健康

【獣医師監修】猫のうんちが臭いのはなぜ?原因や対処法・におい対策を解説

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はじめに

猫を飼っていると、猫のうんちが気になる場面は多いと思います。猫のうんちは猫の健康状態を確認できる大事な指標です。

猫の健康を維持するためには、定期的に猫のうんちが臭くないか、量や色、回数に異常がないかのチェックが欠かせません。

今回は、猫のうんちが臭い原因を紹介します。対処法や臭い対策も紹介するので、猫のうんちの臭いが気になる方はぜひ実践してみてください。

猫のうんちが臭い原因は?

まず、猫のうんちが臭い原因を紹介します。

  • フードによるもの
  • 栄養バランスの偏り
  • 水分不足
  • 消化不良
  • 運動不足
  • ストレス

それぞれ詳しく紹介するので、当てはまるものがないかチェックしましょう。

フードによるもの

まず、猫のうんちが臭くなる原因は、与えているフードです。

特に、市販のドライフードやウェットフードには猫の消化に適していない成分が含まれている場合があり、消化不良が悪臭の元になります。

また、安価なフードには人工的な添加物や香料が多く含まれている場合があり、腸内で発酵して強い臭いを放つ場合が多いです。

また、猫の体質に合わないタンパク質源を含むフードも、消化が不完全になり臭いの原因となる場合があります。

例えば、肉類や魚を主成分とするフードでも、特定の種類のタンパク質が猫の腸内で適切に分解されず、異常な臭いを発するケースがあるのです。

栄養バランスの偏り

次に、猫のうんちの臭いが強くなる原因は、栄養バランスの偏りです。

猫は過度に炭水化物が多い食事や、必要なビタミンやミネラルが不足している食事を与えると、体内の消化や代謝が正常に行われず、結果的にうんちが臭くなる場合があります。

特に、安価なキャットフードには穀物や植物由来の成分が多く含まれている場合があり、猫の消化器官にとって適していません。

猫は穀物や炭水化物を効率的に消化できないため、腸内での発酵が進み、強い臭いが生じやすくなります。

また、ビタミンやミネラルが不足していると、腸内細菌のバランスが乱れ、消化不良や臭いの悪化を引き起こす場合も多いです。

猫にとって最適な食事は、動物性タンパク質が豊富で、必要な栄養素がバランスよく含まれたものです。

水分不足

3つ目に、猫のうんちが臭くなる原因は水分不足です。猫は砂漠地帯に生息していた動物なので飲水量が少ない傾向にあり、便が硬くなりやすくなっています。

硬くなった便は腸内で長時間留まる場合が多く、腐敗が進むと悪臭を放つ原因となるのです。

水分が十分に摂取されていないと、腸内の動きが鈍くなり、便が乾燥して排出が困難になる恐れもあります。

また、水分不足は腎臓にも負担をかけ、腎臓病などのリスクを高めるため、猫の健康全体に悪影響を与える可能性が高いです。

特にドライフード中心の食生活では、猫が水をあまり飲まない場合が多く、さらに水分不足が悪化しやすくなっています。

そのため、ウェットフードを取り入れたり、新鮮な水を常に用意したりすることが重要です。

消化不良

4つ目に、猫のうんちが臭くなる原因は猫の消化不良です。消化不良が起きると、腸内で食物が適切に分解されずに発酵が進み、強い臭いを発する場合があります。

特に、猫に与える食べ物が消化しづらい成分を含んでいる場合、腸内でのガスや便の臭いが増幅されやすいです。

例えば、脂肪分が多い食事や消化が難しい繊維質の多い食事は、腸内の消化プロセスに負担をかけ、便の臭いを悪化させる場合があります。

消化不良の原因としては、急な食事の変更や猫へのストレスなどです。急な食事の変更は、猫にとって負担が大きく、不完全な消化が起こる場合があります。

また、消化不良を引き起こす基礎疾患や寄生虫による腸内環境の乱れも臭いの原因となる場合があるため、獣医師の診察が必要です。

運動不足

5つ目に、猫のうんちが臭くなる原因は運動不足です。猫は運動して腸の働きを活性化し、排便のリズムを整えています。

しかし、運動量が不足すると腸の動きが鈍くなり、便秘や消化不良を引き起こすのです。そして、腸内に便が長時間留まり、腐敗が進んで臭いが強くなる場合があります。

特に、室内飼いの猫は外に出る機会が少なく、運動量が自然と減りやすいです。

