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はじめに
飼っている猫が最近一緒に遊ばない事や食事の量が減ったと心配することがあります。
猫の平均寿命は14.4歳で人間でいえば72歳になります。
人間の平均寿命が男女平均で約84歳と人間と猫の平均寿命が近づいてきています。
飼い主にとって愛する家族には長生きして欲しいものです。
猫は何歳から高齢扱いになるかを理解することで、猫にとって安心する環境を作ってあげられます。
猫のシニア(高齢期)からの生活と老化のサインを知って飼い主と猫がストレスがないシニア対策を知りましょう。
猫の高齢期は何歳から
猫は人間の4倍のスピードで年をとるので、1歳になると猫は成猫として扱われます。
高齢期といわれるとしは7歳からが主流です。
7歳から劇的に変化はありませんが、徐々に変化が現れます。
この章では猫の年齢別に起こる変化を紹介します。
7~10歳:中高年期
7歳からはシニアと呼ばれる世代になります。
体内の老化が始まる時期で、徐々に代謝機能や循環器系、免疫系などの身体能力が衰えていきます。
見た目はいつもと変化はありませんが、体内では着々と老化が進んでいるイメージです。
7〜10歳頃の対応はシニアに向けた環境作りを少しずつ取り入れることです。
特に食事管理は大事です。
人間の高齢期と同じ様にシニア猫は食事の好みが変化します。
今までは脂っこい食べ物を好み、食事量も早食いだったのが、シニアになるにつれてムラ食いに代わり、脂っこい食べ物を受け付けなくなります。
キャットフードも年齢に合わせたフードに変える事をオススメします。
加齢臭がでるのも7歳ごろからです。
オシッコの匂いがいつもより強烈になることや毛の匂いが少し変化するのは加齢による変化です。
慌てず様子をみて変化に対応しましょう。
11~14歳:高齢期
11歳からは高齢期に突入します。
人間でいえば60歳になるので、体力面や身体面はしっかり管理しましょう。
猫の様子は毎日寝てばかりになり一緒に遊ぶことが減ります。
運動をしなくなるので、筋肉が落ちて痩せやすくなります。
そのため食欲も落ちるので、少量でも栄養価が高いフードを選びましょう。
歯の不調も起き始めるので、フードは柔らかいウェットタイプのフードを取り入れるのがオススメです。
また、猫が嫌がらなければ、固形のフードを少し水でふやかして与えるのもオススメです。
特に夏場は脱水症状が起こりやすくなるので、飲み水を置く場所をいつもより増やしてあげましょう。
定期検診は半年に1度を目安に少しでも体に異変がある場合はすぐに診察をして病気の早期対応を心がけましょう。
15歳以上:老齢期
猫の平均寿命は14.4歳です。
15歳以上の猫は老齢期に入り、ほとんど寝たきりになる場合もあります。
猫の寿命は年々延びているともいわれ、ここ10年で1歳平均寿命が延びています。
また、猫によってはお漏らしをしたり、認知症になったりするので猫の介護が必要になる歳になります。
体温調節も苦手になるので、室内温度を高くしたり、猫が寝ている場所にカイロや暖房機器を置いて暖かくしましょう。
猫の年齢を人間に換算すると
猫は人間の4倍のスピードで成長するといわれます。
一般的な猫と人間の成長速度をあらわしたグラフになります。
上記のグラフから1歳から猫は大人の猫になります。
体力や運動面で劇的な成長をし一人前の猫に成長します。
この章では猫のライフステージを細かく解説していきます。
猫の生活スタイルを理解することで猫と飼い主がストレスなく快適な環境を整えることができます。
学生
猫にとっては生まれてから1歳までの頃になります。
この年代は人間でいえば学生と同じ年代です。
猫も社会生活を学び、飼い主との信頼関係を築く年頃です。
猫の生涯の中でもヤンチャで手に負えないと思う飼い主が多いと思います。
この年代の猫は遊びを通して社会性や生活リズムを教えてあげましょう。
身体面はまだ弱いので、定期検診は3ヶ月に1回を目安に診察をし、ワクチン接種や避妊去勢手術やマイクロチップの埋め込みを行います。
20~40歳
人間の20〜40歳は猫でいえば1歳半〜6歳頃までです。
人間も猫も20歳からは成人・成猫として扱われます。
この頃の猫は気性が穏やかになり、意味もなく暴れることが減ります。
飼い主としても猫の醍醐味が味わえる年代になります。
体力面や身体面もピークになり健康面は落ち着きます。
40~60歳
人間の40〜60歳は猫でいえば6〜11歳ごろになります。
この頃から高齢期へ突入する年代になるので、生活環境をシニア対応に変更しましょう。
