菌(カビ)の一種で、猫が接触すると感染する場合があります。

そして、感染した猫は、くしゃみや咳、鼻水といった呼吸器症状を発症するのです。

また、発熱や食欲不振といった全身的な不調も見られる場合もあります。

歯周病

5つ目に、猫のくしゃみの原因になるのは歯周病です。

歯周病になると、歯垢や歯石が歯茎の縁に付着し、細菌の繁殖を促します。

これにより、歯茎が炎症を起こし、歯周ポケットと呼ばれる感染部位が形成されるのです。

感染した歯周ポケットから細菌が侵入すると、猫の呼吸器系に影響を与え、くしゃみを引き起こす場合があります。

歯周病によるくしゃみは、通常、他の症状と共に現れる場合が多いです。具体的には、口臭、歯茎の腫れや出血、食欲不振、口内炎などがあります。

鼻のポリープや腫瘍

最後に、猫のくしゃみの原因になるのは、鼻のポリープや腫瘍です。

鼻のポリープは、鼻の内側で発生する塊であり、慢性的な炎症や感染、アレルギー反応などが原因となって発生します。

鼻のポリープが猫の鼻腔内に存在すると、鼻の通りが妨げられ、くしゃみや鼻づまりが起こる可能性があるのです。

また、鼻の腫瘍は良性または悪性がありますが、良性の腫瘍であってもくしゃみや鼻づまりなどの症状を引き起こす恐れがあります。

さらに、悪性の腫瘍は、猫の健康を深刻に損なう可能性が高いです。

鼻のポリープや腫瘍によるくしゃみは、鼻水、鼻づまり、呼吸困難などと一緒にみられます。

また、猫は鼻をこすったり、頭を振ったりする場合が多いです。

家でできるくしゃみの予防法は?

次に、家でできるくしゃみの予防法を紹介します。

  • 猫がいる部屋を清潔に保つ
  • こまめにブラッシングする
  • 定期的に健康診断を受ける
  • ワクチン接種を受ける

それぞれ詳しく紹介しますので、猫がくしゃみで苦しまないようにぜひ行ってください。

猫がいる部屋を清潔に保つ

まず、家でくしゃみを予防するために、猫がいる部屋を清潔に保ちましょう。

猫がいる部屋では、毛や抜け毛、ハウスダストなどが空気中に浮遊しやすくなります。

定期的な掃除を行い、床や家具の表面やカーペットなどを清潔に保ちましょう。

また、猫のトイレは、猫の排泄物や砂などの微粒子が空気中に舞いやすい場所です。

トイレの掃除をこまめに行い、排泄物を早めに処理し、砂を定期的に交換するのが大切です。

さらに、空気清浄器を導入すると、空気中の微粒子やアレルゲンを除去し、猫のくしゃみを減らせます。

こまめにブラッシングする

次に、家でくしゃみを予防するために、こまめにブラッシングを行いましょう。

猫がくしゃみを引き起こす要因の1つに、抜け毛が口や鼻に入り込むことが挙げられます。

こまめなブラッシングをすると、猫の被毛を清潔に保ち、くしゃみを減らせるのです。

猫の被毛は日々抜け毛が生じるため、頻繁にブラッシングしましょう。特に長毛種や抜け毛の多い猫は、毎日のブラッシングが重要です。

また、柔らかいブラシを選び、猫の皮膚を傷つけないように注意してください。

そして、ブラッシングを行う際には、優しく丁寧に行いましょう。毛の流れに逆らわず、毛並みに沿ってブラシを使うと効果的です。

特に敏感な部位や絡まった毛がある場合は、慎重に処理しましょう。

定期的に健康診断を受ける

3つ目に、くしゃみを予防するために定期的に健康診断を受けましょう。

獣医師による定期的な健康診断は、猫の健康状態を管理し、くしゃみを引き起こす潜在的な問題を早期に発見するのに役立ちます。

健康診断で行うのは、猫の身体検査、血液検査、尿検査、必要に応じてX線や超音波検査などです。

これらの検査を行うと、猫の内臓機能や潜在的な健康問題の有無を把握できます。

健康診断のスケジュールは、獣医師と相談して決定してください。

ワクチン接種を受ける

最後に、猫のくしゃみを予防するために、ワクチン接種を受けましょう。

ワクチン接種は、猫の免疫系を活性化させ、特定の感染症に対する防御能力を高めてくれます。

例えば、猫が接種できるワクチンは、カリシウイルス感染症、猫伝染性鼻気管炎、猫白血病ウイルス感染症などに対するものなどです。

ワクチン接種のスケジュールは、獣医師からの指示に従って定期的に行いましょう。

一般的に、子猫は生後数週間から2ヶ月で最初のワクチンを受け、その後は定期的なワクチン接種が推奨されています。

まとめ

猫のくしゃみは生理現象によるものと病気が疑われるものがあります。

生理現象の場合は、鼻に何らかの刺激物がある状態なので特に問題ありません。

しかし、くしゃみが何回も出続けたり他の症状が見られたりする場合は、病気の可能性が高いです。

猫のくしゃみの原因になるのは、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・猫風邪などがあります。

飼い主は猫のくしゃみを予防するためにも部屋を清潔に保ち、ブラッシングを丁寧に行いましょう。

また、ワクチン接種や健康診断も病気を予防するために大切です。

猫が病気になりにくい環境に整え、くしゃみの苦しみを無くしてあげましょう。

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