健康

【獣医師監修】8歳の猫は寝てばかりいても大丈夫?老化か体調不良か見極め方や飼い主にできることを紹介

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はじめに

愛猫が寝てばかりいて心配になる方は多いと思います。

8歳の猫は老化や体調不良で寝てばかりいるケースが考えられますが、猫が過ごしやすい環境を用意するには、飼い主のサポートが欠かせません。

今回は、8歳の猫が寝てばかりいる理由を詳しく紹介します。

老化か体調不良かの見極め方や飼い主にできることを紹介するので、愛猫の状態を定期的にチェックして健康を維持しましょう。

8歳の猫が寝てばかりいる理由とは?

まず、8歳の猫が寝てばかりいる理由を紹介します。

  • 老化による活動量の低下
  • 認知症の可能性
  • 関節痛
  • 体調不良・病気の可能性

それぞれ詳しく紹介するので、愛猫が寝てばかりいる原因に当てはまるものがないかチェックしましょう。

老化による活動量の低下

まず、8歳の猫が寝てばかりいる理由は老化による活動量の低下です。若い頃と比べて運動量も自然と減少するため、寝ている時間が自然に増えます。

また、老化によって筋力や持久力が落ち、猫はエネルギーを節約するために寝てばかり過ごすようになるのです。

また、代謝の低下も影響します。年齢を重ねると代謝機能が落ち、エネルギーを効率的に使いにくくなるため、疲れやすくなるのです。

その結果、短い活動時間と長い休息時間のリズムが猫の生活の中心となります。さらに、老化に伴い、感覚機能も鈍化し、刺激に対する反応が鈍くなりやすいです。

視力や聴力が衰えると、猫自身が周囲の環境に対して興味を持ちにくくなり、動くこと自体が少なくなります。

認知症の可能性

次に、8歳の猫が寝てばかりいる理由は認知症の可能性です。猫も年齢を重ねると認知機能が低下し、認知症の症状を示す場合があります。

猫は認知症になると日中に眠りがちになり、夜間に覚醒するなど、睡眠パターンが乱れやすいです。

認知症の猫は自分の居場所や目的を見失い、何をしているのか分からない状態になり、活動の減少が顕著に現れます。

認知症の初期症状は、徘徊や鳴き続ける、食事やトイレの場所を忘れるなどの行動です。

そして、猫は環境に対する関心を失い、活動的な行動が減るため、1日のほとんどを寝て過ごすようになります。

認知症は進行性の病気のため、早期に気づいて適切な対応を取りましょう。

関節痛

3つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる理由は関節痛です。猫も年を取ると、関節の軟骨がすり減り、関節炎や関節痛を引き起こす場合があります。

そして、動くことで痛みを伴うようになり、猫は自らの身体を保護するために活動量を減らし、安静に過ごす時間が増えるのです。

関節痛を抱える猫は、ジャンプを避ける、階段を上り下りしない、動作が鈍くなるなどの行動が見られます。

また、痛みのある部分を舐め続ける、触れられるのを嫌がるといった兆候も観察されやすいです。

猫は本能的に痛みを隠す生き物であるため、症状が進行するまで明確な異常が見られない場合もあります。

しかし、痛みが強くなると、起き上がるのが億劫になり、寝ている時間が大幅に増えやすいです。

体調不良・病気の可能性

4つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる理由は、体調不良や病気の可能性です。猫は体調が悪いと本能的に安静を保ち、回復を図ろうとします。

