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【獣医師監修】生後7ヶ月の猫の睡眠時間は?猫が好んで寝る場所や寝かせ方を紹介

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はじめに

愛猫の睡眠時間を確保できているか気になる方は多いと思います。

子猫が成長するには睡眠時間が欠かせません。そのため、飼い主は猫に必要な睡眠時間を理解し、寝かせて睡眠時間を確保してあげることが大切です。

今回は、生後7ヶ月の猫の睡眠時間について紹介します。猫が好んで寝る場所や寝かせ方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

猫の平均睡眠時間

まず、猫の平均睡眠時間について紹介します。睡眠時間は猫が活動するタイミングや年齢が影響を及ぼしているので詳しくみていきましょう。

猫は夜行性ではなく薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)

猫は夜行性とよく誤解されがちですが、実際には薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)と呼ばれる生活リズムを持っています。

薄明薄暮性は、猫が主に朝や夕方の薄明るい時間帯に活動する習性です。猫は日中、捕食者から身を隠し、狩りに最適な薄暗い時間帯に活動を開始します。

そうすると、他の動物から見つかりにくくなり、効率的に獲物を捕らえることができるのです。

現代の飼い猫にも遺伝的なリズムが引き継がれており、昼間は比較的静かに過ごし、夕方や早朝に活発になります。

そのため、飼い主が「猫が夜に暴れる」と感じるのは、薄明薄暮性の生活リズムが関係しているのです。

成猫は平均14時間

成猫の平均的な睡眠時間は1日に約14時間とされています。動物の中でもかなり多い方ですが、猫にとっては正常な範囲です。

猫は狩猟者としての本能を持っているため、短い時間に集中して活動し、残りの時間は体力を温存するために寝るというパターンを取ります。

成猫の場合、狩りをする必要がない飼い猫でも、体のエネルギーを効率的に使うため、サイクルが維持されているのです。

猫の睡眠は短い深い眠りと、浅い眠りが交互に繰り返される特徴を持っています。

成猫の睡眠時間が長くなる理由の一つは、体のメンテナンスや脳の休息に時間を費やしているためです。

特に、飼い猫の場合、家の中でストレスが少ない環境にいる場合が多いため、安心して長時間眠ります。

老猫は20時間以上寝る猫も

年齢を重ねた猫、特に10歳以上の老猫になると、睡眠時間はさらに増加し、1日に20時間以上眠るケースも珍しくありません。

老猫は、成猫や若い猫と比べて活動量が減少し、体力も低下しているため、より多くの時間を休息に費やします。

老猫が長時間眠る理由の一つは、加齢に伴う体力の回復に時間がかかるためです。体の修復機能や免疫力が若い猫ほど活発でないため、休息によって働きを補おうとしています。

また、老猫は関節炎や筋肉の衰えなど、加齢に伴う体の不調を抱えている場合が多いため、痛みや不快感を和らげるためにも、寝ている時間が長くなりやすいです。

子猫は平均18時間

子猫の平均的な睡眠時間は、1日に18時間ほどとされています。成猫や老猫に比べても、子猫は特に長時間眠る傾向があり、睡眠は成長に不可欠な要素です。

子猫の時期は成長ホルモンが活発に分泌される時期であり、睡眠中に体の発育や筋肉、骨格の形成が行われています。

そのため、長時間の睡眠は健全な成長を促進するために必要不可欠です。子猫がよく眠るのは、身体的な成長と同時に、神経系の発達にも重要な役割を果たしています。

また、子猫は非常にエネルギッシュな活動をするため、遊んだり走り回ったりした後に疲れて長時間眠る場合が多いです。

成猫と同様に、子猫も浅い眠りと深い眠りを繰り返しますが、まだ未熟なため、深い眠りに入りにくくなっています。

7ヶ月の猫は平均15〜20時間

生後7ヶ月の猫は、成猫に近い生活リズムを持ちながらも、まだ成長過程にあるため、睡眠時間は15〜20時間ほどとされています。

生後7ヶ月の猫は、活動的な時間と休息の時間をバランスよく取りながら、体力を蓄えているのです。

遊びが大好きでエネルギッシュなこの段階では、日中にたくさん動き回った後、長時間の睡眠をとって疲労を回復させています。

7ヶ月の猫は、子猫の頃に比べると少しずつ自立心が芽生え、遊び方や睡眠のリズムが変化し始める時期です。

しかし、まだ若いため、体力が完全には発達しておらず、十分な休息が欠かせません。

猫の眠りは浅いことが多いため、たくさんの睡眠時間が必要

猫の睡眠は浅いことが多く、そのために多くの時間を寝て過ごす必要があります。

猫の睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」と呼ばれる2つのフェーズに分かれており、猫の場合はレム睡眠の割合が高く、全体の約70%が浅い眠りです。