遊びや運動を意識的に取り入れてあげないと、腸の動きが悪くなって便秘や消化不良の原因となり、悪臭の発生に繋がります。

猫がストレスなく運動できるように、キャットタワーやおもちゃを用意し、日々の活動量を増やす工夫が大切です。

ストレス

最後に、猫のうんちが臭くなる原因は猫が感じるストレスです。ストレスを感じると、猫の消化器官に影響を与え、消化不良や便秘を引き起こす場合があります。

例えば、環境の変化や新しいペット、大きな音や日常の変化など、猫は敏感にストレスを感じやすい動物です。様々な原因で腸内環境が乱れ、便が臭くなるケースがあります。

ストレスによる臭いの原因は、猫の腸内での食物発酵と消化不良です。また、ストレスが長期間続くと腸の動きがさらに鈍くなり、臭いも強くなる恐れがあります。

ストレスを軽減するためには、猫が安心して過ごせる環境を整え、日々の生活リズムをできるだけ一定に保つことが重要です。

猫のうんちでわかる健康チェック

次に、猫のうんちでわかる健康チェックを紹介します。

  • うんちをする回数
  • うんちの量
  • うんちの色
  • 見た目や固さ
  • 臭い

それぞれ詳しく紹介するので、猫のうんちで健康かどうか判断できるようになりましょう。

うんちをする回数

まず、猫の健康状態をチェックできる指標は、うんちの回数です。

通常、健康な猫は1日に1〜2回排便をしますが、個体差がありますので、猫によっては1日1回であったり、逆に2日ごとに排便したりする場合があります。

重要なのは、猫自身の排便リズムが一定であるかどうかです。

例えば、いつも1日1回だった猫が急に数日間排便をしなくなったり逆に頻繁にトイレに通うようになったりする場合、何らかの健康問題が疑われます。

便秘は猫にとって深刻な問題であり、長期間続くと腸閉塞などの危険性が生じやすいです。

うんちの量

次に、猫の健康状態をチェックできるのは、猫のうんちの量です。通常、猫のうんちは食べた量に比例しており、健康な消化機能を持つ猫は適量のうんちをします。

しかし、量が極端に少ない場合や多すぎる場合は、体調不良や食事の問題が考えられるのです。

うんちの量が少ない場合は、便秘や腸の動きが鈍くなっている可能性があり、食事中の水分や繊維質の不足が原因かもしれません。

フードの質が低かったり猫にとって消化しにくい成分が含まれていたりする場合、フードを見直してうんちの量を増やしましょう。

うんちの色

3つ目に、猫の健康状態をチェックできるのは猫のうんちの色です。健康な猫のうんちは、基本的には濃い茶色から暗褐色になっています。

しかし、食べたものや体調によって色が変わる場合があるのです。例えば、フードに含まれる着色料や特定の栄養素の影響による一時的な色の変化であれば特に問題はありません。

一方で、明らかに異常な色の場合は、健康上の問題が考えられます。黒っぽいうんちは、胃や腸の内部で出血がある可能性があり、緊急を要するサインです。

また、黄色っぽい便は消化不良や肝臓の問題が疑われます。もし異常な色のうんちが数日続くようであれば、すぐに獣医師に相談し、検査を受けましょう。

見た目や固さ

4つ目に、猫の健康状態をチェックできるのは猫のうんちの見た目や固さです。健康なうんちは適度に固く、丸い形をしています。

水分が適度に含まれており、手で触ると少し弾力がある程度の硬さが理想的です。一方で、うんちが非常に硬い場合は便秘や水分不足が考えられます。

逆に、柔らかすぎて水っぽいうんちは下痢の可能性があり、消化不良や腸内の炎症、感染症、食物アレルギーなどが原因です。

下痢が数日以上続く場合は、脱水症状を引き起こす危険があるため、早めに動物病院での診察を受けましょう。

臭い

最後に、猫の健康状態をチェックできるのは猫のうんちの臭いです。うんちの臭いが通常よりも強烈で異常に感じる場合は、何かしらの問題が起きている可能性があります。

特に、消化不良や腸内環境の乱れが原因となる場合が多く、フードの質や内容が影響している場合も多いです。

猫の腸内バクテリアのバランスが崩れると、うんちが発酵しやすくなり、ガスや強い臭いが発生する場合があります。

また、特定の食材に対するアレルギー反応や消化不良が原因で、異常に臭いが強くなりやすいです。消化器系の問題が疑われる場合は、餌の見直しや水分摂取の改善が効果的です。

臭いの変化が長期間続くようであれば、獣医師に相談し、必要な検査や治療を受けましょう。

猫のうんちが臭いときの対処法は?

