健康

【獣医師監修】猫がご飯を食べない原因って何?対処法も解説

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はじめに

ネコの食欲不振1

愛する家族である猫が突然ご飯を食べなくなると、飼い主としてはとても心配になります。しかし、猫が食事を拒むには様々な理由が存在することをご存じですか。

この記事では、猫がご飯を拒む主な理由や、それにどう対応すればいいのかを獣医師監修のもと、詳しく解説します。

食事の変更、健康状態のチェック、ストレス管理など、猫の食欲不振は何が原因なのかを知り、愛猫が健康的な食生活を維持できるようサポートしましょう。

猫がご飯を食べなくなる原因とは?

猫がご飯を食べなくなる原因はいろいろありますが、その中でも特に5つの理由が考えられます。

これらの原因を理解し、愛猫の健康を守るために適切な対応をおこないましょう。

同じ食事に飽きてしまう

猫がご飯を食べなくなる原因の一つとして、同じ食事に飽きてしまうことが挙げられます。

猫は味覚が発達していて敏感なため、長期間同じ種類のフードを続けると飽きやすくなります。

おやつは食べるのにフードは食べないという状況なら、食事に飽きてきているのかもしれません。

食事に変化を与えることで、猫の食欲を刺激して食欲が戻ってくる場合があります。

味やフードの種類、大きさなどにも好みがある為、色々試してみると良いでしょう。

また、本能的に猫自身が求めている栄養バランスと違うと判断し、食べないこともある為、その辺りも含めフードを検討してみましょう。

病気の可能性

猫が食事を取らない一番の心配事は、何らかの病気が原因となっている時です。

食欲不振は多くの健康問題の初期サインでもあります。

食欲不振が長引く場合、内臓の病気や泌尿器の病気、口腔内の病気などが隠れていることが考えられるため注意しなければいけません。

内臓に原因がある場合は、ご飯を食べなくなったり、消化器系に問題があれば嘔吐や下痢などの症状も合わせてみられるかもしれません。

猫は基本的によく寝る動物ですが、お腹を守るような姿勢で寝ていたり、いつもと違う場所で寝ていたりする場合には体調不良のあらわれの場合もあります。

食欲不振が長引く場合には、病気の可能性も考え早めに獣医師に相談することが大切です。

猫の発情期

猫が発情期に入ると、食欲が減少することがあります。

特に避妊や去勢手術をしていない猫には多くみられる症状です。

発情期のサインは、落ち着きのない行動を見せたり、雌猫がやたらと甘えてきたり独特の声で鳴き始める時で、それに誘発された雄猫は高い独特の声で鳴きマーキングが始まります。

この時期は食事への関心よりも繁殖行動に集中する傾向にあるため、一般的な症状といっていいでしょう。

雌猫は発情期にはエネルギーを消耗しているにもかかわらず、食欲が低下したり体調を崩すことがありますが、一時的なもので、発情期が終われば通常の食欲に戻ることがほとんどです。