浅い眠りの間、猫は外界の音や動きに敏感に反応できる状態にあり、危険があればすぐに目を覚まして逃げる準備ができています。

一方で、残りの約30%が深い眠りで、体力の回復や脳の休息が行われるのです。

猫の寝かせ方のポイント

次に、猫の寝かせ方のポイントを紹介します。

  • 猫の欲求を満たす
  • 日中にたくさん遊び体力を使わせる
  • 子猫のうちから生活音に慣れさせる
  • 周囲が規則的な生活を送る
  • 食事を与える時間を調整する

それぞれ詳しく紹介しますので、猫がうまく寝てくれない場合は、日頃から実践してみてください。

猫の欲求を満たす

まず、猫を良く寝かせるためには、猫の欲求をしっかりと満たしましょう。

猫は基本的に自立した動物で、自分のペースで食事をして遊び、休息を取る習性です。しかし、飼い主がサポートすると、猫はストレスなく安心して眠ることができます。

猫の欲求に含まれるのは、食事や水分補給、トイレの清潔さ、適切な遊び時間、安心できる環境などです。

きちんと満たされていると、猫は自発的にリラックスし、自然に眠りにつくことができます。例えば、空腹のままでは猫も人間と同じでリラックスできません。

また、猫はトイレが汚れていると安心して眠れない場合もあります。遊びや運動も重要であり、十分に体を動かしていないと、夜眠りが浅くなりやすいです。

日中にたくさん遊び体力を使わせる

次に、猫を寝かせるには日中にたくさん遊んで体力を使わせましょう。特に室内飼いの猫は、外で狩りをすることがないため、運動量が不足しがちです。

その結果、体力を持て余してしまい、夜中に活発になってしまう場合が多く見られます。

日中に猫と一緒に遊び、十分な運動をさせると、猫は疲れて自然と夜に眠るようになるのです。遊び方としては、猫の狩猟本能を刺激するような遊びをしましょう。

またキャットタワーを活用して、上下運動を取り入れた遊びも効果が期待できます。上下運動を取り入れると、猫はしっかりと体を動かし、心地よい疲労感を感じることができます。

特に若い猫や活発な猫はエネルギーを発散させるのが重要であり、遊びを通じて欲求を満たしてあげましょう。

子猫のうちから生活音に慣れさせる

3つ目に、猫を寝かせるには、子猫の頃から生活音に慣れさせましょう。猫は音に対して敏感で、突然の大きな音や見慣れない環境に不安を感じやすい動物です。

そのため、幼い時期から日常的な音や生活環境に慣れさせると、成長後もリラックスした状態で眠れるようになります。

生活音は、家電の音やテレビやラジオの音、人の話し声や歩く音などさまざまです。

生活音に子猫が慣れていないと、日常の生活音に驚いたり警戒したりして、安眠を妨げる原因となります。

そこで、掃除機の音やドライヤーの音など、少し大きめの音にも徐々に慣らし、子猫のうちから日常的に聞くようにさせましょう。

周囲が規則的な生活を送る

4つ目に、猫を寝かせるには、規則的な生活を送りましょう。猫は環境や飼い主の行動に敏感な動物であり、飼い主が不規則な生活をしていると猫の生活リズムも乱れがちです。

例えば、飼い主が遅くまで起きていると、猫も影響を受けて夜間に活動的になりやすくなります。

規則的な生活の中で、毎日同じ時間に食事を与えたり決まった時間に遊びの時間を設けたりすると、猫は安心してそのリズムに従うようになるのです。

特に、食事や遊びの時間が不規則だと、猫は常に次の活動を予測できず、不安定な状態に陥りやすくなります。

食事を与える時間を調整する

最後に、猫の睡眠を促進するためには、食事を与える時間を調整しましょう。

特に夜間の睡眠をサポートするためには、適切な時間に食事を与えると、猫の体内時計を整えられます。

一般的に、猫は食後にリラックスして自然と眠気を感じるため、就寝前の時間帯に軽い食事を与えると、スムーズに眠りにつきやすいです。

食事のタイミングは、朝・昼・晩の3回に分けるか、もしくは朝と夕方の2回に分けましょう。

特に、夜の最後の食事を与える時間を適切に調整すると、猫は満腹感を感じてリラックスしやすくなり、夜中に起きて餌をねだったり活動的になったりするのを防げます。

逆に、空腹の状態では猫は不安を感じやすく、眠りが浅くなるので、寝る前に少量のフードを与えましょう。

猫が好んで寝る場所とは?

