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はじめに
猫の目や目の周りが赤くなっていたら、炎症が起きているか何かしらの異変が目に起きている可能性が高いです。
放っておいて手遅れになってしまう前に、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
今回は目の赤みが見られた時に考えられる原因や対処法・動物病院に行くタイミングについて解説します。
猫にとっても目は生活に欠かせない大事な身体の一部なので、悪化させて取り返しがつかなくなる事がないようにぜひ参考にしてください。
目の周りが赤いけど大丈夫?
猫の目が赤いと言ってもどこの場所が赤いかによって考えられる病気が違います。
赤くなっている部分 | 考えられる病気 |
まぶた |
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目のまわり |
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目の中 |
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病気の他にもゴミやほこりが目に入った事による刺激や引っ掻いた時の傷、目の乾燥なども考えられます。
猫の目が赤くなってしまった原因は素人ではなかなか判断がつかないので、最悪の場合気付いた時には悪化していて失明してしまう事もあります。
早期発見・早期治療開始が望ましいので、異変を見落とさないためにも毎日愛猫の健康チェックをしましょう。
長毛種の猫や黒い被毛の猫は、目の赤みに気付きにくいので特に注意が必要です。
猫の目の周りが赤くなる原因
愛猫の目の周りが赤くなっていた時すぐに対応できるように、原因やそれぞれの疾患の特徴を確認しておきましょう。
また、取り除ける原因がある場合は、早急に対処してください。
アレルギー反応
原因 | 症状 |
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アレルゲンが原因で目にアレルギー反応が起こると、目の周りに赤みや眼球の充血が起こります。
数日様子を見れば症状が落ち着く事もありますが、放置していると目の視力が落ちたり最悪の場合失明するリスクがあるため注意が必要です。
症状が目の充血のみなど軽い場合は様子を見ても良いですが、アレルギーは原因特定しないことには症状が改善することはありません。
アレルギー反応が出たらなるべく早く動物病院に連れて行き、原因に適した治療を受けてください。
角膜炎
原因 | 症状 |
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角膜炎は、目の1番外側の角膜が炎症を起こしている状態です。
通常時の猫の目は、角膜に細菌やウイルスなどが付着しても涙で洗い流せますが、喧嘩による外傷や何らかの原因で目に傷がついてしまうとそこから菌が入り感染します。
予防のためには、喧嘩をさせない・目に傷がついてしまったら汚い手で触らせない事が大事です。
結膜炎
原因 | 症状 |
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結膜炎は、上下にある瞼の内側の粘膜が炎症を起こしている状態です。
主な原因は猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)や、猫カリシウィルス感染症などのウィルス感染症やクラミジアなどの細菌感染症が引き金になっています。
アレルギーや異物が入った時にも症状が出るので、素人目での判断が難しいです。
症状が悪化すると目やにがひどくなり瞼がくっついてしまい、そのまま放置すると眼球と結膜がくっついて手術をしないと瞼が開かなくなる場合があります。
異変に気付いた場合は早急に動物病院に連れて行き、適切な治療を受けてください。
ぶどう膜炎
原因 | 症状 |
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ぶどう膜炎は、目の中間の層の膜であるぶどう膜に炎症が起こっている状態です。
ぶどう膜は眼の中へ血液や栄養を運ぶ役割があるため、悪化すると眼だけでなく全身の状態にも影響を受ける可能性があります。
原因は外傷だけでなく様々な病気からの波及が考えられるので、危険な状態にならないためにも早急に動物病院で診察してもらう必要があります。
猫伝染性腹膜炎・猫白血病ウイルス感染症・猫エイズ(FIV)・トキソプラズマ感染症・全身性真菌感染症などの特殊な疾患から引き起こされている場合もあるので、根元である病気の治療も進めましょう。
眼瞼炎
原因 | 症状 |
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眼瞼炎は、眼瞼と呼ばれる瞼の炎症が起こっている状態です。
原因は細菌や寄生虫が瞼の周囲に感染したり、瞼周囲の外傷から感染し炎症を起こしている可能性があります。
また、免疫の異常によって感染していないにも関わらず症状が出ている場合もあるので、早急に動物病院で専門の獣医の診察を受けましょう。
瞼に痒みが出るため前足で目を擦ったり、床に顔を擦り付けることがあり、余計に怪我をする危険もあります。
感染症
原因 | 症状 |
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感染症とは、ヘルペスウイルスやクラミジアに感染すると目が充血したり赤くなる症状が現れることを言います。
