ペットスタートマガジンでは「ペットとの暮らしを始めるすべての人に」をコンセプトに、ペットにまつわる様々なお役立ち情報を、これからペットとの暮らしをスタートする方へ向けて提供しています。ペットにまつわる全ての情報をペットスタートマガジンで御覧頂けるように日々コンテンツを発信していきます。
はじめに
愛猫が咳のような音を出していて、大丈夫だろうかと心配になる場合があると思います。
猫の咳が一時的なものであれば問題はあまりありません。しかし、猫の咳が長く続く場合は、放っておくと病気を悪化させる恐れがあるので注意が必要です。
今回は、猫が咳をする時に考えられる病気について詳しく紹介します。すぐに受診が必要な症状や検査方法を解説しますので、ぜひチェックしてください。
猫はどんな咳をする?
まず、猫はどんな咳をするのか紹介します。
猫の体の仕組みや咳の症状を詳しく紹介しますので、愛猫に咳の症状があるかチェックしましょう。
猫は頻繁には咳をしない
猫は一般的に咳をすることが少ない動物です。猫が咳をする場合、特定の問題や異常を示している可能性があります。
猫は咳をすることで体内の異物や病原菌を排除しようとしますが、頻繁に続く場合は注意が必要です。
例えば、毛玉が喉に引っかかった場合や、急に冷たい空気を吸い込んだ場合などに、一時的に咳をするケースがあります。
一方で、咳が長期間続く場合や、頻繁に咳をする場合は、何らかの病気の兆候である可能性があります。
猫の咳は珍しいため、飼い主はその症状を見逃さないようにすることが重要です。
猫の咳の症状
次に、猫の咳の症状を詳しく紹介します。
- ケホッという音
- ゼーゼーと苦しそうな音
- ヒックと鼻を鳴らすような音
それぞれ詳しく紹介しますので、猫の咳の違いを判断できるようになりましょう。
ケホッという音
まず、猫の咳に見られる症状はケホッという音です。
ケホッという音は、猫が何かを喉から排出しようとする際に発せられるもので、多くの場合、毛玉が関係しています。
猫は毛づくろいを頻繁に行うため、舌で毛を飲み込んでしまい、毛が胃に溜まる場合があるのです。
ただ、毛玉がうまく吐き出されない場合や、咳が頻繁に続く場合は、消化器系に問題があるか、喉や食道に異常がある可能性があります。
ゼーゼーと苦しそうな音
次に、猫の咳に見られる症状はゼーゼーと苦しそうな音です。
猫がゼーゼーという苦しそうな音を伴う咳をする場合、呼吸器系の問題の可能性があります。
気道や肺に異常がある場合に発生するので、早急に獣医の診察を受けることが必要です。
ゼーゼーという音がする場合、一般的な原因は猫喘息であり、気道が炎症を起こし、狭くなることで呼吸が難しくなっている可能性があります。
猫がゼーゼーと苦しそうな咳をしている場合、行動や状態を詳しく観察し、適切な診断と治療を受けましょう。
ヒックと鼻を鳴らすような音
最後に、猫の咳に見られる症状はヒックと鼻を鳴らすような音です。
猫がヒックという音を伴う咳をする場合、鼻や喉の問題の可能性が考えられます。
鼻水や痰が発生して猫が排出しようとする際に発せられ、風邪や感染症が原因であるケースが多いです。
風邪が原因であれば、数日から1週間程度で症状が改善する場合があります。
しかし、アレルゲンで鼻や喉に炎症が起こり、咳が発生する場合もあるので、原因を特定して環境から減らす取り組みを行いましょう。
猫の咳の原因は?