発情期の管理としては、避妊手術を考えることも一つの方法といえるでしょう。

ストレスの可能性

猫は環境の変化やストレスに敏感な動物です。そのため猫がご飯を食べなくなる一つの原因としてストレスが関係している場合があります。

新しいペットが増えた、引っ越しをした、家族構成の変化があったなど、いろいろな要因がストレスとなり、食欲不振につながることが考えられます。

猫がご飯を食べない場合は、生活環境や日々の変化に注目して、安心できる安全な空間を作ってあげることが重要です。

また、定期的な遊びや撫でたり抱っこしたりするスキンシップは、猫のストレス軽減にもなります。

まずは環境を整え、猫が安心して過ごせるようスキンシップも多めにとってあげましょう。

老化による消化機能や嗅覚の衰え

猫がご飯を食べなくなる原因の一つとして、高齢にともなう消化機能や嗅覚の衰えが考えられます。

猫が歳を取ると消化器官の効率が低下し、食べ物を消化しにくくなるほか、嗅覚の衰えにより、食べ物の香りを感じなくなり食欲がそそられなくなります。

このような高齢となっておこる変化は、猫が食事に興味を示さなくなる大きな理由の一つです。

高齢の猫にとって食欲低下は、栄養不足となり病気を引き起こす原因にもなるため、注意してあげましょう。

消化しやすく、栄養価の高い食事を与えることで栄養不足を防ぐことができるので、フードの見直しを検討してもいいかもしれません。

また、いつもくつろいでいる寝床からご飯までの距離が遠かったり、食器が食べにくいものだったりする場合も、高齢の猫が食欲低下の原因となる要因です。

今まで当たり前に生活できていた環境だとしても、高齢の猫にとって負担となっている場合もあることを頭に入れておきましょう。

こんな症状がある場合は病院へ連れて行ってみよう

ネコの食欲不振2

猫の健康状態を正確に把握するためには、獣医師の診察を必要とする時があります。

猫の異常な行動や体調の変化を獣医師に伝え、どのような健康状態なのかを診断してもらいましょう。

おしっこがでない

猫はもともとおしっこの量が少ない動物ですが、食欲不振と同時に、トイレに行くけど何もしないで戻ってきてしまうなど、おしっこを全く出せていない状態は注意が必要です。

なぜおしっこをしないのか原因を見つけなくてはいけません。

トイレや砂が気に入らない場合や、ストレスでおしっこを我慢している場合はまずは安心できる環境を整えてあげましょう。

そのほか、病気が原因でおしっこが出ない場合もあることを考えなくてはいけません。

尿が作られていたとしても、尿路閉塞や重度の膀胱炎が原因で出ないことも考えられます。そのまま放っておくと命にも関わることがある危険な病気です。

尿路閉塞は特に雄猫に多く、膀胱内の圧力が上昇し、腎臓への損傷や体内の毒素蓄積を引き起こす可能性があります。

また、腎機能の低下などでおしっこが作られていない場合もあります。

猫がおしっこの姿勢をしているのに出ない、またはおしっこの量が極端に減っている場合には、すぐに獣医師の診断を受けましょう。

吐く

猫が頻繁に吐く場合、これは消化器系の問題、感染症、毒素摂取などさまざまな原因が考えられます。

食欲不振と共に、吐くことが続いている場合には、獣医師の診断を早めに受けましょう。

猫はよく吐く動物ですが、普段とは違い血が混じっていたり、連続して吐いたり、脱水や体重減少を伴う場合には緊急性を要します。

早めに獣医師に正確な診断、処置をしてもらうことで猫の苦痛を少しでも軽減することを一番に考えましょう。

食べたいけど食べられなさそう

猫が食べ物に興味を示すものの、実際には食べられない様子は、口内疾患や消化器系の問題が考えられます。

歯や歯茎の痛み、口内の損傷、食道の異常など、食べ物を咀嚼することや飲み込むことが困難な状態なのかもしれません。

このような症状は、痛みや不快感を感じる為、猫が食事を避ける原因になります。

食べたいそぶりは見せるのに、食べられなさそうな場合は、頻繁に口を気にしていないか、よだれの量は増えていないか、普段と口臭の違いはないかなどを確認してあげましょう。

未治療のままにしておくと、栄養不足や脱水症状につながる恐れがあります。

水を飲む量が増えた

食欲不振でありながら、水を異常に多く飲む場合には、糖尿尿や腎臓病、甲状腺機能亢進症などの可能性があります。

これらの状態は、体内の水分バランスに影響を与え、過剰な水分摂取と尿の量を増加させます。

特に、食事量の変化や体重の変化がある場合には、糖尿病や腎臓病の初期の兆候の可能性が高いため、獣医師による検査が必要です。

早期回復のためにもこれらの症状がみられた場合には迅速な対応が求められます。

元気がない

食欲不振でありながら、猫が普段と比べて元気がない場合、これは様々な健康上の問題が考えられます。

元気がないという状態は、活動性の低下、遊ぶことなどへの興味の低下、異常なほどの睡眠とさまざまな状態です。

このような症状は、単なる食欲の減少以上の問題が隠れている可能性が高い場合があります。

猫が体調不良、痛み、不快感を感じている可能性があるため注意しなければいけません。

内臓疾患、感染症、栄養不足、ストレスなどたくさんの原因も考えられます。

食欲不振以外にどのような症状があるか猫の状態をしっかり観察し、気になることがあるなら早めに獣医師に相談しましょう。

猫にご飯を食べない時の対処法

ネコの食欲不振3

猫が食欲不振になったらどのような対処法をすれば解決に向かうのでしょうか。

食欲不振の原因は様々なものが考えられ、それに応じた対処法を試すことが大切です。

再び健康的に食事をとってくれるよう食事のサポートをしてあげましょう。

フードの種類を変えてみる

猫がご飯を食べない場合の一つの対処法として、フードの種類を変更してみる方法が有効的です。

猫は味や食感に敏感な動物で、同じフードに飽きてしまうことがあります。フードには、異なる味や硬さなどがあるので、新しい味や食感に切り替えることで食欲を刺激できるでしょう。