治療をせずに放っておくと慢性化してしまい、結膜が赤い状態が続き涙が常に出てしまう流涙症になるリスクも高まります。
感染源であるウイルスや細菌を無くさないといけないので、動物病院で適切な抗菌薬を出してもらう必要があります。
悪化すると手遅れになってしまうので、気付いたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
寄生虫
原因 | 症状 |
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目に寄生する寄生虫に1番多いのが東洋眼虫です。
身体は細長く大きさは10〜16mm程度で粘膜の間に寄生します。
東洋眼虫は、メマトイという小さな昆虫により媒介され、感染動物の目やにや涙を舐めたメマトイに寄生虫が入り込み、他の動物の目やにや涙を吸う時に寄生するというサイクルです。
寄生すると結膜の間や眼球で寄生虫が動き回るため、物理的な刺激により症状が現れます。
治癒するためには寄生虫を除去する必要があるので、専門の獣医がいる動物病院で診察を受けてください。
一度で取り除くのが難しく数日に分け、数回治療が必要になるケースも多いです。
なるべく早く治療を開始しましょう。
砂やほこりなどの刺激
原因 | 症状 |
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猫は、病気以外でも砂や埃などの異物が目に入ったことによる刺激で炎症を起こす可能性があります。
一時的に目が充血している場合は様子を見る事も可能ですが、違和感を感じて前足で目を擦ったり床に顔を擦り付けてしまう時は動物病院で診てもらってください。
掻いたり擦る事で目の周りが傷付く可能性があるので、早急に異物を取り除いてもらいましょう。
目が乾燥している
原因 | 症状 |
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ドライアイは涙の量が減少し、表面が乾燥する事で症状が出ます。
重度になると視覚障害が出てしまうので、ただの乾燥と思っていては危険です。
早急に動物病院へ連れて行き、症状の重さによって適切な治療を受けましょう。
自宅でもエアコンや扇風機の風が直接当たらないように調節したり、適度に湿度を保つようにしてください。
涙道の閉塞
原因 | 症状 |
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涙道の閉塞による症状は、鼻涙管を通って鼻に出て行く涙が、鼻涙管が詰まったり狭くなったことで排泄されずに目に溜まってしまうのが原因です
涙道が閉塞してしまうのは、先天的な異常と後天的な異常があります。
先天的な異常としては、ペルシャなどの鼻の短い短頭種は骨格上鼻涙管が折れ曲がって涙液が流れにくいです。
また、生まれつき鼻涙管の入り口が閉じている奇形の子もいます。
後天的な異常としては、目の炎症や鼻炎が波及して鼻涙管が腫れて狭くなってしまったり、鼻涙管の入り口が詰まる事が原因です。
猫風邪などの感染症や子猫の時にかかった猫風邪が原因で、完全に鼻涙管の入り口が閉じてしまう場合もあります。
他にも鼻涙管の周囲に腫瘍ができて、鼻涙管を圧迫している可能性もあるので注意が必要です。
愛猫の涙の量が増えて止まらない場合は、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
病院へ連れて行くタイミングは?
基本的に猫の目に異変を感じたら、動物病院で専門の獣医に診てもらうのが安心です。
しかし、飼い主の方もすぐに連れて行けない事情もあると思います。
猫の症状によって早急に連れて行かないといけない場合と、様子を見て悪化していたら連れて行く場合のタイミング基準を解説するので、判断をする時の参考にしてください。
症状が数日間続いているとき
目や目の周りが赤くなっている症状が数日続いている場合は、何かしらの病気になっている可能性が高いです。
そのうち治るだろうと放置してしまうと、悪化して重症化てしまう事もあるのでなるべく早く動物病院に連れて行ってください。
すぐに症状が落ち着いて異変がなくても心配な時は動物病院に連絡して専門の獣医の指示に従いましょう。
赤みが悪化しているとき
猫の目の赤みが悪化している時は、病気の症状が進行してしまっている可能性が高いです。
悪化すればするほど治療には時間がかかりますし、最悪の場合手遅れになり失明する危険もあります。
症状がひどくなる前に治療が開始できるのが望ましいので、自己判断で様子を見るのはやめてください。
専門の獣医の指示の元、自宅で様子を見ている場合も、少しでも症状が悪化したらすぐに動物病院に連れて行ける準備をしておきましょう。
他の症状を伴うとき
猫の目や目の周りが赤いだけでなく、その他の症状が出ている場合は危険な状態です。
赤みと一緒に出やすい症状を紹介するので、愛猫に同じ症状が出ていないか確認してください。
確認する症状 | 考えられる病気 |
涙が出ていないか |
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目ヤニが出ていないか |
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膿や白い目ヤニが出ていないか |
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充血していないか |
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目の中が濁っていないか |