7歳ごろからは徐々に体力が落ちて寝てばかりになります。
活発な動きが減り、飼い主との遊びも少なくなります。
見た目は成猫と変化はありませんが、徐々に老猫への道を進んでいます。
匂いに関しては加齢が進むので、オシッコは強烈な匂いに変化します。
シニア用の猫砂へ変えたり、こまめな換気をして室内の環境を整えましょう。
60歳以降〜
人間の60歳以降は猫でいえば12歳以上になります。
免疫機能が弱まり、病気にかかりやすくなります。
高齢猫がかかりやすい病気としては高血圧や糖尿病、認知症など人間の高齢者がかかりやすい病気と同じです。
日常生活ではほとんど寝て生活します。
関節炎になりやすく、動くことが億劫になる猫もいるのでタンパク質などの筋肉を維持する栄養素をたくさん摂取して健康寿命を1日でも長く伸ばす生活を送りましょう。
猫の老化のサイン
猫は弱みを見せない習性があるので、老化のサインに気づきにくい動物です。
スキンシップは老化サインを確認する一つの方法になります。
猫の体を撫でたり触ったりして違和感がないかを確認しましょう。
この章では猫の老化のサインを紹介します。
猫が歳をとるとおこる現象を理解して健康寿命を伸ばしましょう。
毛並み
猫の被毛は毛繕いで綺麗に整えられています。
老化が始まると寝ている時間が多くなるので、毛繕いをする時間がへり、毛並みが悪くなります。
猫の老化のサインに「毛割れ」という現象があります。
毛割れとは10歳頃の猫が起こりやすい現象で、毛が束になって割れてしまうことです。
原因は老化からくる皮脂の分泌異常です。
毛並みのツヤを少しでも改善する方法は食事です。
猫の健康的な食生活はタンパク質を多めに摂取することです。
食事から摂取したタンパク質の約25%〜30%が皮膚や被毛のために使われるとされています。
タンパク質は被毛や皮膚の健康維持に必要な栄養素です。
足が細くなる
人間も同じですが、高齢になると動くことが億劫になります。
猫の高齢期も寝てばかりで動くことが少なくなります。
高齢猫は動くことが少なくなるので、足の筋肉が減り細く見えます。
筋肉が細くなると今まで出来ていた上下運動や活発な遊びが少なくなります。
また、体力もおちるので一緒に遊んでもすぐに飽きてしまいます。
筋肉量を維持するには飼い主との遊びを積極的にすることです。
キャットタワーなどの上下運動は転倒して骨折する恐れがあるので控えましょう。
飼い主との無理のない範囲で遊ぶことで運動効果とリラックス効果があります。
高齢猫にはマッサージで筋肉を刺激することもオススメです。
ヒザをゆっくり曲げたり伸ばすマッサージをすることで屈伸運動の効果があります。
関節に痛みがある場合があるため、嫌がるようであれば無理に行わないようにしましょう。
また肉球を刺激することもオススメです。
肉球全体を優しく揉みほぐすことでツボが刺激されデトックスとリフレッシュが出来ます。
1日3分程度を毎日実行して高齢猫に刺激を与えてあげましょう。
目ヤニが増える
高齢猫は目ヤニが増えやすくなります。
原因としてはグルーミングの頻度が下がり、目元へのケアがおろそかになることです。
目ヤニ自体は生理現象なので、病気のサインではないです。
ですが、過度な目ヤニは結膜炎のサインになるので、動物病院への受診をオススメします。
目ヤニは放置すると固まり目が開けられない場合があります。
濡れたガーゼを使って毛の流れにそって優しく拭き取ってあげましょう。
動きが鈍くなる
高齢猫の多くは関節炎に悩まされます。
12歳以上の90%の猫は関節炎を発症しているとされています。
関節炎とは特に雑種とスコティッシュフォールドに多い症状で、骨と骨を繋ぐ軟骨や周辺組織が何らかの原因で変形して炎症を起こす病気です。
症状はジャンプが出来ない、トイレや爪研ぎをしない、痛みのために怒りやすくなります。
対処方法としては病院への通院と痛み止めの処方や軟骨成分を補うサプリを飲むことです。
歩き方に違和感を感じたら動物病院を受診する事をオススメします。
食欲が減る
高齢猫をもつ飼い主はご飯をあまり食べてくれないと悩みますよね。
運動をしなくなるので食事量も減ります。
また基礎代謝が落ちるので標準の摂取量も減ります。
食事量はフードによって異なるので、年齢に合わせて表示している量を与えましょう。
また、食欲が減る原因は歯が抜けて思うように食べられないこともあります。
特に高齢猫は歯周病で歯が抜けることがあります。
カリカリが大きく食べずらい場合は食べることを諦める場合があるので、ウェットフードと一緒にあげたり、柔らかいドライフードへ変更することをオススメします。
