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- はじめに
- 生後8ヶ月の猫の特徴は
- 人間の年齢に換算すると12才
- 避妊・去勢手術をおこなっていない場合は、発情期の時期
- 歯がむず痒く噛み癖に悩む時期
- 爪とぎを教える時期
- オスの体重:4kg越えるくらいの大きさ
- メスの体重:約3〜3.5kg
- 個体差や種類によって成長の差が出る
- 必要なフードの量は
- 必要なカロリーは「80~100kcal×体重」
- フードパッケージ裏のカロリー表示にあてはめて必要なグラム数を計算する
- 朝晩2回にしてもOK
- 子猫用のフードから成猫用のフードに切り替え
- ペースト状のフードやウェットフードからドライフードに変更
- おやつなどの与えすぎにも注意
- 8ヶ月の猫の注意点
- 肥満が原因となる病気
- まとめ
はじめに
生後8ヶ月の猫は子猫と成猫の間の時期であり、適切な体重や栄養管理が難しいと思います。
しかし、生後8ヶ月の猫は今後あまり体重が増えないので、食事管理しないと病気を引き起こすリスクがあり危険です。
今回は、生後8ヶ月の猫の体重と必要なフードの量を紹介します。肥満が原因となる病気も紹介するので、適切な食事管理をできるようになりましょう。
生後8ヶ月の猫の特徴は
まず、生後8ヶ月の猫の特徴を紹介します。発情期など体の変化を大きく迎える時期ですので、詳しくみていきましょう。
人間の年齢に換算すると12才
生後8ヶ月の猫は、人間の年齢に換算すると約12歳とされます。生後8ヶ月の猫は、成長が著しい幼少期を過ぎ、精神的・身体的に成熟し始める時期です。
12歳の人間と同様に猫も自己主張が強くなり、好奇心旺盛な一方で、少しずつ自立心も育まれます。
遊び好きでエネルギーに溢れている反面、心の安定や安心できる居場所を求めることが増えるため、飼い主との信頼関係がより重要です。
また、生後8ヶ月の猫は、周囲の環境や他のペット、家族との関係に敏感であり、適切な環境が欠かせません。
12歳相当の年齢とはいえ、猫はまだ学習を続けており、新しい経験や刺激を通じて成長を続けるため、知的・感情的な刺激を与えることが大切です。
避妊・去勢手術をおこなっていない場合は、発情期の時期
生後8ヶ月の猫は、避妊・去勢手術を行っていない場合、発情期を迎える可能性が高いです。
特にメス猫の場合、生後8ヶ月に初めての発情が起こるケースが多く、発情期の行動にはいくつかの特徴があります。
まず、鳴き声が大きくなり、独特の鳴き声をする場合が多いです。また、猫が落ち着かず、外に出たがる行動が増えるケースもあり、オス猫に対する興味が高まります。
オス猫は、生後8ヶ月になると縄張りを意識し、マーキング行動を頻繁に行う場合も多いです。
発情期は通常数日から1週間程度続きますが、その間はストレスが増し、落ち着かない行動が見られる場合もあります。
発情を回避するためには、早期に避妊・去勢手術を行いましょう。
歯がむず痒く噛み癖に悩む時期
生後8ヶ月の猫は、乳歯から永久歯への生え替わりがほぼ完了する時期です。しかし、生後8ヶ月の猫はまだ歯がむず痒く、噛む行動が頻繁に見られる場合があります。
猫は噛むことで歯の不快感を和らげたりストレスを発散したりするため、家具やコード、さらには飼い主の手や足を噛んでしまうケースも珍しくありません。
噛み癖は、適切なトレーニングを行うと軽減できます。例えば、噛んで良いおもちゃやデンタルケア用の噛み道具を提供し、噛むべきものを教えることが重要です。
噛んではいけない物を噛んだ場合には、軽く「ダメ」と声をかけて制止し、正しい行動をした際には褒めて、猫に正しい行動を学ばせましょう。
爪とぎを教える時期
生後8ヶ月の猫は、爪とぎの習慣をしっかりと教える時期です。爪とぎは、猫にとって本能的な行動であり、爪の手入れやストレス解消、縄張りのマーキングの一環として行います。
しかし、飼い主にとっては家具や壁を傷つけられるのが悩みの種になるはずです。そこで、この時期に猫に適切な爪とぎ場所を教えましょう。
まずは、猫が好む素材や高さの爪とぎポールや板を用意してください。さまざまな種類があるため、猫の好みに合ったものを見つけることが大切です。