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左右の目の色や大きさが一緒か |
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黒目以外に黒い部分がないか |
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目頭に赤い突起や白い膜がないか |
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目の赤みに伴ってほかの症状が出ている場合は、病気が悪化していたり目にとって良くない状態になっている可能性が高いです。
中には失明の可能性が高い病気もあるので、早期発見・早期治療を開始することが望ましいです。
特に他の症状が出ている時は軽度の病気ではない事が多いので、タイミングを見計らわずに気付いた時にすぐに動物病院へ連れて行ってください。
頻繁に目をこすっているとき
猫が頻繁に目を擦っている時は、目に異変を感じている時です。
痒みや痛み、見えにくいなどの症状がある時に気になって触ってしまいます。
確実に異変がある時の行動なので、早急に動物病院に連れて行きましょう。
そのまま放置してしまうと、擦りすぎて目が傷ついてしまったり怪我してしまう危険があります。
すぐに動物病院に連れて行けない時は、目を擦らせないようにエリザベスカラーをつけるなど応急処置をしておくと安心です。
いつもと違う様子が見られるとき
愛猫の目や目の周りが赤いだけでなく、いつもと違った行動や仕草をしていたり、元気がない様子の時はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
猫がいつもと違う行動や仕草をしている時は、身体に異変を感じている時です。
元気がない様子の時も確実に何らかの症状が出ているので、身体に異常があります。
いつもと違う様子の時は、早急に原因を特定し治療を開始しなければ最悪の場合手遅れになる可能性もあるので注意が必要です。
猫の目の周りが赤いときに家でできる対処法
猫の目や目の周りが赤くなっている時に、動物病院での治療以外で家でできる対処法を紹介します。
病気の予防や悪化防止に役立つのでぜひ試してみてください。
目の周りを清潔に保つ
目にウイルスや細菌が入ったり、炎症を起こさせないためには清潔に保つ事が大事です。
しかし、猫の目の周りはデリケートな部分なので優しくケアしてください。
ケアの方法は、濡らしたガーゼや綿棒などで優しく目の周りの汚れや目ヤニを取ります。
毛の流れに沿って上から下に向かって、撫でるように拭いてあげてください。
その時に乾いたティッシュや、ペーパータオルなどの繊維の粗いものは角膜や皮膚を傷つける可能性があるのでなるべく使わないようにしましょう。
目ヤニが固まっている場合は無理に剥がさずに、濡らしたガーゼなどでふやかしてから優しく取り除いてください。
目の周りを清潔に保つことは大事ですが、嫌がっているところを無理矢理ケアするのはケガやストレスの原因になるので危険です。
自分でケアするのが難しい場合は、動物病院やペットサロンでケアしてもらいましょう。
アレルゲンに触れないようにする
猫の目や目の周りが赤くなるのがアレルギーのせいならば、原因となるアレルゲンに触れないようにしましょう。
花粉やハウスダストが原因の場合は、部屋の掃除をこまめにしてください。
空気清浄機など花粉やハウスダストを除去できる物を置くのもおすすめです。
原因が食物の場合は、触れさせない・食べさせないようにしましょう。
症状が悪化するとアナフィラキシーになる可能性もあるので、猫のアレルギーの原因になるものは周りから除去するのが望ましいです。
免疫力をあげるために栄養価の高い食事を与える
免疫力の低い子猫や高齢の猫は結膜炎などの病気になりやすく、重症化もしやすいです。
成猫であっても免疫力が高い状態では発症しないのに、免疫力の低下に伴って発症してしまうケースもあります。
免疫力を上げて病気になる確率を下げるためにも、栄養価の高い食事をとって免疫力を上げるのが大事です。
基本的には猫に必要な栄養素がバランスよく含まれている総合栄養食を与えるようにしましょう。
悪化する前に適切な治療を受けることが大切
どんな病気でも早期発見・早期治療開始をすることで治る確率がグンと高くなります。
猫にとって目は生活をする上で必要不可欠な体の一部です。
症状が悪化して、失明の危険性が高まる前に適切な治療を受けさせましょう。
猫は自分で病院に行く事ができないので、飼い主が責任を持って専門の獣医がいる動物病院に連れて行ってください。
自己判断で解決しようとせず獣医の指示の元、原因を特定し適切な治療を受けさせる事が回復への近道です。
どうしても動物病院にすぐに連れて行くのが難しい場合は、動物病院に電話をして相談しましょう。
かかりつけの動物病院がお休みや夜間の時間帯の場合は、365日24時間獣医が電話やメールで相談に乗ってくれるサービスもあります。
その場で愛猫の様子を伝えて、どんな対応をすれば良いのか指示してもらい対応しましょう。
的確に様子を伝えられるように、いつもと違う様子があればメモをとっておくのがおすすめです。
まとめ
今回は猫の目や目の周りが赤くなっている時の原因や対処法を紹介しました。
愛猫にいつもと違った様子や異変があると、とても心配になりますが、飼い主は冷静に判断し早急に治療を開始してあげないといけません。
自己判断で様子を見ずに、動物病院に連れて行くか専門の獣医に指示してもらいましょう。
早期発見・早期治療開始が愛猫の回復への1番の近道です。
愛猫の健康を守るためにも、日頃からコミュニケーションを取り異変にすぐに気付けるようにしましょう。