次に、猫が好んで寝る場所を紹介します。気温や場所の高さ、場所の形状が影響しているので、詳しくみていきましょう。

室温は20〜28°

まず、猫が好んで寝る場所は、室温が20〜28°の部屋です。20〜28°の温度帯は、猫にとって暑すぎず寒すぎない環境であり、リラックスして眠れます。

特に猫は体温調節が得意ではないため、温度の変化に敏感です。

室温が低すぎると寒さを感じて丸くなって体温を保とうとし、室温が高すぎると暑さでストレスを感じて寝つきが悪くなる恐れがあります。

夏場や冬場の極端な気温変化に対応するためには、エアコンや暖房を使って室内の温度を調整することが重要です。

例えば、夏には涼しい場所を提供し、冬には温かい寝床やブランケットを用意して、猫が快適に過ごせる環境を整えましょう。

また、エアコンを使用する際には、直接風が当たらないように工夫することも大切です。

湿度は50〜60%

次に、猫が好んで寝る場所は湿度が50〜60%の部屋です。50〜60%の湿度帯は、猫の呼吸器に優しく、皮膚や毛並みの健康を保つためにも適しています。

湿度が低すぎると、猫の皮膚が乾燥し、かゆみや皮膚トラブルを引き起こす原因となりやすいです。

一方で、湿度が高すぎると、空気中のカビやダニが繁殖して、猫にとって快適な環境ではありません。

特に冬場は暖房の使用により湿度が下がりがちです。そのため、加湿器を使用して湿度を調整しましょう。

逆に、梅雨や夏の湿気が多い季節には、除湿器やエアコンの除湿機能を活用して、湿度を適切に管理することが重要です。

日当たりが良い所

3つ目に、猫が好んで寝るのは日当たりが良い所です。日光浴をすると体温が上がり、猫はリラックスしながら眠れます。

猫は寒がりな動物であり、特に秋冬の寒い季節には暖かい日差しを求めて、窓際など日当たりの良い場所で過ごす場合が多く見られます。

日差しの中で丸くなって眠っている姿は、猫が快適さを感じている証拠です。しかし、夏場の直射日光が強い時間帯には注意しましょう。

猫は過度な暑さに弱いため、熱中症になるリスクがあります。そのため、日当たりの良い場所は遮光カーテンを使い、日差しを調整したり風通しを良くしたりしましょう。

また、猫が自分で日当たりの良い場所と涼しい場所を選べるように、複数の快適な場所を用意しておくことが理想的です。

静かな所

4つ目に、猫が好んで寝るのは静かな所です。猫は音に敏感な動物であり、静かな環境でリラックスして眠ることを好みます。

騒音や頻繁な音の変化があると猫は不安を感じやすくなり、深い眠りに入るのが難しいです。

特に、猫が寝ている時に突然大きな音がすると驚いて目を覚まし、ストレスを感じる原因となります。

静かな場所を提供するためには、猫が安心して過ごせる専用の寝床を用意し、人間の生活音や外部の騒音から遠ざけることが大切です。

例えば、リビングルームの隅や寝室の一角など、人の出入りが少なく、落ち着いた場所を用意しましょう。

また、テレビや家電の音が大きすぎないように配慮したり、外の騒音が気になる場合には窓を閉めて音を遮ったりするなどの工夫が必要です。

キャットタワーなど見晴らしの良い所

5つ目に、猫が好んで寝るのはキャットタワーなど見晴らしの良いところです。高い場所は周囲の状況を一望でき、猫はリラックスして眠れます。

特に、警戒心が強い猫や多頭飼いの場合、他の猫や人間の動きを監視できる高い場所が好まれる傾向が多いです。

キャットタワーは、猫が上下運動を楽しむだけでなく、休息を取るためのベッドとしても便利です。高い位置にある寝床は、周囲を見渡しながら安心して眠れます。

また、キャットタワーに爪とぎが備えられている場合は、猫が遊びながら休息の準備を整えることも可能です。

キャットタワーや棚の上など、猫が自分で登れる見晴らしの良い場所を複数用意しておくと、猫は好きな場所でリラックスして眠れるようになります。

ベッド型

6つ目に、猫が好んで寝るのはベッド型の寝床です。ベッド型の寝床は柔らかく、囲まれている形状が多いため、猫にとっては安心感があり、温かさを保ちやすい場所となります。

