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- はじめに
- 猫がずっと寝ていて心配?
- 猫の平均的な睡眠時間はどれくらい?
- 猫の睡眠リズム
- 猫がずっと寝ているときに確認すべきポイント
- 猫が体調不良の時によくあること
- 体調不良が疑われる場合は早めに動物病院に相談
- まとめ
はじめに
猫は、1日に平均して16〜17時間程度の睡眠をとります。
元々野生で生活をしていた頃の猫は狩りをして餌を食べていたので、エネルギーを温存するために多くの時間を睡眠(休息)にあてていました。
その名残りが今もあるので、猫は今でもたくさんの睡眠をとります。
具合が悪いのかな?と心配になる飼い主の方も多いですが、基本的には問題のないことがほとんどです。
今回は、そんな猫の睡眠について詳しく解説するのでぜひ最後までご覧ください。
猫がずっと寝ていて心配?
猫は1日の大半を寝て過ごしているから、心配になる飼い主もいると思います。
しかし、猫がよく眠るのは通常通りのことなのでほとんどの場合、問題はありません。
ずっと寝ているのは猫の本能なので、安心して見守ってください。
いつも通りスヤスヤとよく眠っているようなら、心配しないで大丈夫です。
猫の平均的な睡眠時間はどれくらい?
猫の平均的な睡眠時間は16〜17時間です。
1日のうち、ほとんどの時間を寝て過ごしているイメージだと思います。
日中飼い主が留守の間もほとんど寝て過ごすため、行動するのは飼い主が家にいる朝方や夕方のみです。
猫は元々夜行性の動物ですが、人に飼われると飼い主のペースに合わせるので、夜の時間帯も寝るようになります。
猫の睡眠時間は長い
1日24時間のうち、16〜17時間寝ている猫の睡眠時間はかなり長めです。
起きてる時間の方が少ないことには、ちゃんと理由があります。
元々肉食動物である猫の本能的な行動なので、理解してそっと寝かしてあげましょう。
よく寝るのは肉食動物の本能的な行動
猫がよく寝るのは、元々狩りをしていた頃の本能的な行動であると言われています。
草食動物はエネルギーの少ない栄養価の低い草が主食なので多くの時間を食事に費やしますが、猫などの肉食動物は獲物が1匹獲れれば必要なエネルギーや栄養素が摂取できるため短時間の食事時間で十分です。
食事時間に時間は取られない分、狩りでは相当のエネルギーが必要になるため、よく寝て体力を回復しておく必要があります。
今は飼い猫が増えて餌を狩る必要はなくなりましたが、1日のサイクルは狩りをしてた頃と変わりません。
狩りに備えて体力を温存している
肉食動物の猫は、野生で暮らしていた時代は毎日狩りをして餌を捕まえていました。
狩りをするには相当のエネルギーを消耗するため、体力を温存・貯蓄するためには睡眠時間が多く必要です。
寝ている時間が長いということは活動量も抑えられるため、狩りの時にたくさんのエネルギーを使えます。
狩りで全力の力を使うために、その他で無駄な労力を使わずに寝て過ごすのが猫の特徴です。
年齢による睡眠時間の違い
猫は年齢によって、睡眠時間が多少違います。
全年齢の平均睡眠時間は16〜17時間ですが、年齢・時期ごとの睡眠時間の違いを紹介します。
哺乳期の場合
哺乳期の猫の場合は、1日の睡眠時間が20時間以上になります。
授乳中以外はほとんど寝て過ごすので、なかなか起きているところは見られません。
1日中ほとんど寝て過ごしているのが正常なので、可愛いからと無理に起こさないでください。
生後半年くらいまでは、20時間以上寝ている子もいます。
子猫の場合
子猫の場合、1日の睡眠時間は18時間程度です。
子猫期になると動きも活発になり、目に入るもの全てに興味を持ちます。
生後2ヶ月程になると、本能的に狩りの練習を始めるので様々なものに飛びついたり、オモチャでも元気よく遊びます。
思い切り遊んで体力を使った分、回復のためには睡眠時間も多くとることが必要です。
子猫の時期は睡眠中に成長ホルモンが分泌されると言われているので、とても大切な子猫の時期の睡眠はむやみに邪魔をして起こさないようにしましょう。
成猫の場合
成猫の場合、1日の睡眠時間は14時間程度です。
しかし、14時間程寝るのは野生の猫の場合で、人に飼われている猫は生活環境で睡眠時間が多少変わります。
成猫は人に飼われていると生活上の音や動きの刺激があるため、睡眠時間が10時間を切ることも多いです。
室内では体力の消耗も少なく、狩りで餌を取らなくても時間になればキャットフードなどの餌をもらえるので、エネルギーを温存しておく必要もありません。
睡眠時間が平均より短くても、元気に過ごしているようなら問題ないので安心してください。
老猫の場合
老猫の場合は、1日に20時間程の睡眠時間が必要です。
猫は年齢を重ねることで体力が落ちてくると、活動量を減らしてエネルギーを使わないようにし、体力を温存するために睡眠時間を増やします。
また、年齢を重ねると聴力も衰えるので、周りの物音にも気付かずに寝続けられるのも睡眠時間が長くなる1つの理由です。
雨の日はいつもよりよく寝る?