猫が爪とぎをする場所に誘導するために、おもちゃを近くで遊ばせ、自然とその場所で爪をとぐ習慣をつけましょう。
オスの体重:4kg越えるくらいの大きさ
生後8ヶ月のオス猫は、体重が4kgを超えることが一般的です。生後8ヶ月の猫は成長期のピークを迎えており、骨格や筋肉がしっかりと発達し始めます。
体重の増加は個体差があるものの、健康な成長をしているかどうかを判断する指標の一つとして重要です。
オス猫はメス猫に比べて体が大きく、筋肉質になる傾向があり、子猫らしさが抜けて成猫らしい体型へと変化していきます。
体重が4kgを超えると、飼い主としてはフードの量や栄養バランスに気を配ることが大切です。
また、猫が適度に運動できる環境を整えると、筋肉の発達を促して健康的な体重の維持が可能です。
ただし、体重が急激に増える場合や、肥満の兆候が見られる場合は、獣医師に相談しましょう。
メスの体重:約3〜3.5kg
生後8ヶ月のメス猫の体重は、一般的に3kgから3.5kg程度です。
オス猫に比べてやや小柄な体型であり、成長スピードも若干遅めですが、筋肉や骨格が発達し、徐々に成猫らしい姿へと変化していきます。
メス猫の体重管理は非常に重要であり、将来の健康にも大きな影響を与えるので適切な体重を維持することが大切です。
また、メス猫は避妊手術を行うとホルモンバランスが変わり、体重が増えやすくなることが知られています。
そのため、手術後は特に体重管理に気を配り、適切なフードを選び、運動の機会を増やしましょう。
個体差や種類によって成長の差が出る
生後8ヶ月の猫の成長には、個体差や種類による違いが大きく現れます。
例えば、メインクーンやノルウェージャンフォレストキャットなどの大型種は、まだ成長途中であり、体重も他の猫種に比べて重くなる傾向が強いです。
一方、アビシニアンやシャムなどのスリムな猫種は、同じ8ヶ月でも体重や体格が小さくなっています。
また、遺伝的要素や環境、食事、運動量などによっても成長速度が異なる場合が多いです。
飼い主は、猫が健康的に成長しているかどうかを判断するために、定期的な体重測定や、骨格や筋肉の発達状況をチェックしましょう。
成長の遅れや体重の増加が不安定な場合は、栄養バランスや生活環境を見直し、必要に応じて獣医師に相談することが推奨されます。
必要なフードの量は
次に、生後8ヶ月の猫に必要なフードの量を紹介します。自分が与えている量をチェックして、適正でない場合は食事管理を徹底しましょう。
必要なカロリーは「80~100kcal×体重」
猫の1日の必要カロリーは、基本的に「体重×80〜100kcal」とされています。例えば、体重4kgの猫であれば、1日に320〜400kcalが必要です。
必要なカロリーは猫の年齢や運動量、健康状態によっても変動します。
若い猫や活発な猫はより多くのカロリーが必要で、逆にシニア猫や運動量の少ない猫はカロリーを控えることが必要です。
適切なカロリー摂取を維持して、猫は健康的な体重を保ち、肥満や栄養不足を防ぎましょう。
肥満は猫にとって深刻な健康リスクであり、糖尿病や心臓病、関節の問題を引き起こす可能性があるため、日々のカロリー管理が重要です。
逆に、カロリー不足は筋肉の衰えや免疫力の低下を招くため、バランスの取れた食事を提供してください。
フードパッケージ裏のカロリー表示にあてはめて必要なグラム数を計算する
猫のフードを与える際には、フードパッケージ裏に記載されているカロリー表示を参考にし、1日に必要なフードのグラム数を計算することが大切です。
たとえば、フードのパッケージ裏に「100gあたり400kcal」と表示されている場合、体重4kgの猫であれば、1日あたり約80〜100gのフードが適量となります。
この方法を用いて、猫に過剰な量のフードを与えすぎず、また栄養不足にもならないよう調整しましょう。
ただし、フードの種類や成分によってもカロリー密度が異なるため、フードを変える際には改めてカロリー計算を行ってください。
朝晩2回にしてもOK
猫の食事回数は、一般的に1日に2回与えても大丈夫です。朝と晩の2回に分けてフードを提供すると、猫の消化器官に負担をかけず、また血糖値の変動も安定させられます。
特に室内飼いの猫は、自由に運動する機会が限られているため、過剰なカロリー摂取を避けるためにも、規則正しい食事のスケジュールを守ることが重要です。