そのため、寝る時間が長くなる場合がありますが、何らかの病気が原因である場合、早急な対応が必要です。

一般的に考えられる病気としては、腎臓病や糖尿病、心臓病、消化器系のトラブルなどが挙げられます。

腎臓病はシニア猫に多く、尿の回数が減少する、体重が減る、食欲不振になるといった症状が現れやすいです。

糖尿病では、異常な眠気に加え、過度な飲水や頻尿が見られる場合があり、猫の活動量を減少させる原因になります。

また、隠れた感染症や炎症、慢性的な痛みを伴う病気なども、猫が長時間寝ている原因となりがちです。

体調不良で寝てばかりいる場合の見極め方

次に、体調不良で寝てばかりいる場合の見極め方を8つ紹介します。それぞれ詳しく紹介するので、愛猫が体調不良かどうか判断できるようになりましょう。

食欲を確認

まず、8歳の猫が寝てばかりいる場合、食欲を確認しましょう。食欲の減退や食事を取らないことは、体調不良の典型的なサインです。

猫は健康な状態であれば、1日に必要なカロリーを摂取するために決まった量を食べますが、病気になると食事量が減る場合があります。

例えば、腎臓病や消化器系の問題がある場合、食欲が急激に減退する場合が多いです。また、歯や口腔内の問題が原因で食事を取るのが難しくなる場合もあります。

食事の量や頻度が明らかに減った場合や、以前は好んで食べていたものを食べなくなるなどの変化が見られた場合は、体調不良を疑いましょう。

また、食事をしても吐いてしまう場合や、水しか飲まない場合も注意が必要です。

排泄物を確認

次に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、排泄物を確認しましょう。8歳を超えたシニア猫の場合、尿や便の状態は健康状態を反映する重要な指標です。

正常な排泄物であれば、尿は薄い黄色から透明、便はしっかりとした形で、適度な硬さを持っていますが、体調不良だと異常が現れる場合があります。

例えば、腎臓病が進行している場合、猫の尿量が増えたり、逆に減少したりしやすいです。また、尿に強い臭いや血が混じる場合も、泌尿器系の問題が考えられます。

便に関しては下痢や便秘が続く場合、消化器系の異常やストレスが原因であるケースが多いです。

さらに、猫砂のトイレを頻繁に出入りしても排泄をしない場合、膀胱炎や尿路結石の可能性を疑いましょう。

体重を確認

3つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、体重の変化を確認しましょう。

猫の体重は健康状態を反映する指標であり、急激な体重減少や増加は、何らかの異常が起きている可能性があります。

体重減少は、腎臓病や消化器疾患、がんなどの深刻な病気が原因である場合が多く、エネルギー不足や栄養の吸収不良が主な原因です。

一方で、糖尿病やホルモン異常などで体重が急に増えるケースもあります。猫は毛がふさふさしているため、見た目だけでは体重の変化に気づきにくいことが多いです。

そのため、定期的に体重を測定し、記録を取っておきましょう。

起きている時の様子を確認

4つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、起きている時の様子を確認しましょう。

起きている時に元気がなく動きが鈍い、あるいは遊びやおもちゃに興味を持たない場合は、何らかの異常が隠れている可能性があります。

通常、健康な猫は起きている時間に食事をしたりトイレに行ったり遊んだりしますが、体調不良の猫は活動を行わず、ただぼんやりとしている場合が多いです。

また、動き出す際に痛みを感じているかどうか、ぎこちない動作をしていないかも確認しましょう。

関節痛や筋肉の問題がある場合、猫は動きを避けるようになり、極力安静にしている場合が多くなります。

さらに、視線や表情がいつもと違う、目に活気がないと感じる場合も体調不良の兆候です。

寝ているときの呼吸が浅くないか確認

5つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、呼吸が浅くないか確認しましょう。正常な呼吸であれば、猫はリラックスしてゆったりと呼吸をし、呼吸のリズムも安定しています。

しかし、体調が悪い場合や病気が進行している場合、呼吸が浅くなったり、速くなったりするのです。

特に呼吸が速い場合は、呼吸器系のトラブルや心臓に負担がかかっている可能性が考えられます。

浅い呼吸は、痛みやストレスを抱えている場合にも見られるため、特に注意が必要です。

また、息をする際に音がする、胸やお腹が大きく動くような呼吸は、呼吸困難を示している可能性もあるため、速やかに獣医師に相談しましょう。

猫は自分の体調を隠す傾向があるため、些細な呼吸の変化にも敏感になることが大切です。

寝床で何度も寝方を変えていないか

6つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、寝床で何度も寝方を変えていないか確認しましょう。

猫が寝床で何度も寝方を変えている場合、体のどこかに不快感や痛みがある可能性があります。

特に8歳のシニア猫は、関節痛や筋肉のこわばりなど加齢に伴う問題を抱えやすく、寝ている際の姿勢にも影響しやすいです。

頻繁に寝返りを打つ、落ち着かない様子で何度もポジションを変えるような行動が見られたら、体のどこかに痛みや違和感があるかもしれません。

また、寝具や寝床が猫にとって快適でない場合も、同じ行動が見られる場合があります。

1日中起きてこないのは異常

7つ目に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、1日中起きてこないか確認しましょう。猫は通常一日の大半を寝て過ごしますが、完全に1日中起きてこないのは異常です。