猫は雨の日の方がよく寝ると言われています。
理由は解明されていませんが、雨の日は餌となる小動物が活動しなくなるためではないかと考えられています。
雨の日は、狩りの効率が悪いから本能的に猫は寝て過ごすという説が有効です。
他にも、天気が悪い時の気圧が関係している可能性もあります。
猫の睡眠リズム
猫は浅い眠りのレム睡眠と、熟睡状態のノンレム睡眠を交互に繰り返しています。
睡眠リズムとしては、少し熟睡したらすぐに30〜60分のレム睡眠に移行するというリズムです。
浅い眠り(レム睡眠)の時の猫 |
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熟睡状態(ノンレム睡眠)の時の猫 |
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警戒心が強いため浅い眠りのレム睡眠の方が多いと言われている猫は、熟睡しない分たくさんの細かい睡眠をとる傾向があります。
寝ている時に猫の手足や、ヒゲがピクッと動く時はレム睡眠の特徴です。
熟睡状態のノンレム睡眠では、呼んでも起きずに完全にリラックスして寝ています。
しかし、もしも敵が襲ってきてもダッシュで逃げられるように、本能的には準備しているので寝ぼけて動きが鈍ることはありません。
レム睡眠とノンレム睡眠の2種類がある
睡眠には浅い眠りのレム睡眠と熟睡状態のノンレム睡眠があります。
2種類の睡眠は真逆の性質を持っており、レム睡眠では身体を休め、ノンレム睡眠では脳を休めています。
どちらの睡眠も猫にとっては必要不可欠です。
レム睡眠とノンレム睡眠の違い
比較項目 | レム睡眠 | ノンレム睡眠 |
眠りの深さ | 浅い | 深い |
脳 | 休んでいない | 休んでいる |
身体 | 休んでいる | 少し緊張状態 |
血圧 | 上昇・増加傾向にある | 低下する傾向にある |
体温 | 上昇・増加傾向にある | 低下する傾向にある |
目覚め | 良い | 悪い |
夢 | 複雑な夢・覚えている | 単純な夢・覚えていない |
レム睡眠は眠りが浅い
レム睡眠の状態は、脳は活発に動いていて記憶の定着や整理が行われています。
眠りの深さは浅いですが、身体が最も休まる睡眠のためとても大事な時間です。
レム睡眠が少なくなると、脳の機能低下や老化が進むと言われています。
ノンレム睡眠は眠りが深い
ノンレム睡眠の状態は大脳も休息をしているため、脳の疲労回復のために重要な睡眠になります。
入眠直後の徐波睡眠は、成長ホルモンの分泌が特に多くなるのが特徴です。
ノンレム睡眠にはN1・N2・N3と3つの段階があり、N1・N2は比較的浅い眠り、N3はかなり深い眠りに分類されます。
脳も休んでいるため、夢などを見ても覚えてないことが多いです。
猫がずっと寝ているときに確認すべきポイント
1日の大半を睡眠時間に使う猫ですか、もしかすると体調不良でずっと寝ている可能性があります。
ただの睡眠なのか、体調が悪くて寝ているのかを判断するのはなかなか難しいです。
しかし飼い主は、普段との様子と比べていち早く異変に気付いてあげる必要があります。
愛猫がいつもより寝ている時間が長いかもと感じたら、その他に気になるこもはないか確認しましょう。
確認するべきポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
呼吸の状況はどうか
呼吸の状況は胸の上下運動で確認します。
猫の正常な呼吸回数は、起きている時で毎分20〜40回、寝ている時は15〜20回です。
寝ている時に呼吸の回数が正常状態より早い場合は、体調不良な状態だと考えられます。
回数の数え方は、胸の上下運動を1回と数えて1分間に何回上下運動をするのか数えましょう。
呼吸回数にも多少の個体差は出てくるので、日頃から愛猫が寝ている時に毎分何回くらい呼吸しているか把握しておいてください。
体温に変化はないか
猫は風邪をひいていたり、身体に不調が出ると体温が高くなります。
普段から猫は体温が高く、平熱は38〜39度くらいです。
元々体温が高いので気付きにくくはなりますが、日頃から触れ合っていれば体温の異常に気付きやすくなります。
猫の体温の一般的な測り方は、肛門に体温計を挿し込む方法です。
1番正確に測れる方法なので、問題がない限り肛門で測ります。
体温計をラップで包み、肛門に挿入しやすくするためにワセリンを塗ってあげましょう。
猫の尻尾を持ち上げて、肛門から2〜3cmのところまで差し込むと適正な体温が測れます。
ペット用の体温計は、先端が柔らかくなっていて直腸や肛門などを傷つけにくくなっているのでおすすめです。
肛門で測るのを嫌がってどうしてもできない場合は耳用の体温計を使ったり、太ももの付け根に挟んで測る方法もあります。
どちらも正確な体温より0.5〜1度近く低く表示される可能性があるので、測り終わったら体温から差し引いてください。
普段と違う様子はないか