食事を1日2回にすると、猫が一度に大量の食事摂取を防ぎ、消化器官への負担を軽減できます。
また、朝と晩に定期的な食事の時間があると、猫は生活リズムを整えられて、安定した体調管理にもつながりやすいです。
食事の時間を一定にすると、猫は次の食事時間を待つようになるため、過食やストレスの軽減にも役立ちます。
子猫用のフードから成猫用のフードに切り替え
猫が生後12ヶ月を迎える頃、成長がほぼ完了するため、子猫用のフードから成猫用のフードへ切り替えましょう。
子猫用のフードは成長期に必要な高カロリーと栄養素を含んでおり、成長をサポートできますが、成猫になった後に与え続けると、肥満につながるリスクがあります。
成猫用フードは、成長が一段落した猫に適した栄養バランスが取られており、カロリーや脂肪の含有量が適切です。
フードの切り替えは、急に行うのではなく、1〜2週間かけて少しずつ成猫用フードを増やしながら行うと、猫の消化器官にも負担がかかりにくくなります。
適切にフードを切り替えて成猫としての健康を維持し、肥満やその他の健康問題を防ぎましょう。
ペースト状のフードやウェットフードからドライフードに変更
また、猫が成長するにつれて、ペースト状のフードやウェットフードからドライフードへと切り替えましょう。
ウェットフードは水分が多く含まれているため、子猫や歯の問題を抱える猫には適していますが、成猫になるとドライフードに切り替えると、歯の健康を保つ効果があります。
ドライフードは咀嚼すると歯石がつきにくくなり、歯周病の予防にもつながりやすいです。
フードの切り替えは慎重に行う必要があり、いきなりドライフードにするのではなく、徐々にウェットフードと混ぜながら量を調整していきましょう。
猫によってはドライフードの硬さに慣れるまで時間がかかる場合もあるため、少しずつ進めて、猫がストレスなく新しい食事に適応できるようにしてください。
おやつなどの与えすぎにも注意
生後8ヶ月の猫におやつを与えるのは、コミュニケーションを深める素晴らしい方法ですが、与えすぎには注意が必要です。
おやつは栄養バランスが偏っている場合が多く、特に市販のおやつは塩分や糖分が高いものが多いため、過剰に与えると猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
おやつは1日に与えるカロリーの10%以下に抑えるのが大切です。また、おやつを頻繁に与えると、猫が主食を食べなくなったり偏食の原因になったりします。
猫が健康的な食事を維持できるよう、おやつの量や頻度を制限し、主食をしっかりと食べるのを優先しましょう。
8ヶ月の猫の注意点
次に、8ヶ月の猫の注意点を紹介します。生後8ヶ月の猫は成猫と子猫の間の状態ですが、体重の増加に注意が必要なので詳しくみていきましょう。
ここからあまり体重は増えない
生後8ヶ月の猫は、成長期の終盤に差し掛かっており、急激に増えてきた体重の増加が徐々に緩やかになる時期です。
生後8ヶ月の時期以降、猫の体重はあまり大きく変わらないため、今後の体重管理が特に重要となります。
生後8ヶ月頃までの子猫は急速に成長し、骨や筋肉が発達しますが、成長のピークを過ぎると、必要なカロリー量も徐々に減少します。
そのため、飼い主はこのタイミングで食事内容や量の見直しを行い、成猫としての健康的な体重を維持するための管理が重要です。
体重が増えすぎないように注意し、適切な食事を与えて運動を促進しましょう。
肥満に注意
8ヶ月の猫は成長のペースが緩やかになる一方で、食欲が旺盛なままである場合も多いです。そのため、肥満のリスクが高まる時期でもあります。
特に室内飼いの猫は運動量が限られているため、過剰な食事やおやつの与えすぎによって、カロリーオーバーになりがちです。
肥満は猫の健康に大きな影響を与え、糖尿病や関節の問題、心臓疾患などのリスクを高める要因となります。
肥満を予防するためには、適切な食事量の管理が不可欠です。フードのカロリーを確認し、体重に応じた適切な量を与えましょう。
また、運動も重要で、猫が日常的に十分な運動をできる環境を整えることが大切です。おもちゃを使った遊びやキャットタワーなどを利用して猫が体を動かす機会を増やしましょう。
数か月の間に15%近く体重が増えてしまった場合は病院へ行った方が良いかも?