次に、猫の咳の原因を紹介します。
- 生理現象によるもの
- 病気によるもの
それぞれ詳しく紹介するので、原因について理解を深めましょう。
生理現象によるもの
まず、猫の咳の原因は生理現象です。猫の咳の原因が生理現象による場合、一時的なので自然に解消します。
生理現象の咳は、猫が体内の異物や刺激物を取り除くための防御反応です。例えば、毛づくろい中に飲み込んだ毛が喉や消化管に引っかかり、咳を引き起こす場合があります。
また、急に冷たい空気を吸い込んだり、粉塵や煙などの刺激物を吸い込んだりした場合にも、猫は咳をする場合が多いです。
一時的な咳は心配する必要はありませんが、頻繁に発生する場合は、環境を見直す必要があります。
病気によるもの
次に、猫の咳の原因は病気によるものです。
猫の咳が病気によるものである場合、早期に発見して適切な治療を行ってください。
病気が原因で発生する咳は、長期間続くか、元気のなさや食欲不振など他の症状が伴う場合が多いです。
咳による病気は、猫の健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、少しでも気になった場合は獣医師に相談しましょう。
咳の原因になる病気の種類
次に、猫の咳の原因になる病気の種類を紹介します。
- 猫風邪
- 鼻炎
- 猫喘息
- 肺炎
- 肺水腫
- 肺腫瘍
- 食道内異物
それぞれ詳しく紹介しますので、猫の咳がどのような病気につながるのかチェックしてください。
猫風邪
まず、猫の咳の原因になる病気は猫風邪です。
猫風邪は、ウイルスや細菌によって引き起こされる感染症であり、代表的な病原体には、猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスなどがあります。
ウイルスは、くしゃみ、鼻水、目やに、咳などの症状を引き起こし、特に若い猫や免疫力が低下している猫に多いです。
猫風邪は、猫同士の接触や共用の食器具、トイレを通じて感染が広がるため、多頭飼いの家庭や猫が集まる場所では注意しましょう。
鼻炎
次に、猫の咳の原因になる病気は鼻炎です。
鼻炎は、猫の鼻腔内の粘膜が刺激を受けて炎症が生じる状態で、アレルギー、感染症、外傷、異物など、さまざまな要因によって引き起こされます。
急性鼻炎と慢性鼻炎の二つのタイプがあり、急性鼻炎はウイルスや細菌感染が主な原因です。
猫が急にくしゃみを始め、鼻水が出ると同時に、咳や目の充血、涙目などの症状が見られる場合があります。
一方で、慢性鼻炎は持続的なアレルギー反応が続くのが主な原因です。
慢性鼻炎の症状には、長期間続く鼻水、くしゃみ、咳が含まれ、症状が重くなる場合があります。
猫喘息
3つ目に、猫の咳の原因になる病気は猫喘息です。
猫喘息は、猫の気道が慢性的に炎症を起こし、気道が狭くなることで発生します。
猫喘息はアレルギー反応が原因で発生する場合が多く、具体的なアレルゲンはほこりや花粉、煙、カビなどです。
猫喘息は、咳や呼吸困難、喘鳴(ゼーゼーという音)などの症状を引き起こし、重篤な場合には命に関わる恐れもあります。
猫が呼吸困難を示している場合は、緊急の医療措置が必要です。
肺炎
4つ目に、猫の咳の原因になる病気は肺炎です。
猫の肺炎は、主に細菌、ウイルス、寄生虫などによって引き起こされます。
肺炎は特に免疫力が低下している猫や、既存の呼吸器疾患を持っている猫に多いです。
また、肺炎には気道に異物が入ってしまう誤嚥性肺炎や特発性肺炎などもあります。
肺炎の症状は、頻繁な咳や呼吸困難、発熱、食欲不振などです。
猫が肺炎にかかると咳が深く湿った音を伴い、呼吸が苦しそうに見えます。呼吸困難の症状が見られた場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
肺水腫