次に、猫のうんちが臭いときの対処法を紹介します。

  • フードを変える
  • 水分の与え方を見直す
  • 子猫の場合は肛門を軽く刺激する
  • 1〜2日様子を見る
  • 動物病院に相談する

それぞれ詳しく紹介するので、すぐに対処できるようにぜひチェックしてください。

フードを変える

まず、猫のうんちが臭いときはフードを変えましょう。

猫の消化システムは繊細で、特に低品質のフードや消化に時間がかかるフードを食べると、腸内環境が乱れて便が臭くなる場合があります。

市販のフードには、猫が消化しにくい添加物や合成成分が含まれている場合があり、それが原因で臭いが強くなるのです。

高品質なフードを選ぶと、消化がスムーズになり、腸内環境のバランスが整います。特に、無添加やグレインフリー(穀物不使用)のフードは、猫の消化に優しいです。

また、フードの成分にはたんぱく質、脂質、繊維質などのバランスが欠かせません。

たんぱく質の含有量が高く、必要な栄養が摂れるものを選んで、腸内の負担を軽減し、うんちの臭いを軽減させましょう。

水分の与え方を見直す

次に、猫のうんちが臭い場合、水分の与え方を見直しましょう。水分が不足すると便が硬くなって消化が不十分になるため、腸内での発酵が進み、臭いが強くなる場合があります。

猫は本来、水分摂取量が少ない動物であるため、意識的に水分補給の方法を見直すことが重要です。

まず、水の置き場所や容器を見直しましょう。猫は清潔な水を好むため、毎日新鮮な水を用意し、複数の場所に水を置くと、猫が水を飲む機会を増やすことができます。

また、水飲み用の容器も、プラスチック製ではなくガラスやステンレス製のものが好まれやすいです。さらに、ウェットフードを与えると、自然に水分を摂取させられます。

子猫の場合は肛門を軽く刺激する

次に、子猫のうんちが臭い場合は肛門を軽く刺激しましょう。

子猫の場合は、消化機能がまだ十分に発達していない状態や、排便をうまくできないのがうんちが臭くなる原因の可能性があります。

このような場合、飼い主が優しく肛門を刺激してあげて、排便を促し、消化器官の負担を軽減しましょう。

子猫はまだ自分でうまく排便できないため、母猫は舌で肛門を刺激して排便を促します。

母猫の役割を飼い主が代わりに行うと、うんちがスムーズに出て、臭いの原因が解消される場合があるのです。

肛門を刺激する際は、湿らせた柔らかい布やガーゼを使い、優しく肛門の周りを撫でるようにしましょう。

1〜2日様子を見る

3つ目に、猫のうんちが臭う場合、1〜2日様子を見ましょう。

猫の便の状態は、日常のちょっとした変化、例えばストレスや一時的な食事の変更、季節の変わり目などに影響される場合があります。

したがって、すぐに問題があると決めつけず、様子をみて一時的な問題かどうかを確認することが重要です。

例えば、新しいフードに変えたばかりの時や引っ越し、飼い主の生活の変化など猫にとっての環境の変化が便の臭いに影響を与えている場合があります。

原因が特定できる場合、時間が経つにつれて猫の消化システムが変化に適応し、臭いも自然に改善される場合があるのです。

ただし、1〜2日様子を見ても臭いが続く場合は早めに獣医師に相談しましょう。

動物病院に相談する

最後に、猫のうんちが臭い場合、動物病院に相談しましょう。臭いが続く原因には、消化器系の疾患や寄生虫、腸内フローラの乱れなどの健康問題が潜んでいる可能性があります。

放置すると猫の健康に深刻な影響を与える恐れがあるため、早期の診断と治療が不可欠です。動物病院では、便の検査や血液検査などを通じて、具体的な原因を特定します。

例えば、腸内に寄生虫がいる場合、便の中に痕跡が見られやすいです。

また、食物アレルギーが原因で臭いが強くなる場合もあり、アレルギーを引き起こす成分を特定し、適切な食事管理が欠かせません。

動物病院の診察で適切な治療法が行われるので、猫の健康が回復して、便の臭いの改善が期待できます。

猫のうんち以外も臭い時のにおい対策

最後に、猫のうんち以外も臭かった時の臭い対策を紹介します。

  • 猫砂を入れ替える
  • トイレ本体を洗う
  • 消臭剤を置く
  • カーテンに臭いや汚れがついていれば洗う
  • カーペットやフローリングを消臭する

さまざまな場所に臭いがついている可能性があるので、1つずつ実践してみてください。

猫砂を入れ替える

まず、猫のうんちの臭い対策として、猫砂を入れ替えましょう。猫砂が劣化していたり、長期間交換されていなかったりする場合、トイレから強い臭いが発生する場合とがあります。