猫は基本的に活動的な時間帯があり、食事やトイレ、遊びなどで数時間は起きて行動します。

しかし、1日中まったく起きない、食事もトイレもしない場合、明らかに体調不良や病気の兆候です。

極度の疲労感や、何らかの深刻な痛み、あるいは病気が原因で起き上がることができない状態かもしれません。

特に高齢猫の場合、腎臓病や心臓病などが進行すると、エネルギーの消耗が激しくなり、起き上がる力を失う場合があります。

呼んで反応があるか

最後に、8歳の猫が寝てばかりいる場合、呼んで反応があるかチェックしましょう。

通常、猫は飼い主の声に反応し、耳を動かしたり目を開けたり、時には起き上がって近寄ってきたりする場合があります。

しかし、体調が悪い場合、呼びかけに対してほとんど反応がなく、動かない場合が多いです。

反応がない場合、極度の疲労や痛み、あるいは病気によって意識がもうろうとしている可能性があります。

猫は痛みや体調不良を隠そうとする動物ですが、呼びかけに反応がない場合は、何か重大な問題があるサインと捉えるべきです。

寝てばかりの猫のために飼い主ができること

次に、寝てばかりの猫のために飼い主ができることを紹介します。音や温度、清潔さなど環境が影響しているので、日頃から実践して愛猫をサポートしましょう。

温度に配慮

まず、猫が寝てばかりいる場合、飼い主は室内の温度に配慮しましょう。猫は気温の変化に敏感な動物であり、特にシニア猫になると体温調節機能が低下する場合があります。

快適な温度環境を整えるのは、猫の健康と快適さを維持するために非常に重要です。一般的に、猫にとって理想的な室温は20〜28度程度とされています。

冷房や暖房を適切に調整するのはもちろん、寒いときに暖まる場所や暑いときに涼める場所を作ることが大切です。

冬場は毛布やクッション、夏場は涼しいタイルや通気性の良いベッドを提供してあげると、猫が快適に過ごせる環境を作れます。

また、直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所を避けるように気をつけると良いでしょう。

うるさくないか

次に、猫が寝てばかりいる場合、静かな環境を整えましょう。

特にシニア猫は、若い頃に比べて音に対する敏感さが増して騒音がストレスの原因となり、体調に悪影響を及ぼす場合があります。

寝てばかりいる猫が落ち着いて眠れるように、周囲の音量や環境音に気を配ることが大切です。

例えば、テレビやラジオの音量が大きすぎたり、家族や他のペットが大きな音を立てたりすると、猫が眠れない原因になる場合があります。

また、外からの騒音も猫にストレスを与える場合があるため、窓を閉めて外の音を遮断する、あるいは静かな部屋に寝床を設置するなどの工夫が必要です。

猫が安心して休めるような静かな環境を作ると、猫の健康や精神状態をサポートできます。

トイレが遠くないか

3つ目に、猫が寝てばかりいる場合、トイレを近くの場所に設置しましょう。シニア猫になると、体力が衰えてトイレまでの移動が困難になる場合があります。

そのため、トイレの場所が猫にとって無理なくアクセスできる場所にあるかを確認することが重要です。

猫がトイレまで歩くのに苦労しているように見える場合は、寝床の近くにもう一つトイレを設置しましょう。

また、階段が多い家の場合、階段を避けて簡単にアクセスできる場所にトイレを置くのを検討してください。

排泄物などで不潔になっていないか、ベッドを確認

4つ目に、猫が寝てばかりいる場合、排泄などで不潔になっていないかベッドを確認しましょう。

特にシニア猫の場合、トイレまでの移動が億劫になるため、排泄物が寝床付近に残ることがあるかもしれません。

そういった場合、寝床が不潔になると皮膚の炎症や感染症を引き起こす可能性があります。そのため、定期的に寝床を確認して清潔に保つのは猫の健康を維持するために重要です。