5つ目に、猫の咳の原因になる病気は肺水腫です。
肺水腫は血液の流れが悪くなり、血管から肺に血液が漏れ出して起こります。
肺水腫は、主に心臓病が原因の心原性肺水腫とそれ以外の非心原性肺水腫の2種類です。肺水腫の症状には、頻繁な咳や呼吸困難、開口呼吸、呼吸時の異常な音などがあります。
症状が見られた場合、猫は非常に苦しんでいる状態であり、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
肺腫瘍
6つ目に、猫の咳の原因になる病気は肺腫瘍です。
猫の肺腫瘍は、良性または悪性の腫瘍が肺に発生する病気で、原発性のものと他の部位から転移してきたものに分けられます。
肺腫瘍の症状は、慢性的な咳や呼吸困難、体重減少、食欲不振などです。特に中高齢の猫に症状が多く見られます。
咳が血液を含む場合は注意が必要です。猫が肺腫瘍の症状を示した場合、早急に動物病院に相談しましょう。
食道内異物
最後に、猫の咳の原因になるのは食道内異物です。
食道内異物は、猫が誤って食道に異物を飲み込んでしまう状態で、異物が咳の原因となります。
異物が食道に詰まると、猫は異物を除去しようとして激しく咳をする場合が多いです。
食道内異物の原因には、小さな玩具、食べ物のかけら、糸やひもなどがあります。
猫は好奇心が強く、特に遊び盛りの若い猫は、異物を誤って飲み込む場合が多いです。
食道内異物が原因で咳が発生すると、猫はしばしば口を開けて異物を吐き出そうとする動作を繰り返し、呼吸困難になる恐れもあります。
すぐに病院に連れて行った方が良い症状は?
次に、すぐに病院に連れて行った方が良い症状を紹介します。
- 咳が長く続く時
- 咳だけでなく元気や食欲もないとき
- 開口呼吸をしているとき
- チアノーゼを起こしているとき
それぞれ詳しく紹介しますので、症状を見て動物病院に連れていくべきか判断できるようになりましょう。
咳が長く続くとき
まず、猫をすぐに病院に連れて行った方が良いのは、咳が長く続くときです。
猫の咳が長期間続く場合、重大な健康問題を示している可能性があります。
通常、猫の咳は短期間で収まることが多いため、1週間以上続く場合は注意が必要です。
持続的な咳は、慢性気道炎や猫喘息、肺炎、肺水腫、肺腫瘍などの重篤な病気の可能性があります。
特に、咳が頻繁に発生し、強く湿った音や血液が混じる場合は、早急な対応が必要です。
咳だけでなく元気や食欲もないとき
次に、猫をすぐに病院に連れて行った方がいいのは、咳だけでなく元気や食欲もないときです。
猫が咳をするだけでなく、元気がなく食欲も減少している場合、病気の可能性を疑ってください。
咳と同時に見られる元気の喪失や食欲不振は、猫の体が何らかのストレスや病気に対して大きな負担を感じているサインです。
原因として考えられる病気には、猫風邪や肺炎、肺腫瘍、心臓病、消化器系の問題などがあります。
特に、感染症が原因である場合、他の猫に感染が広がるリスクも高いので注意が必要です。
開口呼吸をしているとき
3つ目に、猫をすぐに病院に連れて行った方がいいのは、開口呼吸をしているときです。
通常、猫は鼻で呼吸をしますが、開口呼吸は何らかの理由で鼻からの呼吸が困難になっているのを示しています。
開口呼吸は、重篤な呼吸器系の問題や心臓病などが原因で発生する場合が多く、早急な対応が必要です。
開口呼吸の原因としては、猫喘息や肺炎、肺水腫、肺腫瘍、気道内異物、心臓病などが考えられます。
猫が開口呼吸をしているときは、しばしば口を大きく開け、舌を出して息を荒くする姿が見られるので、すぐに病院に連れて行きましょう。
チアノーゼを起こしているとき
最後に、猫を病院に連れて行った方がいいのは、チアノーゼを起こしているときです。
チアノーゼとは、猫の唇や舌、歯茎、皮膚が紫色に変わる状態を指します。