猫が寝てる時にいつもと違う様子が見られる場合は、身体に異常が起こっている可能性があります。
普段と違う様子 | 考えられる理由 |
横たわるようにグッタリしている | 相当体調が悪い状態です。 緊急性の高い病気の可能性があります。 |
鼻をヒクヒクさせる・胸が大きく動いてる | 呼吸することが苦しい状態です。 呼吸器・循環器の病気の可能性があります。 |
隠れるようにいつもと違う場所で眠る | 体調が悪いことを隠そうとしている・体調が悪いから静かにしていたい状態です。 |
ずっと寝ていてご飯を食べない | 体調不良の状態です。 |
寝ている時に激しく手足を動かす | 発作を起こしている可能性があります。 |
寝ないでずっと動き回っている | 甲状腺機能亢進症の可能性があります。 |
愛猫の様子が普段と違う時は、何かしら原因があることがほとんどです。
異変に気付いたら、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
早く気付いてあげれば早期治療開始・早期回復に繋がるので、寝ている時の猫の様子に気を配るようにしましょう。
猫が体調不良の時によくあること
体調不良の時に猫がよくする行動を紹介します。
猫は、警戒心が強いため体調が悪いことを周りに悟られないように行動することが多いです。
しかし、いつも通り行動しているつもりでも、必ず普段と違う違和感のある行動をします。
飼い主は、なるべく早く愛猫の異常行動に気付いてあげましょう。
いつもと違う場所で寝る
猫は体調が良くないことを悟られないために、人がいない部屋や静かにできる場所で寝ることがあります。
お気に入りの寝る場所が数ヶ所かある猫は多いですが、普段寝ないようなところで寝ていたら何か様子がおかしいと思って良いです。
気になる寝方 |
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隠れるように寝ている時は体調不良だけでなく、怖いものから隠れていたりストレスを感じている可能性もあります。
どちらにしろ猫のSOSのサインだと思って、寝る時に普段と違う行動があればすぐに気付いてあげましょう。
腰を丸めて寝る
猫が腰を丸めて寝ている時は、お腹など身体が痛い時のサインです。
お腹は猫にとって守るべき急所の一つなので、体調不良などで警戒心が高まっているとお腹を守るように丸まって寝ます。
触られるのを嫌がるようなら、どこか痛い可能性が高いのですぐに動物病院へ連れて行きましょう。
また、寒い時に暖を取るためにも丸まって寝るので、周りの気温にも配慮してあげてください。
うずくまったままで寝る
猫は体調不良などで素早く動けないと自ら悟った時は、何かあっても動けるように地面に足をつけたままうずくまる体制で寝ます。
うずくまって寝るのは、警戒心の強い猫の本能的な行動です。
長期間の闘病で体力を消耗している時や、身体のどこかに痛みを感じている時に見られる仕草なので、気付いたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
食欲がない
猫は体調が悪くても、周りに気付かれないように普段と同じ行動をしようとします。
餌を食べてるそぶりはするものの全く減っていなかったり、少量しか食べていないことがあるので、食べ終わった時に餌のお皿の中を確認しましょう。
自動餌やり機などを使っている家庭は、なかなか餌を食べているかの確認が難しいと思いますが、餌を食べている様子を見て食欲があるのか判断してみてください。
遊びに誘っても反応が良くない
猫がお気に入りのオモチャなどで遊びに誘っても反応が良くない時は、体調不良の可能性があります。
遊ばずに無視してゆっくりすることを優先しているなら、疑っても良いサインです。
猫は気まぐれなところもあるので、気分が乗らないだけの可能性もありますが、気にして様子を見てあげましょう。
体調不良が疑われる場合は早めに動物病院に相談
猫の体調不良のサインが見られた場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
時間外のタイミングで体調不良に気付いた場合も、緊急性があるか・対処できることがあるかを専門の獣医師に相談するのがおすすめです。
特に痛がる仕草や呼吸が苦しそうな時は、緊急性が高いので様子を見るなどせずに、すぐに動き出してください。
愛猫を危険な状態から救うためには、飼い主の素早い対応が大事になります。
まとめ
今回は猫の睡眠について解説しました。
猫は、肉食動物の野生本能が残っているため、餌である小動物を捕まえるためのエネルギーを温存しようとします。
温存する方法は、睡眠を多くとることです。
愛猫が寝過ぎているのでは?と心配になる飼い主が多いですが、体調や他の行動が普段通りなら問題ありません。
しかし、もしも睡眠の仕方に異常を感じたらすぐに動物病院へ連れて行ってください、