特に、吸収力が弱くなった猫砂は、うんちだけでなく尿の臭いも十分に吸収できず、臭いが部屋中に広がってしまうのです。

猫砂の交換は、基本的には1週間に1回程度が目安ですが、猫の数やトイレの使用頻度によって異なります。また、砂の種類も臭い対策に影響を与えやすいです。

鉱物系やシリカ系の砂は尿や便の臭いをしっかりと吸着し、臭いがこもるのを防ぎます。

さらに、消臭効果の高い猫砂や、香り付きのものを使うと、トイレからの臭いを軽減することが可能です。

トイレ本体を洗う

次に、猫のうんちの臭い対策として、猫のトイレ本体を洗いましょう。いくら猫砂を定期的に交換しても、トイレ本体が汚れていると臭いがこびりついてしまいます。

特にプラスチック製のトイレは尿や便の成分が染み込みやすく、掃除を怠ると強い臭いを放つ原因となります。そのため、トイレ本体をしっかりと洗浄することが必要です。

トイレ本体を洗う際は、中性洗剤を使って、猫が利用する際に影響を与えないようにしましょう。

猫は強い匂いや化学物質に敏感なため、漂白剤などの強力な洗剤は避け、中性のものを使ってしっかりと洗浄します。

汚れが落ちたら、水で十分にすすいで洗い残しを防ぎましょう。洗った後は、しっかりと乾かしてから再度砂を入れて設置してください。

消臭剤を置く

3つ目に、猫のうんちの臭い対策として消臭剤をおきましょう。

市販されているペット用の消臭剤には、猫に害を与えない成分が使用されており、トイレ周りや部屋の中に置くと、気になる臭いを抑えられます。

特に、炭や活性炭を使った消臭剤は、自然に臭いを吸着するため、猫にも安心です。

消臭剤は、トイレの近くに置くのが効果的ですが、部屋全体に臭いが広がる場合は、部屋の数カ所に分散して配置すると良いでしょう。

また、スプレータイプの消臭剤も便利です。猫がトイレを使った後や、部屋の空気がこもってしまった際に、直接スプレーして臭いをリフレッシュさせられます。

無香料タイプのものを選ぶと、猫の嗅覚に負担をかけず、自然な形で臭いを解消することが可能です。

カーテンに臭いや汚れがついていれば洗う

4つ目に、猫のうんちの臭い対策としてカーテンに臭いや汚れがついていれば洗いましょう。カーテンがある場合、うんちや尿の臭いがカーテンに付着してしまう場合があります。

特に、トイレを使用する際に尿が飛び散ったり、猫がうっかりカーテンに触れたりすると、カーテンに汚れがついて臭いの原因になりやすいです。

カーテンは布製であるため、臭いがしみこみやすく、一度臭いが付くと部屋全体に広がってしまう可能性があります。

カーテンを洗う際は、カーテンの素材に応じて、洗濯機で洗うか手洗いを選びましょう。

洗濯の際には、ペット用の消臭効果のある洗剤を使用すると、より効果的に臭いを取り除くことができます。また、洗った後は風通しの良い場所でしっかりと乾かすことが大切です。

カーペットやフローリングを消臭する

最後に、猫のうんちの臭い対策としてカーペットやフローリングを消臭しましょう。

猫が生活する場所で、トイレの近くにカーペットやフローリングがある場合、臭いが染み込む場合があります。

尿や便が直接触れてしまった場合、カーペットに染み込んだりフローリングの表面に汚れが残ってしまったりすると臭いの原因になりやすいです。

カーペットやフローリングの臭い対策を適切に行うと、部屋全体の空気を清潔に保つことができます。

まず、カーペットに臭いが付いている場合、ペット用の消臭スプレーや酵素系のクリーナーを使用して、臭いの元となる汚れを分解しましょう。

フローリングの場合は、通常の掃除に加え、ペット専用のクリーナーで定期的に拭き掃除を行うと良いです。

まとめ

今回は、猫のうんちが臭い原因について紹介しました。猫のうんちは餌や栄養不足の偏り、消化不良、運動不足、ストレスなどが原因で臭くなります。

飼い主は、うんちの回数や量、色、見た目、臭いで猫が健康かチェックできるようになりましょう。

また、猫のうんちが臭い場合は餌や水分の与え方を見直し、1〜2日たっても変わらない場合は動物病院に相談してください。

猫のうんちが臭い原因を特定して、猫の健康をサポートしましょう。

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