チアノーゼは猫の体内で十分な酸素が供給されていないことを示しているので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
チアノーゼの原因は、猫喘息や肺炎、肺水腫、肺腫瘍、気道内異物、重度の心臓病などです。
猫がチアノーゼを起こすと、呼吸困難や開口呼吸、激しい咳、疲労などの症状も伴います。
咳の原因を検査する方法
最後に、咳の原因を検査する方法を紹介します。
- 身体検査や聴診
- 血液検査
- レントゲン
- エコー
- CT検査
それぞれ詳しく紹介するので、動物病院に行った後にどのような対応が取られるかチェックしましょう。
身体検査や聴診
まず、猫の咳の原因を特定するために行われるのは、身体検査と聴診です。
獣医師はまず、猫の全体的な健康状態をチェックし、外見的な異常や病気の兆候を確認します。身体検査で行われるのは、体重や体温、心拍数、呼吸数などのチェックです。
次に、聴診器を使って胸部を詳しく聴診し、呼吸音や心音に異常がないかを確認します。特に、肺や気道での異常な音を聴取すると、呼吸器系の問題を特定できる場合が多いです。
また、口腔内の状態や鼻の分泌物の有無、リンパ節の腫れなども確認します。
血液検査
次に、猫の咳の原因を特定するために行われるのは血液検査です。血液検査では、赤血球や白血球、血小板の数値などを測定します。
数値を測定すると感染症や炎症、貧血、脱水、内臓の機能障害など、多岐にわたる健康状態をチェックできるのです。
例えば、白血球の数値が高い場合は感染症や炎症が疑われます。猫風邪や肺炎などの呼吸器系の感染症が原因で咳が出ている可能性が高いです。
レントゲン
3つ目に、猫の咳の原因を特定するために行われるのはレントゲンです。
胸部のレントゲン画像を撮影すると、肺や気道、心臓、横隔膜の状態を詳しく観察できます。
レントゲン検査は、猫の内部構造を視覚的に捉えられるため、異常の有無や程度を判断できるのです。
例えば、肺炎や気管支炎、肺水腫などの呼吸器系の疾患は、レントゲン画像で確認できます。肺炎の場合、肺の一部に白い影が見られる場合が多いです。
また、気管や気道に異物が詰まっている場合も、レントゲン検査で発見できます。
エコー
4つ目に、猫の咳の原因を特定するために行われるのはエコー(超音波検査)です。
エコー検査は、超音波を使って体内の臓器や構造をリアルタイムに把握できます。
特に、心臓の機能や構造を詳しく調べるのに適しており、心臓病が咳の原因であるかどうかを判断することが可能です。
例えば、心臓の弁の異常や心筋の厚さ、血流のパターンなどを評価できます。
さらに、エコー検査は肺や胸腔内の状態を確認するために使用する場合も多いです。肺水腫や胸水の存在を確認し、原因を特定するために使用されます。
CT検査
最後に、猫の咳の原因を特定するために行われるのはCT検査(コンピュータ断層撮影)です。
CT検査は、X線を使って体の断層画像を撮影し、従来のレントゲンやエコー検査では確認できない微細な異常を検知できます。
CT検査は、肺や気管、胸部の異常を詳しくチェックするのに使用する場合が多いです。例えば、肺炎や肺腫瘍、肺水腫などの疾患を詳しく観察できます。
また、気道に異物が詰まっている場合や、胸部に腫瘍が存在する場合も、CT画像で位置や大きさ、形状を正確に確認することが可能です。
まとめ
猫は頻繁に咳する場合は少ないですが、ケホっという音やゼーゼーと苦しそうな音、ヒックと鼻を鳴らすような音で咳が見られる場合があります。
猫の咳の主な原因は、異物を吐き出そうとする生理現象や病気です。
飼い主は、咳が長く続いたり他の症状が見られたりする場合はすぐに病院に連れて行きましょう。
動物病院では血液検査やレントゲンなど様々な方法で咳の原因を特定してくれます。猫の咳の様子を日頃から観察し、猫の健康を維持してあげましょう。