8ヶ月以降の猫が短期間で急激に体重が増える場合、何らかの健康問題が隠れている可能性があります。
特に、数か月の間に15%近く体重が増加した場合は、肥満だけでなく、内臓疾患や代謝の問題など、病気の兆候である場合も多いです。
例えば、ホルモンバランスの異常や甲状腺の問題が原因で、猫の体重が急増する場合があります。急激に体重が増加する場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
急激な体重増加を見逃すと、病気が進行してしまう可能性があるため、飼い主は日常的に猫の体重をチェックし、異常があれば迅速に対応してください。
また、体重増加に加えて、食欲の変化や運動量の減少、毛並みの変化など、他の体調の変化にも注目することが大切です。
肥満が原因となる病気
次に、肥満が原因となる病気を紹介します。
- 糖尿病
- 肝リピドーシス
- 呼吸器疾患
- 皮膚炎
- 膀胱炎、尿結石
それぞれ詳しく紹介するので、肥満のリスクを理解して、日頃から健康管理を徹底しましょう。
糖尿病
まず、肥満が原因となる病気は糖尿病です。体脂肪が過剰になると、インスリンというホルモンの働きが鈍くなり、血糖値をうまく調整できなくなります。
そして、血糖値が常に高い状態が続き、糖尿病に陥りやすくなるのです。糖尿病は猫の全身に影響を与え、体力低下や食欲不振、頻繁な排尿といった症状を引き起こします。
早期に発見されれば、インスリン注射や食事療法で管理が可能ですが、放置すると深刻な合併症を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
予防するには日常的に猫の食事内容を見直し、適度な運動を促すことで、糖尿病のリスクを低減しましょう。
肝リピドーシス
次に、肥満により引き起こる可能性がある病気は肝リピドーシスです。
肥満の猫が急激に体重を減らしたり、食欲を失ったりする場合、体内の脂肪が肝臓に蓄積されやすくなり、肝臓の機能が低下します。
そして、肝臓が正常に働かなくなり、食欲不振や嘔吐、黄疸などの症状が現れるのです。
肝リピドーシスは早期に治療しなければ命に関わる病気であり、治療には長期にわたる栄養管理や薬物療法が必要になります。
肥満の猫は肝リピドーシスにかかるリスクが高いため、過度な体重の増加や急激な体重減少に気をつけましょう。
呼吸器疾患
3つ目に、肥満が原因となる病気は呼吸器疾患です。体脂肪が過剰に蓄積されると、胸腔内のスペースが狭まり、肺が十分に膨らむことができなくなります。
その結果、息切れや呼吸困難、さらには慢性的な咳などの症状が現れるのです。特に運動後や暑い環境下では、猫の呼吸が急に速くなったり、苦しそうに見えたりします。
肥満による呼吸器疾患は、猫の生活の質を大幅に低下させ、酸素不足が全身に悪影響を及ぼす恐れもあるので注意が必要です。
肥満の猫は、無理なく運動させ体重を減らすための食事管理を徹底しましょう。
また、飼い主は、猫の呼吸の様子を日常的に観察し、異常が見られた場合は早急に獣医師に相談してください。
皮膚病
4つ目に、肥満が原因となる病気は皮膚病です。体重が増加すると皮膚に余分な負担がかかり、摩擦や引っ張りによって皮膚が傷つきやすくなります。
また、肥満によって運動不足になりやすいため、猫自身でのグルーミングが難しくなり、毛づやが悪くなったり、皮膚の汚れから皮膚炎が起こりやすくなったりするのです。
さらに、皮膚がかぶれ、感染症にかかるリスクが高まる場合もあります。他にも、皮膚のたるみやしわが多くなると、皮膚の通気性が悪化し、蒸れやすくなります。
その結果、皮膚に湿疹ができたり、真菌や細菌の感染症が発生したりする場合もあります。
肥満猫の皮膚病を予防するためには、適度な体重管理と清潔な環境の維持、そして定期的にグルーミングを行いましょう。
膀胱炎、尿結石
最後に、肥満により引き起こる可能性がある病気は膀胱炎や尿路結石です。肥満の猫は運動量が減少し、トイレの頻度が少なくなる場合があります。
そして、尿が膀胱内に長く滞在して細菌が繁殖しやすくなるため、膀胱炎が起こるのです。
さらに、食事内容や水分摂取が不十分だと、尿結石が形成されやすくなり、尿路に詰まる場合があります。
尿結石は非常に痛みを伴う病気で、症状は猫が頻繁にトイレに行く、尿が出ない、血尿などです。
膀胱炎や尿結石が重症化すると、猫の泌尿器が詰まり、命に関わる状態になる場合もあります。
肥満猫では、適切な食事と十分な水分補給、そして適度な運動を促して泌尿器の健康を守ることが大切です。
まとめ
今回は、生後8ヶ月の猫の特徴について紹介しました。生後8ヶ月の猫は人間の年齢に換算すると12歳程度であり、ほとんど成猫と変わらない時期です。
体が成熟に近づくため、発情期を迎えて、歯が完全に生え変わる時期でもあります。
飼い主は、猫が肥満にならないように食事管理を徹底し、子猫用のフードから成猫用のフードに切り替えましょう。
また、おやつの与えすぎにも注意し、猫の健康をサポートしてください。