高齢猫になると病気によって食事が摂れない場合もあります。
主に高齢猫がかかる病気は下記になります。
- 慢性腎不全
- 糖尿病
慢性腎不全とは10歳以上から発症する病気とされます。
猫の腎臓病の原因は明確には判明しておりませんが、ユリ中毒やウイルスから引き起こされます。
3頭に1頭が腎臓病を発症するとされているポピュラーな病気です。
腎臓病の症状として下記の症状がよくみられます。
「腎臓病の症状」
- 水を多く飲む
- たくさんオシッコをする
- 嘔吐
- 下痢
- 口臭と口の痛み
- 食欲不振
- 体重減少
- 毛ツヤが悪くなる
上記の症状が現れた場合は動物病院への受診をしましょう。
また、腎臓病ケアの食事への変更もオススメです。
耳が遠くなる
高齢猫の耳が遠くなることは自然なことです。
人間の高齢者も猫と同じく耳が聞こえづらくなります。
耳が遠くなると猫は不安になり下記の行動を取ります。
- 大声で泣くようになる
- 攻撃的になる
- 腎臓病などの病気のサイン
猫や犬は視力が見えにくい代わりに音を頼りに生活をしています。
猫の聴覚は人間の約3倍以上の音を聞き分けると言われています。
生活している中で耳が遠いかなと思う時はまず耳の中の確認をしてみてください。
耳垢が詰まっていないかをチェックします。
もし詰まっている場合は綿棒で無理のない程度で軽く拭き取りましょう。
耳垢の除去を嫌がったり、中耳炎などの炎症反応がある場合は動物病院への診察がオススメです。
おもちゃに興味を示さなくなる
猫の加齢によって好奇心が減ることは自然なことです。
新しいおもちゃへの好奇心が少ない場合は子猫の頃から遊んでいるおもちゃで遊んであげましょう。
遊びのポイントは「素早い動きについていけない」ことを意識して、猫に合わせた早さで遊ぶことです。
普段から大事にしている人形などやテントがある場合は人形を投げて取ってくる遊びを取り入れたり、テントに隠れている時に猫じゃらしを使ってモグラ叩きのような遊びをとりいれるのをオススメします。
高齢猫をお世話する時の注意点
高齢猫をお世話する時の注意点はお互い無理をしない事です。
大切な飼い猫が1日でも長く生きられるように事前に高齢猫のお世話をするポイントを理解しましょう。
猫と飼い主がストレスなくシニアライフを満喫するためのポイントを紹介します。
健康診断
猫は元々怪我や病気を周囲に隠す習性があります。
病気のサインは素人では気づきにくい時もあり、健康診断は必須です。
健康診断の目安は7歳以降は半年に1度、診察の他に血液検査や尿検査、便検査などを受けることをオススメします。
健康診断のメリットは獣医師による食事管理や生活改善方法を教えてくれる事です。
猫の習性や特徴を医学的観点からアドバイスをしてくれるので参考になります。
フードを食べやすいものに変えてあげる
フードは年齢別や目的別によって様々あります。
7歳以降は高齢猫用のキャットフードに変更する事をオススメします。
高齢猫は歯周病で歯が抜ける場合があります。
フードの硬さは柔らかく高タンパク質のフードへ徐々に変更しましょう。
猫は7歳以降は太りやすく、11歳以降は痩せやすくなります。
これは7歳は運動量が減るが、食事量はいつもと一緒なので太りやすくなります。
11歳以降は運動量と食事量が減るので痩せやすくなります。
11歳以降からの食事は少量でも高カロリーを意識した食事管理になります。
食いつきが悪い場合は匂いで食欲を誘ってみましょう。
人間には少し臭みのある匂いは猫に取っては食欲をそそる匂いです。
また、猫は水分を控える傾向にあるので、水分補給を積極的に行いましょう。
水飲み場を数カ所作ったり、食事をウェットフードを利用するなどして脱水症状を防ぎましょう。
浅めのトイレに変えてあげる
高齢になると筋肉量が減り、少しの段差でもつまずくことがあります。
トイレのフチで転倒することもあります。
猫砂の飛び散りを防止しているトイレはフチが高くなっています。
フチを浅くして排泄しやすい環境を作ってあげましょう。
トイレのフチが高くて排泄を我慢して膀胱炎などの病気にならないようにその猫にあったトイレ環境の整備をしてみましょう。
排泄が終わったらすぐに排泄物の確認をしましょう。
排泄物の状況で病気がないか確認をすることができます。
まとめ
猫は人間の4倍の早さで歳をとるので、日頃の健康管理が何より大事です。
飼い主は高齢猫が快適に生活できるようにする責任感からストレスを感じる時があります。
猫の平均寿命は年々高くなり、高齢猫のお世話が長期戦になる場合があります。
家族の一員である猫が健康で長生きするためには飼い主とのスキンシップが何よりの健康法になります。