フードを変える時には急に変えるのではなく、これまで食べていたフードに少しずつ混ぜながら数日かけてゆっくり切り替えていきます。

新しいフードが猫に合うかどうか様子をみながら、慣れさせることが大切です。

また、猫の年齢や健康状態に合わせたフード選びも重要となります。

子猫用、成猫用、高齢猫用など、ライフステージに合わせた栄養バランスを考慮したフード選びをすることで、猫が新しい食事に興味を示し、食欲が回復することが期待できます。

フードを少し温めてから与えてみる

猫がご飯を食べない場合の対処法の一つとして、フードを少し温めてから与える方法が効果的です。

フードを温めることで、その香りが強まり、猫の食欲を刺激できます。

特にウェットフードは常温や少し温めるだけで香りが強くなり、猫が食事に興味を示しやすくなります。

フードを温める際には、熱すぎないように注意してください。

猫に火傷をさせないため、人間の手の平で感じる程度の温かさにしておきましょう。

飼い主の手から与えてみる

飼い主の手から直接フードを与えることで、猫と飼い主との信頼関係が深まるとともに、食事に対する興味を引き出すのに役立ちます。

この方法は、特に新しい環境やストレスを感じている猫に効果的です。

食欲が落ちてきたときには一番に試してみると良いでしょう。

手から食べさせてあげることによって、安心感を与えられるだけでなく、食欲を刺激することが可能となります。

手から食べることに慣れていない猫には、少しずつ量を増やしながら慣らしてください。

しかし手であげることが癖になってしまうと、お皿から食べられなくなる場合があるためやりすぎには注意が必要です。

食べやすい食器に変更する

食器の形や大きさは猫の食事に大きな影響を与えることがあります。

猫は食器の形や大きさに敏感です。

深すぎる食器や幅が狭い容器は、猫が食べにくいと感じストレスとなることがあります。

猫が顔を食器にうまく入れご飯を食べられるよう、平たい食器や、髭が触れない程度の深さのある食器、少し高さのある食器に変えることで食事がしやすくなるはずです。

また、滑りやすい食器の場合には動いて猫が食べづらく感じたり、食事に集中できなかったりする可能性があります。

食器が動かないよう固定するか、滑らないマットの上におくなどの対策をしてあげましょう。

安心して食事ができる環境は猫の食欲にもつながってきます。

運動量を増やす

適度な運動は、猫の健康を維持するだけでなく、食欲を刺激する効果もあります。

日常的な活動量を増やすことで、猫の代謝が活発になり、食事に対する興味がわいて自然に食欲へとつながります。

運動量を増やすため、新しいおもちゃを買って遊んだり、1日の間に遊ぶ時間を普段より増やしたりしてみましょう。

キャットタワーへの上下運動は、消費カロリーが高められます。

おもちゃを使って誘導し、楽しく運動量を増やしてください。

運動を通じてストレスの解消にもなり、健康的な食事量を取り戻せる可能性があります。

ただし、運動は猫の年齢や健康状態に合わせて適切に調節してあげましょう。

自動給餌器などを利用して小分けにして与える

自動給餌器は一定の時間に、設定された量のフードを自動で与えてくれるものです。

猫が一度に大量に食べることを防ぎ、1日のうち均等に食事が摂れます。

この方法は、食欲が低下している猫にとって食事の圧迫感を軽くし、少量ずつでも定期的に食べる習慣をつけることに役立つといえるでしょう。

また、飼い主が家にいない間も猫の食事の管理ができるため、忙しい飼い主にも便利でおすすめです。

まとめ

ネコの食欲不振4

いかがでしたか。

この記事では獣医師監修のもと、猫の食欲がない時の具体的な原因や対処法について詳しく解説しました。

食欲不振の原因としては食事の問題、健康問題、猫の発情期やストレス、老化による感覚の変化などが考えられます。

その対処法として、まずは食欲不振以外に体調の変化があるのかを観察することから始めましょう。

健康状態を観察し、気になることがあれば獣医師の指示を仰いだり、対処法を実践したりしてください。

愛猫の健康と幸せを守るために、飼い主であるあなたがしっかり対策をし、適切な対応をしていきましょう。

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