特に、猫は丸くなって眠る場合が多いので、体を包み込むような形状のベッドが理想的です。

ベッド型の寝床は、洗濯が可能なものを選ぶと清潔さを維持でき、猫にとって快適な環境を作りやすくなります。

また、季節ごとに素材を変えるなら、夏には通気性の良い素材、冬には保温性の高い素材を使い分けましょう。

ベッド型は、床の上やキャットタワーの上など、猫がリラックスできる場所に設置しておくと、猫が自然と寝床として選びやすくなります。

ドーム型

7つ目に、猫が好んで眠るのはドーム型の寝床です。ドーム型の寝床は、猫が外界から遮断されるので猫が安心できます。

ドーム型は、天井や側面があると周囲からの視線を遮り、猫が隠れ家のような感覚でリラックスして眠れるのです。

特に、警戒心が強い猫や臆病な性格の猫にとっては、ドーム型の寝床が適しています。ドーム型の寝床は、静かな場所に設置すると、猫がより落ち着いて休むことができます。

素材や形状にもよりますが、内部がふかふかのクッションで作られているものや、保温性の高い素材で作られたものは、寒い季節にもぴったりです。

ドームの中に入ると、猫は自分だけの空間にいるように感じ、安心してぐっすりと眠れます。

ハンモック型

8つ目に、猫が好んで寝るのはハンモック型の寝床です。吊り下げられた形状が特徴で、ふわふわとした揺れが猫の好奇心を刺激し、遊びの延長でそのまま眠ることができます。

また、ハンモック型の寝床は、キャットタワーや家具の間に設置ができ、限られたスペースでの有効活用が可能です。ハンモック型は特に若い猫や活発な猫に人気があります。

揺れる動きが心地よく、リラックスしやすいだけでなく、猫が自分で心地よいポジションを見つけやすいのが特徴です。

また、ハンモックは通気性が良いため、夏場でも涼しく過ごせて、猫が快適に眠る場所として非常に適しています。

ハンモック型の寝床を用意し、猫にとって楽しみながらリラックスできる特別な寝床を整えましょう。

爪研ぎができる所

9つ目に、猫が好んで寝るのは爪研ぎできる場所です。爪を研ぐ行為は猫にとってリラックスやストレス解消の一環であり、その後にくつろいで眠る場合がよくあります。

爪研ぎができる場所は、猫にとっての安心の象徴とも言えるため、寝床の近くに設置すると、猫が自然とその場所を好んで使いやすいです。

具体的には、爪研ぎ付きのキャットタワーや爪研ぎボードを寝床の近くに配置するのをおすすめします。

すぐに爪を研ぎ、気持ちを落ち着けた後、すぐに寝床で休息を取ることができるからです。

爪研ぎができる場所を用意しておくと、猫はストレスなく爪を研ぎ、自分の領域を感じながらリラックスした眠りに入れます。

快適な場所を何種類か用意しよう

猫は一つの場所にずっといることを好むわけではなく、その時の気分や季節、時間帯に応じて寝る場所を変える傾向があります。

そのため、猫が快適に過ごせる場所を複数用意することが大切です。

例えば、室内の温度や湿度に合わせて、涼しい場所や温かい場所、静かな隅や見晴らしの良い高い場所など、様々な選択肢を提供してあげましょう。

猫は自分の体調や環境に合わせて最適な場所を選ぶ能力があるため、いくつかの快適な寝床を用意すると、猫のストレスを減らしてリラックスした睡眠環境を提供できます。

また、ベッド型やドーム型、ハンモック型など異なるタイプの寝床を配置すると、猫はその日の気分に応じて好みの場所を選ぶことが可能です。

まとめ

今回は、生後7ヶ月の猫の睡眠時間について紹介しました。猫は夜行性ではなく薄明薄暮性であり、生後7ヶ月の猫は平均15〜20時間寝ます。

成猫は平均14時間寝る一方で、成長期の子猫は睡眠時間が平均18時間と長くなり、活動量が少ない老猫も睡眠時間が20時間以上と長いです。

猫を寝かせるには子猫のうちから生活音に慣れてもらい、欲求を満たしながら睡眠を促進しましょう。また、猫が好んで寝る場所を複数用意してあげることが大切です。

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