毛が抜けたり、汚れや排泄物が付着していたりする場合は、すぐに取り除いて、クッションや毛布を洗濯しましょう。

また、防水性のあるカバーや簡単に洗える素材のベッドを使用すると、清潔さを保つために便利です。

猫が快適に過ごせる清潔な寝床を維持して、猫の健康や快適さを守りましょう。

フードをシニア用に切り替える

5つ目に、猫が寝てばかりいる場合、シニア用のフードに切り替えましょう。

シニア猫の体は若い頃に比べて消化機能や代謝が低下しているため、カロリーや栄養バランスが最適化されたフードが必要です。

シニア用フードは、低カロリーでありながらも、タンパク質やビタミン、ミネラルがバランス良く配合されており、体重管理や健康維持に役立ちます。

また、シニア猫は腎臓や心臓に負担をかけないよう、ナトリウムやリンの含有量が調整されたフードを選ぶことが重要です。

腎臓病や心臓病のリスクが高くなるため、配慮した食事を提供すると病気の進行を予防できます。

シニア用フードに切り替えて猫の健康をサポートし、寝てばかりの状態を改善しましょう。

グルーミングを手伝う

6つ目に、猫が寝てばかりいる場合、グルーミングを手伝いましょう。シニア猫は、体力や柔軟性が低下するため、自分でグルーミングを行うのが難しくなります。

特に寝てばかりいる猫は毛づくろいを怠りがちで、毛が絡まったり皮膚が汚れたりしやすいです。

飼い主はブラッシングやコーミングを定期的に行って毛のもつれや抜け毛を防ぎ、皮膚の健康を保ちましょう。

また、マッサージを加えて血行を促進し、筋肉のこわばりを解消する効果も期待できます。特に長毛種の猫は毛が絡まりやすいため、しっかりと手入れをしてあげましょう。

飼い主の手助けにより、猫が快適に過ごせるようになり、体調不良の予防にも繋がります。

運動不足にならないように心掛ける

7つ目に、猫が寝てばかりいる場合、運動不足にならないように注意しましょう。シニア猫は筋力が衰えやすく体力も低下するため、適度な運動を取り入れると健康を維持できます。

運動不足が続くと、肥満や関節の問題が悪化する恐れがあり、さらなる活動量の低下を引き起こしやすいです。

飼い主は猫が興味を持つような遊びを取り入れ、少しでも体を動かす機会を増やすようにしましょう。

例えば、猫じゃらしやボール遊びなど、軽い運動を促すおもちゃを使うと、猫が無理なく運動できるように工夫できます。

また、キャットタワーや段差の少ないステップなど、運動をサポートするアイテムを用意するのも効果的です。

引越しや模様替えを控える

8つ目に、猫が寝てばかりいる場合は引越しや模様替えを控えましょう。猫は環境の変化に敏感な動物であり、シニア猫は影響を強く受ける場合があります。

寝てばかりいる猫にとって、引越しや模様替えは大きなストレスとなり、体調を悪化させる原因になりかねません。

新しい環境や家具の配置に適応するのが難しくなるため、できるだけ大きな変化を避けることが推奨されます。

もし引越しや模様替えが避けられない場合は、猫がリラックスできる場所を確保し、少しずつ慣れさせましょう。

猫の寝床やお気に入りの場所をできるだけ変えずに維持し、新しい環境でも安心して過ごせるように配慮してください。

新入り猫を迎え入れない(相性がよければよい効果がある)

最後に、猫が寝てばかりいる場合、新しい猫を迎え入れるのは避けましょう。相性が悪い場合、ストレスが増して体調不良を悪化させる可能性があります。

シニア猫は、新しい仲間に対して警戒心が強く、ストレスを感じやすいため、新入り猫を迎える際には慎重に判断することが必要です。

一方で、相性が良い場合には新しい猫が良い刺激となり、遊びや活動が増える場合もあります。

新入り猫を迎え入れる前には、双方の猫の性格や健康状態をよく観察し、無理のない範囲で少しずつ慣れさせることが大切です。

まとめ

今回は、8歳の猫が寝てばかりいる理由について紹介しました。8歳の猫はシニア猫であり、運動能力の低下や認知機能の低下などさまざまな要因で寝てばかりになります。

飼い主は、食欲や排泄物、体重、起きている時や寝ている時の様子をチェックして、体調不良が原因かチェックしましょう。

また、寝てばかりの猫には温度や音、トイレや食事など環境を見直すことが大切です。猫が寝てばかりの原因を特定して、猫が過ごしやすいようにサポートしてあげましょう。

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